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二章
ウィンクルム商会
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「ここなら、落ち着いて品を見れるだろう」
「此処は?」
さっきの店先と違って人影がないのに、商品は見やすいように綺麗に並べられている。
「貴族向けの品が、置いてある場所だ。値も少し張るが、問題ないだろう?」
「うん!大丈夫!」
事前に、ドミニクに事情を話して、プレゼントを買うためのお金を貰って来ていた。
「何かないか、俺も見ていいか?」
「別に良いが…壊したら弁償だからな…」
「こ、壊さないし!」
バルドは否定しているが、何だか見ていて少し不安になる…。
その後、僕やコンラットは、それぞれ置いてある商品を見せて貰ったけど、バルドはネアと一緒に見ていた。でも、ネアは商品じゃなくて、バルドを見てくるようにも見える。僕は、2人から品へと目線を戻して、何を贈ればいいかと再び悩む。
長く使って貰いたいから、良いものを贈りたいけど、僕には見ただけじゃ分からない。でも、並べられた品の中には、屋敷で見た事があるような物もあるので、良い物だけを置いているんだろう。なら、後は何を贈るか何だけど…。
「コンラッドは、家族の誕生日に何を贈ってた?」
少し参考にしようと思って、近くにいたコンラットに訪ねてみた。
「私ですか?私は兄と相談しながら、父には時計やカフスボタン。母には、香水や花を贈ってました。兄には、私が面白いと思った本を渡してましたね」
他の人の意見も聞きたくて、2人のいる場所に言って聞いてみる。
「2人は、家族の誕生日に何を贈ってた?」
「俺は、贈った事ないぞ?」
「な、ないの!?」
「ないな」
「俺も、親や兄弟には贈った事がない」
「ネアも!?」
毎年、家族の誕生日を祝ったり、祝って貰っている僕としては信じられない!
「お祝いとかしないの!?」
「誕生日に、食事が豪華になったり、新しい剣を貰ったするけど、親父達にはやった事ないな?」
「俺は、そんな事もないな」
「えー!?」
さっきの事もそうだけど、ネアは父親と仲悪いの…?それなら、あんまり触れない方が良いの…かな…?まずは、触れても良さそうな方に声を掛けた。
「バルドは、祝って貰ってるんでしょ。なら、この際に何か贈ったら?誕生日が近い人とかいないの?」
「親父かな?でも、贈って喜びそうな物なんて、剣か酒くらいか?」
「剣は、止めた方が良い。飾りなら良いが、使用する剣なら重心のバランスなども関係して来る。だから、贈るなら酒にした方が良い」
「なら、酒でも買って行くか?ネア。酒好きが貰って嬉しい酒ってあるか?」
「金は持ってるのか?」
「小遣いは持って来てる!」
「それなら、こっちだな」
「え!?ま、待ってよ!」
僕の静止の声が聞こえていないのか、ネアはバルドと一緒に部屋の奥の方へと消えてしまった。
「2人は、自由な所が似ていますね…」
「うん…」
2人を呆然と見つめながら僕は、コンラッドの言葉に同意した。
途中、コンラッドに相談に乗って貰いながら、家族への贈り物を何とか決める事が出来た。そうしたら、2人もちょうど戻って来た。
「贈り物は、決まったか?」
「うん!バルドは、それを買うの?」
バルドが、手に持っている小さめの瓶に視線を向けながら訪ねた。
「おぅ!残ってた小遣いが少なくて、少しまけてもらった!」
「そ、そうなんだ…」
僕は、言えばお金を貰えるから、バルドみたいにお小遣いは貰った事はない。でも、贈り物を買うなら自分のお金で買った方が良いような気もする。今度、父様にお小遣い貰えないか聞いてみようかな…。
僕達は、商品のお金を渡すために、カウンターへと向かった。すると、カウンターの横にネアのお父さんが立っていた。
「お決まりになりましたか?」
「はい!これ、代金です」
「代金の方は、必要ありませんよ。商会の方から、贈らせて下さい」
「やった!」
お金を差し出したまま戸惑う僕の横で、バルドは素直に喜んでいた。でも、お酒1つのバルドと違って、家族分の買っている僕は、何だか申し訳ない気がする…。
「え…。でも…」
「お気になさらないで下さい。それでも、気になると言うなら、ビジネスとお考え下さい」
「ビジネス?」
不思議そうに問いかける僕に、笑みを浮かべながら答えた。
「はい。以前、私は、レグリウス公爵家を訪ねた事があるのですが、その時は色好い返事は貰えませんでした。御子息の方から、公爵閣下によろしく言って貰えるなら、それだけでその商品以上の価値があります」
「で、でも…」
「気にせず貰っておけ」
悩んでいる僕に、ネアはお金を押し返しながら言った。戸惑いながら2人を見ても、お金を受け取ってくれる様子がなかった。しばらく考えて、僕も覚悟を決めた。
「分かりました!父様に、上手く言えるか分からないですけど、渡す時にもちゃんと伝えます!」
僕の言葉に、そこまでの価値があるか分からないけど、父様にちゃんと伝えよう!
「ありがとうございます。よろしくお願いしますね」
僕達は、2人の見送りを受けながら、ウィンクルム商会を後にした。
「此処は?」
さっきの店先と違って人影がないのに、商品は見やすいように綺麗に並べられている。
「貴族向けの品が、置いてある場所だ。値も少し張るが、問題ないだろう?」
「うん!大丈夫!」
事前に、ドミニクに事情を話して、プレゼントを買うためのお金を貰って来ていた。
「何かないか、俺も見ていいか?」
「別に良いが…壊したら弁償だからな…」
「こ、壊さないし!」
バルドは否定しているが、何だか見ていて少し不安になる…。
その後、僕やコンラットは、それぞれ置いてある商品を見せて貰ったけど、バルドはネアと一緒に見ていた。でも、ネアは商品じゃなくて、バルドを見てくるようにも見える。僕は、2人から品へと目線を戻して、何を贈ればいいかと再び悩む。
長く使って貰いたいから、良いものを贈りたいけど、僕には見ただけじゃ分からない。でも、並べられた品の中には、屋敷で見た事があるような物もあるので、良い物だけを置いているんだろう。なら、後は何を贈るか何だけど…。
「コンラッドは、家族の誕生日に何を贈ってた?」
少し参考にしようと思って、近くにいたコンラットに訪ねてみた。
「私ですか?私は兄と相談しながら、父には時計やカフスボタン。母には、香水や花を贈ってました。兄には、私が面白いと思った本を渡してましたね」
他の人の意見も聞きたくて、2人のいる場所に言って聞いてみる。
「2人は、家族の誕生日に何を贈ってた?」
「俺は、贈った事ないぞ?」
「な、ないの!?」
「ないな」
「俺も、親や兄弟には贈った事がない」
「ネアも!?」
毎年、家族の誕生日を祝ったり、祝って貰っている僕としては信じられない!
「お祝いとかしないの!?」
「誕生日に、食事が豪華になったり、新しい剣を貰ったするけど、親父達にはやった事ないな?」
「俺は、そんな事もないな」
「えー!?」
さっきの事もそうだけど、ネアは父親と仲悪いの…?それなら、あんまり触れない方が良いの…かな…?まずは、触れても良さそうな方に声を掛けた。
「バルドは、祝って貰ってるんでしょ。なら、この際に何か贈ったら?誕生日が近い人とかいないの?」
「親父かな?でも、贈って喜びそうな物なんて、剣か酒くらいか?」
「剣は、止めた方が良い。飾りなら良いが、使用する剣なら重心のバランスなども関係して来る。だから、贈るなら酒にした方が良い」
「なら、酒でも買って行くか?ネア。酒好きが貰って嬉しい酒ってあるか?」
「金は持ってるのか?」
「小遣いは持って来てる!」
「それなら、こっちだな」
「え!?ま、待ってよ!」
僕の静止の声が聞こえていないのか、ネアはバルドと一緒に部屋の奥の方へと消えてしまった。
「2人は、自由な所が似ていますね…」
「うん…」
2人を呆然と見つめながら僕は、コンラッドの言葉に同意した。
途中、コンラッドに相談に乗って貰いながら、家族への贈り物を何とか決める事が出来た。そうしたら、2人もちょうど戻って来た。
「贈り物は、決まったか?」
「うん!バルドは、それを買うの?」
バルドが、手に持っている小さめの瓶に視線を向けながら訪ねた。
「おぅ!残ってた小遣いが少なくて、少しまけてもらった!」
「そ、そうなんだ…」
僕は、言えばお金を貰えるから、バルドみたいにお小遣いは貰った事はない。でも、贈り物を買うなら自分のお金で買った方が良いような気もする。今度、父様にお小遣い貰えないか聞いてみようかな…。
僕達は、商品のお金を渡すために、カウンターへと向かった。すると、カウンターの横にネアのお父さんが立っていた。
「お決まりになりましたか?」
「はい!これ、代金です」
「代金の方は、必要ありませんよ。商会の方から、贈らせて下さい」
「やった!」
お金を差し出したまま戸惑う僕の横で、バルドは素直に喜んでいた。でも、お酒1つのバルドと違って、家族分の買っている僕は、何だか申し訳ない気がする…。
「え…。でも…」
「お気になさらないで下さい。それでも、気になると言うなら、ビジネスとお考え下さい」
「ビジネス?」
不思議そうに問いかける僕に、笑みを浮かべながら答えた。
「はい。以前、私は、レグリウス公爵家を訪ねた事があるのですが、その時は色好い返事は貰えませんでした。御子息の方から、公爵閣下によろしく言って貰えるなら、それだけでその商品以上の価値があります」
「で、でも…」
「気にせず貰っておけ」
悩んでいる僕に、ネアはお金を押し返しながら言った。戸惑いながら2人を見ても、お金を受け取ってくれる様子がなかった。しばらく考えて、僕も覚悟を決めた。
「分かりました!父様に、上手く言えるか分からないですけど、渡す時にもちゃんと伝えます!」
僕の言葉に、そこまでの価値があるか分からないけど、父様にちゃんと伝えよう!
「ありがとうございます。よろしくお願いしますね」
僕達は、2人の見送りを受けながら、ウィンクルム商会を後にした。
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