無視された公爵夫人

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無視された公爵夫人

実家の辺境伯が、無言を貫いた理由

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マドレーヌは、父の手紙を読んでいる。

隣には不貞腐れたシフォン。

お茶を運ぶバールがいる。


「お兄様、いつもの手紙の内容でしたわ」

差し出された辺境伯からの手紙をシフォンも見る。

「いつでも帰ってこいと…離婚の方法まで書かれているな」

「お父様は、姉たちにも同じ手紙を出してますわ」

「マジかよ!」

「最低期日は5年。そこまで我慢したら迎えに行くと言って送り出されましたわ!」

「あの、無言の親父が⁈」


大衆新聞で、わたくしの結婚相手のことを知った家族は、散々、父に「マドレーヌを助けて欲しい」と、言い続けたらしい。

「わたくしが待ってほしいとお願いしたのよ。でも、ダメね?最低期日はもうすぐだわ」

「…マドレーヌ」

それと、王様には文句を言ってくれていたみたいよ?
お兄様?ご存じないのかしら?















しみじみ言ってみました!

なかなか良い感じではなくて?

ちょっとはお兄様も、ジーンとしたかしら?





でも、このままだと、わたくしの自由で怠惰な金持ち生活の毎日が…終わってしまうわね?
こうなるのならば、ルーファス様をサッサと襲ってしまえば良かったわ。

あの、戦争が…予想外だった。
ルーファス様もだったのに!
今じゃ、ヘタレだわ。

だから、何度も離婚を頼んだのに!
『王命』さえなければ、こんなにも長引かずに済んだわ!
「白い結婚」で離婚だなんて!
わたくしにしか、ダメージないじゃない!
王様は相当な腹黒よ!

今後の結婚にも影響するわ!

あー!何処かに前世の旦那のような、心の広ーい!お金持ち…居ないかしら?




「マドレーヌ…悪いが…兄として何もせずにはいられない」

「…わかりましたわ、どうぞ!ご勝手に!」

私が顔を見ずに言うと…


兄はそのまま、本宅へ向かった。


「何か変われば良いのだけど…」


「そうですね?楽しみに待ってみましょう」

バールは、わたくしの本質を知ってか?知らずか?
楽しそうに笑ってお茶を注いだ。

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