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24.勇者マックスの戦略
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勇者が勢いに乗って襲ってくることもあり得るので、僕は更なる強化を考えていた。
やはり、相手が強敵となると、最後にモノを言うのは接近戦だろう。
僕は護身術を獲得すると身体中の筋肉が強化され、まるで騎士が愛用しているウマのような体格になった。
フリーダも微笑みながら言った。
「凄く逞しくなられましたね」
「コイツは荷物運びに適任……って思われても困るけどね」
【SP164→64】
1時間ほど軽い運動をして身体をほぐしていると、カテリーナがやってきた。
「魔王さま……勇者マックス一行ですが、先ほど入り込んだダンジョンを攻略したようです」
「どの程度の被害を受けていた?」
「お供の戦士と格闘家が軽いケガをした程度です。一方、攻撃を受けた追いはぎ魔王たちは全滅」
「なるほど……わかった、ミニオスカーが来たら教えてあげて欲しい」
「承知しました」
さすがの勇者たちも、追いはぎ魔王の攻略には手を焼いたらしく、他のダンジョンゲートに手を出すことはなかった。
だが、ダンジョンゲートが多すぎると思ったらしく、翌日は闇雲にダンジョンゲートの攻略はせずに、情報収集に徹しているようだ。
「魔王さま……」
「どうしたんだいカテリーナ?」
「どうやら勇者一行は、ジルー殿の古巣の冒険者チームと接触……我らの居場所が割れたようです」
「なるほど……いよいよ、ということか……」
僕は自分のスペシャルポイントを確認した。
残りは144だ。勇者一行の動向次第では、もう少し特殊能力を身に付けられそうだが……果たして、勇者マックスは、それを許してくれるだろうか。
「どうだい、すぐに攻めて来そうかい?」
「いいえ……どうやら勇者一行も、我々のことを一筋縄にはいかない相手と思っているようです」
カテリーナのそばの木にハトが止まると、すぐに喋るように小さく鳴き声をあげた。
「……うん、わかった」
彼女は再びこちらを見た。
「いま連絡があり、勇者一行はミスリル製の縄のようなモノを購入したそうです」
なるほど。それは手綱とみて間違いないだろう。
僕もまた頷いて答える。
「その様子だと、こっちに向かってくる可能性も高いね。ジルー、フリーダ」
「なに?」
「はい!」
2人が来ると、僕はすぐに命令を出した。
「モンスターたちに迎撃命令を出してくれ。ミニオスカー以外の生き物が来たら、迷わず攻撃すること」
「「わかりました!」」
「その代わり、君たち2人は勇者に攻撃は仕掛けなくていい。身の危険を感じたら最優先でここまで撤退すること」
「はい!」
「承知しました!」
僕は次にカテリーナを見る。
「カテリーナ」
「はい!」
「君はここに残りつつ、勇者一行の動きを教えて欲しい。恐らく……ジルーの元仲間は攻撃には加わらないと思うけど、来たら容赦なく攻撃する」
そう伝えると、カテリーナはしっかりと敬礼する。
「承知しました」
命令を出し終えると、僕は鏡を見た。
この残っているスペシャルポイント144は、いざとなった時のために取っておきたい。土壇場で強力な能力に目覚めるかもしれないし、僕らが負けそうなときにも取引材料として使えるかもしれない。
少しすると、カテリーナが言った。
「魔王さま……勇者マックス一行が樹海の入り口まで来ました。道案内として元ジルーの仲間たちも……」
「なるほど。その様子だと戦力は最大で8人だね」
「その通りです」
僕は頷くと、改めて戦力を確認した。
チームマックス
チームリーダー:勇者マックス
ブラックユニコーン軍
チームリーダー:一角獣チャンスコネクター
マックス隊
勇者1、戦士1、格闘家1、エルフ魔導師1、弓使い1
ブレーズ隊
重戦士1、戦士1、魔法使い1
ブラックユニコーン軍
一角獣1、エルフ魔導師1、ウェアウルフ1、有翼人1
ミニフェンリル1、コボルド8、アタックドッグ18
トレント1、スライム2、ウッドパペット18
戦力を確認していると、カテリーナのカラスが飛んできた。
カラスの話を聞いていたカテリーナは、やがてこちらを見る。
「お喜び下さい魔王さま……」
「どうだった?」
「オスカー殿は、援軍としてミニオスカーを派遣して下さいました。それも2頭!」
その言葉を聞いて、僕も嬉しく思った。
ミニオスカーは魔王オスカーの分身だ。その実力は少なく見積もってもミニフェンリルと同等。オスカーの武術関係のスキルの習得次第では、それ以上の活躍が期待できる!
「いいニュースだ! すぐに神社内に配置しよう!」
間もなく、ブラックユニコーン軍と勇者マックス隊の戦いがはじまろうとしていた。
【勇者マックス】
やはり、相手が強敵となると、最後にモノを言うのは接近戦だろう。
僕は護身術を獲得すると身体中の筋肉が強化され、まるで騎士が愛用しているウマのような体格になった。
フリーダも微笑みながら言った。
「凄く逞しくなられましたね」
「コイツは荷物運びに適任……って思われても困るけどね」
【SP164→64】
1時間ほど軽い運動をして身体をほぐしていると、カテリーナがやってきた。
「魔王さま……勇者マックス一行ですが、先ほど入り込んだダンジョンを攻略したようです」
「どの程度の被害を受けていた?」
「お供の戦士と格闘家が軽いケガをした程度です。一方、攻撃を受けた追いはぎ魔王たちは全滅」
「なるほど……わかった、ミニオスカーが来たら教えてあげて欲しい」
「承知しました」
さすがの勇者たちも、追いはぎ魔王の攻略には手を焼いたらしく、他のダンジョンゲートに手を出すことはなかった。
だが、ダンジョンゲートが多すぎると思ったらしく、翌日は闇雲にダンジョンゲートの攻略はせずに、情報収集に徹しているようだ。
「魔王さま……」
「どうしたんだいカテリーナ?」
「どうやら勇者一行は、ジルー殿の古巣の冒険者チームと接触……我らの居場所が割れたようです」
「なるほど……いよいよ、ということか……」
僕は自分のスペシャルポイントを確認した。
残りは144だ。勇者一行の動向次第では、もう少し特殊能力を身に付けられそうだが……果たして、勇者マックスは、それを許してくれるだろうか。
「どうだい、すぐに攻めて来そうかい?」
「いいえ……どうやら勇者一行も、我々のことを一筋縄にはいかない相手と思っているようです」
カテリーナのそばの木にハトが止まると、すぐに喋るように小さく鳴き声をあげた。
「……うん、わかった」
彼女は再びこちらを見た。
「いま連絡があり、勇者一行はミスリル製の縄のようなモノを購入したそうです」
なるほど。それは手綱とみて間違いないだろう。
僕もまた頷いて答える。
「その様子だと、こっちに向かってくる可能性も高いね。ジルー、フリーダ」
「なに?」
「はい!」
2人が来ると、僕はすぐに命令を出した。
「モンスターたちに迎撃命令を出してくれ。ミニオスカー以外の生き物が来たら、迷わず攻撃すること」
「「わかりました!」」
「その代わり、君たち2人は勇者に攻撃は仕掛けなくていい。身の危険を感じたら最優先でここまで撤退すること」
「はい!」
「承知しました!」
僕は次にカテリーナを見る。
「カテリーナ」
「はい!」
「君はここに残りつつ、勇者一行の動きを教えて欲しい。恐らく……ジルーの元仲間は攻撃には加わらないと思うけど、来たら容赦なく攻撃する」
そう伝えると、カテリーナはしっかりと敬礼する。
「承知しました」
命令を出し終えると、僕は鏡を見た。
この残っているスペシャルポイント144は、いざとなった時のために取っておきたい。土壇場で強力な能力に目覚めるかもしれないし、僕らが負けそうなときにも取引材料として使えるかもしれない。
少しすると、カテリーナが言った。
「魔王さま……勇者マックス一行が樹海の入り口まで来ました。道案内として元ジルーの仲間たちも……」
「なるほど。その様子だと戦力は最大で8人だね」
「その通りです」
僕は頷くと、改めて戦力を確認した。
チームマックス
チームリーダー:勇者マックス
ブラックユニコーン軍
チームリーダー:一角獣チャンスコネクター
マックス隊
勇者1、戦士1、格闘家1、エルフ魔導師1、弓使い1
ブレーズ隊
重戦士1、戦士1、魔法使い1
ブラックユニコーン軍
一角獣1、エルフ魔導師1、ウェアウルフ1、有翼人1
ミニフェンリル1、コボルド8、アタックドッグ18
トレント1、スライム2、ウッドパペット18
戦力を確認していると、カテリーナのカラスが飛んできた。
カラスの話を聞いていたカテリーナは、やがてこちらを見る。
「お喜び下さい魔王さま……」
「どうだった?」
「オスカー殿は、援軍としてミニオスカーを派遣して下さいました。それも2頭!」
その言葉を聞いて、僕も嬉しく思った。
ミニオスカーは魔王オスカーの分身だ。その実力は少なく見積もってもミニフェンリルと同等。オスカーの武術関係のスキルの習得次第では、それ以上の活躍が期待できる!
「いいニュースだ! すぐに神社内に配置しよう!」
間もなく、ブラックユニコーン軍と勇者マックス隊の戦いがはじまろうとしていた。
【勇者マックス】
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