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引きこもり令嬢
しおりを挟むあれから…私の部屋では改装が行われた。
アレクさまの思い出の品を…全て買い換える。
不自然に変えられていく自分の部屋を…ただ眺めていた。
何だったのか?
結局は、円満婚約破棄となった。
何それ?
私は何も言えなかった。
アレクさまの心変わり…そして…
相手はお姫様だった。
お似合いだよね?
アレクさまに婚約破棄を言われた時のことはよく覚えていない。
辺りが真っ暗になり…これが闇落ちか?などと、突っ込みを入れたくらいだ。
まだ、怒りは湧いてきていない。
何となく…アレクさまが婚約破棄してくることは、わかっていたのかもしれない。
泣き寝入り⁇
本当に泣き寝入りしちゃったヨ?
「お幸せにね!」なんて…思ったくらいだ。
転生したときには…「ふざけないで!誰が泣き寝入りなんかするか!」と、思っていたけれど…
ショックでかっ!
ヤバイ…何も考えられない。
家族はみんな…それぞれ、おもいおもいの顔で、私を見ていた。
お父様は、ふざけるな!もっとよい男を婿に選ぶと言っていた気もするけど、婚約話しはゴリゴリだ。しばらくは聞きたくない。
弟は、私を心底心配してくれていた。優しく慰めて…お父様に婚約の話しは、後日にするようにやんわりと断ってくれた。
妹は、ざまあみやがれ!って感じでこちらを見ていた。隣には、教師が…その顔はどうだろうと咎めて言っているのが見えた。
義母は、関係ないような顔をして…いつものようにやんわりと笑っていた。これが一番にこたえた。この人は家族ではないのだと感じた。
屋敷の執事は、涙を流して…他の使用人達と、アレクさまに対して怒っていた。アレクさまのことは、あまり好きではなかったらしい。
私の部屋では、私の執事とメイドが、私をもてなす感じに…美味しいお茶と茶菓子を用意してくれていた。
庭師の魔王は、見たことのない魔花を部屋に活けてくれた。
お抱え商人が、沢山のプレゼントをくれた。
竜人が、優しくお菓子を勧める。
そんな中、従者が私にトドメを刺した。
「アレクサンドロス皇太子は、高学部に入ってすぐに浮気を楽しんでいた。あんな下等な男のどこがよかったのだ?」
…顔ですかね?
私に甘々だったので、正直言って…イケメンに惚れられる快感?に、酔っていました。
「溺愛されてる自信があったのになぁ…」
「男よりも強い女が?」
「うぐっ」
「自分よりも財産ある女が?」
「うっ」
「あの姫よりも美しい自信が?」
「…私…自惚れてました…」
「何を!!強いところが美しいのだ!」
「お金は裏切りません!稼いで何が悪いのです!」
「お嬢は、誰よりも綺麗よん?」
「心も美しいですよ?自信を持って何が悪いのです?」
「主はそのままでいいですよ」
皆んなが助けてくれるが…
「それなのに…婚約破棄だ。それらはいらない能力だったのさ」
「………いらない?」
なんだ…
ここでも…
私はいらない存在なんだ…
変わってないじゃん。
涙がホロホロ流れた。
「だから、弱くなってしまえばいい。寄りかかれる男は目の前にいるぞ?」
なんか言っているなぁ…
手を広げているけど…
私はそっちには行きたくない。
「んー…寝るわ…考えるのも疲れた…また、明日ね」
私は全員を速やかに強制的に部屋の外に出した。魔法って便利ね。
結局は、眠らずに…色々眺めていた。
次の日は、なんとなしに…部屋の内装を変えることにした。
周りは忙しく動き回っているのが見えた。
でも、やる気が出ないわ。
沢山の買い物をした。
お金を使っても気は晴れない。
だから、部屋に閉じこもった。
学園にもいく気がしない。
だって、いるでしょう?
ラブラブ過ごす元婚約者様が…
(婚約が解消して、この国にいる必要がなくなったアレクサンドロスは、後ろめたいこともあって、早々に国に帰っている。勿論…新しい婚約者を連れて行った)
しかも…悪い噂は解消していない…
そこに婚約破棄だ。
学園には行けるほど、顔の皮は厚くない。
引きこもりだ~!
ーーーーーーーーーーーーーーーー
とあるお姫様視点
チョロイン?
こんなイケメンが?
私の感想です。
私は、この体に生まれる前も…病弱でした。
でも、死因は病気ではなく…私情のもつれ?
病院の男といえば、医者だろう。
前世では、入院していた病院の若手のホープと恋愛をしていた。
医者は、かなりモテるので…その男にはキープしてくる女が5人はいた気もする。
でも、私が本命だったよ?
だって、もう少しで結婚していたはずだった。
私の家は名家でもあったし、お金持ちだ。
医者家系の彼は、名家の名を好んでいた。
両親に紹介も済ませていた。
でも…「泥棒猫!!」と言われて刺された。
もう少し待ってくれれば…病気で私は死んでいた。
だから、犯罪を犯す必要もなかったのに、その女性は、そこまで調べていなかったようです。
今回も、病気を利用して、短い余生を楽しく生きていた。
それに引っかかる皇太子がおかしい。
それとも…婚約者さんと別れたかったの?
真実はわからないが、短い余生を楽しく生きていけそうだ。
(病気が治ったことをここではまだわかっていません)
後に、病気が治ったことを知ると…
男遊びをする妃となり…
国の民の評判は地に堕ちることになる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
アレクサンドロスが、このお姫様に惚れた理由が…病気だった前世を持った憂いがクローリアに似てることが、瞬時に重なった結果であったことを誰も知らない。
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