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第2話 マネージャー
抑えられない気持ち
しおりを挟む初日を終え、玄関を出ると先輩達が部活動の勧誘をしていた。凄い数の部活。揉みくちゃにされながらとりあえずちょっとした隙間に出れた。すると、いきなり腕を掴まれた。えっ?誰?と振り返ると松田君だった。
「お前、相澤だろ。こっちだよ。」
「えっ?どこ行くの?」
と聞くが、がっしりとの私の腕を掴み人混みをぶつからない様にスタスタと歩いて行った。
「よし。着いた。」
そこはラグビー部だった。あっ自己紹介の事覚えてたんだ。と驚いた。
「先輩。松田崇裕です。入部希望です。で、こっちが相澤マネージャー希望です。」
「おっ松田。よく来たな。お前が来るの待ってたぞ。楽しみだな。で?マネージャーまで連れてきたのか?よくやったな。」
そんなやり取りをボーッと見てると、
「相澤。お前も何か言えよ。」
と。松田君が私に話を振ってきた。突然の事で頭がゴチャゴチャになってた。
「あ...あのう相澤瑞希です。よろしくお願いします。」
精一杯の勇気を振り絞って挨拶をした。
「瑞希ちゃんか。よろしくな。中々うちの部は厳しいからマネージャーが来ないんだよな。ありがとうな。おい紗和~マネージャー希望の子が来たぞ。」
すると奥から綺麗な人が出てきた。
「こんにちは。マネージャー希望?中々マネージャーって来ないのよ。だから嬉しいわ。私は紗和。よろしくね。名前教えてくれる?」
「相澤瑞希です。よろしくお願いします。」
「瑞希ちゃんね。こちらこそよろしく。じゃぁ、入部届け書いてくれる?」
入部届けに記入をして、すぐに佐和さんからの説明を受けた。いい香りだし凄く綺麗だなぁと見とれてしまっていた。一通り終わると
「相澤!終わったか?帰ろうぜ。」
「あっはい。」
松田君が、待ってくれていた。
「相澤が今日マネージャーなるって言ってくれて、嬉しかったんだ。うちのクラスにも何人か部員になるやついるんだぜ。」
「そうなんだね。」
他愛もない話をしながら帰った。腕を掴まれた感触もまだ残っており、急な出来事に胸はドキドキしていた。
「じゃぁ俺こっちだから。また明日な!」
「うん…また明日」
笑顔で手を振る彼を見送り、私はとぼとぼと歩き始めた。
入学初日からの展開が急過ぎて疲れた。でも、松田君の事がずっと頭の中でグルグルしていた。もっと知りたいとも思っていた。
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