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ヒロイン?何人目だ⁇
しおりを挟むイライラが続くのは、性に合わない!
私は、ローズマリーの排除に乗り出した。
「リラ…その役目は私がしよう。リラは何もしなくていい」
アレク殿下が、ローズマリーの決心を察してくれた。
「そうね。私が手を出したら…やり過ぎてしまいそうだわ」
そうでしょうとも…
周りは、わかっている感じにうなづく。
失礼ね!
「いいや…リラは優しいから、私がトコトン潰して差し上げて見せます。見ていれば良いのですよ…」
優しく笑う皇太子
「では…任せましょう。婚約者様」
この会話の後の、アレクは凄かった!
乙女ゲームでも、無敵の才能を発揮していたが…
「惚れ惚れするわ」
「ありがとう」
公爵家の当主の尻尾を掴むために、囮として自分を使っていたみたいだ。
これまで…ローズマリーにタジタジだった行動は、公爵家の油断を誘うためだったようだ。
そして、その囮行動はやっとで身を結び…
公爵家の当主は、帝国の法で裁かれた。
令嬢のローズマリーから、手に入れた情報から…ローズマリーの聖女の行動が…作られた事故によるものだと判明したからだ!
はじめの東の国境にある辺境の土地には、飲み水に毒が発見され、その解毒薬をローズマリーが与えていたらしい。
勿論、毒を巻いたのは公爵家の当主によるものだと判明した。
解読薬も💊公爵家の当主が独占して作らせていたものであったため…儲けも出ていたらしい。
しかも、南の島で起こった反乱は、公爵家の誘導による工作が行われたのが判明した。
元々南の島で反乱が起こる原因も公爵家の横暴な借金取りの所為だと判明。
南の島の住民の反乱分子を割り出すために、逆に公爵家の回し者が反乱を起こして、住民のの反感を反らしていたようだが、それを利用して、娘を聖女にする道具に使ったのだ。
それらが判明したことで、至る所から公爵家の当主が行ってきた悪事が、芋づる式に出て来たらしいです。
こうして…公爵家は潰されて、当主は打ち首。
令嬢は、未成年だから…その罪を償うために、働き続けて泡水の如く使って来た金銭を返していくこととなった。
「令嬢が…返せる額ではないでしょう?」
「大丈夫ですよ。彼女はプライドの高さから…身持ちは固かったようですから、娼婦奴隷として、高く買われました。一生その体で返して行くことでしょう」
未成年だからとか?言わなかった?
「令嬢は美しいですし、聖女と言われた方ですから…若いうちにかなり稼げることでしょう」
あの…胸なら…今からでも働けるのか?
「まぁ、上出来のザマァね」
「ありがとう」
私の手を取って、口付けするアレク殿下。
完璧な婚約者ですこと…嬉しく思うわ。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
とあるヒロイン視点
この世界が、とある乙女ゲームを基にした小説であることを知ったのは、学園に入学して、しばらくした時に…ある事件が発端だった。
隣の帝国の公爵家の令嬢が、同じ帝国の皇太子に裁かれた事件だ。
私はそれを聞いて、ふと…思い出した。
「うわぁ~!『モブに転生したけど、完璧な皇太子に愛される』の世界だ!」
私は、そこそこ地位のある辺境伯の令嬢だった。
モブだと思って、事件を眺めていた転生少女が、あることをキッカケに皇太子様に気軽に話しかけられるようになり、そのまま愛されてしまう物語だ。
ストーリーでは、皇太子の婚約者がライバルを押し退けて、安堵している油断したその隙に…モブからヒロインになった令嬢が、皇太子に愛されてしまう物語だ。
婚約者のクローリアさまは、とてもよい人だけど…私は好かない。
だって、完璧過ぎだから…嫉妬してしまう。
その点私は、令嬢ではあるものの…辺境の土地育ちだけあって、あまり…目立つ美しさはない。
素朴が売りなので…
特技は剣術である。
馬乗りも好きだし…令嬢らしくない。
「でも…令嬢らしくないところが…皇太子にウケたんだよね…」
窓ガラスに映る自分を見つめる。
この後、皇太子様と婚約者のクローリアさまがローズマリー元公爵の手の者に襲われる。
私は、そこで二人を助ける役だ。
「頑張ってみようかな?」
皇太子様は、かなり美しい殿方だった。
「自分の推しを手に入れて…幸せになりたいかな?」
こうして、私は行動を始めた。
クローリアさまがお強いとは知らずに…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
とあるヒロイン視点
私は、異世界にある小さな国で召喚されて…この地に来た。
召喚した魔道士は、召喚したことが成功した実績のみを喜んで…私のことは無視した。
「私…これからどうしたらいいの?」
異世界に、そのまま放り出された私は、親切な異世界人に助けられた。
クローリア
私を拾ったお嬢様のお名前だ。
私は、お嬢様に育てられ…戦闘メイドになった。
RPGみたいで、とても面白い魔物退治から、貴族の礼儀作法まで教えられた。
魔法も使えたし、楽しい毎日だった。
でも…そのうちに…淡い恋心が育つ。
相手は、お嬢様の婚約者。
しかも、隣の帝国の皇太子様。
でも、皇太子様はとても気さくな方で、身分に関係なく、私にも声をかけてくれる。
お嬢様には恩がある。
だから、ずっと黙っていた。
ずっと隠してきた。
でも…隣の国の公爵家の令嬢が、裁かれたのを見て…
「やり過ぎじゃない?」
と、声をあげてしまっていた。
「優しいんだね」
皇太子様は、私を見て微笑んでくれた。
私の中で…何が変わった瞬間だった。
私の中に…新たなスキルが開眼した。
光の属性
癒しの力
聖女の気質
精霊の愛子
その瞬間…私が主役なのだと理解した。
皇太子様と結婚するのは…私なのだ。
お嬢様ではないのだ。
私は、こうして…お嬢様のメイドから…伝説の聖女へと変わったのだった。
クローリアさまが聖女並みの力はすでに持っていることを知らずに…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ある妹視点
私のお姉様は完璧な方だった。
しかも、素敵な皇太子様と婚約関係にある。
でも、私は…皇太子様が小さな頃から大好きだった。
どうしても諦められず、皇太子様に何度も告白をした。
幼い所為で、まったく相手にはされていなかった。
だから、周りから…私は働きがけをする。
お父様を私の味方にする。
次期当主の弟を味方にする。
使用人たちを味方にする。
王家と方々を味方にする。
帝国の皇帝様を味方にする。
帝国の妃様も味方にする。
お妃の勉強もする。
みんなに好かれる行動をする。
お姉様にはバレないようにする。
少しづつ…皇太子様と交流して、最近は…二人っきりで、お出掛けをするようになっていた。
お噂が立てば…他人のせいにする。
皇太子様に、近づくことは…容易にできた。
妹的存在から恋人になるまでは…お姉様にはバレないように…周りを味方にする。
「愛らしいな…でも、君のお姉様は怖い人だから、こんな感じに忍んで愛でることを許しておくれ?」
とうとう、皇太子様に好かれた!
そう思った!
嬉しかった!
帝国の皇帝様にも、「可愛い嫁子」と言われている。
帝国の妃様にも、「早く嫁においでなさいな」と言われている。
根回しはバッチリだ。
唯一気が抜けないのは、お姉様のメイドだ。
あの目は…ライバルだよねー!
でも残念ながら!
アレクサンドロス様は私のもの!!
お姉様にバレたら…この封印球を使います!
古代の魔王に使った代物らしいです!
バッタ物でも、本物の魔王には効きました。
お姉様に助けられたみたいだけどねー!
お姉様のものは全て私がもらってあげるねー!
だから、大人しく封印されてください!
クローリアが、封印解除魔法を使えることも知らずに…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
アレクサンドロス視点
クローリアの妹は可愛いな。
この子が私の義妹になるんだね?
オット!愛ですぎるとクローリアに怒られるかなぁ?
でも、一人っ子の私に、
クローリアは私に色々なものを与えてくれる。
ありがとう!
クローリア!!
アレクサンドロスに、クローリアの妹を溺愛するキモチはありますが、あくまでも…妹としての気持ちだけで、クローリアに後ろめたい気持ちはありません。
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