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第二話
神前決闘前準備、敵の能力を知る
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神前決闘前準備、敵の能力を知る
騒然とする議場を後にポン=コツさんは、私の役目はもう終わったとばかりに早々と立ち去ってしまった。
それに追いすがるように君も彼女の後を追いかけ退場する。
「オレなんかの為に、とんでもない事態になったけど、大丈夫なのか?」
いつもの酒場兼神殿兼魔術師組合の受付を兼ねる大広間に帰る道すがら、当然の疑問をぶつける。
「構いませんよ。私は別に、この地位に執着するつもりもありません」
実にあっけらかんとした回答だった。そのまま今回の決闘に関する所見を続ける。
「そもそもが、この決闘自体。どちらが勝者になったとしても、私にとっては些事にすぎません。仮に、貴方が敗北し、私がこの地位から追いやられたとしても、私は、フォールクァングに戻って、フレイア様護衛の役割に戻るだけですので」
「ああ、なるほどな。それはそうだ」
ここから先は仮定の話になりますが。
仮に、彼が勝利して、実際に、この地位に着いてしまった場合。その方が、彼は地獄を見る事になるでしょう。
案外、速攻、誰かに暗殺してもらえるなら、そっちの方が彼にとっては幸せかもしれません。
チャンピオン オブ スカンジナヴィアとは、例え、絶対に勝てないと分かっている相手が敵となったとしても、民の目の前で、最後の最後まで戦う義務を負う。たとえ、両腕をもがれ、両足を叩き折られ、のどを潰されて降参の掛け声すら発する事ができなくなっても、生きている限り、戦わなければならない。そしてその状態からでも勝利しなければならない。
それだけの意思と覚悟を持たない者が棚ぼたでチャンピオンになった所で、というお話です。
「まぁ、言いたい事は分かったけど・・・そんな状態からでも勝つとか、それ実際にどうすんの?」
「そうですね……極端な事例ですが、相手がそのように舐めプをしていたら、空から隕石が降って来て直撃、死亡とか、天候が急変して雷雨となって雷に打たれて死亡、とかでしょうか。最終的に生きていたら『勝ち』ですからね。敵が勝手に死んだ理由は自然現象に過ぎないかもしれませんが、それこそが『神の見えざる手』と解釈できるわけですよ」
そう。神前決闘とは、そういうものなのだと再認識させられる。
「ま、どうしてもというのであれば、後に私の実力で取り戻せばいいだけのお話ですし……ですので、貴方は気負う事無く貴方の全力で戦って下さい。私が言える事はここまでです。個人的にはフレイア様の気まぐれとはいえ、縁あって今、この場に立っているのですから、相応の期待はしているのですよ・・・それでは」
そう言い残し、彼女はフレイア神殿の中へ帰っていった。
件の大広間の方では、民会での出来事が既に伝わっていたのか、かなりあわただしい。そこかしこで噂話がささやかれるのは当然として、それ以外にも、フレイア神殿の名目上最高権力者であるサーブに対し直談判を申し込もうとしている者達、本国に対し指示を仰ぐ為早馬を飛ばす準備をしている者達、たとえ3日天下なのが分かっていてもその短い間にうまい分け前をもらおうとグローリエ側に取り入る算段を画策する者達、そんなの関係ねぇとばかりにどちらが勝つのかの賭けを始める者達・・・etc。
そのような混迷とした広場の中、一際目立つやり取りがあった。
「……・・・ですので、今一度、再考していただけませんでしょうか!!」
「くどい! なんでオレがあんなクソガキの尻ぬぐいのような真似をせにゃならんのだ!! お前らが誰でもチャンピオンを立ててポン=コツに挑んだらいいだけの話だろうが!!」
かの徴税部隊の副隊長兼一騎打ち要員のルーカスに、平身低頭ながらもどうにかお願いを聞いてもらおうとしている者達-恐らく、グローリエの要求を握りつぶし、あわよくば自分達の手柄としてウプサラにおける立場をより高めたいと考える者達-である。
「ですから、残念ですが…今の我々の考えうる中で、唯一、現チャンピオンを打ち破れる可能性を…いえ、貴方こそ、現チャンピオンを打ち破って新しいチャンピオンに」
「脅そうが、なだめすかそうが、泣き落とそうが、ほめちぎろうが、オレは知らん!!」
当の本人は正に取りつく島なし、である。どうでもいい出来事だったはずが、突然、そんな訳のワカラン事で一騎打ちに担ぎ上げられるとか、とばっちりに等しい。
本来なら彼はロンネビュー地方を侵略しているデーン人達の件で来ていた筈である。が、この混乱が収まるまでは、もうこの話はまともにできそうにない。
そう判断した彼は、すがりつく使者達を振り払い、早々に立ち去ってしまった。
「ある程度は想定していましたが・・・まさか彼が、あそこまでアホだったとは思いませんでしたね」
君を確認したミリアが声をかけてくる。
「う~む、オレが言うのもなんだけど、エラい事になったな」
「なに。貴方がグローリエに勝利すれば全てが丸く収まりますよ」
「まぁそれはその通りなんだろうけど・・・ポン=コツさんが期日までに一騎打ちで倒されたら、前提条件自体が覆えっちゃうんだよなぁ……」
「そうですね。我らがヒーローがお出かけしている今、現実的なラインでポン=コツさんを撃破できる可能性があるとしたら、ルーカスさんぐらいしかいないでしょうね・・・ですが、まぁ、彼はああいう人ですので動く事はないでしょう」
「強い強い、とは聞いてるけど、実際の所どうなの? オレはこの世界でちゃんとしたマジカルを装備してガッチガチの人らの常識を知らんもんで、今一つ実感がわかなくて」
「あそこまでのレベルの戦闘になるとある程度は相性問題もありますが。まずもって、ポン=コツさんのトゥルーヴァルキリージャベリンに対抗できるだけの武具を持っているのが、ルーカスさんの持つ2本一対の長剣『ケーニッヒス=リヒトドゥンケル=ツヴァイシュベルト』か、もう一人の副隊長『エヒト=カピティーン=エーデルシュタイン』さんの持つ『ブリリアントゴージャスジュエリーペレットボウ』の2つしかありませんので。これと同等の武具の使い手でない限り、勝負にすらならないかと」
「やっぱりそれぐらいの人になると、こう、厨二力に溢れた装備持ってるんだなぁ。武器の名前を聞いただけでロマンの塊なのが分かるってもんだ」
などとやっていると、君を探していたのか、4人組が君の方へ近づいてきた・・・うち2人は実によく知っている人物、チェンタウロとエマニエルだ・・・。
「よお、チトいいか」
思わず身構えそうになる君を前に、特に動じる事無く対面に着席する。
あの地下道でのやり取りから判断するなら、現状、グローリエの雇われとはいえ、まともな思考を持っている大人なのは理解している。
が、それと彼らが今、君の前に堂々と現れるというのは立場上、ありえない。
「まぁ、座れや。オレらがこんなトコでいきなりやりあうような奴じゃねぇってぐらいは知ってるだろ」
彼らとは地下で戦った時の接点しかない。印象は最悪だ。しかし、ごく単純な悪人ではなく、少なくとも、一定の常識とかモラルは持っているのも知っている。
「・・・確かにそれはそうだな・・・」
そう、この人達はまだ対話できる。言動、行動からみても、そのつもりで来ているのが分かる。であるなら、そこまでおかしな事にはならないだろう。と思い至り、君も落ち着きを取り戻し、座り直す。
「ま、オレとあいつ(エマニエル)は下で会ってるからいいとして。残りの2人、男の方はフォルゴーレ。女の方はスピカ。エマニエルとフォルゴーレはセンチュリオン時代からの付き合いで、スピカは娘だ」
軽い自己紹介を終わらせると、単刀直入とばかりに本題に入る。
「次の決闘は間違いなくオレらとお前とで戦う事になる・・・オレらの実力は・・・イヤでも理解していると思うが……で、だ。こう言っちゃなんだが、もう勝負は見えている。なもんで、ここからは提案なんだが、あんな形で決闘に突入した以上、もう『降りる』はできねぇ。から、テキトーにやったらやられろ。ある程度はオレらも合わせてやる」
「要は、八百長しろと」
「まぁそういうこった。あの時も言った気はするが、オレらも別に殺すのが好きなイカれ野郎じゃねぇ。でも、このままフツーにやったら、間違いなく死ぬまでやるしかねぇ。そんなんアホ臭すぎる……まぁこれまでのいきさつってのも分かるんだけどな……命張るまででもなかろう」
思いがけない提案。八百長しろというのは本来、実力差が逆の場合になされるのだが、八百長を仕掛ける側の方が強い事例というのは聞いた事がない。もちろん、なぜそうなのかというのは状況から考えるなら当然なのだろうが・・・
生き残る、という部分だけみるなら、彼らの言い分が正しい。そして、あそこで決闘を挑んだ時点で、勝敗に関わらず、一矢ぐらいは報いているので、最低限の抵抗はなっている。だが、それでも君の答えは決まっていた。
「いや、正直、あんたらが思ったよりまともな人達でよかったよ。だからこそ、その申し出は受けられん。こっちにも通すべき意地、みたいなもんがあるんでね」
「そうか・・・残念だ。オレらとしてもクソどうでもいい殺しをやる気はさらさらなかったんだが・・・次は、決闘場で会おう。運がよかったら生きてるぐらいはできるかもしれんな」
それだけ言い残すとチェンタウロ達は立ち去って・・・いけなかった。
「なるほど。貴方達があちら側の助っ人ですか」
ミリアである。別に彼女に止められたわけではない。単に声を掛けられただけだったのだが、なぜか、立ち止まってしまった。
「お、おぅ……」
特にそうしろと言われたわけではないのだが、もう一度、着席。
「・・・確かに、さすがはセンチュリオンが率いるパーティですね。なかなかにお強い。凡百の用心棒崩れ程度の方では全く勝負にならないのも納得ですね」
第一種戦闘態勢ほどあからさまではないが、突如、警戒態勢を一気に引き上げさせられた。
(コイツ、何モンだ)
すぐ隣の君に耳打ち。
(ああ~、サイゲの緑の悪魔……じゃなくて、ミリアさん。いろいろと切り盛りしてるけど、実の所、オレも正確な役職とかは知らない)
(そ、そうか)
君達がそんなやり取りをしている間にミリアがチェンタウロ達のパーティを一瞥。
「概ね、この4人でがんばったらドラゴンを倒せるぐらい、といった所ですね・・・どうせですので、彼らをサンプルに今から少々、この世界の魔法、マジックアイテムなどを組み合わせた結果、人間がどのぐらい強くなるのかというのをレクチャーしておきましょう。最終的には与えられた情報から敵の能力を逆算できるようになったら及第点です」
(それでようやく及第点かよ。なかなかに厳しいな)
「まずは比較的わかりやすいチェンタウロさんから・・・私も全てが分かるわけではありませんが・・・」
接近戦用メインウェポン+3
予備武器+3
状況対応用武器(vsドラゴン、vsアンデンド、vsジャイアント vs悪魔等)1~2本
フルプレート+3
シールド+3
防御の指輪+3
対毒用お守り
病気無効のお守り
麻痺無効の指輪
防御の首輪+2
防御のお守り+3
ホールディングバッグ
自然環境防御の外套
パワーガントレット:概ねオーガぐらいまで筋力が上がる
スピードブーツ:戦闘中、行軍中、共に移動力が上がる
飛行ディバイス1品
即応で使える消耗品系のアイテム数品:テレポートの粉とかダメージ半分になる粉、ヒーリングポーションみたいな品
「戦闘に関係ありそうな装備類はざっとこんなものでしょうか。総資産50万gpぐらいですかねぇ…」
メインウェポン使用時の装甲貫徹力:平均50mm
防御力 フロント:100mm シールドレス:70mm リア:50mm
装甲等のmm数は全て均質圧延鋼板(RHA)でその厚さ相当とする。
「あの・・・オレの戦闘力、ほぼ丸裸にされたんだけど、どういうこと!?」
「いやぁ・・・それをオレに聞かれても……魔術師組合の切り盛りとかもやってるんで、それのせいですかね、としか……」
「次はエマニエルさん。この人は、装備云々もそれなりに重要ですが、それよりも修得している魔法の呪文の方が重要になります」
服+3(ポリッシュ、マイナーリペア、クリーン):細かな修繕、洗濯を自動で行う服
防御の指輪+3
麻痺無効の指輪
対毒のお守り
病気無効のお守り
防御の首輪+2
自然環境防御の外套
ホールディングバッグ
魔法をかける際に必要となる杖
飛行ディバイス1品
呪文の書
即応で使用可能な消耗品系のアイテム数品:魔力回復系とか、スクロール(魔法の呪文が書かれた巻物。弾として使える)みたいな品
この人の場合、武器を使った攻撃能力の数値に意味はないので省略
防御力 フロント:30mm シールドレス:同上 リア:15mm
「後は、魔法の呪文ですね」
エマニエル 呪文(一応、こんなもんという事で。暫定なので、ヒマがあったらちょこちょこいじると思う。スピカの方の呪文がまだチト未完成気味なので、スピカ側はもうちょっと手を入れる)
1st
ディティクトマジック:魔法探知。距離20m程まで
アーマー(チェイン):チェインメイル相当の防御フィールド
コンフォート:自然の暑さ寒さからの防御
マジックミサイル:ピュアマジカルエナジーを矢状にして放つ。術者の能力が上がると本数が増える
ホバー:ホバー移動を可能にする。立ち幅跳びで超えられないような裂け目までは越えられない。
スコープ:おおよそ4倍程度の望遠鏡相当の視野を与える。ディティクトマジック等で定められている魔法の視界までは延伸できない。
ディティクトディジーズ:病気にかかっているかが分かる。
ディティクトポイズン:毒に侵されているかが分かる。
セーフフォール:安全な落下。こういうのは咄嗟の反応で発動できないと意味がないので、カウンターでも発動可能。自身だけでなく他の落体に対しても有効。
ファイアースターター:着火魔法。あえてダメージを算出するならマジカルファイアー1ダメ固定
ホップ:跳躍力を強化する魔法。水平、垂直共に、3倍程度まで強化される。
1Dライト:1日持続する明かり。照明範囲は概ね半径10m。目つぶしに使えるような閃光を放つようなことまではできない。
猫目:猫の目相当の暗視能力。なので、本当に完全な暗闇では効果がない。
スリープ:弱く且つ眠りが必要な生命体を眠らせる。基本的には効果範囲内の複数の個体にかかる。効果時間内であっても、叩く、大声を出すなど外的要因があれば起きる可能性がある。
フラッシュ:瞬間的に鋭い閃光を放ち、目くらましをする魔法。
プロテクションスピリッツ:霊的な存在からの防御。基本的にこれで防御されている者が自発的に攻撃行動をとらない限り、破られる事はない。儀式を利用して場所に対して固有結界のような役割を付与する事も可能。
マジックハンド:半物質状の魔法の手を出し操作できる魔法。最大距離30m程。直接触りたくない物などを動かしたい時などに使う。
アラームポイント:扉、宝箱、道路の1点等を指定。次に条件を指定。以後、除去されるまで、術者が指定した条件に合わない者がそこを通過したり操作したりした時に警報を鳴らす。術者に対してのみ聞こえるか、周囲に警報音を鳴らすかは予め設定しておける。
ローション:人間1体分ぐらいまでの物体をヌルヌルしたゲル状の液体で覆う魔法
クリーン:洗濯魔法。水分や洗剤などがなくても構わない。
2nd
レジストエナジー「」:「」内のエネルギー攻撃の効果を半減させる。同じ魔法が複数かかった場合、後に掛けた魔法で上書きされる。同じの効果を持つ魔法の品を既に装備している場合、効果がない事に注意。
ディティクトインヴィジ:透明化している者を探知。透明になっている方法は問わない。なので、ある種のカメレオン化のような物にまで効力が及ぶ。
オープンロック:扉、錠前、いましめ等を解く魔法。
ホールドロック:扉、錠前、いましめ等を魔法的に閉じる魔法。扉やヒモなどは必要だが、鍵穴のような構造までは必要としない。魔法で閉じられるので、物理的に壊すか魔法を除去しない限り、開けられない。
1Yライト:1年持続する明かり。魔法の暗闇を作る魔法と相殺される。
エンハンスドアビリティー「」:「」内の能力値を強化できる。
インヴィジ:透明化する。攻撃行動をとらない限り、最大1日持続。あくまで視覚的に見えなくなるだけなので、音、匂いなど別の手段で発見される可能性は存在する。
アナライズマジック:魔法がかかっている物品、人物等にどのような魔法がかかっているかを調べる魔法。
ディティクトカース:物品、場所、人物等にカースがかかっているかどうかを調べる魔法。
テンポラルマジックウェポン:非魔法の武器を一時的に魔法の武器に変える魔法。魔法の武器でないとダメージが叩けない敵に対して使う。
ホールドパーソン:対人金縛り。術者の能力が上がると複数人にかけられる。
インオーディエンス:衣擦れや足音など、通常に行動しているだけでも自然発生する音を完全に消去する魔法。
ダークネス:魔法の暗闇を作る魔法。半径10m程。
シースルー:インヴィジを改造した魔法、着ている衣服をシースルーに変化させる。
ラスト:欲情させる魔法。仕事上、ないと嘘だろう。
3rd
ファイアーボール:着弾地点に半径10m程の火球を作り出し、爆裂させる。着火物があった場合、着火する。
ライトニング:指定した場所から直線状に雷撃を放つ魔法。魔法の雷撃なので、本物の自然の雷よりは威力が低い。
アイスストーム:指定した場所に氷の嵐を出現させる。範囲内にある炎は基本的に消火される。が、溶岩流など火勢が強すぎる場合はその限りではない。
ディスペル:魔法消去。基本的には一時的な魔法を消す。永続的な魔法の品をこの魔法で消す事はできない。もし、呪文を唱えている者に対して掛けた場合、その唱えている呪文も消せる可能性がある。術者の能力差がモロに出る魔法なので、この魔法を唱えたからといって、格上の術者の魔法を必ず消せるわけではない。
フライ:速足程度の速度で飛行可能となる魔法。空中では「踏ん張る」事ができないので、それに伴うデメリットはある。それ以外の点では魔法による飛行なので、上昇、降下、旋回も重力の影響を受けない。自由落下ができなくなるので、そのような行動を取りたい場合は、この魔法を切る必要がある・・・着地に対して安全を保障する手段がない限り、地面に激突する事になるだろうが。
プロテクションエナジー「」:「」内のエネルギーに対し、完全防御。同じ魔法が複数掛けられた場合、後に掛けられた魔法で上書きされる。
プロテクションノーマルミサイル:非魔法の飛び道具から完全防御。ただし、弾体があまりに巨大なエネルギーを持っていた場合、ノックバックされる可能性がある。炸裂弾や曳光弾のような弾だった場合、別途、ダメージを受ける可能性がある。
ウィンドウォール:風の壁を作り出す。
リムーヴカース:呪いの消去。ただし、永続的な魔法の品に付随する呪いを消去できるほどではない。
スロー:物体、生物の行動能力を半分にする。
クイック:生物の行動能力を倍にする。
イリュージョンマジック:幻術で他の魔法の外見上の特徴を真似して放つことができる。幻術に惑わされた者は、その魔法が実際に効果が発したように行動する。視覚的効果を持たない魔法を真似する事はできない。
アーマー(プレートメイル):プレートメイル相当の防御フィールドを供給する。
クライマックスエクスタシー:絶頂させる魔法。メンドクサイ時とかに使う。
4th
オートガード:一定の条件が満たされると自動で魔法が発動するようにする魔法。防御系の魔法しか対象にできない。複数かける事はできない。ディスペルの対象にはならないが、1度発動すると終了する。
物理1回無効:言葉の通り。いかなる強力な攻撃であったとしても、物理攻撃を1回無効化する。ただし、その攻撃でノックバックされるなどした場合、そこまでは防げない。ディスペルもされるし、ダメージを受けないタイプの攻撃(寝ている時に濡れたタオルで口をふさぐなど)も防げない。
バリアーエナジー「」:「」内のエネルギー攻撃に対して一定ダメージ分まで吸収するバリアーを展開する。
キュアディジーズ:病気治療。プリーストより高いLv扱いだが、効果は同じ。仕事の都合上、持ってないと嘘なので。
キュアポイズン:キュアディジーズと同上。
ファイアーウォール:炎の壁を出現させる。直線状、周囲を覆う、いずれでも構わない。1度出現させてしまうと動かせない。可燃物に着火するので、必ずしも炎の勢いを制御できるわけではない。
アイスウォール:氷の壁を出現させる。基本的にはファイアーウォールと同上。こちらは氷の壁なので、物理的に破壊する事が可能。
ストーンウォール:石の壁を出現させる。完全な空中では使用不能。ディスペル、もしくは効果時間が終了すると、周囲の土くれと同じになる。
ファンクションコール1:電話で言う所の短縮一番。呪文に対して使う魔法。短縮したい呪文を指定し、セットすると、以後、その呪文は即時発動させられる。複数指定させる事はできない。
エンチャントアイテム:永続的な魔法のアイテムを作る際の土台を作る魔法。
インオーディエンスインヴィジ:インオーディエンス+インヴィジの魔法。攻撃行動を取った時点で姿が出現する制限はそのまま。
ディスタンスリープ:1音節、もしくは無詠唱で、見えている範囲、もしくは数100m分短距離テレポートできる。その際、重量、距離などの制約はあるものの、制約に収まっている限り、テレポートするものは生物及びその装備品でも構わない。
5th
テレポート:瞬間移動。術者の能力によって一度に運べる重量、体積が増えるものの、概ね、本人+軽装備の3~4人ぐらい、もしくは本人+重装備ファイター2人ぐらいまで。
フォースウォール:目には見えない力場の壁を出現させられる。壁、円形、球形などで出現させられる。大変強力な壁であり、有害にならない程度の可視光線及び、有害にならない程度の音以外、ほぼ全てを遮断する。破壊できる手段が決まっており(持続時間終了以外だと、いはいる神力、分子分解以上の打撃、神器による直接打撃、アンチマジックのような魔法自体を完全停止してしまうような手段。ちなみにディスペル不可)それ以外の手段を受け付けない。
シールドマジック「」:「」内の魔法をピンポイントで完全防御。いはいる攻撃魔法のみ対象。ディスペルを入れたからといって、ディスペル無効にはできない。
ポータブル結界:
アーマー(フルプレート):フルプレート相当の防御フィールドを発生させる魔法。
探知麻痺:一定ライン以下の探知手段から防御する魔法
6th(本来の能力では使えないが、現実的な範囲で無茶するなら使用可能)
If…Then…コマンド:If(もし)Then(××した時)、コマンド(指定した魔法が発動する)。オートガードより対象が広い。何なら自爆用ファイアーボールのような魔法すら入れられる。
モレクジュールブレイクダウン:分子分解魔法。分解するべき物品が効果範囲を超える場合、おおよそ3m四方の穴ができる。
7th(メッチャがんばって博打レベルでなら使用可能)
マステレポート:テレポートの上位版。テレポートより輸送能力が高い。
オートガードとIf…Then…コマンドには適宜何か(恐らく防御系)が入っている。
ファンクションコール1はほぼ確定でディスペル
物理1回防御、アーマー(フルプレート)は持続時間が長いのでディスペルで消されない限り常にかかっていると思った方がよい。
「といった所でしょうか・・・貴方でしたら、もし失職したとしても、我々、セッスルームニルウプサラ店であれば、即採用です。仲良くできそうですし」
「あの・・・その・・・ぇぇ~……まぁ~フツーの術者だったら確かにそういう呪文編成になるのはそうなんだけど、それにしても、何、この人」
彼ら、彼女達の驚嘆をよそに、続けてスピカに移る。
「この方は、農業神デメテルの神官ですので・・・」
服+3(マイナーリペア、クリーン)
防御の指輪+3
麻痺無効の指輪
対毒のお守り
病気無効のお守り
防御の首輪+2
自然環境防御の外套
ホールディングバッグ
飛行ディバイス1品
コヌルコピア:デメテルのホーリーシンボル。これがないと魔法を使えない
スピカも武器で攻撃とかするタイプのキャラではないので、攻撃能力に関しては割愛
防御力 フロント:30mm シールドレス:同上。ただし、理論上、シールド装備が不可能ではないので、その時は、シールド分上乗せ リア:15mm
スピカ 呪文(先にも書いているが、特に4,5,6辺りがスカスカなんで、後で手を入れます)
エマニエルと同上の魔法に対しては解説なし
1st
ディティクトマジック
ディティクトアンデッド:アンデッド探知。距離50mぐらいまで。強力な存在程強く感じる。
ディティクトディジーズ
ディティクトポイズン
キュアウーンズ初級
クリエイトウォーター:水を作る。
コンフォート
クリエイトホーリーアイテム:聖水や聖印を作る際に必要な魔法
セレモニーブレス:その宗教における冠婚葬祭などを取り仕切る際の魔法
1Dライト
プロテクションイービルスピリッツ:邪悪な霊的存在に対する防御。個人用。
ウォーターミラー:水鏡を作る。この魔法で作った水鏡を利用して別の魔法をかける事が可能。
ファイアースターター
コテージ:野宿する際、周囲の材料を使って休憩できる場所を作る魔法
エンデュランス:強行軍をする際、疲労を低減する。
スネアトラップ:足を引っかけて転ばせるタイプの即席トラップを設置する魔法。屋外のみで機能
コンフォートファームプロダクト:収穫した農作物を安全に保管する。倉庫などに掛ける。
コンポース:肥料を作る魔法
ダウジング:井戸を作る時の水源を探す魔法
2nd
クリエイトフード:食料を作る
キュアポイズン
キュアディジーズ
害虫駆除:
クリエイトディフェンシブスケアクロー:スケアクロー(ハロウィンのかぼちゃのかかし)を作り、耕作地を防衛させる魔法。残念ながら野生動物に倒される恐れがある。生き残った場合でも10月30日には処分する事。10月31日に暴走する。
耕作地に対する祝福:稲のような連作障害がないものを作付けしている場合は1年に1回。小麦のように連作障害が発生するものの場合、3年に1度機能する。収穫量を増し、病気に強く、害虫にたかられにくくなる。
1Yライト
レジストエナジー「」
エンハンスドアニマルセンス「」:動物の感覚を得られる。犬の嗅覚、フクロウの聴覚、鷹の視力など。
スピークアニマル:動物と会話できる。動物の知力によるので、あまり複雑な事は分からない。
スピークプラント:植物と会話できる。ある程度は知性を補助するが、あまり複雑な事は分からない。
ディティクトカース
アナライズマジック
アニマルメッセンジャー:動物に伝えたいメッセージ(3分前後まで)を託し、目標となる人物にメッセージを送る魔法。返信はできない。なお、途中で動物が殺される化膿性があるのに注意。
3rd
ディスペル
ウィンドウォール
ウォーターウオーク:水上歩行
エアウォーク:空中歩行
ウォーターブリージング:水中呼吸
キュアウーンズ中級
プロテクションイービルスピリッツエリア:
プロテクションエナジー「」
テンポラルカムバックライフ:死んですぐぐらい、死体の損傷がひどくない、など制約はあるが、死亡からの回復。あまりにひどい場合、また死ぬ可能性がある。
リムーブカース
キュアパラライズ:麻痺からの回復
クリエイトフード&ドリンク:飲料水と食料の両方を同時に作る。各々の魔法を別で唱えるより生産量が多い。
カメレオンコテージ:周囲の環境に溶け込む事を除いて、コテージの魔法と同じ。
ウィンドメッセンジャー:風を利用して伝えたい人物に対してメッセージを伝える魔法。術者、目標者、各々が、屋内であっても構わないが、最低でも風通しが良い場所でなければ機能しない。
ハイバーネーション:対象を冬眠状態にし、毒や病気の進行を極端に遅らせる。
セットトレジャーボックストラップ:宝箱(に限った事ではない。要は、開閉可能な入れ物であればよい)に魔法をかけ、条件を満たさない者が宝箱に対して開閉を試みる、壊す、等の行動を取った時に起動。予めセットしておいた魔法が発動し、そのような者を攻撃する。要はよくあるダンジョンで見られる魔法の罠がかかっている宝箱を作る魔法。
4th
クリエイトディフェンシブスケアクローDX:目が光る、口から唸る、腕が飛ぶ、等7大機能つきスケアクロー。
バリアーエナジー「」
インスタントキルキャンセラー:即死系の手段を1回、回避する。
5th
クリエイトディフェンシブスケアクローEX
「陸戦型」「フルアーマー」「支援砲撃型」「魔法投射型」
キュアウーンズ上級:
キュアストーン:石化解除
エンクローズスピリット:魂が離れてしまった死体に魂を入れ直す魔法。死体の状態が悪い場合機能しない。近くに魂がないと機能しないので、49日制限がある。早ければ早い程成功率が高い。
6th(本来の能力では使えないが、現実的な範囲で無茶するなら使用可能)
神殿結界構築:神殿の中央に配置する聖遺物に対し使うと、機能する。これが破壊されない限り、永続的に機能する結界となる。結界内に出入りできる条件は自由に設定してよい。テレポートなどの特殊な移動手段も封じる、もしくは一定に制限可能。
キュアオールウーンズ:いはいるHPだけは全開まで回復する魔法
ゼウスの春雷:デメテルはゼウスの姉である。そして、春の嵐に煌く稲妻は以後の農作物の生育には欠かせないものであった。ゆえに、デメテルの信者である彼女も使えるのである。なお、春雷とあるが、曇っている屋外であれば呪文自体は発動する。
リアルorノット:真偽を見極める目を授かる。ほぼ全ての探知、真実の姿を見極める事ができる。
7th(メッチャがんばって博打レベルでなら使用可能)
レイズデッド:死者蘇生。死体の状態に関してはある程度でもそろっていれば機能するが、蘇生させるべき者が(英雄レベル的に)弱い場合、必ずしも成功するわけではない。49日制限あり。寿命による死亡はどうしようもない。
Myth
コールアバター:プリーストであれば己の神に対して必ず持っているマイソロジーマジック。自身の身体に神を降ろし、その力を振える(かもしれない)魔法。成功するかどうか術者の能力次第だが、レジェンドヒーロークラスでもない限り、基本的には術者が死ぬの前提の魔法になる。スピカクラスの使い手だと概ね成功率10%。
「ざっとこのような感じでしょうか」
そして、最後、フォルゴーレに目標を移すが……
「いやいやいや、これ以上は勘弁! さ、皆さん、もう帰りましょう」
ほぼ強制的にチェンタウロ達を立たせ、彼らは早々に立ち去ってしまった。
「はぁ~・・・この世界って、こんな感じなのか・・・マジでガッチガチやな。こら勝てなかったわけだ」
ミリアの述べたチェンタウロ達の能力を反芻しつつ、素直な感想が口から洩れる。
「そうですね。装備ランクでここまで差があってしまうと、数字の力だけでゴリ押しされるだけでも、そこらの盗賊団程度では勝負にすらならないでしょう」
「そうだよなぁ・・・!?」
今、分かっている範囲でのチェンタウロ達の能力を改めて見返し、情報を整理していると・・・とりあえず今の君でも気づくトンデモ数字。
「何か、サラっと書いてるけど、このRHAで100mm相当とか、マジ!?」
「はい。というか、ドラゴンとか、グレーターデーモンとかとまともに正面から打ち合うのなら、それぐらいはないと無理ですから」
「いや・・・この数値がホントだったら、チェンタウロさんの正面装甲、ティーゲル(第二次大戦中期から登場したドイツ機甲師団の重戦車)並みなんですけど・・・」
怪訝そうな君に対し、ミリアはニッコリと笑い
「そんなのACなんて、素っバの人間が10、フルプレート装備で0、-10ならシャーマン戦車、なんて常識じゃないですか」
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訳注:これは、世界最初のコンピュータRPGと言われる某ゲームの説明書に描かれていたACの説明で本当に使われている。まぁ、黎明期のゲームの設定なんでガバいなんてもんじゃないと言われればそれまでなのだが。実の所、今の目から見て、本当に人間がドラゴンとかと真正面からやり合うのであれば、そこまで間違っていないのではないのか? と思わなくもないぐらいの数値だったりする。
自分は最初、その絵を見た時「素っパの奴とフルプレートは分かるけど、この戦車、何だ? 妙に丸っこい上にやたら砲塔短い、微妙な、戦車ってのは分かるけど、もうちょっと何かなかったのか」と思ったものだが、その後、戦車関係の知識が身に付いた後で見直すと、確かにシャーマン戦車の特徴をよく捉えた絵であったと感心したものである。
ちなみにシャーマン戦車は車体上面装甲圧51mmである。
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「んなじょうしき、あるかあああぁぁぁぁぁぁ!!」
騒然とする議場を後にポン=コツさんは、私の役目はもう終わったとばかりに早々と立ち去ってしまった。
それに追いすがるように君も彼女の後を追いかけ退場する。
「オレなんかの為に、とんでもない事態になったけど、大丈夫なのか?」
いつもの酒場兼神殿兼魔術師組合の受付を兼ねる大広間に帰る道すがら、当然の疑問をぶつける。
「構いませんよ。私は別に、この地位に執着するつもりもありません」
実にあっけらかんとした回答だった。そのまま今回の決闘に関する所見を続ける。
「そもそもが、この決闘自体。どちらが勝者になったとしても、私にとっては些事にすぎません。仮に、貴方が敗北し、私がこの地位から追いやられたとしても、私は、フォールクァングに戻って、フレイア様護衛の役割に戻るだけですので」
「ああ、なるほどな。それはそうだ」
ここから先は仮定の話になりますが。
仮に、彼が勝利して、実際に、この地位に着いてしまった場合。その方が、彼は地獄を見る事になるでしょう。
案外、速攻、誰かに暗殺してもらえるなら、そっちの方が彼にとっては幸せかもしれません。
チャンピオン オブ スカンジナヴィアとは、例え、絶対に勝てないと分かっている相手が敵となったとしても、民の目の前で、最後の最後まで戦う義務を負う。たとえ、両腕をもがれ、両足を叩き折られ、のどを潰されて降参の掛け声すら発する事ができなくなっても、生きている限り、戦わなければならない。そしてその状態からでも勝利しなければならない。
それだけの意思と覚悟を持たない者が棚ぼたでチャンピオンになった所で、というお話です。
「まぁ、言いたい事は分かったけど・・・そんな状態からでも勝つとか、それ実際にどうすんの?」
「そうですね……極端な事例ですが、相手がそのように舐めプをしていたら、空から隕石が降って来て直撃、死亡とか、天候が急変して雷雨となって雷に打たれて死亡、とかでしょうか。最終的に生きていたら『勝ち』ですからね。敵が勝手に死んだ理由は自然現象に過ぎないかもしれませんが、それこそが『神の見えざる手』と解釈できるわけですよ」
そう。神前決闘とは、そういうものなのだと再認識させられる。
「ま、どうしてもというのであれば、後に私の実力で取り戻せばいいだけのお話ですし……ですので、貴方は気負う事無く貴方の全力で戦って下さい。私が言える事はここまでです。個人的にはフレイア様の気まぐれとはいえ、縁あって今、この場に立っているのですから、相応の期待はしているのですよ・・・それでは」
そう言い残し、彼女はフレイア神殿の中へ帰っていった。
件の大広間の方では、民会での出来事が既に伝わっていたのか、かなりあわただしい。そこかしこで噂話がささやかれるのは当然として、それ以外にも、フレイア神殿の名目上最高権力者であるサーブに対し直談判を申し込もうとしている者達、本国に対し指示を仰ぐ為早馬を飛ばす準備をしている者達、たとえ3日天下なのが分かっていてもその短い間にうまい分け前をもらおうとグローリエ側に取り入る算段を画策する者達、そんなの関係ねぇとばかりにどちらが勝つのかの賭けを始める者達・・・etc。
そのような混迷とした広場の中、一際目立つやり取りがあった。
「……・・・ですので、今一度、再考していただけませんでしょうか!!」
「くどい! なんでオレがあんなクソガキの尻ぬぐいのような真似をせにゃならんのだ!! お前らが誰でもチャンピオンを立ててポン=コツに挑んだらいいだけの話だろうが!!」
かの徴税部隊の副隊長兼一騎打ち要員のルーカスに、平身低頭ながらもどうにかお願いを聞いてもらおうとしている者達-恐らく、グローリエの要求を握りつぶし、あわよくば自分達の手柄としてウプサラにおける立場をより高めたいと考える者達-である。
「ですから、残念ですが…今の我々の考えうる中で、唯一、現チャンピオンを打ち破れる可能性を…いえ、貴方こそ、現チャンピオンを打ち破って新しいチャンピオンに」
「脅そうが、なだめすかそうが、泣き落とそうが、ほめちぎろうが、オレは知らん!!」
当の本人は正に取りつく島なし、である。どうでもいい出来事だったはずが、突然、そんな訳のワカラン事で一騎打ちに担ぎ上げられるとか、とばっちりに等しい。
本来なら彼はロンネビュー地方を侵略しているデーン人達の件で来ていた筈である。が、この混乱が収まるまでは、もうこの話はまともにできそうにない。
そう判断した彼は、すがりつく使者達を振り払い、早々に立ち去ってしまった。
「ある程度は想定していましたが・・・まさか彼が、あそこまでアホだったとは思いませんでしたね」
君を確認したミリアが声をかけてくる。
「う~む、オレが言うのもなんだけど、エラい事になったな」
「なに。貴方がグローリエに勝利すれば全てが丸く収まりますよ」
「まぁそれはその通りなんだろうけど・・・ポン=コツさんが期日までに一騎打ちで倒されたら、前提条件自体が覆えっちゃうんだよなぁ……」
「そうですね。我らがヒーローがお出かけしている今、現実的なラインでポン=コツさんを撃破できる可能性があるとしたら、ルーカスさんぐらいしかいないでしょうね・・・ですが、まぁ、彼はああいう人ですので動く事はないでしょう」
「強い強い、とは聞いてるけど、実際の所どうなの? オレはこの世界でちゃんとしたマジカルを装備してガッチガチの人らの常識を知らんもんで、今一つ実感がわかなくて」
「あそこまでのレベルの戦闘になるとある程度は相性問題もありますが。まずもって、ポン=コツさんのトゥルーヴァルキリージャベリンに対抗できるだけの武具を持っているのが、ルーカスさんの持つ2本一対の長剣『ケーニッヒス=リヒトドゥンケル=ツヴァイシュベルト』か、もう一人の副隊長『エヒト=カピティーン=エーデルシュタイン』さんの持つ『ブリリアントゴージャスジュエリーペレットボウ』の2つしかありませんので。これと同等の武具の使い手でない限り、勝負にすらならないかと」
「やっぱりそれぐらいの人になると、こう、厨二力に溢れた装備持ってるんだなぁ。武器の名前を聞いただけでロマンの塊なのが分かるってもんだ」
などとやっていると、君を探していたのか、4人組が君の方へ近づいてきた・・・うち2人は実によく知っている人物、チェンタウロとエマニエルだ・・・。
「よお、チトいいか」
思わず身構えそうになる君を前に、特に動じる事無く対面に着席する。
あの地下道でのやり取りから判断するなら、現状、グローリエの雇われとはいえ、まともな思考を持っている大人なのは理解している。
が、それと彼らが今、君の前に堂々と現れるというのは立場上、ありえない。
「まぁ、座れや。オレらがこんなトコでいきなりやりあうような奴じゃねぇってぐらいは知ってるだろ」
彼らとは地下で戦った時の接点しかない。印象は最悪だ。しかし、ごく単純な悪人ではなく、少なくとも、一定の常識とかモラルは持っているのも知っている。
「・・・確かにそれはそうだな・・・」
そう、この人達はまだ対話できる。言動、行動からみても、そのつもりで来ているのが分かる。であるなら、そこまでおかしな事にはならないだろう。と思い至り、君も落ち着きを取り戻し、座り直す。
「ま、オレとあいつ(エマニエル)は下で会ってるからいいとして。残りの2人、男の方はフォルゴーレ。女の方はスピカ。エマニエルとフォルゴーレはセンチュリオン時代からの付き合いで、スピカは娘だ」
軽い自己紹介を終わらせると、単刀直入とばかりに本題に入る。
「次の決闘は間違いなくオレらとお前とで戦う事になる・・・オレらの実力は・・・イヤでも理解していると思うが……で、だ。こう言っちゃなんだが、もう勝負は見えている。なもんで、ここからは提案なんだが、あんな形で決闘に突入した以上、もう『降りる』はできねぇ。から、テキトーにやったらやられろ。ある程度はオレらも合わせてやる」
「要は、八百長しろと」
「まぁそういうこった。あの時も言った気はするが、オレらも別に殺すのが好きなイカれ野郎じゃねぇ。でも、このままフツーにやったら、間違いなく死ぬまでやるしかねぇ。そんなんアホ臭すぎる……まぁこれまでのいきさつってのも分かるんだけどな……命張るまででもなかろう」
思いがけない提案。八百長しろというのは本来、実力差が逆の場合になされるのだが、八百長を仕掛ける側の方が強い事例というのは聞いた事がない。もちろん、なぜそうなのかというのは状況から考えるなら当然なのだろうが・・・
生き残る、という部分だけみるなら、彼らの言い分が正しい。そして、あそこで決闘を挑んだ時点で、勝敗に関わらず、一矢ぐらいは報いているので、最低限の抵抗はなっている。だが、それでも君の答えは決まっていた。
「いや、正直、あんたらが思ったよりまともな人達でよかったよ。だからこそ、その申し出は受けられん。こっちにも通すべき意地、みたいなもんがあるんでね」
「そうか・・・残念だ。オレらとしてもクソどうでもいい殺しをやる気はさらさらなかったんだが・・・次は、決闘場で会おう。運がよかったら生きてるぐらいはできるかもしれんな」
それだけ言い残すとチェンタウロ達は立ち去って・・・いけなかった。
「なるほど。貴方達があちら側の助っ人ですか」
ミリアである。別に彼女に止められたわけではない。単に声を掛けられただけだったのだが、なぜか、立ち止まってしまった。
「お、おぅ……」
特にそうしろと言われたわけではないのだが、もう一度、着席。
「・・・確かに、さすがはセンチュリオンが率いるパーティですね。なかなかにお強い。凡百の用心棒崩れ程度の方では全く勝負にならないのも納得ですね」
第一種戦闘態勢ほどあからさまではないが、突如、警戒態勢を一気に引き上げさせられた。
(コイツ、何モンだ)
すぐ隣の君に耳打ち。
(ああ~、サイゲの緑の悪魔……じゃなくて、ミリアさん。いろいろと切り盛りしてるけど、実の所、オレも正確な役職とかは知らない)
(そ、そうか)
君達がそんなやり取りをしている間にミリアがチェンタウロ達のパーティを一瞥。
「概ね、この4人でがんばったらドラゴンを倒せるぐらい、といった所ですね・・・どうせですので、彼らをサンプルに今から少々、この世界の魔法、マジックアイテムなどを組み合わせた結果、人間がどのぐらい強くなるのかというのをレクチャーしておきましょう。最終的には与えられた情報から敵の能力を逆算できるようになったら及第点です」
(それでようやく及第点かよ。なかなかに厳しいな)
「まずは比較的わかりやすいチェンタウロさんから・・・私も全てが分かるわけではありませんが・・・」
接近戦用メインウェポン+3
予備武器+3
状況対応用武器(vsドラゴン、vsアンデンド、vsジャイアント vs悪魔等)1~2本
フルプレート+3
シールド+3
防御の指輪+3
対毒用お守り
病気無効のお守り
麻痺無効の指輪
防御の首輪+2
防御のお守り+3
ホールディングバッグ
自然環境防御の外套
パワーガントレット:概ねオーガぐらいまで筋力が上がる
スピードブーツ:戦闘中、行軍中、共に移動力が上がる
飛行ディバイス1品
即応で使える消耗品系のアイテム数品:テレポートの粉とかダメージ半分になる粉、ヒーリングポーションみたいな品
「戦闘に関係ありそうな装備類はざっとこんなものでしょうか。総資産50万gpぐらいですかねぇ…」
メインウェポン使用時の装甲貫徹力:平均50mm
防御力 フロント:100mm シールドレス:70mm リア:50mm
装甲等のmm数は全て均質圧延鋼板(RHA)でその厚さ相当とする。
「あの・・・オレの戦闘力、ほぼ丸裸にされたんだけど、どういうこと!?」
「いやぁ・・・それをオレに聞かれても……魔術師組合の切り盛りとかもやってるんで、それのせいですかね、としか……」
「次はエマニエルさん。この人は、装備云々もそれなりに重要ですが、それよりも修得している魔法の呪文の方が重要になります」
服+3(ポリッシュ、マイナーリペア、クリーン):細かな修繕、洗濯を自動で行う服
防御の指輪+3
麻痺無効の指輪
対毒のお守り
病気無効のお守り
防御の首輪+2
自然環境防御の外套
ホールディングバッグ
魔法をかける際に必要となる杖
飛行ディバイス1品
呪文の書
即応で使用可能な消耗品系のアイテム数品:魔力回復系とか、スクロール(魔法の呪文が書かれた巻物。弾として使える)みたいな品
この人の場合、武器を使った攻撃能力の数値に意味はないので省略
防御力 フロント:30mm シールドレス:同上 リア:15mm
「後は、魔法の呪文ですね」
エマニエル 呪文(一応、こんなもんという事で。暫定なので、ヒマがあったらちょこちょこいじると思う。スピカの方の呪文がまだチト未完成気味なので、スピカ側はもうちょっと手を入れる)
1st
ディティクトマジック:魔法探知。距離20m程まで
アーマー(チェイン):チェインメイル相当の防御フィールド
コンフォート:自然の暑さ寒さからの防御
マジックミサイル:ピュアマジカルエナジーを矢状にして放つ。術者の能力が上がると本数が増える
ホバー:ホバー移動を可能にする。立ち幅跳びで超えられないような裂け目までは越えられない。
スコープ:おおよそ4倍程度の望遠鏡相当の視野を与える。ディティクトマジック等で定められている魔法の視界までは延伸できない。
ディティクトディジーズ:病気にかかっているかが分かる。
ディティクトポイズン:毒に侵されているかが分かる。
セーフフォール:安全な落下。こういうのは咄嗟の反応で発動できないと意味がないので、カウンターでも発動可能。自身だけでなく他の落体に対しても有効。
ファイアースターター:着火魔法。あえてダメージを算出するならマジカルファイアー1ダメ固定
ホップ:跳躍力を強化する魔法。水平、垂直共に、3倍程度まで強化される。
1Dライト:1日持続する明かり。照明範囲は概ね半径10m。目つぶしに使えるような閃光を放つようなことまではできない。
猫目:猫の目相当の暗視能力。なので、本当に完全な暗闇では効果がない。
スリープ:弱く且つ眠りが必要な生命体を眠らせる。基本的には効果範囲内の複数の個体にかかる。効果時間内であっても、叩く、大声を出すなど外的要因があれば起きる可能性がある。
フラッシュ:瞬間的に鋭い閃光を放ち、目くらましをする魔法。
プロテクションスピリッツ:霊的な存在からの防御。基本的にこれで防御されている者が自発的に攻撃行動をとらない限り、破られる事はない。儀式を利用して場所に対して固有結界のような役割を付与する事も可能。
マジックハンド:半物質状の魔法の手を出し操作できる魔法。最大距離30m程。直接触りたくない物などを動かしたい時などに使う。
アラームポイント:扉、宝箱、道路の1点等を指定。次に条件を指定。以後、除去されるまで、術者が指定した条件に合わない者がそこを通過したり操作したりした時に警報を鳴らす。術者に対してのみ聞こえるか、周囲に警報音を鳴らすかは予め設定しておける。
ローション:人間1体分ぐらいまでの物体をヌルヌルしたゲル状の液体で覆う魔法
クリーン:洗濯魔法。水分や洗剤などがなくても構わない。
2nd
レジストエナジー「」:「」内のエネルギー攻撃の効果を半減させる。同じ魔法が複数かかった場合、後に掛けた魔法で上書きされる。同じの効果を持つ魔法の品を既に装備している場合、効果がない事に注意。
ディティクトインヴィジ:透明化している者を探知。透明になっている方法は問わない。なので、ある種のカメレオン化のような物にまで効力が及ぶ。
オープンロック:扉、錠前、いましめ等を解く魔法。
ホールドロック:扉、錠前、いましめ等を魔法的に閉じる魔法。扉やヒモなどは必要だが、鍵穴のような構造までは必要としない。魔法で閉じられるので、物理的に壊すか魔法を除去しない限り、開けられない。
1Yライト:1年持続する明かり。魔法の暗闇を作る魔法と相殺される。
エンハンスドアビリティー「」:「」内の能力値を強化できる。
インヴィジ:透明化する。攻撃行動をとらない限り、最大1日持続。あくまで視覚的に見えなくなるだけなので、音、匂いなど別の手段で発見される可能性は存在する。
アナライズマジック:魔法がかかっている物品、人物等にどのような魔法がかかっているかを調べる魔法。
ディティクトカース:物品、場所、人物等にカースがかかっているかどうかを調べる魔法。
テンポラルマジックウェポン:非魔法の武器を一時的に魔法の武器に変える魔法。魔法の武器でないとダメージが叩けない敵に対して使う。
ホールドパーソン:対人金縛り。術者の能力が上がると複数人にかけられる。
インオーディエンス:衣擦れや足音など、通常に行動しているだけでも自然発生する音を完全に消去する魔法。
ダークネス:魔法の暗闇を作る魔法。半径10m程。
シースルー:インヴィジを改造した魔法、着ている衣服をシースルーに変化させる。
ラスト:欲情させる魔法。仕事上、ないと嘘だろう。
3rd
ファイアーボール:着弾地点に半径10m程の火球を作り出し、爆裂させる。着火物があった場合、着火する。
ライトニング:指定した場所から直線状に雷撃を放つ魔法。魔法の雷撃なので、本物の自然の雷よりは威力が低い。
アイスストーム:指定した場所に氷の嵐を出現させる。範囲内にある炎は基本的に消火される。が、溶岩流など火勢が強すぎる場合はその限りではない。
ディスペル:魔法消去。基本的には一時的な魔法を消す。永続的な魔法の品をこの魔法で消す事はできない。もし、呪文を唱えている者に対して掛けた場合、その唱えている呪文も消せる可能性がある。術者の能力差がモロに出る魔法なので、この魔法を唱えたからといって、格上の術者の魔法を必ず消せるわけではない。
フライ:速足程度の速度で飛行可能となる魔法。空中では「踏ん張る」事ができないので、それに伴うデメリットはある。それ以外の点では魔法による飛行なので、上昇、降下、旋回も重力の影響を受けない。自由落下ができなくなるので、そのような行動を取りたい場合は、この魔法を切る必要がある・・・着地に対して安全を保障する手段がない限り、地面に激突する事になるだろうが。
プロテクションエナジー「」:「」内のエネルギーに対し、完全防御。同じ魔法が複数掛けられた場合、後に掛けられた魔法で上書きされる。
プロテクションノーマルミサイル:非魔法の飛び道具から完全防御。ただし、弾体があまりに巨大なエネルギーを持っていた場合、ノックバックされる可能性がある。炸裂弾や曳光弾のような弾だった場合、別途、ダメージを受ける可能性がある。
ウィンドウォール:風の壁を作り出す。
リムーヴカース:呪いの消去。ただし、永続的な魔法の品に付随する呪いを消去できるほどではない。
スロー:物体、生物の行動能力を半分にする。
クイック:生物の行動能力を倍にする。
イリュージョンマジック:幻術で他の魔法の外見上の特徴を真似して放つことができる。幻術に惑わされた者は、その魔法が実際に効果が発したように行動する。視覚的効果を持たない魔法を真似する事はできない。
アーマー(プレートメイル):プレートメイル相当の防御フィールドを供給する。
クライマックスエクスタシー:絶頂させる魔法。メンドクサイ時とかに使う。
4th
オートガード:一定の条件が満たされると自動で魔法が発動するようにする魔法。防御系の魔法しか対象にできない。複数かける事はできない。ディスペルの対象にはならないが、1度発動すると終了する。
物理1回無効:言葉の通り。いかなる強力な攻撃であったとしても、物理攻撃を1回無効化する。ただし、その攻撃でノックバックされるなどした場合、そこまでは防げない。ディスペルもされるし、ダメージを受けないタイプの攻撃(寝ている時に濡れたタオルで口をふさぐなど)も防げない。
バリアーエナジー「」:「」内のエネルギー攻撃に対して一定ダメージ分まで吸収するバリアーを展開する。
キュアディジーズ:病気治療。プリーストより高いLv扱いだが、効果は同じ。仕事の都合上、持ってないと嘘なので。
キュアポイズン:キュアディジーズと同上。
ファイアーウォール:炎の壁を出現させる。直線状、周囲を覆う、いずれでも構わない。1度出現させてしまうと動かせない。可燃物に着火するので、必ずしも炎の勢いを制御できるわけではない。
アイスウォール:氷の壁を出現させる。基本的にはファイアーウォールと同上。こちらは氷の壁なので、物理的に破壊する事が可能。
ストーンウォール:石の壁を出現させる。完全な空中では使用不能。ディスペル、もしくは効果時間が終了すると、周囲の土くれと同じになる。
ファンクションコール1:電話で言う所の短縮一番。呪文に対して使う魔法。短縮したい呪文を指定し、セットすると、以後、その呪文は即時発動させられる。複数指定させる事はできない。
エンチャントアイテム:永続的な魔法のアイテムを作る際の土台を作る魔法。
インオーディエンスインヴィジ:インオーディエンス+インヴィジの魔法。攻撃行動を取った時点で姿が出現する制限はそのまま。
ディスタンスリープ:1音節、もしくは無詠唱で、見えている範囲、もしくは数100m分短距離テレポートできる。その際、重量、距離などの制約はあるものの、制約に収まっている限り、テレポートするものは生物及びその装備品でも構わない。
5th
テレポート:瞬間移動。術者の能力によって一度に運べる重量、体積が増えるものの、概ね、本人+軽装備の3~4人ぐらい、もしくは本人+重装備ファイター2人ぐらいまで。
フォースウォール:目には見えない力場の壁を出現させられる。壁、円形、球形などで出現させられる。大変強力な壁であり、有害にならない程度の可視光線及び、有害にならない程度の音以外、ほぼ全てを遮断する。破壊できる手段が決まっており(持続時間終了以外だと、いはいる神力、分子分解以上の打撃、神器による直接打撃、アンチマジックのような魔法自体を完全停止してしまうような手段。ちなみにディスペル不可)それ以外の手段を受け付けない。
シールドマジック「」:「」内の魔法をピンポイントで完全防御。いはいる攻撃魔法のみ対象。ディスペルを入れたからといって、ディスペル無効にはできない。
ポータブル結界:
アーマー(フルプレート):フルプレート相当の防御フィールドを発生させる魔法。
探知麻痺:一定ライン以下の探知手段から防御する魔法
6th(本来の能力では使えないが、現実的な範囲で無茶するなら使用可能)
If…Then…コマンド:If(もし)Then(××した時)、コマンド(指定した魔法が発動する)。オートガードより対象が広い。何なら自爆用ファイアーボールのような魔法すら入れられる。
モレクジュールブレイクダウン:分子分解魔法。分解するべき物品が効果範囲を超える場合、おおよそ3m四方の穴ができる。
7th(メッチャがんばって博打レベルでなら使用可能)
マステレポート:テレポートの上位版。テレポートより輸送能力が高い。
オートガードとIf…Then…コマンドには適宜何か(恐らく防御系)が入っている。
ファンクションコール1はほぼ確定でディスペル
物理1回防御、アーマー(フルプレート)は持続時間が長いのでディスペルで消されない限り常にかかっていると思った方がよい。
「といった所でしょうか・・・貴方でしたら、もし失職したとしても、我々、セッスルームニルウプサラ店であれば、即採用です。仲良くできそうですし」
「あの・・・その・・・ぇぇ~……まぁ~フツーの術者だったら確かにそういう呪文編成になるのはそうなんだけど、それにしても、何、この人」
彼ら、彼女達の驚嘆をよそに、続けてスピカに移る。
「この方は、農業神デメテルの神官ですので・・・」
服+3(マイナーリペア、クリーン)
防御の指輪+3
麻痺無効の指輪
対毒のお守り
病気無効のお守り
防御の首輪+2
自然環境防御の外套
ホールディングバッグ
飛行ディバイス1品
コヌルコピア:デメテルのホーリーシンボル。これがないと魔法を使えない
スピカも武器で攻撃とかするタイプのキャラではないので、攻撃能力に関しては割愛
防御力 フロント:30mm シールドレス:同上。ただし、理論上、シールド装備が不可能ではないので、その時は、シールド分上乗せ リア:15mm
スピカ 呪文(先にも書いているが、特に4,5,6辺りがスカスカなんで、後で手を入れます)
エマニエルと同上の魔法に対しては解説なし
1st
ディティクトマジック
ディティクトアンデッド:アンデッド探知。距離50mぐらいまで。強力な存在程強く感じる。
ディティクトディジーズ
ディティクトポイズン
キュアウーンズ初級
クリエイトウォーター:水を作る。
コンフォート
クリエイトホーリーアイテム:聖水や聖印を作る際に必要な魔法
セレモニーブレス:その宗教における冠婚葬祭などを取り仕切る際の魔法
1Dライト
プロテクションイービルスピリッツ:邪悪な霊的存在に対する防御。個人用。
ウォーターミラー:水鏡を作る。この魔法で作った水鏡を利用して別の魔法をかける事が可能。
ファイアースターター
コテージ:野宿する際、周囲の材料を使って休憩できる場所を作る魔法
エンデュランス:強行軍をする際、疲労を低減する。
スネアトラップ:足を引っかけて転ばせるタイプの即席トラップを設置する魔法。屋外のみで機能
コンフォートファームプロダクト:収穫した農作物を安全に保管する。倉庫などに掛ける。
コンポース:肥料を作る魔法
ダウジング:井戸を作る時の水源を探す魔法
2nd
クリエイトフード:食料を作る
キュアポイズン
キュアディジーズ
害虫駆除:
クリエイトディフェンシブスケアクロー:スケアクロー(ハロウィンのかぼちゃのかかし)を作り、耕作地を防衛させる魔法。残念ながら野生動物に倒される恐れがある。生き残った場合でも10月30日には処分する事。10月31日に暴走する。
耕作地に対する祝福:稲のような連作障害がないものを作付けしている場合は1年に1回。小麦のように連作障害が発生するものの場合、3年に1度機能する。収穫量を増し、病気に強く、害虫にたかられにくくなる。
1Yライト
レジストエナジー「」
エンハンスドアニマルセンス「」:動物の感覚を得られる。犬の嗅覚、フクロウの聴覚、鷹の視力など。
スピークアニマル:動物と会話できる。動物の知力によるので、あまり複雑な事は分からない。
スピークプラント:植物と会話できる。ある程度は知性を補助するが、あまり複雑な事は分からない。
ディティクトカース
アナライズマジック
アニマルメッセンジャー:動物に伝えたいメッセージ(3分前後まで)を託し、目標となる人物にメッセージを送る魔法。返信はできない。なお、途中で動物が殺される化膿性があるのに注意。
3rd
ディスペル
ウィンドウォール
ウォーターウオーク:水上歩行
エアウォーク:空中歩行
ウォーターブリージング:水中呼吸
キュアウーンズ中級
プロテクションイービルスピリッツエリア:
プロテクションエナジー「」
テンポラルカムバックライフ:死んですぐぐらい、死体の損傷がひどくない、など制約はあるが、死亡からの回復。あまりにひどい場合、また死ぬ可能性がある。
リムーブカース
キュアパラライズ:麻痺からの回復
クリエイトフード&ドリンク:飲料水と食料の両方を同時に作る。各々の魔法を別で唱えるより生産量が多い。
カメレオンコテージ:周囲の環境に溶け込む事を除いて、コテージの魔法と同じ。
ウィンドメッセンジャー:風を利用して伝えたい人物に対してメッセージを伝える魔法。術者、目標者、各々が、屋内であっても構わないが、最低でも風通しが良い場所でなければ機能しない。
ハイバーネーション:対象を冬眠状態にし、毒や病気の進行を極端に遅らせる。
セットトレジャーボックストラップ:宝箱(に限った事ではない。要は、開閉可能な入れ物であればよい)に魔法をかけ、条件を満たさない者が宝箱に対して開閉を試みる、壊す、等の行動を取った時に起動。予めセットしておいた魔法が発動し、そのような者を攻撃する。要はよくあるダンジョンで見られる魔法の罠がかかっている宝箱を作る魔法。
4th
クリエイトディフェンシブスケアクローDX:目が光る、口から唸る、腕が飛ぶ、等7大機能つきスケアクロー。
バリアーエナジー「」
インスタントキルキャンセラー:即死系の手段を1回、回避する。
5th
クリエイトディフェンシブスケアクローEX
「陸戦型」「フルアーマー」「支援砲撃型」「魔法投射型」
キュアウーンズ上級:
キュアストーン:石化解除
エンクローズスピリット:魂が離れてしまった死体に魂を入れ直す魔法。死体の状態が悪い場合機能しない。近くに魂がないと機能しないので、49日制限がある。早ければ早い程成功率が高い。
6th(本来の能力では使えないが、現実的な範囲で無茶するなら使用可能)
神殿結界構築:神殿の中央に配置する聖遺物に対し使うと、機能する。これが破壊されない限り、永続的に機能する結界となる。結界内に出入りできる条件は自由に設定してよい。テレポートなどの特殊な移動手段も封じる、もしくは一定に制限可能。
キュアオールウーンズ:いはいるHPだけは全開まで回復する魔法
ゼウスの春雷:デメテルはゼウスの姉である。そして、春の嵐に煌く稲妻は以後の農作物の生育には欠かせないものであった。ゆえに、デメテルの信者である彼女も使えるのである。なお、春雷とあるが、曇っている屋外であれば呪文自体は発動する。
リアルorノット:真偽を見極める目を授かる。ほぼ全ての探知、真実の姿を見極める事ができる。
7th(メッチャがんばって博打レベルでなら使用可能)
レイズデッド:死者蘇生。死体の状態に関してはある程度でもそろっていれば機能するが、蘇生させるべき者が(英雄レベル的に)弱い場合、必ずしも成功するわけではない。49日制限あり。寿命による死亡はどうしようもない。
Myth
コールアバター:プリーストであれば己の神に対して必ず持っているマイソロジーマジック。自身の身体に神を降ろし、その力を振える(かもしれない)魔法。成功するかどうか術者の能力次第だが、レジェンドヒーロークラスでもない限り、基本的には術者が死ぬの前提の魔法になる。スピカクラスの使い手だと概ね成功率10%。
「ざっとこのような感じでしょうか」
そして、最後、フォルゴーレに目標を移すが……
「いやいやいや、これ以上は勘弁! さ、皆さん、もう帰りましょう」
ほぼ強制的にチェンタウロ達を立たせ、彼らは早々に立ち去ってしまった。
「はぁ~・・・この世界って、こんな感じなのか・・・マジでガッチガチやな。こら勝てなかったわけだ」
ミリアの述べたチェンタウロ達の能力を反芻しつつ、素直な感想が口から洩れる。
「そうですね。装備ランクでここまで差があってしまうと、数字の力だけでゴリ押しされるだけでも、そこらの盗賊団程度では勝負にすらならないでしょう」
「そうだよなぁ・・・!?」
今、分かっている範囲でのチェンタウロ達の能力を改めて見返し、情報を整理していると・・・とりあえず今の君でも気づくトンデモ数字。
「何か、サラっと書いてるけど、このRHAで100mm相当とか、マジ!?」
「はい。というか、ドラゴンとか、グレーターデーモンとかとまともに正面から打ち合うのなら、それぐらいはないと無理ですから」
「いや・・・この数値がホントだったら、チェンタウロさんの正面装甲、ティーゲル(第二次大戦中期から登場したドイツ機甲師団の重戦車)並みなんですけど・・・」
怪訝そうな君に対し、ミリアはニッコリと笑い
「そんなのACなんて、素っバの人間が10、フルプレート装備で0、-10ならシャーマン戦車、なんて常識じゃないですか」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
訳注:これは、世界最初のコンピュータRPGと言われる某ゲームの説明書に描かれていたACの説明で本当に使われている。まぁ、黎明期のゲームの設定なんでガバいなんてもんじゃないと言われればそれまでなのだが。実の所、今の目から見て、本当に人間がドラゴンとかと真正面からやり合うのであれば、そこまで間違っていないのではないのか? と思わなくもないぐらいの数値だったりする。
自分は最初、その絵を見た時「素っパの奴とフルプレートは分かるけど、この戦車、何だ? 妙に丸っこい上にやたら砲塔短い、微妙な、戦車ってのは分かるけど、もうちょっと何かなかったのか」と思ったものだが、その後、戦車関係の知識が身に付いた後で見直すと、確かにシャーマン戦車の特徴をよく捉えた絵であったと感心したものである。
ちなみにシャーマン戦車は車体上面装甲圧51mmである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「んなじょうしき、あるかあああぁぁぁぁぁぁ!!」
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