悪役令嬢候補を幸せにして、私も結婚します

2.侯爵令息との婚約を阻止

　今回の家族構成は、優しい両親に、兄が二人。少し年が離れているから、家族に溺愛される条件じゃない。

　またしても、結婚しなくても、家族が助けてくれて、それなりの人生が送れてしまう。

　ある意味、神様ありがとう、でも私に頑張らせたいなら、もう少し意地悪な義母様とか義妹の存在が欲しかった。

　もしかしたら、これまでの私も、あまりにも幸せ過ぎて、何か起こるのではないかと、自分で不幸になりにいってたかも。

　地球では、あまり家族と仲が良くなかったし、良い事と悪い事が交互に来たから、異世界転生した私は家族に恵まれ幸せだった。
　
　だからこそ、自分で悪い事を想像して、婚約者を盗られる前提で動いていた感じがある。

　今回はすべて、幸せを掴む人生に突き進む。神様が言っていた、何なら悪役令嬢とか？考えるだけ無駄ね無理。

　まずは、婚約者の話がでたら、政略結婚の婚約者ではなく、恋愛結婚したいと言ってみよう。

　これだけでも、違うはず、それがダメなら、侯爵令息だけはダメだと言ってみよう。

　男爵令嬢の友達は作らない、モブでいいので高位貴族の友達を作る。

　一層の事、この記憶を頼りにして商売を初めて、貴族籍を抜いて平民になり自由に結婚ってのもありかしら。　

　あまり、目標を高くすると、大変だから、結婚することが目標にしよう。

　今日、お父様に話があるからお茶を一緒にしようと朝食の席で言われたし、ちょうどいいから私の気持ちを話してこよう。

　「エミリー、もうじき8才だね。大きくなったね。

　今度、王宮でエミリー位の年代を集めてお茶会があるだ。
　第三王子の側近や婚約者候補を選ぶために、開かれるんだよ？
　明日にでも、ドレスを作りに行っておいでね」

　「お父様、私に王子様を狙えということでしょうか？それとも、婚約者の品定めですか？」

　私の言葉にお父様は、飲んでいたお茶を吹き出して、お母様に背中をトントンされてます。

「まあエミリーったら、私達が王子様を狙え何て言うわけないでしょ。
　貴女に内々の縁談が来てるのよ、だから、その令息をみてエミリーの気持ちを聞きたいから、お茶会のときに気にして見てきてはどうかなって私達は思ってるのよ」

「そうですか。では、相手を教えて下さい。
　今日、私からも話そうと思っていたのですが、実は侯爵家は嫌です」
　
　私の侯爵家は嫌ですの言葉で、両親がフリーズ状態。

　縁談は侯爵家確定。最初から侯爵家の婚約者をもたなければ、婚約破棄もなくなるかもと気軽に言ったのだけど。
　また、私が同じ行動を繰り返さないためにも、侯爵令息はやめるべき事の一つ。

「エミリー、相手もみず侯爵家は嫌だなんて、おかしいなあ。

　うちは伯爵家だから、良い縁談だよ。相手が嫌なら仕方がないけど、先ずは、お茶会で見ておいでよ」

「お父様、私は侯爵令息は嫌です。公爵、伯爵、子爵で婚約者を探します。

　私のカンが侯爵令息はダメだと言っているのです。

　ひとまず、お茶会で見てきますけど、断ってくださいね」

　両親の苦笑いの顔を思い出す。娘ラブのお父様が良い縁談だと言うことは、よほど高物件の令息だったのだろう。

　でも、今までも、モテモテの令息と婚約者だったのがいけないと自己分析する。

　婚約破棄は自分に自信が持てなかったから、キレイな男爵令嬢に奪われても仕方がないと思ったのが原因だった。
　あまりモテる婚約者では、また同じ事を繰り返してしまう。
　まあ神様も、悪役令嬢やってみたらと言っていたのは、婚約者に近づく相手を排除しろと言う助言だろうと思うことにする。

　多分、この世界の最後の人生、自分なりに駆け引きしながら、結婚してみせる。