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17.夕食の席での話
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取り急ぎ、公爵領に明日行くことを早馬で知らせるように指示した。
家族の夕食の席で、カミラが当分の間、リーゼンフェルト伯爵家で過ごす話をした。レオンは渋いお茶を飲んでカミラの状況がわかっていたので、何も言わなかった。
ケイトもエミリー令嬢と話し、カミラ用に買っていたネックレスの状態をみてるから、心配顔になっている。
ケイトからネックレスの状態を見せられた時、私は楽観視していた自分を責めたくなった。
エミリー令嬢が、プレゼントを開けて中の状態を確認するよう言わなければ、ケイトから渡されたプレゼントを開けた時のカミラの心情を考えたら何も言えなかた。
エミリー令嬢がシェリー夫人が怪しいと言っていたので、ケイトには、この事は絶対シェリーには話してはいけないと伝えた。
ケイトも最初はなぜそんな事を言うのかと詰め寄ってきたが、エミリー令嬢の指示だと伝えたらケイトは、素直に分かったと了承したのだ。
あの短時間でケイトの信頼を得た令嬢には怖いものがある。私自身も彼女に従えば上手くいくと思っている。
やはり、精霊の声が聞こえるということは、神秘的な存在感があるのだろうか。
何も知らない、長女のソフィアだけが、どうして伯爵家ですごすのか?
カミラが我が家の公爵家の評判を落とすのではないかと心配している。
「お父様、今からは難しいですが、明日にでもカミラを迎に行ってはどうでしょうか?
カミラの教育を厳しくしてはどうですか?
私付きのメイドが言ってました。また、カミラが今日のお茶会で問題を起こしたと。
揉め事ばかりおこすカミラを、格下とはいえ伯爵家で問題をおこすのは、流石に困ります。
リーゼンフェルト伯爵家は、皇太子殿下の側近のエアハルト令息と、レオンのクラブの先輩のケヴィン令息がいます。
カミラの行動で、私達に迷惑が被るのは困ります」
ソフィアの言葉に違和感を感じた。メイドが今日の出来事を知っていると話した事にだ。
今日のお茶会で問題を起こしたメイドは一室に閉じ込めて、外とは連絡がとれないようにしたはずだ。
問題が起こったときにいた侍従達には口止めしてある。
だから、使用人同士が話すことは出来ない。
扉付近に控えていた執事長も、ソフィアの話を聞いて違和感を感じているようだ。
「ソフィア、お前付きのメイドの名前は?どのように話したか詳しく教えてくれないか?」
私の言葉にソフィアは、不思議そうな顔をしたが、
「名前は、アンよ。確か、今日のお茶会でも、カミラが癇癪をおこして怒りだして、メイドに酷くあたったて聞いているわ。
だから、アンは私付きのメイドで幸せっていってくれたの」
「アンは誰から聞いたか話していたか?」
「え、特に聞いてないけど。お茶会を担当したメイドではないのかしら」
「そうか、ありがとう。後で詳しく聞きたいからアンを少し借りるよ。身の回りの世話は他のメイドに行かせるから」
「別に構いませんが、お父様どうしたの。
カミラの癇癪は今に始まったことではないでしょ。
話は戻りますが、伯爵家からカミラを迎えに行かせるべきです。なんなら、私が迎にいきましょうか?」
「ソフィア、先ほども話したが、カミラは当分の間は伯爵家に世話になる。
伯爵家のエミリー令嬢と大変仲良くなってな、二人で色々と勉強したいようだ。
伯爵は、私の後輩で仲が良くてね、カミラの事は心配しなくても大丈夫だ」
ソフィアは、なんとなく腑に落ちない感じだったが、場の雰囲気を良く読む力がある娘だから、それ以上は何も言わなかった。
いつもなら、ソフィアの味方をレオンがするのだか、レオンが何も言わないことに違和感を感じたようだ。
ソフィアは、仕切りにレオンをみている。
レオンも、いつもカミラに何か言うのだが、エミリー令嬢が、カミラが怒るのは当たり前のことで、カミラの言葉を信じない私達が問題なのだと言われたことを考えているようだった。
「あの父上、食事が終わったら私も執務室に行っても良いですか?」
私がメイドのアンに話を聞く時に立ち会いたいということだろう。
「ああ、構わない。後、明日朝一で領地に行ってくる。仕事の関係しだいでは、2~3日帰れないかもしれない。ケイト、家の事は任せたよ」
「はい、旦那様気をつけて」
ケイトの顔を見ると、カミラの事が心配で、顔が曇っている。早くケイトの笑顔を見るために、必ず問題解決の糸口を見つけてくることを心に誓う。
食事が終わり執務室に行くと、執事長がアンを連れて部屋の扉で待っていた。
アンは公爵である私と話したことはないので、少し怯えている。
まあ、私の顔が怖いのもあるのだが、私の後ろに立っていたレオンをみて、ほっとした顔をした。
レオンが素敵だと言うポッとする顔ではなく、自分の味方がいる、ほっとする感じの顔だ。
ここは、感情に支配されることなく、慎重に話を進めようと自分に言い聞かせる。エミリー令嬢の青い瞳を思い出し、冷静にならなくては。
「アン、呼び出して済まない。聞きたいことがあるのだが、今日のカミラのお茶会の話をソフィアに話したそうだけど、もう一度聞きたいのだが、話してくれるい?」
「はい、わかりました。私も聞いた話なので正確にはわかりませんが、カミラお嬢様がメイドを突き飛ばしたりしたと聞いております。そこで、侍従が急いでテーブルに行くと熱いお茶をかけられたと。
一緒にいた、侍従が急いで冷えたタオルを持っていったと聞いております」
話を聞いていて、怒りがこみ上げる。今日の出来事を上手い具合にカミラを悪者にするように話が出来ている。
カミラはいつもどんな気持ちで、私はしていないと訴えていたのだろう。
メイド達の証言で悪者にされ、私自身も、カミラがそのような行動するのは、私に似てしまった顔が嫌で悲しんでいるのだと思い、怒りはしないが、カミラの言い分を信じなかった。
父親が娘を信じないなんて、ありえない。私もこのメイド達と一緒で、カミラを悲しませた一人なのだと後悔した。
「そうか、そんな事がおこったのか。アン、それは誰から聞いたのだ?」
「誰から聞いたと言うわけではないです。ソフィアお嬢様のお茶の準備に厨房に行ったら、カミラお嬢様のお茶会の話がでてまして。お茶の準備をしながら、聞いていただけなので」
「そうか、その場にいた人の名前を執事長にはなしてくれ。お茶会で何が起こったか調べていてね、もうソフィアの所に戻って、ソフィアの世話を頼む」
アンは頭を下げて執務室からでていった。執事長も同時にでて、使用人の名前を聞いていることだろう。仕事の出来る彼ならば、名前があがった使用人に話を聞いて状況を整理して報告してくれるだろう。
ずっと黙って話を聞いていたレオンが、
「私はずっと、カミラが我儘な癇癪もちだと思ってました。
カミラはいつも自分は悪くない、私は何もしていないと言っていたのに、聞いてあげませんでした。
今のアンの話を聞いて、現場の状況にいなければ、カミラが悪いんだと信じてしまいそうでした。
思い出していたのです、昔はカミラは細かったし、お祖母様がいた頃はカミラの悪い噂はなかった。
悪く言われるようになってから、カミラはどんどん太っていった。ストレスからくる暴飲暴食なのかもしれないと。
実際に、紅茶を飲んでなければ、カミラの気持ちがわからなかったでしょう。あの紅茶では甘い物が欲しくなります。
私達はカミラにどうすればいいのでしょか?」
「レオン、いつからこのようになってしまったか、調べるしかない。
8歳のエミリー令嬢がシェリー夫人が、怪しいと言っていた。
エミリー令嬢の言葉を鵜呑みにするわけにはいかないため、詳しく調べる。
シェリー夫人はお前たちの乳母だ。そんな彼女を悪く言うつもりはないが、レオンは何も知らない振りをして、今まで通りにシェリー夫人と過ごして欲しい。
私が調べて何か分かったら教えるから。
このネックレスを見てくれ。これはケイトがカミラの為に用意したプレゼントだ。
エミリー令嬢から渡して欲しいとケイトが渡したら、エミリー令嬢が一度開封した形跡があるから、開けて確かめたほうが良いと言って、助言にしたがって開封したら、このような状態だったらしい。
だから、ケイトもカミラが伯爵家で過ごすことに何も言わなかったのだ。
自分が選んだプレゼントがこんなふうに姿を変えていては、何を信じて良いかわからない状態だろう。
レオン、私がこれから調べることで、たびたび家を開けるかもしれない。その時は頼んだぞ」
「はい、父親」
レオンと話をし、明日早く領地に行くために寝よう。今日起こった出来事が、疲れをいっそうさそった。
家族の夕食の席で、カミラが当分の間、リーゼンフェルト伯爵家で過ごす話をした。レオンは渋いお茶を飲んでカミラの状況がわかっていたので、何も言わなかった。
ケイトもエミリー令嬢と話し、カミラ用に買っていたネックレスの状態をみてるから、心配顔になっている。
ケイトからネックレスの状態を見せられた時、私は楽観視していた自分を責めたくなった。
エミリー令嬢が、プレゼントを開けて中の状態を確認するよう言わなければ、ケイトから渡されたプレゼントを開けた時のカミラの心情を考えたら何も言えなかた。
エミリー令嬢がシェリー夫人が怪しいと言っていたので、ケイトには、この事は絶対シェリーには話してはいけないと伝えた。
ケイトも最初はなぜそんな事を言うのかと詰め寄ってきたが、エミリー令嬢の指示だと伝えたらケイトは、素直に分かったと了承したのだ。
あの短時間でケイトの信頼を得た令嬢には怖いものがある。私自身も彼女に従えば上手くいくと思っている。
やはり、精霊の声が聞こえるということは、神秘的な存在感があるのだろうか。
何も知らない、長女のソフィアだけが、どうして伯爵家ですごすのか?
カミラが我が家の公爵家の評判を落とすのではないかと心配している。
「お父様、今からは難しいですが、明日にでもカミラを迎に行ってはどうでしょうか?
カミラの教育を厳しくしてはどうですか?
私付きのメイドが言ってました。また、カミラが今日のお茶会で問題を起こしたと。
揉め事ばかりおこすカミラを、格下とはいえ伯爵家で問題をおこすのは、流石に困ります。
リーゼンフェルト伯爵家は、皇太子殿下の側近のエアハルト令息と、レオンのクラブの先輩のケヴィン令息がいます。
カミラの行動で、私達に迷惑が被るのは困ります」
ソフィアの言葉に違和感を感じた。メイドが今日の出来事を知っていると話した事にだ。
今日のお茶会で問題を起こしたメイドは一室に閉じ込めて、外とは連絡がとれないようにしたはずだ。
問題が起こったときにいた侍従達には口止めしてある。
だから、使用人同士が話すことは出来ない。
扉付近に控えていた執事長も、ソフィアの話を聞いて違和感を感じているようだ。
「ソフィア、お前付きのメイドの名前は?どのように話したか詳しく教えてくれないか?」
私の言葉にソフィアは、不思議そうな顔をしたが、
「名前は、アンよ。確か、今日のお茶会でも、カミラが癇癪をおこして怒りだして、メイドに酷くあたったて聞いているわ。
だから、アンは私付きのメイドで幸せっていってくれたの」
「アンは誰から聞いたか話していたか?」
「え、特に聞いてないけど。お茶会を担当したメイドではないのかしら」
「そうか、ありがとう。後で詳しく聞きたいからアンを少し借りるよ。身の回りの世話は他のメイドに行かせるから」
「別に構いませんが、お父様どうしたの。
カミラの癇癪は今に始まったことではないでしょ。
話は戻りますが、伯爵家からカミラを迎えに行かせるべきです。なんなら、私が迎にいきましょうか?」
「ソフィア、先ほども話したが、カミラは当分の間は伯爵家に世話になる。
伯爵家のエミリー令嬢と大変仲良くなってな、二人で色々と勉強したいようだ。
伯爵は、私の後輩で仲が良くてね、カミラの事は心配しなくても大丈夫だ」
ソフィアは、なんとなく腑に落ちない感じだったが、場の雰囲気を良く読む力がある娘だから、それ以上は何も言わなかった。
いつもなら、ソフィアの味方をレオンがするのだか、レオンが何も言わないことに違和感を感じたようだ。
ソフィアは、仕切りにレオンをみている。
レオンも、いつもカミラに何か言うのだが、エミリー令嬢が、カミラが怒るのは当たり前のことで、カミラの言葉を信じない私達が問題なのだと言われたことを考えているようだった。
「あの父上、食事が終わったら私も執務室に行っても良いですか?」
私がメイドのアンに話を聞く時に立ち会いたいということだろう。
「ああ、構わない。後、明日朝一で領地に行ってくる。仕事の関係しだいでは、2~3日帰れないかもしれない。ケイト、家の事は任せたよ」
「はい、旦那様気をつけて」
ケイトの顔を見ると、カミラの事が心配で、顔が曇っている。早くケイトの笑顔を見るために、必ず問題解決の糸口を見つけてくることを心に誓う。
食事が終わり執務室に行くと、執事長がアンを連れて部屋の扉で待っていた。
アンは公爵である私と話したことはないので、少し怯えている。
まあ、私の顔が怖いのもあるのだが、私の後ろに立っていたレオンをみて、ほっとした顔をした。
レオンが素敵だと言うポッとする顔ではなく、自分の味方がいる、ほっとする感じの顔だ。
ここは、感情に支配されることなく、慎重に話を進めようと自分に言い聞かせる。エミリー令嬢の青い瞳を思い出し、冷静にならなくては。
「アン、呼び出して済まない。聞きたいことがあるのだが、今日のカミラのお茶会の話をソフィアに話したそうだけど、もう一度聞きたいのだが、話してくれるい?」
「はい、わかりました。私も聞いた話なので正確にはわかりませんが、カミラお嬢様がメイドを突き飛ばしたりしたと聞いております。そこで、侍従が急いでテーブルに行くと熱いお茶をかけられたと。
一緒にいた、侍従が急いで冷えたタオルを持っていったと聞いております」
話を聞いていて、怒りがこみ上げる。今日の出来事を上手い具合にカミラを悪者にするように話が出来ている。
カミラはいつもどんな気持ちで、私はしていないと訴えていたのだろう。
メイド達の証言で悪者にされ、私自身も、カミラがそのような行動するのは、私に似てしまった顔が嫌で悲しんでいるのだと思い、怒りはしないが、カミラの言い分を信じなかった。
父親が娘を信じないなんて、ありえない。私もこのメイド達と一緒で、カミラを悲しませた一人なのだと後悔した。
「そうか、そんな事がおこったのか。アン、それは誰から聞いたのだ?」
「誰から聞いたと言うわけではないです。ソフィアお嬢様のお茶の準備に厨房に行ったら、カミラお嬢様のお茶会の話がでてまして。お茶の準備をしながら、聞いていただけなので」
「そうか、その場にいた人の名前を執事長にはなしてくれ。お茶会で何が起こったか調べていてね、もうソフィアの所に戻って、ソフィアの世話を頼む」
アンは頭を下げて執務室からでていった。執事長も同時にでて、使用人の名前を聞いていることだろう。仕事の出来る彼ならば、名前があがった使用人に話を聞いて状況を整理して報告してくれるだろう。
ずっと黙って話を聞いていたレオンが、
「私はずっと、カミラが我儘な癇癪もちだと思ってました。
カミラはいつも自分は悪くない、私は何もしていないと言っていたのに、聞いてあげませんでした。
今のアンの話を聞いて、現場の状況にいなければ、カミラが悪いんだと信じてしまいそうでした。
思い出していたのです、昔はカミラは細かったし、お祖母様がいた頃はカミラの悪い噂はなかった。
悪く言われるようになってから、カミラはどんどん太っていった。ストレスからくる暴飲暴食なのかもしれないと。
実際に、紅茶を飲んでなければ、カミラの気持ちがわからなかったでしょう。あの紅茶では甘い物が欲しくなります。
私達はカミラにどうすればいいのでしょか?」
「レオン、いつからこのようになってしまったか、調べるしかない。
8歳のエミリー令嬢がシェリー夫人が、怪しいと言っていた。
エミリー令嬢の言葉を鵜呑みにするわけにはいかないため、詳しく調べる。
シェリー夫人はお前たちの乳母だ。そんな彼女を悪く言うつもりはないが、レオンは何も知らない振りをして、今まで通りにシェリー夫人と過ごして欲しい。
私が調べて何か分かったら教えるから。
このネックレスを見てくれ。これはケイトがカミラの為に用意したプレゼントだ。
エミリー令嬢から渡して欲しいとケイトが渡したら、エミリー令嬢が一度開封した形跡があるから、開けて確かめたほうが良いと言って、助言にしたがって開封したら、このような状態だったらしい。
だから、ケイトもカミラが伯爵家で過ごすことに何も言わなかったのだ。
自分が選んだプレゼントがこんなふうに姿を変えていては、何を信じて良いかわからない状態だろう。
レオン、私がこれから調べることで、たびたび家を開けるかもしれない。その時は頼んだぞ」
「はい、父親」
レオンと話をし、明日早く領地に行くために寝よう。今日起こった出来事が、疲れをいっそうさそった。
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