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第6話 先輩
抑えられない気持ち
しおりを挟む放課後になり、部活に行くと佐和さんがもういた。何か複雑な気持ちにもなりながら挨拶をした。
「お疲れ様です。」
「瑞希ちゃん。もう聞いた?松田君の事。気になってる人いるって言ってたじゃない?本当は、その人はすでに気になる人いるみたいで…そんな時に松田君が相談のってくれてて優しいなぁと思ってたから、OKだしたんだよね。何か恥ずかしいわ。」
と、佐和さんは言った。他に気になる人いたんだ。なのに付き合ったんだ…
すると、ボールが転がってきた。
「ごめんごめん。瑞希ありがと!!」
村野先輩がボールを取りに来た。先輩は、よく連絡をくれたり話しかけてくれたりする仲のいい人だった。チラッと佐和さんを見ると村野先輩を目で追っていた。この時、気付いた。もしかして…佐和さんの気になる人って村野先輩?と思いながら、佐和さんを見ていた。すると、目線に気付いたのか佐和さんがハッとした表情を隠す様にニコッと笑った。
部活が終わり、松田君と佐和さんが一緒に帰る所に遭遇した。悲しさなのかよくわからないその感情が気持ち悪かった。2人と挨拶を交わしたあと、前を向いて歩き出した。
「瑞希!!ちょっといいか?一緒に帰っても」
村野先輩だった。びっくりしたけど、2人で歩きながら色々話した。松田君の事を忘れるぐらい笑った。先輩は、2年生の中でも中心的な存在で2年生なのにレギュラーに抜擢される程の凄い先輩で尊敬してた。一緒にいるといつも笑わせてくれて、楽しい存在だった。
すると、急に先輩が立ち止まった。そして、私の腕をギュッと掴み引き寄せて頬っぺにキスをして抱き締められた。何が起きたのか理解出来なかった。ちょうど心臓の音が聞こえる所で、鼓動が伝わってきた。
「瑞希…急にごめんな。俺、瑞希の事好きなんだ。俺じゃダメ…か…?」
「…えっ?先…輩…?」
先輩は、パッと腕を離し照れくさそうな表情を見せた。
「瑞希。本気だから、今じゃなくていいから。今度答え聞かせてくれな。じゃぁな!!」
と手を振って走って行った。
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