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第一章 産声

第十三話 東方生存圏

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夜、宿舎に戻り夕食を食べ、宿に入った。僕のいるところは、浜田と前野がいる。
布団に3人横になり、秩父の景色を眺める。
前野「え、なんか桜降ってるよ。」
浜田「マジで?すげ!本当だ!」
「走ってる時に見たよ、ここ、桜降るんだってね。」
前野「ふーん、俺は見なかったなー。」
不思議と室内が寒くなってきた。布団をより深く潜る。また不思議に眠たくなってくる。
「もう寝るわ。おやすm。」
浜田「もう寝てるよ。」
前野「これ寝言?」
浜田「www、寝言かもね。」

ぱっと一瞬で目が覚めた。筋肉が痙攣し、ガクガク震える。
やっとの思いで食堂まで足を運び、また山のふもとまで行く。
「高谷、筋肉痛ひどいんだけど、お前もそうなってる?」
高谷「僕もやばい。走れるかな。」
また1000mもある城峰山を登り下り。僕の足の筋肉が壊れてもなお走り続ける。
『ズタッ』
転けてしまった。脚が擦りむけ、血が少々、垂れているのが分かる。
星野先輩「大丈夫か、横浜。」
そういい他の部生を走らせ、2人、取り残した。すると何か袋のような物の中から絆創膏が出てきた。
「ありがとうございます。走り続けます。」
星野先輩「無理するなよ、向こう追いつこうぜ!」
「はい!」
2人はそういい、全力でまた走った。
またまた不思議にあるが軽くなった気がした。そして、前の集団に追いついた。
星野先輩「じゃあな、俺は先頭行くから。」
高谷「横浜、大丈夫だった。」
「うん。なんとか。」
また地獄の山を登っていく。疲れていないが、脚が邪魔をする。冬桜は散り、僕らは駆ける。
また山頂へ着いた。また、下り、登る。
 もうすっかり夕方になった。体感ではまだ真昼なのに。
宿舎に戻り、夕食を食べ、荷物を詰めて、もう帰る、もう帰る。
皆野駅に着き。電車に入り。吊り革に手を掛ける。
夜の景色を見て、ふと西の城峰山見てどこか寂しくなった。清風での合宿は電車内で嬉しい思いをした。立教では寂しい思いをした。この差はなんだろうか。
数十分すると、見慣れた夜景が目に入った。池袋、立教の夜景。
野間監督「みんな、城峰山はいい思い出になったか。高地は辛いしだるい。だけど、この合宿は絶対箱根で役立つ。あっ、箱根の選手を言っていなかったか。では、言おう。
1区 3年 佐久間。2区 4年 村瀬。3区 1年 本馬。4区 4年 西。5区 3年 工藤。
6区 4年 南原。7区 2年 王。8区 1年 前野。9区 1年 横浜。10区 4年 星野。
このメンバーで行こうと思う。以上。解散!」
『はい!』
一斉にみんな帰っていく。僕はトイレに入る。トイレを出るとそこには前野がいた。
前野「横浜、俺さ、初めてスタメンになれてさ。嬉しくて。」
そういうと前野から涙が数滴。
「前野、一緒に頑張ろうな!足引っ張るなよ!」
前野「分かってるよ。そんなの。」
互いは逆方向へ歩いていった。

12月24日。僕はテレビにまっしぐら。高校生駅伝があるからだ。クリスマスにも駅伝はある。
今年の優勝は佐久長聖高校。清風は5位おろか参加していなかった。去年は清風の奇跡と評されたが、やっぱり
だった。
そう思うと、走れることができた僕は幸せ者だ。愚痴なんて言ってられない。箱根。それだけ。
強い決心を出せたんだ。
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