サラダ

貪欲ちゃん

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チーズ

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目の前でキャッキャ言ってる子供達が異様に腹立たしく感じだ。
要らないから潰したくなった。
それに続いて軽快なLINEの音が、子供達の音と合わさって余計に不快に感じた。
何が軽快だ。
「杏!何処いるの!」
抜けてごめんとかのLINEじゃなくて、
私への怒りのLINEだった。
なんで?私は悪くない。
「ごめんね🙏」
そう、心にも思っていない絵文字をつけて返信した。
あたしは今、シネって思ってたのに。
「今どこいんの!?」
がに股でズカズカ走ってきそうな勢いで聞いてきた。
「〇〇公園のベンチにいる。」
「近くに居るからいくね!?」
また、同じような口調でいった。
「何よあんた!どこ行ってたのさ!」
よく映画に出てくる主人公のお母さんみたいな感じの口調で言った。
「ご、ごめん。」
以下にも悲しげな顔の表情にするため筋肉を動かした。
それから眼球を上にあげた。
いつからこんなに機械的な私になったんだろうあたしは。
「いいよ別に。そんな顔しないで。」
艶っぽい意地汚い唇をへの字にした。
その唇で何人男を誑かしてきたのか。
唇をじっと見つめた。
「どうだった?私の彼氏」
えへん!といった表情で私を見た。
それからどこから出てきたのか分からないほどの息が手の甲に降り注いだ。
「そ......の......し」
口から言葉が溢れた。
「え?!なに!?」
「うるさい!すぐ別れろ!」
あれ?なんか違う。
何言ってんだろあたし。
キャッキャしてるが子供が一斉に私の方を見る。
「な......にそれ......」
唇をあんぐり開けていった。
あたしはさっきより冷静な口調で言った。
「それ、あたしの彼氏だよ。」
なるべく威圧感を出さないように言った。
「なっ......あんたのせいだったのね!
    なかなか会えなくなってたの!」
なんで逆上されたの??
意味わかんない。
耳の奥でぱちぱち聞こえる幻覚なのかな?
「はいはい、終了!」
目の前に立っていたのは涼だった。
「杏ちゃん、もしかして本気にしてたの?
   そういうの重いから。
   俺とさ別れた理由忘れたの?」
フラッシュバックした。
大学の頃へ。
なんで忘れてたんだろあたし。
「重いんだよね。
「慎治くんだっけ??大事にしなよ。」
嘲笑して言う。
それに釣られた咲良も笑う。
サイテー。
「じゃあばいばい。」
ヒラヒラとあの時の少女漫画風に手を振る。
涼と咲良は腕を組み帰って行った。
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