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side クライブ伯爵家
 
 僕は、フレディエック・ルーク・クライブ、伯爵家の長男です。
 僕の姉様は変わった人で、自ら厨房に入り、美味しいお菓子を作ってくれてました。

 領地の税の立て替えをして、そのために学院に行くお金がなくなり、僕は落ち込むだけ。
 姉様は僕の学院の学費を貯めるために、奔走してくれている姿に、僕自身恥ずかしくなりました。

 父上は、領民の生活を守るための決断なのに、僕は自分の事だかり、姉様は趣味のお菓子作りで事業を立ち上げ、僕の学費を稼いでくれてます。

 「父上、姉様、お帰りなさい。領地はどうでしたか? 」

「フレディ、ただいま。
 ディアの考えで、キウイ酒を新たな特産として、販売できるよう領民と話してきたよ。
 既に二年分の学費は、ディアの売上で用意できたから、キウイ酒も上手く商売すれば三年分用意できるから、学院には13歳から行けるから安心しなさい」

「ありがとうございます、父上、姉様。
 特に姉様には、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 アンから聞きました、姉様の大切なネックレスを質屋にいれて、開店資金を作って、お菓子作りし、僕の学費を稼いでくださり、本当にありがとうございます。
 父上も、領民のためにしたことなのに、僕は落ち込んでしまって、すみませんでした」

「いいのよ、フレディ。
 ネックレスは、既に買い戻したから安心して頂戴。
 お菓子作りは私が好きなことだから、全然気にしないで。
 学費を早く貯めて、これから領地で何か起こっても大丈夫なように、特産や外貨を稼げるようにしておきましょう。
 あなたが、伯爵になって領地をおさめるときに、困らないようにしておきたいわ。
 私は、マイキッチンを作って、売るのではなく、自分の食べたいものを作って過ごしたいの」

「姉様は結婚は考えてないのですか?」

「結婚は出来たら、好きな人としたいと思っているの。
 ほら、〈身分あるもの厨房に入らず〉が貴族の考えでしょう。
政略結婚だと、私の趣味を聞いてくださらないじゃあない?
 でも、私のことが好きなら厨房に入ることも、お菓子作りも許してくれるでしょ。
 だから、私はお互いを尊重しあえる相手がいいの。
 わかってくれる?」

「はい、姉様の作るお菓子は美味しいですもん。
 もし、これから、姉様のこと聞かれたら、姉様は恋愛結婚がしたいと伝えておきます」

「ディアは、恋愛結婚かい。素敵な相手と巡り会えるといいね」

「ええ、お父様、私のお菓子作りを認めてくれる相手を探しますわ」

 僕の姉様はすごい。貴族社会で厨房に入らずが当た前なのに、それを認めてくれる相手を探すと考えているなんて。

 学院に行って、姉様の事を聞かれたら、姉様を大切にしてくれそうな相手しか、近づかないよう見張っていよう。

 姉様は、変わり者かもしれないけど、綺麗で頭が良くて、僕の自慢だよ。
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