無視された公爵夫人

ルーファスの求愛行動

先ずは贈り物を

「…センス良いわねコレ」

ルーファスから届いた贈り物。

まるで私が欲しかったものがわかるみたい。


欲しかったリボン。

新しい服に合うレース編みの白。

ちょっとした小物を贈られるようになった。

初めは高い物だった。

わたくしが高い物を嫌がると、直ぐに小物に変わった。

別館にあるわたくしの執務室にある物はほぼ、ルーファス様の贈り物で埋め尽くされた。


多少は絆されてきている感はある。

色んなシチュエーションで、イケメンがプレゼントを持ってくるのだ。

「…メイドのソフィアの作品よね？」

こんなに良いものを編ませる何て…かなりプレイボーイ化した？




……考えたくない。



しかも、離婚騒動はほぼ流れてしまっていた。

演習（魔物狩り）が終わり、離婚手続きをするには王…つまり義兄様の許可がいる。

その許可をもらえるのは…ルーファス様だけだ。

わたくしのサインをした離婚届は、ルーファス様が持っている。


ヒロインたちが王都に戻ったのに、ルーファス様が残ったのを見て…嫌な予感がしたのだ。

「そんなに財産が欲しいのかしら？半分以下でも、元の公爵領の収入よりも多いのに…」

領民が増えてきて、税金もたんまり入る。

乙女ゲームの公爵様はお金にガメツイ性格だっただろうか？

「キャラ崩壊もいいところよね？」


恐ろしくハイスペックなキャラだったと思ったのだけど？



「…ハア」

ため息しか出ない。

何を考えているのか…

ほんと読めないお方だ。






「離婚のこと、追及出来ないのよねー？…どうしよう」

身分的にも…公爵様だから、怒られていないが…かなりやりたい放題させてもらっている。

協力してくれていたギルドマスターたちに、「いつ離婚する」とか、「いつ家を出る」とか、聞かれてウンザリもしている。


困ったなぁ！