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第8話 娘さん、何度でも甘く食べられる
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――ピチュチュ、ピチチ。
外で鳥が鳴いている。あれは朝に鳴く鳥の声だ。ということは、もう朝だ。
パッ、という音がはっきりとしそうなほどヴィリアムは勢いよく瞼を開いた。カーテン越しに燦々と陽光が室内に入り込んでこようとしているのが目に入る。
(朝か……)
頭の中が妙にさっぱりと覚醒していた。これまでの人生で一番良質な目覚めかもしれない。
それもそのはずだろう。恋人の一人もできたことがなく、女性からはただただ恐れられ、避けられ、よくて怯えたような会釈を返されるだけだった自分が、結婚して嫁をとることができたのだ。それも相手は、ヴィリアムの練りに練ってこじらせた理想ぴったりの、小柄で華奢で、小動物のようにちょこまかと動く、自分とは正反対の愛くるしい女性だ。そして昨晩、ついにその女性――妻となったノエラを抱いたわけだが、我ながら興奮して二回も派手に中出しを決めてしまった。そりゃ寝起きに頭がすっきりしているわけである。
(ノエラは……まだ寝てるか)
しかしノエラはどうかというと、どこかぐったりとした表情でまだ眠っていた。ヴィリアムの方を向いて横向きに寝ているが、ヴィリアムの起床の気配ごときでは目覚めなさそうなところを見ると、相当身体に負担を強いたように思われる。
(あー……ヤりすぎたか)
そう考えて、ふとヴィリアムは気付く。性行為は娼館の娼婦を相手に何度か経験を重ねたが、そもそも特定の女性と一対一のお付き合いをしたことのない自分は、女性との適切な距離感が正しくつかめていないと思われる。せめて怖がられないようにとすべての女性に対しては常に紳士的に振る舞うことを意識はしてきたが、昨晩の自分は新妻のノエラに対して、一方的に欲望をぶつけすぎたかもしれない。ノエラに対する距離感が正しくなかったのではないかと今さらながらに思い、ヴィリアムは反省した。
(でもなあ……すっげぇ気持ちよかったし)
ヴィリアムはしばしノエラの寝顔を見つめながら昨晩のことを反芻した。
小柄のノエラに自分の持ち物が挿入るかどうかが一番の不安ではあったが、ノエラがびしゃびしゃに濡れやすい体質ということもあって、彼女にとってはたいへんだっただろうが、ヴィリアムとしてはとても気持ちよく挿入させてもらった。ノエラは処女だったので性行為の経験が初めてだっただろうが、前戯を丹念にほどこしてクリイキをさせたし、二回戦目だって彼女を手マンでイかせたので、不満を抱かせてはいないと思いたい。
(濡れすぎて恋人にヒかれて振られたってことだったけど、気にならなかったな)
昨晩ヴィリアムが二回目の吐精をしたあと、ノエラは気を失うように眠り込んでしまった。ヴィリアムはひとまずノエラに布団をかけて、ベッドの上に敷いておいたタオルを回収した。それはノエラの女汁や、ノエラの女の園から溢れ出たヴィリアムの精液をふんだんに吸い込んでいた。だが行為の最中も終わってからも、ノエラの濡れやすさを不快に思うことは微塵もなかった。確かに、抱いたことのある娼婦の誰よりもノエラは敏感に濡れて女蜜を漏らし続けたが、そのぬめりがあったからこそ意外とあっさりと挿入ができたのだ。ヴィリアムにとってはヒくどころか、むしろありがたい。
(あれだけ濡れるなら、潮吹きが簡単にできそうだな……今度狙ってみるか)
まともな性行為は初めてだろうに、昨晩のノエラは何度も絶頂をむかえてくれた。これから回数を重ねていけばきっとポルチオでもイけるようになるし、潮を吹くこともできるだろう。ノエラが両足を開いてあられもない姿で泣きそうな顔をしながらまき散らすえっち汁に、ぜひ溺れてみたいものだ。
(はー……ノエラ)
ヴィリアムはノエラの頬をそっとなでた。白い肌のふにっとしたやわらかな感触が愛くるしくて、今すぐにでもぎゅむっと抱きしめたくなる。実際、昨夜のヴィリアムは寝付く時にノエラを抱き枕のようにして抱いて寝たのだが、いとも簡単にこの手で捕らえることができてしまう小さなノエラの身体は本当にかわいかった。互いに素っ裸のままだったので、ふれ合う肌と肌がこれまた気持ちよくて、ヴィリアムは生きてきて本当によかったと心の底から思った。
(さて……面倒だけどいろいろやるか)
ヴィリアムはノエラのひたいにちゅっ、と口付けると、たいそう名残惜しかったがベッドを出ることにした。
結婚休暇ということで、まだこれから十日間ほどは仕事を休める。ノエラも、ハリーン家が紹介してくれた古い薬屋の手伝いの仕事は、ヴィリアムに合わせて休みをとっている。だから、今夜もまたノエラを抱くことができる。いや、夜と言わず彼女が許可してくれるなら昼間からだって彼女を抱きたい。昨晩の二度の射精からたった数時間しか経っていないが、ヴィリアムの玉袋の中は早くも新鮮な子種汁の生産が完了しているのだ。
ノエラに負担はかけたくない。健やかにいてほしい。なんなら、抱かれる以外のことは全部してあげたい。そう思ったヴィリアムは、風呂桶に湯を沸かすべく寝室を出ていった。自分も温かい湯で汗を流したいし、ノエラはもっと丹念に身体を洗いたいだろう。そして湯浴みが終われば食事をしたくなるだろうから、彼女が寝ているうちにサンドイッチでも買ってくるか。夕飯は彼女と一緒に作ってもいいが、なんら夕飯は近くの食堂に食べに行くのでもいい。ノエラが外出を億劫に思うなら、自分が弁当を買ってこよう。その代わり、今夜も必ずノエラを抱きたい。昨夜教えたばかりだが意外と乗り気でしてくれたフェラチオをまたされたい。シックスナインの体勢で、互いの性器をどちらかがイくまで舐め合いたい。それから、バックの体勢で彼女のまろやかな尻肉を眺めながらあの細い腰を掴んでガンガン打ち込みたい。寝バックや立ちバックもいいかもしれない。いや、あの軽い身体をひょいっと持ち上げて対面立位でもいいかもしれない。昨夜と同じように対面座位で密着しながらも捨てがたい。愛らしい蕾をしつこくいじりながら肉壁をいじりつつ、乳房や乳首もかわいがって、三点責めを続けてもみたい。ノエラはどんな反応をするだろうか。甲高くて艶めいた声でまた啼いてくれるだろうか。彼女とセックスをするためにすべての時間を使いたいので、家事は誰かがやってくれないだろうか。
(女中でも雇うか)
さっと湯浴みを終えて服を着て、ヴィリアムは近くの市場に向かった。ノエラの朝食用のサンドイッチと、自分用にがっつりと肉の盛られた弁当を購入し、歩きながら考える。
ハリーン家が融通してくれた新居は、ヴィリアムの実家の二倍近くは広い。そんな広くなくてもいいとヴィリアムはエンドリに言ったのだが、「将来的には二人の間に生まれた子供もハリーン家に仕えてもらいたいのだから、子供が何人いてもいいように家は広めにしておけ。あとで狭くすることはできても広げることは難しいのだから」と言われて押し切られてしまった。
これまではノエラがまめに家事をしてくれていたが、もし本当に子供が何人もできたら、彼女一人に家のことをさせるのは負担だろう。薬屋の手伝いの仕事を辞めてもらって家を取り仕切ることを仕事にしてもらうというのも手だが、亡き母の知識も活かせるということで、老夫婦が営む薬屋の手伝いをノエラはなかなか楽しんでしているようだ。老夫婦からも、もしも可能ならいつかは薬屋を継いでほしいと簡単にではあるが打診されているらしいし、せっかくやりがいのある仕事を辞めさせるのは申し訳ない。それならば、女中を雇う方がいいだろう。
(使用人を雇用するのが当たり前の大きな家の感覚、ちょっと理解できたな)
ヴィリアムの生家マンダール家は、グントバハロン国ではごくごく普通の庶民の家だ。使用人などいたことがないし、家族以外の者が同じ屋根の下にいるという感覚は理解できないと思っていた。
だが、なぜか今は自然と使用人の必要性を認められる。ノエラのことを思うと男性の使用人ではなく女中に限るだろうが、こうして自分がノエラを抱きつぶして彼女が寝てしまっている間も家のことをしてくれる手があれば、ヴィリアムとしても気兼ねなくノエラと過ごせる。これから生涯仕えると誓ったハリーン家のためにも、家屋の基本的な管理は使用人に任せて、自分とノエラは夫婦仲睦まじくしてより多くの子を成したいと思った。
(まあ、でももう少し先だな)
ヴィリアムが帰宅すると、家の中は物音ひとつしなかった。ノエラはまだ寝ているようだ。
女中を雇うことは前向きに検討したい。しかし、今はまだ、ノエラと二人きりで朝から晩までどろどろに甘くとけ合っていたい。そのためにも体調は万全にしておこうと、ヴィリアムは肉も野菜も主食のパンも、盛大にがっついた。
◆◇◆◇◆
その日、ノエラが起きたのは太陽が一番高い空に昇った頃だった。ヴィリアムは再度風呂の湯を温め、ノエラに湯浴みをさせる。それから買ってきておいたサンドイッチを食べさせて、少しばかりソファに隣り合って座って話をした。ノエラの身体に特に不調がないことを確認して、今すぐにでもまたえっちをしたいと素直に欲望を表に出すと、ノエラは恥ずかしさで顔を赤らめながらも「いいですよ」と小さく笑った。
寝室に入ると、ドアに背中を預けて立つようにヴィリアムはノエラに言った。すぐにノエラの服を引ん剥いて抱くのもよかったが、せっかくなら少し趣向を凝らすことにしたのだ。
「スカートの裾、自分で持ち上げてくれる?」
「えっ、な、何をするんですかっ」
「えっちなことだよ。ノエラとまたセックスしたいって言っただろ?」
言われたとおりおとなしくドアを背にしたノエラは、しかしヴィリアムの要求の意図がつかめないようで困惑した。セックスはベッドでするものではないのだろうか。そう思いつつも、恐る恐るスカートの裾を両手で持ってたくし上げる。
そんなノエラの足元の床に膝を突いたヴィリアムは、彼女のパンティのもっこりとしたふくらみに鼻を当て、すんすんと匂いを嗅いだ。
「やっ……やだっ、ヴィリーっ」
湯浴みをして着替えたばかりなので、そこはたいして汚れてはいないはずだ。それでも、そんなはしたない場所の匂いを嗅がれることに、ノエラはどうしようもなく羞恥心を覚えた。おまけに、スカートを持ち上げて自らその場所をヴィリアムにさらしているようで、なんともはしたなく思えてしまう。
「ぷにぷにしててかわいい。ノエラのここ、美味しそうだ」
しかし、ノエラの羞恥心などヴィリアムは無視する。くいっとパンティのクロッチ部分を脇に寄せると、窮屈そうにあらわになったノエラの花びらをむしゃむしゃとやさしくかじった。
「あんっ♡ あ、だめっ」
駄目と言われて止まるわけがない。止められるわけがない。
素直でいい子のノエラは、まだ自分でスカートをたくし上げている。床に膝を突いて背中を丸めるヴィリアムは、そうしてあらわになったノエラの秘所に夢中でかぶりついた。
――ぺちゃぺちゃ、ちゅむぱちゅ。
「ひぁっあ、あっ、舐めちゃ……やぁっ」
――ぴちゅん、ちゅこちゅこ。
ヴィリアムの唇と舌が、一瞬も止まることなくノエラのおまんこを喰い尽くす。肉の小豆はがくからむき出されて、ヴィリアムの唾液でべったりと湿らされたうえで、ちろちろとした舌先の愛撫を受ける。するとノエラは立っていられないほどに下半身を震わせた。
「はぁ……ノエラ、エロかわいい」
ヴィリアムは五本の指の腹でノエラの太ももを下から上へつつつ、となぞった。すべすべの感触がする太ももに頬をこすりつけ、そこはかとなくただよう女の色香を鼻に吸い込みながら、人差し指をつぷり、と彼女の秘孔の中へ差し入れる。すると、ノエラはぎゅっと足を閉じようとした。
「ノエラ、足は開いて?」
「で、でもっ……」
「頼むよ。もっとノエラのクリトリスをかわいがってあげるから」
ヴィリアムはノエラの顔を下からのぞき込む。恥ずかしさと心地良さで、早くもノエラの瞳は潤んでいた。赤くなった頬がかわいらしくて、ヴィリアムは狂おしいほどの愛おしさを覚える。
――ちゅぱちゅぱ、ぴゅちぴゅち。
「はっ……あぅっ……ああっ」
ノエラはスカートの裾を持ったまま、ヴィリアムにされる愛撫に懸命に耐えた。しかし足に力を入れて踏ん張ろうとすればするほど、敏感な花蕾は責め苦を放り出して、もっとめちゃくちゃになりたいと泣き叫んだ。
――ちゅぷ、ぬぷぷ。
「イきそうだったらイってもいいよ?」
――くちゅり、くちゅり。
ヴィリアムは人差し指でノエラの女穴をかき混ぜながら、ノエラのクリ豆を短く吸い上げる。それを繰り返すと、ノエラは目尻から一筋の涙を流した。
「ああっ……だめっ……だめですぅっ♡」
「駄目じゃないよ。いいよノエラ、イっちゃえ」
「あっ……あぁんっ♡」
もう耐えられない。ノエラはスカートの裾を離した。
ひらり、と裾は落ちてヴィリアムの頭を覆い隠す。傍から見れば完全に、ヴィリアムはノエラのスカートの中に潜り込んでいる変態だった。しかしその変態の頭をノエラは無意識のうちに手で押さえつけ、自ら秘豆をヴィリアムの顔に押し当てる。
「ああっ、あ、イくっ、イっちゃう……っ♡」
そして法悦を求めて腰を前後に揺らし、ノエラは頭の中を真っ白にさせて果てた。
「はー……はーっ」
ノエラは薄目になって肩で息をする。
ヴィリアムはノエラのスカートの中から出てくると、にんまりとした笑顔でノエラを見上げた。
「服を脱いで、ベッドに行こうか」
ヴィリアムは言うやいなや、さくっと自分の服を、下着も含めてあっという間に脱いでしまう。それから、ノエラがもたもたと服を脱ぐのを待って、意気揚々とベッドに乗り上げた。
「舐め合いっこしよう。俺の方に尻を向けて、俺にまたがってくれる?」
「はぃ……」
ノエラは早くも思考力がとかされて、ヴィリアムの言うことにおとなしく従う。しかし、彼の身体をまたいで足を広げることで股間がヴィリアムの目の間に開帳されたので、恥ずかしさでおかしくなりそうだった。
「やだ……この体勢、恥ずかしいです」
「そうだね。ノエラのえっちな部分、丸見えだもんね。でも恥ずかしいのは我慢して? ノエラのこのえっちなお股、また舐めてあげるから。でもノエラも、俺のチンポを舐めてくれる?」
「ん……」
ヴィリアムに乞い願われたノエラは、ビンビンに張って硬くなっているヴィリアムの男竿を手のひらで掴むと、ぱくりとそれを口に含んだ。口をすぼめて口いっぱいにヴィリアムの男根を頬張ってみるが、ヴィリアムの方もノエラの貝肉のワレメを大きく伸ばした舌でべろり、べろりと舐め上げ、それが気持ちよくてノエラの太ももは震える。しまいにはヴィリアムの唇がくにくにと赤い米粒を愛撫したものだから、その快感に思わずペニスを口から放ってノエラは喘いでしまった。
「あぁんぅっ……だ、だめぇっ」
「ノエラ、ほら口と手を使って、俺のチンコも気持ちよくしてくれないか」
「んっ……はむっ」
――ちゅぽん、ちゅ、ちゅっ。
「うっ……ノエラっ……そうだ、すごく気持ちいいよ」
――ぺちゃ、ぷちゃ。
ノエラの小さなおクチが、健気にもヴィリアムの性器を食む。唾液と、それからヴィリアムの亀頭から漏れ出た我慢汁がノエラの舌の上で混ざり合い、長くて太い凶器にまとわりつく。
「ンンッ……」
――つんつん、れろれろ。
(嬉しい……)
――ぺろぺろ、くちくち。
引き続きヴィリアムに股の間を丹念に舐められながら、ノエラは思った。
これはとても恥ずかしい行為だが、しかしヴィリアムが困ったような声で「気持ちいい」と言ってくれると、胸の中がほっこりと温まる。口の中に収まりきらないこの熱く滾った硬い茎を舐めるだけではなく、くにくにと指の腹で軽く押しながらなでたくなる。
「ん、っ……だめだ、ノエラ。出ちまう……っ」
裏筋をぷにっと押されて早くも射精感を覚えたヴィリアムは、ノエラの身体の下から這いずり出るように上半身を起こした。
「そのまま尻をこっちに向けて、四つん這いになってくれる?」
「こ……こう、ですか」
ノエラはくちゃっと折れたシーツの上で言われたとおり四つん這いになる。ヴィリアムの声からは紳士的な優しさが消えていて、どことなく恐れを感じさせるような切羽詰まった獣っぽさを感じた。
「ノエラは尻の穴もかわいいね。いつかそこもかわいがってあげる」
「えっ!?」
「でも今は挿入させて。ノエラのぬるぬるのおまんこで、俺の精液を搾り取って」
「あっ、んんぅっ……!」
ヴィリアムは片手でノエラの腰を引き寄せ、片手でムスコの根元を固定して、ぐにぐにとノエラの蜜穴へと侵入した。今日もしとどに濡れているそこは、すぐに肉壁がねっとりとまとわりついてきて、侵入者であるはずのヴィリアムの赤黒い淫棒を厳かに抱きしめた。
「はっ……あっ」
「ノエラ、動くよっ」
――ぱちゅんっ、パンパンっ。
「ああっ、あんっ……やぁっ、アァッ、はぁぅっ」
ノエラはシーツを掴んで喘いだ。今日も胎いっぱいに、ヴィリアムの太くて硬い分身を感じる。そしてそれは昨晩と同じく、容赦なくノエラの身体を突き上げる。しかし昨日と体勢が違うからなのか、何か感じ方が昨日と違う。繰り返される輸送のたびに、ある一か所が妙に切なく疼く。
「んっあっ……ヴィリーっ、そこっ」
「好いところに当たってる?」
「わ、わかんなっ……」
「気持ちよかったらそう言って、ノエラ」
「あんっ♡」
ヴィリアムはノエラの脇腹の先へ長い腕を伸ばすと、コリコリと硬くなった乳首を執拗にはじいた。そこは昨夜、前戯の段階でぺろぺろと舐めて散々かわいがったが、やわらかくて指が埋まりそうな乳房の肉丘といい、まだまだいくらでもいじってやりたかった。
「あっ……あ、だめっ、乳首はっ♡」
「イイ、じゃなくて? 俺のチンポでずぶずぶされながら乳首をつままれるの、気持ちがいいんじゃないの」
「んぁっ、あっ……やぁっ♡」
ノエラの嬌声は高く甘い。まだクリトリスの快楽ほどしっかりとは認識できないのだろうが、間違いなく膣内に快感を覚え始めている。
「ノエラ、イくっ……出すよっ」
ヴィリアムは乳首いじりをやめると、ノエラの細い腰を両手でがしっと掴んだ。彼女の涙目のイき顔が見られないのは残念だが、その分美しい曲線を描く尻のカーブを見下ろしながら最奥へと腰を打ち付けると、それだけでもひどく興奮した。自分と違ってとても小柄な、しかし女性らしい丸みを帯びた臀部が為す術もなく陰茎に貫かれている光景は、ヴィリアムの中の支配欲を容量いっぱいに満たした。
「ああっ、あんっ……ぁあっ」
「ふーっ……ふーっ」
ヴィリアムは獣のようにたかぶった息を漏らしながら、ノエラの膣内に射精する。小刻みに震えるヴィリアムの腰は、今日作られたばかりの活発な精子を勢いよく送り込んだ。
「はぁ……」
ノエラは顔を横に向けて、浅く息をする。太ももが震えているのがわかるが、自分ではその震えを止められそうにない。少しするとその太ももの内側に液体が溢れてきて、その感触に少しだけ意識がはっきりとする。
「ヴィリアム、さん」
のろのろと背後を振り向くと、目の据わったヴィリアムと目が合う。
今日昼過ぎにノエラが起きると、湯浴みの用意も食事の用意も先に起きていた彼がしてくれて、ヴィリアムはあれこれと甲斐甲斐しく世話をしてくれた。昨夜汚したタオルたちはまとめて洗濯屋に出したとのことで、ノエラが家事のことを気にする必要はなかった。本当に、大柄な体躯からは想像もできないほど細やかな気遣いができる夫だ。
「ごめん、大丈夫?」
「はい……あの……」
ノエラはヴィリアムを見つめながら、ころんと仰向けになった。そして全身を弛緩させたまま、頬をゆるませて苦笑する。
「謝らなくていいんですよ。私は大丈夫です。身体は小さいけど、結構頑丈なんですよ?」
「そうだな。俺のペニスを咥え込んでガツガツ揺さぶられて……壊れてしまいそうにも思うけど、意外と大丈夫そうだね」
ヴィリアムはノエラに体重をかけないように覆いかぶさると、ちゅむ、ちゅむっと食むようにノエラに口付けた。
「ノエラも気持ちがいいって言ってくれると嬉しいんだけど」
「あ、はい……あの……えっと……」
ヴィリアムの瞳が懇願してくる。身体は熊のように大きいのに、捨てられた子犬のようなその瞳がかわいらしくて、ノエラはほほ笑んだ。
「あの……舐められるのも、さわられるのも……気持ちがいいです」
「どこを?」
「ど、どこって……えっと……あの、下を……」
「した、って、べろのこと?」
「ち、違くて、その……」
「おまんこ? クリトリス? それともびらびらの陰唇のこと? あ、乳首かな?」
「も……もうっ」
そんなはっきりと卑猥な場所を言えないノエラは、ヴィリアムの怒涛の確認に困って首を横に振った。
「気持ちいいって言ってくれると嬉しいんだけど、ノエラが卑猥なことを言ってくれると興奮するから、やらしいことも言ってほしいな」
「い、言わないですっ」
「え~。言ってほしい。俺の前だけで、ノエラはどんどんえっちになろう?」
ヴィリアムはノエラの両頬を固定すると、こめかみや瞼、鼻の上にちゅ、ちゅ、と口付けていく。
「かわいいよ、ノエラ。たまらない。好きだよ」
「あ、わた、私もヴィリアムさんが好きですっ」
言い忘れないように、と必死になったのか、ノエラは前のめりで言った。するとヴィリアムは照れくさそうににっこりと笑う。
「ありがとう。あの日、君を探すように俺に頼んでくれたマルトさんに感謝だな。頼まれなければ、俺がノエラを捜しに行くことはなかった。ノエラと出逢えなかったわけだ」
「そう……ですね」
「マルトさんの分も、早くに亡くなったご両親の分も、これからは俺がノエラを守る。何よりも大事に愛するから。だからノエラも俺だけを見て、愛してくれる?」
ヴィリアムはうっとりとした視線でノエラを見つめつつ、彼女の顔の輪郭を指の腹でなでた。
「はい、もちろんです」
ノエラはほほ笑むと、両腕をヴィリアムの首に回して彼の大きな身体を抱き寄せた。
「愛してます、ヴィリアムさん」
のしかかられたらあっという間につぶされてしまいそうな、熊のような体躯。しかしその大きさとは裏腹に、とても細やかで紳士的なヴィリアム。自分の方こそ、彼に見つけて愛してもらえてよかった。肉親はみないなくなってしまったが、ノエラの腕では抱きしめきれないほど大きなヴィリアムがくれる大きな愛に包まれれば、淋しさなど吹き飛んでしまう。願わくは、武人である彼が少しでも長生きできますように。戦場で死ぬことなく、必ず自分のもとへ帰ってきますように。ノエラはそう祈った。
こののち、二人の間には三人の子供が生まれた。そのうち二人はヴィリアムと同じように武人になり、ハリーン家に仕えた。ヴィリアムは老いて第一線を退くまでエンドリのもとで活躍し、グントバハロンの平和維持に貢献した。「妻を残して先には逝けない」と常々周囲に漏らしていたヴィリアムは、その言葉通り、孫を抱いて満足げな笑顔を見せたノエラが老衰で亡くなってからこの世を去るのだった。
外で鳥が鳴いている。あれは朝に鳴く鳥の声だ。ということは、もう朝だ。
パッ、という音がはっきりとしそうなほどヴィリアムは勢いよく瞼を開いた。カーテン越しに燦々と陽光が室内に入り込んでこようとしているのが目に入る。
(朝か……)
頭の中が妙にさっぱりと覚醒していた。これまでの人生で一番良質な目覚めかもしれない。
それもそのはずだろう。恋人の一人もできたことがなく、女性からはただただ恐れられ、避けられ、よくて怯えたような会釈を返されるだけだった自分が、結婚して嫁をとることができたのだ。それも相手は、ヴィリアムの練りに練ってこじらせた理想ぴったりの、小柄で華奢で、小動物のようにちょこまかと動く、自分とは正反対の愛くるしい女性だ。そして昨晩、ついにその女性――妻となったノエラを抱いたわけだが、我ながら興奮して二回も派手に中出しを決めてしまった。そりゃ寝起きに頭がすっきりしているわけである。
(ノエラは……まだ寝てるか)
しかしノエラはどうかというと、どこかぐったりとした表情でまだ眠っていた。ヴィリアムの方を向いて横向きに寝ているが、ヴィリアムの起床の気配ごときでは目覚めなさそうなところを見ると、相当身体に負担を強いたように思われる。
(あー……ヤりすぎたか)
そう考えて、ふとヴィリアムは気付く。性行為は娼館の娼婦を相手に何度か経験を重ねたが、そもそも特定の女性と一対一のお付き合いをしたことのない自分は、女性との適切な距離感が正しくつかめていないと思われる。せめて怖がられないようにとすべての女性に対しては常に紳士的に振る舞うことを意識はしてきたが、昨晩の自分は新妻のノエラに対して、一方的に欲望をぶつけすぎたかもしれない。ノエラに対する距離感が正しくなかったのではないかと今さらながらに思い、ヴィリアムは反省した。
(でもなあ……すっげぇ気持ちよかったし)
ヴィリアムはしばしノエラの寝顔を見つめながら昨晩のことを反芻した。
小柄のノエラに自分の持ち物が挿入るかどうかが一番の不安ではあったが、ノエラがびしゃびしゃに濡れやすい体質ということもあって、彼女にとってはたいへんだっただろうが、ヴィリアムとしてはとても気持ちよく挿入させてもらった。ノエラは処女だったので性行為の経験が初めてだっただろうが、前戯を丹念にほどこしてクリイキをさせたし、二回戦目だって彼女を手マンでイかせたので、不満を抱かせてはいないと思いたい。
(濡れすぎて恋人にヒかれて振られたってことだったけど、気にならなかったな)
昨晩ヴィリアムが二回目の吐精をしたあと、ノエラは気を失うように眠り込んでしまった。ヴィリアムはひとまずノエラに布団をかけて、ベッドの上に敷いておいたタオルを回収した。それはノエラの女汁や、ノエラの女の園から溢れ出たヴィリアムの精液をふんだんに吸い込んでいた。だが行為の最中も終わってからも、ノエラの濡れやすさを不快に思うことは微塵もなかった。確かに、抱いたことのある娼婦の誰よりもノエラは敏感に濡れて女蜜を漏らし続けたが、そのぬめりがあったからこそ意外とあっさりと挿入ができたのだ。ヴィリアムにとってはヒくどころか、むしろありがたい。
(あれだけ濡れるなら、潮吹きが簡単にできそうだな……今度狙ってみるか)
まともな性行為は初めてだろうに、昨晩のノエラは何度も絶頂をむかえてくれた。これから回数を重ねていけばきっとポルチオでもイけるようになるし、潮を吹くこともできるだろう。ノエラが両足を開いてあられもない姿で泣きそうな顔をしながらまき散らすえっち汁に、ぜひ溺れてみたいものだ。
(はー……ノエラ)
ヴィリアムはノエラの頬をそっとなでた。白い肌のふにっとしたやわらかな感触が愛くるしくて、今すぐにでもぎゅむっと抱きしめたくなる。実際、昨夜のヴィリアムは寝付く時にノエラを抱き枕のようにして抱いて寝たのだが、いとも簡単にこの手で捕らえることができてしまう小さなノエラの身体は本当にかわいかった。互いに素っ裸のままだったので、ふれ合う肌と肌がこれまた気持ちよくて、ヴィリアムは生きてきて本当によかったと心の底から思った。
(さて……面倒だけどいろいろやるか)
ヴィリアムはノエラのひたいにちゅっ、と口付けると、たいそう名残惜しかったがベッドを出ることにした。
結婚休暇ということで、まだこれから十日間ほどは仕事を休める。ノエラも、ハリーン家が紹介してくれた古い薬屋の手伝いの仕事は、ヴィリアムに合わせて休みをとっている。だから、今夜もまたノエラを抱くことができる。いや、夜と言わず彼女が許可してくれるなら昼間からだって彼女を抱きたい。昨晩の二度の射精からたった数時間しか経っていないが、ヴィリアムの玉袋の中は早くも新鮮な子種汁の生産が完了しているのだ。
ノエラに負担はかけたくない。健やかにいてほしい。なんなら、抱かれる以外のことは全部してあげたい。そう思ったヴィリアムは、風呂桶に湯を沸かすべく寝室を出ていった。自分も温かい湯で汗を流したいし、ノエラはもっと丹念に身体を洗いたいだろう。そして湯浴みが終われば食事をしたくなるだろうから、彼女が寝ているうちにサンドイッチでも買ってくるか。夕飯は彼女と一緒に作ってもいいが、なんら夕飯は近くの食堂に食べに行くのでもいい。ノエラが外出を億劫に思うなら、自分が弁当を買ってこよう。その代わり、今夜も必ずノエラを抱きたい。昨夜教えたばかりだが意外と乗り気でしてくれたフェラチオをまたされたい。シックスナインの体勢で、互いの性器をどちらかがイくまで舐め合いたい。それから、バックの体勢で彼女のまろやかな尻肉を眺めながらあの細い腰を掴んでガンガン打ち込みたい。寝バックや立ちバックもいいかもしれない。いや、あの軽い身体をひょいっと持ち上げて対面立位でもいいかもしれない。昨夜と同じように対面座位で密着しながらも捨てがたい。愛らしい蕾をしつこくいじりながら肉壁をいじりつつ、乳房や乳首もかわいがって、三点責めを続けてもみたい。ノエラはどんな反応をするだろうか。甲高くて艶めいた声でまた啼いてくれるだろうか。彼女とセックスをするためにすべての時間を使いたいので、家事は誰かがやってくれないだろうか。
(女中でも雇うか)
さっと湯浴みを終えて服を着て、ヴィリアムは近くの市場に向かった。ノエラの朝食用のサンドイッチと、自分用にがっつりと肉の盛られた弁当を購入し、歩きながら考える。
ハリーン家が融通してくれた新居は、ヴィリアムの実家の二倍近くは広い。そんな広くなくてもいいとヴィリアムはエンドリに言ったのだが、「将来的には二人の間に生まれた子供もハリーン家に仕えてもらいたいのだから、子供が何人いてもいいように家は広めにしておけ。あとで狭くすることはできても広げることは難しいのだから」と言われて押し切られてしまった。
これまではノエラがまめに家事をしてくれていたが、もし本当に子供が何人もできたら、彼女一人に家のことをさせるのは負担だろう。薬屋の手伝いの仕事を辞めてもらって家を取り仕切ることを仕事にしてもらうというのも手だが、亡き母の知識も活かせるということで、老夫婦が営む薬屋の手伝いをノエラはなかなか楽しんでしているようだ。老夫婦からも、もしも可能ならいつかは薬屋を継いでほしいと簡単にではあるが打診されているらしいし、せっかくやりがいのある仕事を辞めさせるのは申し訳ない。それならば、女中を雇う方がいいだろう。
(使用人を雇用するのが当たり前の大きな家の感覚、ちょっと理解できたな)
ヴィリアムの生家マンダール家は、グントバハロン国ではごくごく普通の庶民の家だ。使用人などいたことがないし、家族以外の者が同じ屋根の下にいるという感覚は理解できないと思っていた。
だが、なぜか今は自然と使用人の必要性を認められる。ノエラのことを思うと男性の使用人ではなく女中に限るだろうが、こうして自分がノエラを抱きつぶして彼女が寝てしまっている間も家のことをしてくれる手があれば、ヴィリアムとしても気兼ねなくノエラと過ごせる。これから生涯仕えると誓ったハリーン家のためにも、家屋の基本的な管理は使用人に任せて、自分とノエラは夫婦仲睦まじくしてより多くの子を成したいと思った。
(まあ、でももう少し先だな)
ヴィリアムが帰宅すると、家の中は物音ひとつしなかった。ノエラはまだ寝ているようだ。
女中を雇うことは前向きに検討したい。しかし、今はまだ、ノエラと二人きりで朝から晩までどろどろに甘くとけ合っていたい。そのためにも体調は万全にしておこうと、ヴィリアムは肉も野菜も主食のパンも、盛大にがっついた。
◆◇◆◇◆
その日、ノエラが起きたのは太陽が一番高い空に昇った頃だった。ヴィリアムは再度風呂の湯を温め、ノエラに湯浴みをさせる。それから買ってきておいたサンドイッチを食べさせて、少しばかりソファに隣り合って座って話をした。ノエラの身体に特に不調がないことを確認して、今すぐにでもまたえっちをしたいと素直に欲望を表に出すと、ノエラは恥ずかしさで顔を赤らめながらも「いいですよ」と小さく笑った。
寝室に入ると、ドアに背中を預けて立つようにヴィリアムはノエラに言った。すぐにノエラの服を引ん剥いて抱くのもよかったが、せっかくなら少し趣向を凝らすことにしたのだ。
「スカートの裾、自分で持ち上げてくれる?」
「えっ、な、何をするんですかっ」
「えっちなことだよ。ノエラとまたセックスしたいって言っただろ?」
言われたとおりおとなしくドアを背にしたノエラは、しかしヴィリアムの要求の意図がつかめないようで困惑した。セックスはベッドでするものではないのだろうか。そう思いつつも、恐る恐るスカートの裾を両手で持ってたくし上げる。
そんなノエラの足元の床に膝を突いたヴィリアムは、彼女のパンティのもっこりとしたふくらみに鼻を当て、すんすんと匂いを嗅いだ。
「やっ……やだっ、ヴィリーっ」
湯浴みをして着替えたばかりなので、そこはたいして汚れてはいないはずだ。それでも、そんなはしたない場所の匂いを嗅がれることに、ノエラはどうしようもなく羞恥心を覚えた。おまけに、スカートを持ち上げて自らその場所をヴィリアムにさらしているようで、なんともはしたなく思えてしまう。
「ぷにぷにしててかわいい。ノエラのここ、美味しそうだ」
しかし、ノエラの羞恥心などヴィリアムは無視する。くいっとパンティのクロッチ部分を脇に寄せると、窮屈そうにあらわになったノエラの花びらをむしゃむしゃとやさしくかじった。
「あんっ♡ あ、だめっ」
駄目と言われて止まるわけがない。止められるわけがない。
素直でいい子のノエラは、まだ自分でスカートをたくし上げている。床に膝を突いて背中を丸めるヴィリアムは、そうしてあらわになったノエラの秘所に夢中でかぶりついた。
――ぺちゃぺちゃ、ちゅむぱちゅ。
「ひぁっあ、あっ、舐めちゃ……やぁっ」
――ぴちゅん、ちゅこちゅこ。
ヴィリアムの唇と舌が、一瞬も止まることなくノエラのおまんこを喰い尽くす。肉の小豆はがくからむき出されて、ヴィリアムの唾液でべったりと湿らされたうえで、ちろちろとした舌先の愛撫を受ける。するとノエラは立っていられないほどに下半身を震わせた。
「はぁ……ノエラ、エロかわいい」
ヴィリアムは五本の指の腹でノエラの太ももを下から上へつつつ、となぞった。すべすべの感触がする太ももに頬をこすりつけ、そこはかとなくただよう女の色香を鼻に吸い込みながら、人差し指をつぷり、と彼女の秘孔の中へ差し入れる。すると、ノエラはぎゅっと足を閉じようとした。
「ノエラ、足は開いて?」
「で、でもっ……」
「頼むよ。もっとノエラのクリトリスをかわいがってあげるから」
ヴィリアムはノエラの顔を下からのぞき込む。恥ずかしさと心地良さで、早くもノエラの瞳は潤んでいた。赤くなった頬がかわいらしくて、ヴィリアムは狂おしいほどの愛おしさを覚える。
――ちゅぱちゅぱ、ぴゅちぴゅち。
「はっ……あぅっ……ああっ」
ノエラはスカートの裾を持ったまま、ヴィリアムにされる愛撫に懸命に耐えた。しかし足に力を入れて踏ん張ろうとすればするほど、敏感な花蕾は責め苦を放り出して、もっとめちゃくちゃになりたいと泣き叫んだ。
――ちゅぷ、ぬぷぷ。
「イきそうだったらイってもいいよ?」
――くちゅり、くちゅり。
ヴィリアムは人差し指でノエラの女穴をかき混ぜながら、ノエラのクリ豆を短く吸い上げる。それを繰り返すと、ノエラは目尻から一筋の涙を流した。
「ああっ……だめっ……だめですぅっ♡」
「駄目じゃないよ。いいよノエラ、イっちゃえ」
「あっ……あぁんっ♡」
もう耐えられない。ノエラはスカートの裾を離した。
ひらり、と裾は落ちてヴィリアムの頭を覆い隠す。傍から見れば完全に、ヴィリアムはノエラのスカートの中に潜り込んでいる変態だった。しかしその変態の頭をノエラは無意識のうちに手で押さえつけ、自ら秘豆をヴィリアムの顔に押し当てる。
「ああっ、あ、イくっ、イっちゃう……っ♡」
そして法悦を求めて腰を前後に揺らし、ノエラは頭の中を真っ白にさせて果てた。
「はー……はーっ」
ノエラは薄目になって肩で息をする。
ヴィリアムはノエラのスカートの中から出てくると、にんまりとした笑顔でノエラを見上げた。
「服を脱いで、ベッドに行こうか」
ヴィリアムは言うやいなや、さくっと自分の服を、下着も含めてあっという間に脱いでしまう。それから、ノエラがもたもたと服を脱ぐのを待って、意気揚々とベッドに乗り上げた。
「舐め合いっこしよう。俺の方に尻を向けて、俺にまたがってくれる?」
「はぃ……」
ノエラは早くも思考力がとかされて、ヴィリアムの言うことにおとなしく従う。しかし、彼の身体をまたいで足を広げることで股間がヴィリアムの目の間に開帳されたので、恥ずかしさでおかしくなりそうだった。
「やだ……この体勢、恥ずかしいです」
「そうだね。ノエラのえっちな部分、丸見えだもんね。でも恥ずかしいのは我慢して? ノエラのこのえっちなお股、また舐めてあげるから。でもノエラも、俺のチンポを舐めてくれる?」
「ん……」
ヴィリアムに乞い願われたノエラは、ビンビンに張って硬くなっているヴィリアムの男竿を手のひらで掴むと、ぱくりとそれを口に含んだ。口をすぼめて口いっぱいにヴィリアムの男根を頬張ってみるが、ヴィリアムの方もノエラの貝肉のワレメを大きく伸ばした舌でべろり、べろりと舐め上げ、それが気持ちよくてノエラの太ももは震える。しまいにはヴィリアムの唇がくにくにと赤い米粒を愛撫したものだから、その快感に思わずペニスを口から放ってノエラは喘いでしまった。
「あぁんぅっ……だ、だめぇっ」
「ノエラ、ほら口と手を使って、俺のチンコも気持ちよくしてくれないか」
「んっ……はむっ」
――ちゅぽん、ちゅ、ちゅっ。
「うっ……ノエラっ……そうだ、すごく気持ちいいよ」
――ぺちゃ、ぷちゃ。
ノエラの小さなおクチが、健気にもヴィリアムの性器を食む。唾液と、それからヴィリアムの亀頭から漏れ出た我慢汁がノエラの舌の上で混ざり合い、長くて太い凶器にまとわりつく。
「ンンッ……」
――つんつん、れろれろ。
(嬉しい……)
――ぺろぺろ、くちくち。
引き続きヴィリアムに股の間を丹念に舐められながら、ノエラは思った。
これはとても恥ずかしい行為だが、しかしヴィリアムが困ったような声で「気持ちいい」と言ってくれると、胸の中がほっこりと温まる。口の中に収まりきらないこの熱く滾った硬い茎を舐めるだけではなく、くにくにと指の腹で軽く押しながらなでたくなる。
「ん、っ……だめだ、ノエラ。出ちまう……っ」
裏筋をぷにっと押されて早くも射精感を覚えたヴィリアムは、ノエラの身体の下から這いずり出るように上半身を起こした。
「そのまま尻をこっちに向けて、四つん這いになってくれる?」
「こ……こう、ですか」
ノエラはくちゃっと折れたシーツの上で言われたとおり四つん這いになる。ヴィリアムの声からは紳士的な優しさが消えていて、どことなく恐れを感じさせるような切羽詰まった獣っぽさを感じた。
「ノエラは尻の穴もかわいいね。いつかそこもかわいがってあげる」
「えっ!?」
「でも今は挿入させて。ノエラのぬるぬるのおまんこで、俺の精液を搾り取って」
「あっ、んんぅっ……!」
ヴィリアムは片手でノエラの腰を引き寄せ、片手でムスコの根元を固定して、ぐにぐにとノエラの蜜穴へと侵入した。今日もしとどに濡れているそこは、すぐに肉壁がねっとりとまとわりついてきて、侵入者であるはずのヴィリアムの赤黒い淫棒を厳かに抱きしめた。
「はっ……あっ」
「ノエラ、動くよっ」
――ぱちゅんっ、パンパンっ。
「ああっ、あんっ……やぁっ、アァッ、はぁぅっ」
ノエラはシーツを掴んで喘いだ。今日も胎いっぱいに、ヴィリアムの太くて硬い分身を感じる。そしてそれは昨晩と同じく、容赦なくノエラの身体を突き上げる。しかし昨日と体勢が違うからなのか、何か感じ方が昨日と違う。繰り返される輸送のたびに、ある一か所が妙に切なく疼く。
「んっあっ……ヴィリーっ、そこっ」
「好いところに当たってる?」
「わ、わかんなっ……」
「気持ちよかったらそう言って、ノエラ」
「あんっ♡」
ヴィリアムはノエラの脇腹の先へ長い腕を伸ばすと、コリコリと硬くなった乳首を執拗にはじいた。そこは昨夜、前戯の段階でぺろぺろと舐めて散々かわいがったが、やわらかくて指が埋まりそうな乳房の肉丘といい、まだまだいくらでもいじってやりたかった。
「あっ……あ、だめっ、乳首はっ♡」
「イイ、じゃなくて? 俺のチンポでずぶずぶされながら乳首をつままれるの、気持ちがいいんじゃないの」
「んぁっ、あっ……やぁっ♡」
ノエラの嬌声は高く甘い。まだクリトリスの快楽ほどしっかりとは認識できないのだろうが、間違いなく膣内に快感を覚え始めている。
「ノエラ、イくっ……出すよっ」
ヴィリアムは乳首いじりをやめると、ノエラの細い腰を両手でがしっと掴んだ。彼女の涙目のイき顔が見られないのは残念だが、その分美しい曲線を描く尻のカーブを見下ろしながら最奥へと腰を打ち付けると、それだけでもひどく興奮した。自分と違ってとても小柄な、しかし女性らしい丸みを帯びた臀部が為す術もなく陰茎に貫かれている光景は、ヴィリアムの中の支配欲を容量いっぱいに満たした。
「ああっ、あんっ……ぁあっ」
「ふーっ……ふーっ」
ヴィリアムは獣のようにたかぶった息を漏らしながら、ノエラの膣内に射精する。小刻みに震えるヴィリアムの腰は、今日作られたばかりの活発な精子を勢いよく送り込んだ。
「はぁ……」
ノエラは顔を横に向けて、浅く息をする。太ももが震えているのがわかるが、自分ではその震えを止められそうにない。少しするとその太ももの内側に液体が溢れてきて、その感触に少しだけ意識がはっきりとする。
「ヴィリアム、さん」
のろのろと背後を振り向くと、目の据わったヴィリアムと目が合う。
今日昼過ぎにノエラが起きると、湯浴みの用意も食事の用意も先に起きていた彼がしてくれて、ヴィリアムはあれこれと甲斐甲斐しく世話をしてくれた。昨夜汚したタオルたちはまとめて洗濯屋に出したとのことで、ノエラが家事のことを気にする必要はなかった。本当に、大柄な体躯からは想像もできないほど細やかな気遣いができる夫だ。
「ごめん、大丈夫?」
「はい……あの……」
ノエラはヴィリアムを見つめながら、ころんと仰向けになった。そして全身を弛緩させたまま、頬をゆるませて苦笑する。
「謝らなくていいんですよ。私は大丈夫です。身体は小さいけど、結構頑丈なんですよ?」
「そうだな。俺のペニスを咥え込んでガツガツ揺さぶられて……壊れてしまいそうにも思うけど、意外と大丈夫そうだね」
ヴィリアムはノエラに体重をかけないように覆いかぶさると、ちゅむ、ちゅむっと食むようにノエラに口付けた。
「ノエラも気持ちがいいって言ってくれると嬉しいんだけど」
「あ、はい……あの……えっと……」
ヴィリアムの瞳が懇願してくる。身体は熊のように大きいのに、捨てられた子犬のようなその瞳がかわいらしくて、ノエラはほほ笑んだ。
「あの……舐められるのも、さわられるのも……気持ちがいいです」
「どこを?」
「ど、どこって……えっと……あの、下を……」
「した、って、べろのこと?」
「ち、違くて、その……」
「おまんこ? クリトリス? それともびらびらの陰唇のこと? あ、乳首かな?」
「も……もうっ」
そんなはっきりと卑猥な場所を言えないノエラは、ヴィリアムの怒涛の確認に困って首を横に振った。
「気持ちいいって言ってくれると嬉しいんだけど、ノエラが卑猥なことを言ってくれると興奮するから、やらしいことも言ってほしいな」
「い、言わないですっ」
「え~。言ってほしい。俺の前だけで、ノエラはどんどんえっちになろう?」
ヴィリアムはノエラの両頬を固定すると、こめかみや瞼、鼻の上にちゅ、ちゅ、と口付けていく。
「かわいいよ、ノエラ。たまらない。好きだよ」
「あ、わた、私もヴィリアムさんが好きですっ」
言い忘れないように、と必死になったのか、ノエラは前のめりで言った。するとヴィリアムは照れくさそうににっこりと笑う。
「ありがとう。あの日、君を探すように俺に頼んでくれたマルトさんに感謝だな。頼まれなければ、俺がノエラを捜しに行くことはなかった。ノエラと出逢えなかったわけだ」
「そう……ですね」
「マルトさんの分も、早くに亡くなったご両親の分も、これからは俺がノエラを守る。何よりも大事に愛するから。だからノエラも俺だけを見て、愛してくれる?」
ヴィリアムはうっとりとした視線でノエラを見つめつつ、彼女の顔の輪郭を指の腹でなでた。
「はい、もちろんです」
ノエラはほほ笑むと、両腕をヴィリアムの首に回して彼の大きな身体を抱き寄せた。
「愛してます、ヴィリアムさん」
のしかかられたらあっという間につぶされてしまいそうな、熊のような体躯。しかしその大きさとは裏腹に、とても細やかで紳士的なヴィリアム。自分の方こそ、彼に見つけて愛してもらえてよかった。肉親はみないなくなってしまったが、ノエラの腕では抱きしめきれないほど大きなヴィリアムがくれる大きな愛に包まれれば、淋しさなど吹き飛んでしまう。願わくは、武人である彼が少しでも長生きできますように。戦場で死ぬことなく、必ず自分のもとへ帰ってきますように。ノエラはそう祈った。
こののち、二人の間には三人の子供が生まれた。そのうち二人はヴィリアムと同じように武人になり、ハリーン家に仕えた。ヴィリアムは老いて第一線を退くまでエンドリのもとで活躍し、グントバハロンの平和維持に貢献した。「妻を残して先には逝けない」と常々周囲に漏らしていたヴィリアムは、その言葉通り、孫を抱いて満足げな笑顔を見せたノエラが老衰で亡くなってからこの世を去るのだった。
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