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欲望赴くままやったら…逆ハーレム化?
しおりを挟む奴隷省で買って(契約して)来た奴隷は、4人だ。
一人は、私付きのメイドにしようと思って買った美少年だ。
もう一度言う。
美少年だ。
女装好きで…オネー言葉の彼は、少年だから、はじめは女の子だと思った。
でも…契約して気がつきました。
「美少年だったのね?」
「美少女ではありませんね」
笑顔の美少年は、契約時にメイドになるように言った為に、解除はできなさそうだ。
「私の婚約者にはバレないようにね?着替えは手伝ってもらうから」
「大丈夫かしら?うちの家系は…育つとマッチョなの」
武道家家系らしく、理不尽な借金の取り立てに怒った家族で、報復して…自首して捕まったらしい。
家族は買わなくてもいいらしく、買うことはなかった。
マッチョ過ぎて…私の好みではない。
「大丈夫よ…若返り魔法があるから、私が存命のうちは…今の姿のままよ」
「まぁ!嬉しい!!イカツイマッチョにはなりたくないものね!」
「……乙女なのね…心は…」
用意してきたメイド服がよく似合う。
うん。
アレクさまと間違えも起こらないだろうし、大丈夫だと思う!
でも、私は…知らない。
オカマとオネーの違いを…
「恋愛対象は…女の子なんだけどね」
ボソリと呟かれた言葉は私の耳には届かなかった。
二人目は、従者として契約した。
執事とは違い…命令で雑用をこなしていく。
執事が秘書なら…従者は運転手や舎弟⁇
執事が相棒なら、従者は依頼で何でもする親友の探偵⁇
執事が軍師ならば、従者は君主を慕う武将だ!
言っていてよくわからなくなったけどね。
馬車を運転したり…
調べ物をしてもらったり…
兵士の如く守ってもらったり?
でも、彼はかなり賢い上に…狂っているがかなり強い猛者である。
私の強さは、真っ正面からなら負けないだろうが、策略を持って攻撃されたら勝ち目はない。
奴隷紋契約のおかげで、策略を考えることも出来ないのだが…それでいいと思う。
正直言って…奴隷省にいた奴隷の中で一番怖い存在だったらしいです。
「コイツの頭の良さは…狂ったように予想外です。もしかしたら奴隷紋をかいくぐって…来るかもしれません」
奴隷省の役人から何度も聞かされました。
「どうしても…契約しますか?」
何度も確認されて、やっとで手に入れた。
歳をとっていると話が合わせづらいので、若返ってもらいました!
「成る程…これが契約か…」
「そうね!新たな人生だと思って、私に使えなさい」
「私が怖くはないのか?」
「怖い?…最高に強いの間違えではなくて?」
「狂わせるかもしれないぞ?」
「契約が出来た時点で、私のこと気に入ってくれたのでしょう?それでいいじゃない?若返り化したら、カッコ良いし…私の従者として、楽しくやりましょう?」
「…楽しくやっていいのか?」
「ええ、私を楽しませて頂戴!」
「わかりました…お嬢様」
完璧なお辞儀だった。
彼のおかげで、婚約者に近づく不埒な女が減った。
でも、アレクさまは…苦手らしいです。
「アレは側においてはいけない存在だよ!リア!元の場所に戻しておいで!」
「害はないわよ?」
「リアにはないかもしれないけれど、周りへの影響を考えて!」
「何かされたの?」
「怖いんだよ。何もされて無いけれど…闇の属性で…認識もままならない!」
アレクさまの嘆きは最もかもしれないが…
「便利よ?悪意ある者は近くには来ないわ」
「リア…遠くの悪意と戦うより…近くの脅威のほうが厄介だよ…」
「そうかな?厄介ごとが来なくなって…私は嬉しいですわ!」
「わかったよ…リアは私が守っていくよ」
私の説得を諦めたアレクさまは、メイドが男であることを従者の恐ろしさや脅威により隠されて、知ることはなかった。
おそらくは、わざと隠してくれたのだろう。
「…能力だけなら…世界最強令嬢なんて…面白い」
なーんて、笑っている事も知らずに。
3人目は、犯罪奴隷で最も古い頃からずっといた竜人。
言葉が通じなかったが、契約によって意思疎通が可能になった。
「主よ…我は、年を重ね過ぎて役には立たないだろう」
「大丈夫!若返り魔法があるし、回復魔法で細胞から若返り出来るわ!貴方の知識が欲しいの…残された時間を私と共に過ごして?」
「…何とも…変わった人族よ」
若返りさせると、とてもいい男になった竜人さんは、護衛もできる最強種だ。
鱗の肌は、そこいらの剣では歯が立たない。
水の中でも過ごせて…エラを持っている。
「護衛兼知識提供…相談役をお願いしたいわ!」
「あいわかった…主につかえよう…」
本調子に戻るまでは…生きた化石?
まぁ…帝国とは、仲良く出来るだろうと思う。
「竜人族は帝国の王家の先祖と言われてます。能力が我が王家が高いのも…竜人の血筋によるものでしょう」
アレクさまが後から教えてくれた。
「ふむ、金のの力を感じるの…どれ、主の番にふさわしくなるように、竜の血を起こしてやろうかのぉ」
アレクさまに手を差し伸べて、アレクさまの潜在能力を呼び起こす。
「す…凄いですが…まだまだ、リアには叶いませんね」
「ホッホッホ…主は神に愛されておるからな、我々とは次元が違うのじゃ」
私から見ても、アレクさまは格段に能力を向上させた。
「嫌ですわ!私とは張り合うところが違いますでしょうに…」
「リアは、可愛いね!謙遜する必要もないでしょう?」
「ホッホッホ…若いのぉ。主の番どのは、気が気ではないのじゃよ、主よ…男心も理解を深めてやってはいかがかな?」
「大丈夫ですよ。今のままのリアで…これ以上魅力的な女性に成ったら…心配ごとが増えてしまう」
「ホッホッホ。愛されておるのぉ」
私は赤い顔で、顔を伏せることしか出来なかった。
「精神も若返り化したら…儂の番にしたいくらいだ」
そんな事を竜人が思っているなんて、私には予想も出来なかった。
4人目は、借金奴隷の元商人。
かなりの才覚の持ち主だが、借金を騙されて負わされたらしいです。
大きな商会に勤めていたらしいですが、余りにも商人として才覚がありすぎる為に、商会の跡継ぎから目の敵にされて、事あるごとに大変な部署に配属されることが多く。
全てを難なくクリアしてきただけに、危険視されて、罪を背負うことになったらしい。
「借金が返し終わったら、独立したいがいいか?」
「構わないわ。その後も、仲の良い関係が続けて行ければなおいいわ!」
「では、しばらく契約を結んで欲しい」
「こちらこそよろしくお願いしますわ!早速ですが、私の個人商会のことを説明する書類に目を通しておいてくれるかしら?」
「望むところです。仕事がしたくてウズウズしてました」
「良かった!」
私は山のような書類を執事に持って来させる。
「1日8時間労働、昼休みあり、3食付き…週休は1日ですが…夏休み休暇など、長期休み付きにしますわ!給料は歩合制…奴隷中は、借金返済に当てます。必要経費や生活必需品は、私から出しますわ」
「ありがとうございます!異世界人が言っていたホワイトな企業と言うものですか?」
「⁇よくはわかんないですが、自分で休みを取らないと…休みなしで働けてしまうので注意してくださいね?あと、時間外労働の場合でも、残業勤務が認められるので、給料は上がりますわ!」
その後、詳しい雇用契約を交わして、奴隷紋契約をした。
「成る程、お嬢様は開発や思いつきを主にして頂けるように経営を私がすればよろしいですね?」
「そうなのよ。お妃修行で時間も取られてしまうので…よろしくお願いしますね?」
機械的に活動をしてくれるので、とても助かる。
「こちらこそ…こんな大役を頂き光栄です」
話し方が丁重なものに変わったので、大丈夫だろう。
第一印象は…生真面目な不良にしか見えなかったので…
「経営を任せてもらえるとはな…自分で独り立ちする前に…夢の全てを与えられた気分だよ」
奴隷に経営権があるなんて…予想外な事をして、どんどん好かれていることに…気づかないのは、私だけだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
帝国の皇帝視点
一言で言う。
「嫁が凄すぎる件について」
本日の議題は、皇太子である一人息子の婚約者に関することだった。
隣の国の王弟にあたる公爵家の長女、クローリア…
彼女は、聖女や女神と呼ばれた功績を持つ少女であった。
その評判から、我が息子の嫁に…帝国の国母に相応しいと判断され、婚約が決まった。
ところが…成長するクローリアは、成人前の少女とは思えないほどの能力を発揮し…
「先日…自国の奴隷省で…奴隷を手に入れたらしいです。…その奴隷が…恐ろしいメンバーでして…」
その報告が凄まじい内容だった。
冒険者S級ライセンスを持っているのに、商人として働いていたクライシス。
幻の格闘家家系の出である最強家系のナルス。
我が国の王族の根源とも言える、最強種族竜人族のリノプス。
最悪最強天災と言われた一国を恐怖で滅亡させた大犯罪人…死神の名を持つプレデント。
「どの者たちも…超一流」
「一人で国を滅ぼせます!」
「一個人についていいメンバーではありません」
大臣たちが口々に言う事もわかる。
この世界のほぼ半分は、我が帝国の領地だ。
その強大な帝国の隣にある小さな国が、我が帝国の領地にならなかった理由は、国の奴隷省に…先程のメンバーが囚われていたからだ。
奴隷化の能力の優れた家系の貴族が、古来の奴隷紋の法術を持っていたのも、最大の理由だろう。
「奴隷省で大人しくしていれば良いものの…」
「何故!?今更…表舞台に…」
「令嬢の能力に惚れ込んだと噂が出ておる」
「先の公爵家に密かに置いているメイドの話から…クローリア嬢には、人の能力を見る力もあるのだとか…」
「庭師が魔王だと…わけのわからない情報を上げたメイドの情報など…当てにはならない」
「しかし!皇太子様も否定はなさっていませんでしたよ?」
「その通り…我々の問題は…これだけではありません。」
「一番の問題は、皇太子様が…クローリア嬢に…心底惚れている点です」
仲睦まじいのは、喜ばしい。
国を盛り立てる二人が仲良く過ごして、国の見本になるなら、これ以上の喜ばしい事はない。
「皇太子様は、クローリア嬢中心に行動して…国を帰り見ていないのではないでしょうか?」
ガヤガヤ
議会は騒然となる。
「そのことに関しては心配はいらない。我が息子は、己の立場を理解しておる。他国に嫁をとられないように万全を気して…嫁を魅力しているようだ。しかも、嫁の弱点を唯一知っているようで、嫁の口から『アレクさまには絶対勝てないわ』と、周りに話しているようだ」
「「「「「「おお~!」」」」」」
「さすが皇太子さま」
「では…あの戦力が…我が国のものになると言うことでしょうか?」
「素晴らしい!アレクサンドロスさま万歳!」
「魅了している今ならまだいい…将来…不仲になることがあったら…我が国は…絶望なのだ」
最後の皇帝の呟きは、議会の騒がしさから誰にも聞かれることはなかった。
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