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三章
待ちに待った
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長期休みに入ったけど、その日に旅行に行くわけじゃない。だから、毎日のように予定日までの日数を数えていたら、家族を含めたみんなに笑われてしまった。
旅行当日。
父様達に見送られながら、待ち合わせ場所のバルドの屋敷に母様と一緒にやって来ると、約束の時間まではまだあるのに、バルド達とコンラッドが屋敷の前で、すでに立って待っていた。そこ後ろに見える2台の馬車には、少しだけどすでに荷物も積まれていた。
「やっと来たな!」
「他の人は?」
バルド達やそのお兄さん達の姿はあるけれど、ネアやラザリア様達の姿は見えない。
「ネアはまだ来てないけど、母さんは屋敷の中にいるぞ。それと、父さんは城まで迎えに行って来るって行ったきりまだ帰って来てない」
「だから、俺達は何時でも出発出来るように、此処で待機中だ!」
僕の問い掛けに、嬉々とした表情でバルドとクリスさんが堂々と胸を張りながら答えた。
「私も、屋敷の中で待っていたいです…」
朝早くに叩き起こされでもしたのか、コンラットは何処か眠そうな顔をしていた。
「リュカ。私は、ラザリア様にご挨拶して来るから、少し席を外すさせて貰うわね」
「うん!分かった!」
「すみませんが、少しの間宜しくお願いします」
「分かりました」
お兄さんに一言声を掛けると、母様は屋敷の中へと入って行った。
「はぁ…。速く出発したいんだけどな…」
「みんな、のんびりしてるよな」
「……貴方達が、速すぎるんですよ」
母様の姿が屋敷の中に入って見えなくなると、バルド達が不満そうな声で呟いた。でも、コンラットはそんな2人に怨みがましい目線を送っていた。
「こちらでも注意はしていたのだが、朝速くから弟達に付き合わせてしまったようで、すまない…」
「い、いえ、そんなつもりで言ったわけではないので!」
お兄さんが謝罪の言葉を言うと、コンラットは少し慌てたように首を横に振る。
「でも、母さんもそれくらいから起きて準備してたし、別に普通だろ?」
「普通なわけないでしょ!日が出る前の4時ですよ!」
「今日が楽しみ過ぎて、夜なかなか寝むれなかったから、兄貴とほとんど起きてたんだよな」
「布団に入っててても落ち着かなかったしな」
「起きててもいいので、私を巻き込まないで下さい…」
「本当にすまない…。後ほど、こちらの方でも弟達には注意しておく…」
いっさい悪びれる様子もない2人の後ろで、お兄さんは困ったような表情を浮かべながら、また謝罪の言葉を口にしていた。
「お話中失礼します。余裕を持って家を出たつもりだったのですが、皆様をお待たせしたようで申し訳ありません」
みんなと話しているうちにネアが来ていたようで、畏まった態度で僕達に声を掛けてきた。
「いや、時間までにはまだ余裕がある。こちらが速く出過ぎたせいで、そちらに無駄に気を使わせてしまったようですまない。君と顔を合わせるのは、前に屋敷に来ていた時以来だな。あの時は、名も証さずに失礼してしまいすまなかった。あらためて名乗らせて貰うが、私の名前はブライドだ。君の名前を教えて貰えるだろうか?」
「ネアと言います。この度は、ご家族で出掛ける旅行に、私も招待して頂きありがとうございます」
「君の事は、母から聞いた事があるよ。商会を営んでいて、礼儀正しい子だそうだね」
「ありがとうございます。是非、そちらもご贔屓にしていただけると嬉しいです」
お兄さんとの会話でも、普段の様子をとは違って礼儀正しく振る舞っていた。でも、普段の様子を知っている僕達は、違和感しか感じない。
「すみませんが、荷物はどちらに積めば良いでしょうか?」
片手で持てる中くらいカバンを手に、ネアは止めてある馬車へと視線を向けた。
「ちょっと待ってくれ。君、彼の荷物を宜しく頼む」
お兄さんが従者へと声を掛けると、ネアの所までやって来て、ネアの持っていた荷物を受け取ると馬車の方へと運んで行った。
「失礼ですが、この人数とその荷物を運ぶには、2台だけでは足りないように感じますが?」
自分の荷物を目で追いながら、馬車へと視線を向けて言った。
僕も最初見た時に、僕達の荷物乗るかな?とは疑問に思っていた。荷台に積まれている荷物は一人分あるかな?程度だけど、僕達の荷物を乗せたら、他の人の分の荷物を乗せるにはとても足りそうにない。
「私達の荷物は先に送っているから心配ない。それに、今は父上が城に行くのに使っていてないが、3台の馬車に別れて乗る予定だから、手狭になる事もないだろう」
「そんな事より、もうすぐ時間なのに遅い!」
「もう、母さん達何してんだよ!」
「お前達は少し落ち着け。その調子だと、体力が持たないぞ」
じれったそうに何度も屋敷の方へと視線を向けていたバルド達が、痺れをきたしたように声を上げた。
僕も、旅行に行く時は待たされる事が多くて、父様に窘められた事があっていた。だから、その時に父様に言わていた事の一つを思い出した。
「父様が、女性の身支度には時間が掛かるから、それを理解して待っているのが男の仕事だって言ってたよ」
「そうなのか…?」
「うん。何でも、下手に何か言うと、その後の移動時間や旅行が苦行になったりするからって言ってた」
「普段の様子からでは、とてもではないが想像出来ないな…」
お兄さんが、少し信じられないような顔を浮かべながら言った。
「父様って、城はどんな感じなんですか?」
城での父様の様子を、人から聞く事なんて滅多にないから、お兄さんにちょっと聞いてみた。
「そうだな。アルノルド様は、全体を見渡す広い視野を持っていて、常に数手先を読んで行動する方だ。それに、自身の仕事をきっちりとこなしながらも、ユーモラスを忘れる事もない。私は、真面目過ぎると周りから言われる事もあるため、見習いたいとも思っている」
僕が聞きたかった事とはちょっと違ったけれど、父様が褒められているのはやっぱり嬉しい。
「今着ている服も、同僚から旅行中くらい少し気を抜けと言われて渡された物なのだが、着慣れないせいかどうにも落ち着かない…」
お兄さんの服を最初見た時、意外とラフな服装だなとは思ってはいたけど、それは普段着だからだと思っていた。だけど、違ったみたいだ。
「やはり、私には似合わないか?」
僕が服をじっと見ていたからか、何処か困ったような笑いを浮かべながら言った。
「そんな事ないって!ちゃんと兄貴にも似合ってるって!なぁ!?」
「うん!俺も、似合ってると思う!」
2人は、お兄さんの言葉を否定するように力強く言った
「褒めて貰うのは嬉しいのだが、母さんがこちらに来そうだから、クリスはそろそろ言葉使いに気を付けた方が良い」
「!!?」
クリスさんが驚たように屋敷の方へと視線を向ける。僕等も視線を向けてみると、ちょうど母様と一緒に屋敷から出てくる所だった。僕等が向けるその視線で何かに気付いたのか、ラザリアの眉に少しシワがよる。
「相手の方を見るなら、視線は悟らせないようにした方が良い」
「き、気を付ける…」
聞こえないように小声で注意する間も、お兄さんはそっちに視線を向ける素振りもなかった。それに、屋敷の中にいるうちから気付いていたから、気配だけで母様が来た事に気付いていたみたいだ。
「気配だけって凄いね」
「なぁ…力の使い所、間違ってないか…?」
僕達の荷物の積み直しを指示すると、ラザリア様は母様と一緒にこちらへとやって来た。
「さっきまで、皆で何の話しをしていたのかは少し気になりますけど、とりあえず、ベル達はまだ戻って来ていないの?」
「はい。まだ城からお戻りになって来ておりません」
「そう。でも、そろそろ時間だからもうすぐ戻って来るでしょう。だけど、ブライド。旅行中くらい、その他人行儀な話し方は止められないの?」
「すみません…どうにも、職務中の気が抜けないようで…」
気不味そうな顔をして謝っていたけど、バルド達に向ける言葉は優しい気がする。だけど、さっきから謝ってばかりいるから、普段とは違って何となく頼りない感じに見えた。
「兄さんは屋敷にいても、父さんの事をたまに団長って呼ぶもんな」
「真面目過ぎるんだよなアニ…いさんは」
ラザリア様の視線を受けて、クリスさんはさり気なく?お兄さん呼びに言い直していた。
「貴方達には、もう少し真面目になって欲しいわ」
「「……はい」」
流れ弾を受けて、2人は見事に撃沈していた。
「エレナ。もし、うちの子達が悪さしてるのを見かけたら、遠慮なく叱り飛ばしてくれていいわ」
「ふふっ、分かりました。でも、旅行は賑やかな方が楽しいですよ」
「ただ煩いだけよ。ベルの事ばっかり真似して、みんな剣術しかしないんだから」
「「「……」」」
3人共、黙ったままそろって視線を逸らす姿は、兄弟だなぁと思った。
旅行当日。
父様達に見送られながら、待ち合わせ場所のバルドの屋敷に母様と一緒にやって来ると、約束の時間まではまだあるのに、バルド達とコンラッドが屋敷の前で、すでに立って待っていた。そこ後ろに見える2台の馬車には、少しだけどすでに荷物も積まれていた。
「やっと来たな!」
「他の人は?」
バルド達やそのお兄さん達の姿はあるけれど、ネアやラザリア様達の姿は見えない。
「ネアはまだ来てないけど、母さんは屋敷の中にいるぞ。それと、父さんは城まで迎えに行って来るって行ったきりまだ帰って来てない」
「だから、俺達は何時でも出発出来るように、此処で待機中だ!」
僕の問い掛けに、嬉々とした表情でバルドとクリスさんが堂々と胸を張りながら答えた。
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「リュカ。私は、ラザリア様にご挨拶して来るから、少し席を外すさせて貰うわね」
「うん!分かった!」
「すみませんが、少しの間宜しくお願いします」
「分かりました」
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「はぁ…。速く出発したいんだけどな…」
「みんな、のんびりしてるよな」
「……貴方達が、速すぎるんですよ」
母様の姿が屋敷の中に入って見えなくなると、バルド達が不満そうな声で呟いた。でも、コンラットはそんな2人に怨みがましい目線を送っていた。
「こちらでも注意はしていたのだが、朝速くから弟達に付き合わせてしまったようで、すまない…」
「い、いえ、そんなつもりで言ったわけではないので!」
お兄さんが謝罪の言葉を言うと、コンラットは少し慌てたように首を横に振る。
「でも、母さんもそれくらいから起きて準備してたし、別に普通だろ?」
「普通なわけないでしょ!日が出る前の4時ですよ!」
「今日が楽しみ過ぎて、夜なかなか寝むれなかったから、兄貴とほとんど起きてたんだよな」
「布団に入っててても落ち着かなかったしな」
「起きててもいいので、私を巻き込まないで下さい…」
「本当にすまない…。後ほど、こちらの方でも弟達には注意しておく…」
いっさい悪びれる様子もない2人の後ろで、お兄さんは困ったような表情を浮かべながら、また謝罪の言葉を口にしていた。
「お話中失礼します。余裕を持って家を出たつもりだったのですが、皆様をお待たせしたようで申し訳ありません」
みんなと話しているうちにネアが来ていたようで、畏まった態度で僕達に声を掛けてきた。
「いや、時間までにはまだ余裕がある。こちらが速く出過ぎたせいで、そちらに無駄に気を使わせてしまったようですまない。君と顔を合わせるのは、前に屋敷に来ていた時以来だな。あの時は、名も証さずに失礼してしまいすまなかった。あらためて名乗らせて貰うが、私の名前はブライドだ。君の名前を教えて貰えるだろうか?」
「ネアと言います。この度は、ご家族で出掛ける旅行に、私も招待して頂きありがとうございます」
「君の事は、母から聞いた事があるよ。商会を営んでいて、礼儀正しい子だそうだね」
「ありがとうございます。是非、そちらもご贔屓にしていただけると嬉しいです」
お兄さんとの会話でも、普段の様子をとは違って礼儀正しく振る舞っていた。でも、普段の様子を知っている僕達は、違和感しか感じない。
「すみませんが、荷物はどちらに積めば良いでしょうか?」
片手で持てる中くらいカバンを手に、ネアは止めてある馬車へと視線を向けた。
「ちょっと待ってくれ。君、彼の荷物を宜しく頼む」
お兄さんが従者へと声を掛けると、ネアの所までやって来て、ネアの持っていた荷物を受け取ると馬車の方へと運んで行った。
「失礼ですが、この人数とその荷物を運ぶには、2台だけでは足りないように感じますが?」
自分の荷物を目で追いながら、馬車へと視線を向けて言った。
僕も最初見た時に、僕達の荷物乗るかな?とは疑問に思っていた。荷台に積まれている荷物は一人分あるかな?程度だけど、僕達の荷物を乗せたら、他の人の分の荷物を乗せるにはとても足りそうにない。
「私達の荷物は先に送っているから心配ない。それに、今は父上が城に行くのに使っていてないが、3台の馬車に別れて乗る予定だから、手狭になる事もないだろう」
「そんな事より、もうすぐ時間なのに遅い!」
「もう、母さん達何してんだよ!」
「お前達は少し落ち着け。その調子だと、体力が持たないぞ」
じれったそうに何度も屋敷の方へと視線を向けていたバルド達が、痺れをきたしたように声を上げた。
僕も、旅行に行く時は待たされる事が多くて、父様に窘められた事があっていた。だから、その時に父様に言わていた事の一つを思い出した。
「父様が、女性の身支度には時間が掛かるから、それを理解して待っているのが男の仕事だって言ってたよ」
「そうなのか…?」
「うん。何でも、下手に何か言うと、その後の移動時間や旅行が苦行になったりするからって言ってた」
「普段の様子からでは、とてもではないが想像出来ないな…」
お兄さんが、少し信じられないような顔を浮かべながら言った。
「父様って、城はどんな感じなんですか?」
城での父様の様子を、人から聞く事なんて滅多にないから、お兄さんにちょっと聞いてみた。
「そうだな。アルノルド様は、全体を見渡す広い視野を持っていて、常に数手先を読んで行動する方だ。それに、自身の仕事をきっちりとこなしながらも、ユーモラスを忘れる事もない。私は、真面目過ぎると周りから言われる事もあるため、見習いたいとも思っている」
僕が聞きたかった事とはちょっと違ったけれど、父様が褒められているのはやっぱり嬉しい。
「今着ている服も、同僚から旅行中くらい少し気を抜けと言われて渡された物なのだが、着慣れないせいかどうにも落ち着かない…」
お兄さんの服を最初見た時、意外とラフな服装だなとは思ってはいたけど、それは普段着だからだと思っていた。だけど、違ったみたいだ。
「やはり、私には似合わないか?」
僕が服をじっと見ていたからか、何処か困ったような笑いを浮かべながら言った。
「そんな事ないって!ちゃんと兄貴にも似合ってるって!なぁ!?」
「うん!俺も、似合ってると思う!」
2人は、お兄さんの言葉を否定するように力強く言った
「褒めて貰うのは嬉しいのだが、母さんがこちらに来そうだから、クリスはそろそろ言葉使いに気を付けた方が良い」
「!!?」
クリスさんが驚たように屋敷の方へと視線を向ける。僕等も視線を向けてみると、ちょうど母様と一緒に屋敷から出てくる所だった。僕等が向けるその視線で何かに気付いたのか、ラザリアの眉に少しシワがよる。
「相手の方を見るなら、視線は悟らせないようにした方が良い」
「き、気を付ける…」
聞こえないように小声で注意する間も、お兄さんはそっちに視線を向ける素振りもなかった。それに、屋敷の中にいるうちから気付いていたから、気配だけで母様が来た事に気付いていたみたいだ。
「気配だけって凄いね」
「なぁ…力の使い所、間違ってないか…?」
僕達の荷物の積み直しを指示すると、ラザリア様は母様と一緒にこちらへとやって来た。
「さっきまで、皆で何の話しをしていたのかは少し気になりますけど、とりあえず、ベル達はまだ戻って来ていないの?」
「はい。まだ城からお戻りになって来ておりません」
「そう。でも、そろそろ時間だからもうすぐ戻って来るでしょう。だけど、ブライド。旅行中くらい、その他人行儀な話し方は止められないの?」
「すみません…どうにも、職務中の気が抜けないようで…」
気不味そうな顔をして謝っていたけど、バルド達に向ける言葉は優しい気がする。だけど、さっきから謝ってばかりいるから、普段とは違って何となく頼りない感じに見えた。
「兄さんは屋敷にいても、父さんの事をたまに団長って呼ぶもんな」
「真面目過ぎるんだよなアニ…いさんは」
ラザリア様の視線を受けて、クリスさんはさり気なく?お兄さん呼びに言い直していた。
「貴方達には、もう少し真面目になって欲しいわ」
「「……はい」」
流れ弾を受けて、2人は見事に撃沈していた。
「エレナ。もし、うちの子達が悪さしてるのを見かけたら、遠慮なく叱り飛ばしてくれていいわ」
「ふふっ、分かりました。でも、旅行は賑やかな方が楽しいですよ」
「ただ煩いだけよ。ベルの事ばっかり真似して、みんな剣術しかしないんだから」
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