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一章 転生人生の幕開け

ドキドキパーティー

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 ドアが開く

 私は初めての王族主催のパーティーに
 緊張しながら会場に入った

 ここからはもう、戦場
 気を引き締めなくてはならない

 前世で、沢山小説やアニメで学んだ

 ニコニコした愛想の良さそうな顔
 しかし、そう言う人ほど裏がある
 特に貴族社会では誰もが家紋を背負っているからこそだ。

「アーニコ様、ようこそいらっしゃいました。姫様があちらでお待ちです。」

「承知しました。
 ありがとうございます。」

 緊張して手が震える
 けど、それじゃあ、なめられちゃう!
 ここは戦場!!なめられないためにも
 私も見よう見まねでニコニコした仮面をかぶってみようかな

 ニコッ

「あの…アーニコ様どうかなさいましたか?」

「???」

「いえ、その…お顔がひきつっていられるので」

「えっ!」

 本当!?恥ずかしいんだけど!!!

 おかしくない?私もみんなと同じようにやっただけだよ??なんで、そうなるのさ…。

 うん?待てよ。
 なんか前も笑顔で恥ずかしくなったことがあった気が…
 あ、そうだ前世の時だ。

 それは、小学1年生の時だった。
 写真館で写真撮る時
「ニコッて笑顔でー」ってカメラマンさんに言われて、「ニコッ」ってやったつもりだったが、後で写真を見たところ
 すごいなんて、いうか変顔みたいだった。

 思い出すのやめよ。
 黒歴史を思い出したところで恥ずかしくなるだけだ。

 私は、できるだけ緊張がバレないように
 いつも通りの顔で姫様の元へできるだけ優雅に向かう

 歩いている最中に
 周りにいる貴族達から
「あそこにおられるのってもしかして、今夜の主役では??」
「あぁ…アーニコ様ね」
「姫様と婚約だなんて、あまりにも急で驚きましたわ」
「何か、裏があったのではなくて?」など
 コソコソと嫌味を言う人がいた

 いや、裏って
 何もないからね???

「アーニコ様。あの者たちの処分如何しましょうか」

「処分!?」

「はい。先ほどからアーニコ様に聞こえる声量でわざと話しています。そこがまず許せません。それに、裏ですって!?そんなことアーニコ様がするわけないではないですか!あの者たちを処分し見せしめにするべきです」

「ミーヤ、落ち着いて。」

「処分する許可を!」

「ミーヤ、私は処分なんて望んでいないし気にしないから大丈夫だよ。」

「そうですか…。」

「私のために怒ってくれてありがとうね」

「いえ、私はアーニコ様の侍女頭ですから。当然のことをしたまでです。」

 焦った。本当に焦った。
「処分」って物騒すぎない!?
 私の方が身分は上だからって処分はやりすぎじゃない??
 一様、あの人たちも貴族なんだよ!

 でも、アーニコ様に嫌味いったから当然な気も…。

 イヤイヤ。
 処分したら余計周りから恐れられて評判は悪くなってしまうのでは?

 それだけは、避けないといけないから
 嫌味は今の所無視で…!

 私は、貴族たちのコソコソ話を無視し
 姫の元へ歩いていく。

 すると
「ちょっと、こっち来ないでぇぇぇぇ!」
「ん?」

 いや、待って待って、誰かが
 こっち向かってもう突進してきてない???
 誰かに追われてるのかな??

 てか、その前に
 そのスピードでこっちきたらぶつか

 そう、思った瞬間。
 時すでに遅く… 。
 私はこっちに向かって走ってきた誰かとぶつかっていた。

「いたたた…。」

「あっ!えっ…あっ…。すみません!!」

 あんな、スピードでぶつかってきたら危ないに決まってる。
案の定怪我がなかったから良かったけど

ぶつかった人は大丈夫だろうか?

「私は全然、大丈夫です。
それよりも、あなたの方こそ、お怪我はありませんか?」

「あっ、はい。大丈夫です。」

「よかったです。
あんなスピード出して走ったら危ないので今後は気をつけてくださいね」

「はい…。」

話は、終ったし。
そろそろその場を立ち去ろう
そう思った瞬間

「おい、見つけたぞ!!」
「っ…。」
目の前の子が恐怖で震える。

きっと、この声の主が
この人をこんなになるぐらい怖がらせたのだろう。

私は、恐る恐る。
そして、怒りを覚えつつ
声の主をみると
40から50代ぐらいの男が立っていた。
それも、ただの男ではない。
その顔には見覚えがあった。
その男は、
「きみまほ」で、出てくる悪役の1人
バルト宰相だった。
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