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一章
末路(アルノルド視点)
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愚か者を始末し終えた私は、魔力の放出を止めた。すると、それを見計らったように、カルロが私の肩に止まった。
「カルロ、よくやった」
愚か者の元まで案内した功績を讃えながら、体を無でれると誇らしげに胸を張る。私は、その様子を見ながら、今回の事を考えていた。
まさか…こんな事が起きるとはな……。
私は、エレナが寝たのを確認してから1人宿を出て、湖へと向かっていた。リュカが、雪で遊びたいと言ったので、何とか雪で遊ばせてやりたいと思っていたのだ。しかし、さすがの私も、天候を操る事は出来ない。
だから、私なりに、どうすれば雪を降らせる事が出来るかと考え、この町、ラクスまでやって来た。湖に付けば、周囲は薄い霧に包まれており、空も厚い雲が覆っていた。
私は、湖を火魔法で熱しながら、その空気を風魔法で上空へと送る。そして、周辺をを氷魔法で冷やせば、霜が出来始めており、湖から離れた位置に宿を取っておいて正解だったと感じる。
複数の魔法を一度に使うのは、さすがに集中力を必要とするが、出来ない事はない。日付が変わる頃までは、状況を見ながら、そのまま魔法を継続するつもりだ。
しかし、この方法で、雪が降るかはまだ分からない。だから、上手くいかなかった時は、湖を全て凍らせるつもりでいる。リュカは、氷の上をすべるのも楽しいと言っていたからな。
しばらくしても、雪が降る気配はなく、周囲だけが冷えて凍っていく。周辺の宿には、後で何か詫びを持って行かなければならないか?と考えている時に、町中に響く龍の咆哮が聞こえた。
この町に龍がいるとしたら、オルフェの召喚獣しか考えられない。つまり、宿で何かが起こったという事だ。
私は、急いで皆が泊まっている宿へと戻った。宿へと戻ると、宿の前に複数の焼け焦げた死体とイグニスだけがいた。現場の状況を見て、だいだいの事を把握する。イグニスだけが此処にいるという事は、オルフェは先に行ったのだろう。
「…おい、お前」
「は、はい!!私でしょうか!?」
「今すぐ、湖近くにあるラグジェに行って、レグリウスの名で宿を手配してこい…」
「れ、レグリウス!?た、直ちに行って入ります!!」
男が走って行くの確認して、イグニスのもとへと向かう。
「……案内しろ」
イグニスに、案内を命じながら、周囲へと魔法を放出する。周囲に残っている死体を、凍らせて砕いて消してのち、イグニスに乗り後を追いかけた。
あのまま残しておくと、2人が目にしていまう可能性があった。少しでも可能性があるのならば、そのまま放置していくのは、些か不味い。なので、片付ける必要があった。
しばらくすると、遠目にだが、森の木々の間にアクアの姿が見えた。私は、真上まで来ると、イグニスから飛び降り、風魔法で衝撃を和らげながら着地する。
皆の姿が見えた時は、私も安堵した。しかし、聞こえて来た声から、大元は逃げ出したようだ…。ならば、私に譲って貰おう…。
オルフェに、宿の事など、後の事を託すし終わると、森の中へと入って行った。私は、残りの者を探すため、魔法陣でカルロを呼び出すと司令を下す。
「カルロ…愚か者を探せ…」
カルロは気配に敏感だ。多少離れていても、ある程度は感知する事が出来る。それに今は、私の魔力で大部分の魔物は逃げ出したので、愚か者を探すのもそれほど苦ではないだろう。
私が、カルロが反応する方へと歩みを進めれば、雪が振り始めた。
「今さらか…さて、私と遊びたい様だからな…。何をして遊ぼうか…?」
私の魔力で氷付いた地面を見て、リュカが言っていた遊びを思い出した。
「氷の上をすべって遊ぶだったか…?」
氷の上に乗ってもそれほどすべらない。何がダメなのか考え、氷との間に水の膜を作り、風魔法で追い風を作る。すると、想像したよりも、速く移動する事が出来た。
「では、鬼ごっこを始めようか…」
少し離れた木陰に、男が1人座っているのが見えた。探していた標的を見つけて、ほくそ笑んでいると、カルロは私から離れた位置にある木へと飛んで行った。
「離れていてくれた方が、好都合か…」
私は、男の方へと歩を進めた。
途中、不快な気配を感じた時は、男を蹴り飛ばしていた。殴っても良かったのだが、これから皆の元に戻った時に、服が汚れているのは困るので、汚れ難い足にしておいた。
愚か者を処分し終わった私は、街へと視線を向ける。
「さて、後1人…愚か者残っているな…」
私は、残りの愚か者を捕まえるために、カルロと共に町へと向かうのだった。
「カルロ、よくやった」
愚か者の元まで案内した功績を讃えながら、体を無でれると誇らしげに胸を張る。私は、その様子を見ながら、今回の事を考えていた。
まさか…こんな事が起きるとはな……。
私は、エレナが寝たのを確認してから1人宿を出て、湖へと向かっていた。リュカが、雪で遊びたいと言ったので、何とか雪で遊ばせてやりたいと思っていたのだ。しかし、さすがの私も、天候を操る事は出来ない。
だから、私なりに、どうすれば雪を降らせる事が出来るかと考え、この町、ラクスまでやって来た。湖に付けば、周囲は薄い霧に包まれており、空も厚い雲が覆っていた。
私は、湖を火魔法で熱しながら、その空気を風魔法で上空へと送る。そして、周辺をを氷魔法で冷やせば、霜が出来始めており、湖から離れた位置に宿を取っておいて正解だったと感じる。
複数の魔法を一度に使うのは、さすがに集中力を必要とするが、出来ない事はない。日付が変わる頃までは、状況を見ながら、そのまま魔法を継続するつもりだ。
しかし、この方法で、雪が降るかはまだ分からない。だから、上手くいかなかった時は、湖を全て凍らせるつもりでいる。リュカは、氷の上をすべるのも楽しいと言っていたからな。
しばらくしても、雪が降る気配はなく、周囲だけが冷えて凍っていく。周辺の宿には、後で何か詫びを持って行かなければならないか?と考えている時に、町中に響く龍の咆哮が聞こえた。
この町に龍がいるとしたら、オルフェの召喚獣しか考えられない。つまり、宿で何かが起こったという事だ。
私は、急いで皆が泊まっている宿へと戻った。宿へと戻ると、宿の前に複数の焼け焦げた死体とイグニスだけがいた。現場の状況を見て、だいだいの事を把握する。イグニスだけが此処にいるという事は、オルフェは先に行ったのだろう。
「…おい、お前」
「は、はい!!私でしょうか!?」
「今すぐ、湖近くにあるラグジェに行って、レグリウスの名で宿を手配してこい…」
「れ、レグリウス!?た、直ちに行って入ります!!」
男が走って行くの確認して、イグニスのもとへと向かう。
「……案内しろ」
イグニスに、案内を命じながら、周囲へと魔法を放出する。周囲に残っている死体を、凍らせて砕いて消してのち、イグニスに乗り後を追いかけた。
あのまま残しておくと、2人が目にしていまう可能性があった。少しでも可能性があるのならば、そのまま放置していくのは、些か不味い。なので、片付ける必要があった。
しばらくすると、遠目にだが、森の木々の間にアクアの姿が見えた。私は、真上まで来ると、イグニスから飛び降り、風魔法で衝撃を和らげながら着地する。
皆の姿が見えた時は、私も安堵した。しかし、聞こえて来た声から、大元は逃げ出したようだ…。ならば、私に譲って貰おう…。
オルフェに、宿の事など、後の事を託すし終わると、森の中へと入って行った。私は、残りの者を探すため、魔法陣でカルロを呼び出すと司令を下す。
「カルロ…愚か者を探せ…」
カルロは気配に敏感だ。多少離れていても、ある程度は感知する事が出来る。それに今は、私の魔力で大部分の魔物は逃げ出したので、愚か者を探すのもそれほど苦ではないだろう。
私が、カルロが反応する方へと歩みを進めれば、雪が振り始めた。
「今さらか…さて、私と遊びたい様だからな…。何をして遊ぼうか…?」
私の魔力で氷付いた地面を見て、リュカが言っていた遊びを思い出した。
「氷の上をすべって遊ぶだったか…?」
氷の上に乗ってもそれほどすべらない。何がダメなのか考え、氷との間に水の膜を作り、風魔法で追い風を作る。すると、想像したよりも、速く移動する事が出来た。
「では、鬼ごっこを始めようか…」
少し離れた木陰に、男が1人座っているのが見えた。探していた標的を見つけて、ほくそ笑んでいると、カルロは私から離れた位置にある木へと飛んで行った。
「離れていてくれた方が、好都合か…」
私は、男の方へと歩を進めた。
途中、不快な気配を感じた時は、男を蹴り飛ばしていた。殴っても良かったのだが、これから皆の元に戻った時に、服が汚れているのは困るので、汚れ難い足にしておいた。
愚か者を処分し終わった私は、街へと視線を向ける。
「さて、後1人…愚か者残っているな…」
私は、残りの愚か者を捕まえるために、カルロと共に町へと向かうのだった。
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