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マドレーヌの実力
ツキナの回想
しおりを挟む先輩に会ったのは…この世界に来る前のこと。
「ちょっと!可哀想じゃない!やめなさいよ!」
私は普段は女の子の格好をしているが…性別は男でした。
好きになるのも、男の人。
だから、私を虐めるのはいつも女の子たち。
でも、エスカレートすると男の人たちが現れて、私を男としてボコボコにするか、女として性的に虐めたりした。
今日は、そんな男の人に囲まれていた。
そこに現れた美人。
それが先輩との出会いでした。
美人の周りには強いイケメンがいる。
でも、先輩は1人だけで、助けようとしてくれた。
先輩は男どもをボコボコに返り討ち。
恐ろしく強かった。
「ありがとうございます」
先輩の強さに惚れて、しばらく付き纏ってみたけれど…次元の違う人だって、理解してしまった。
会社を経営して、若いのに年上のおじんたちをトークで撃破。
頭の回転が良く、新しい企画をやって大儲けしていた。
同じ企画を出しても、勝てる気がしない。
全ては…先輩の実力による結果だと感じた。
人脈も広い。
行き場のない私を面倒見てくれて、活躍の場まで用意してもらった。
私は…そんな恩も返せずに事故死してしまった。
元の世界の未練は、先輩だけでした。
でも、この世界で会えたからいい!
「存在だけで幸運ならば、先輩の近くにいてもいいよね?」
今度こそ!恩返しするゾっと!
気合を入れて起きたけど…
「公爵領なんだよね?ルーファス様の…」
離婚したいルーファス様についてきた。
本当に離婚させるべきなのかな?
だって…私が近くにいるより、先輩との出会いの方が幸運でしょう?
見ればわかる。
どの国よりも、国内の都市よりもはるかかに公爵領はおかしいって。
100年ぐらい最先端なのではないだろうか?
2人の仲を取り持つ方が良いのでは?
先輩はなぜここに居座ってるのかなぁ?
疑問だけが頭に残った。
「まぁ、結婚してなければ、イケメンたちに囲まれて大変なことに成りそうだけどね!」
先輩の死因が…イケメンハーレムだったと知るのは…後のことでした。
つまり、お飾り妻で自由を謳歌できるツガーサ公爵領が1番の居心地の良さであることを私だけが知ることになる。
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