ほのぼの生きますか

n-n

文字の大きさ
上 下
18 / 86

時の流れ…と未練

しおりを挟む
「お美しい!一生守ります!俺には、Aランクになる娘がいるが!年甲斐もなく、あなたに一目惚れです!結婚してください!」

いきなり、カルさんが、朝の挨拶前に叫んだ。

目の前に…ミレンの姿がある。



何だ??満更ではなさそうだぞ?



嫌な予感がするのは?気のせいか?



「…ご主人様、済みません。年相応の方を見つけてくださいね」



同い歳の人に…年相応を見つけろと言われました。

カルさんの腕の中に飛び込む…ミレンの姿を見て、泣きそうです。



「何で……?!…」

やっとで声をかけた。


「カル様は、子持ちです。子供を欲しがることもありません。しかも、カル様は、Aランクの子供を連れている。身の危険も…自分で守れます」

「俺だって、奴隷だけど…子供はいるよ?」

子供らが強いのは、過去視で見ているはずだ。

「カル様は、本日から…Sランクです。地位も貴族として認められます。私を守れます。世間的にも…」

??Sランク??…もしかして…盗賊討伐は、美味しいのか?主に、ランクアップに…




カルは、奴隷契約の解除を俺に求めてきた。

「ミレンは、後悔しない?」

「しません」

はっきり言ってもらいました。

タダでくれてやるよ!


少しスッキリした思いです。


もう、ミレンの為に購入したスキルは…自分達で使うことにする。

スキルの先読みとお取り寄せ、磁場発生のスキルロールだ。

先読みは、未来視や危険察知に近いものがある。
ほんの数秒前が見えてくる。時属性らしい。目の属性でも、使えそうだ。

お取り寄せは、ネットツーハンみたいなもので、この世界のものをスキル内で交渉して、手にできる。お取り寄せ商品は、行ったことある町や村のものしか買えない。空属性らしい。これは…ミュートさんのお店と会話可能かもしれない。

磁場発生は、磁石を空気中に作れる。鉄製品の武器などに有効なスキルだろうか?雷属性らしい。光属性のマサに与えて見るか?




ミレンは、精霊の魅了効果も効かない相手なのだ…仕方がないだろう。


「ご主人様、大丈夫。僕たちがついています」
「ご主人様?精霊の皆さんもいるのでしょう?大丈夫ですよ。モテモテです」
「エロい心だだ漏れバレバレです。他の人ならば…可愛いと受け取ってくれますが…彼女はドン引きしてました。諦めて正解ですよ?」

彼女は、過去視で…俺の本当の姿を見ているはずだ。

…中年のオッサン…ドン引きするよ。



「一つだけ、俺たちの過去は、広めないで欲しい」

「言うなではないのですか?」

「言うなとは言えない。でも、口止めはしといてくれないか?」

「はい。わかりました」


カルさんがミレンの代金を払うと言って来たが、婚約祝いだと言って、受け取らなかった。
しかも、お金の桁が一つ少ない。
ミレンは高かったのだろう。




こうして、3日目の朝も色々あったが…出発できそうだ。



町の広場に、神様のお社を見つけて、祈祷しておく。



白い部屋に呼ばれて、ビックリする。

何故か?フラーレン様が、土下座しているからだ。

「どうしました?!…やめてください!顔を上げて!!」

フラーレン様に触れて良いか?迷っていると…

「ごめんなさい!ミレンが…彼女が、あなたの相手にはベストだと思っていたのに…こんな事になってしまって…」

ミレンがカルさんの元に行ったのは、予想外のことらしい。

「奴隷契約を跳ね除けて、精霊の魅了すらも跳ね除けて、過去視で神の使いだと思っていても、子供は産みたくないらしいですね…彼女は…」

俺は、改めて振り返ると…情けなくなる。

「ごめんなさい!ミレンは、恐れ多いと思った様なの…恐縮していました。しかも、あなた達の実力を彼女は…知らないわ。お金を持っていることも…日本のことも知らないの。だから…全ては、私が彼女と話をしたせいだと思います」

ん??…ということは、俺たちでは、刺客には勝てないと思っている?
俺が見かけ通りの15の少年に見えている?
お金?…高額奴隷を買える程には、稼いでいるよ?

「ごめんなさい!出会いはまだ…まだ、あるのよ。今は、横でいちゃいちゃされますが…きっと、幸せになれるので、我慢してくださいね」

「はい。お世話になります」

恋愛が上手い方ではない俺は、神頼みをして、戻ろうとする。

「チョット待ってて!私の失態からきた不幸なので…特別にスキルを上げましょう。風、音、色、目の属性のどれが欲しいですか?」

「うーむ…スキルではなくて、楽譜が欲しいのですが…」

「良いですよ。スキルで差し上げます。記憶のある音楽を頭の中で楽譜にするスキルです。絶対音感もあるので、作曲の才能もあげますね」

ありがたい。やっとで音スキルで癒しが得られる。

この世界に、高い本以外の娯楽が少ない。

音楽隊でも、滅多に音楽を奏でない。

練習なしで出来るのは、音楽スキルがあるからだろう。






気がつくと、祈りを捧げている自分に戻る。


「マツリくんは、神様を信じているのね。あんなにお祈りできる人は、教会関係者以外では、見たことないわ」

ビューイさんが、褒めてくれた。

また、踊り子さんに囲まれる生活が始まる。

精神を鍛えるしかないだろう。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました

結城芙由奈 
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】 私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。 2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます *「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています ※2023年8月 書籍化

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った

五色ひわ
恋愛
 辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。 ※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな

カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界 魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた 「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね? それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」 小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く 塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう 一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが…… ◇◇◇ 親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります (『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です) ◇◇◇ ようやく一区切りへの目処がついてきました 拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

処理中です...