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間章・とある王国の片隅で②

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 鬱蒼とした森の中、日照が限られているわりに青々と茂った草を踏みながら野営場所へ戻ると、魔法で保持しておいた焚き火の前に小さな老人が座り込んでいた。
 今日は大所帯でずっと危険な森を歩いてきたのだ、疲れ切って交代の時間まではオーゲンと仲良く深い眠りの中だと思ったのに。相変らず食えない爺さんだ、と無意識のうちに詰めていた息を吐き出す。
 火の前にいるペッレウゴは手にした枝で薪をつつき、そのままこちらを振り向いて枝先を振って見せた。

「小便にしては遅かったの」

「大のほうだったの♡」

 口元に両手をあてて腰を振ってから、あまりに下らな過ぎて真顔のまま老人の隣に腰を下ろした。火のそばには薬缶がくべてあり、何も言わずともペッレウゴは二つ用意してあるカップへ中身を注ぐ。

「それで。奴らの見送り・・・をして、お前さんの気は済んだのか?」

「どうかなぁ、ひと段落した心地はするけど、別に、どうしてもやりたいって訳でもなかったし……。彼女がオレたちに対して何もせず、大人しく森を抜けるなら、あのまま見逃しても良いとすら思ってたんだよ、ほんとに」

 アストーリア聖王国と魔王領キヴィランタを隔てる未開の難所、ベチヂゴの森。狂暴な魔獣が棲みつき虫や植物ですら脅威となる広大な森は、有史以来いまだに地図が作られたこともなく、安全に抜けられそうなルートを模索するために三ヶ月を要した。
 何度か踏み入って手慣らしをし、この道順と装備なら行けるだろうと踏ん切りをつけたのが二日前。サーレンバー領から合流した『聖女』と護衛の聖騎士一行も森を抜けるまでの補助として同行することになり、十人を超えるメンバーでこの地点までやってきた。
 だが場違いな甲冑を着込んだ騎士たちや、逆に装備不足の聖女は足場の悪さに耐えかねたらしく、森へ入って僅か二日で引き返すことになったのだ。
 ……たぶん、最初からそのつもりだったのだろう。でなければあんな格好と不十分な糧食でベチヂゴの森に挑むはずがない。

「ルート確保の目印をご丁寧にぜーんぶ消して、あの開けた場所に対人用の罠を仕掛けてたよ。魔王討伐の成功可否に関わらず、オレたちをこの森から出さないつもりだったんだねぇ。ま、オレを殺さないと口封じは終わらないから、いつかは仕掛けてくると思ってたけど」

「やれやれ、その程度でわしらが遭難すると侮ったか、遺憾の極みじゃの。それで、どう始末をつけてきた?」

「特に手出しはしてないよ。朝に通った時はオレが風の魔法で空気を散らして、地面を凍結させてたんだけど。それをしない状態であそこに留まればどうなるか、考える頭は持ち合わせてなかったみたい」

 大きな倒木とそれに絡まる蔦が繁茂した、森の中にしては妙に開けた場所だった。頭上は葉で覆われて薄暗いものの、広い範囲に渡って魔物や獣の気配がなく、その一帯だけは安全に通り抜けることができた。
 だからこそ聖騎士たちも野営のテントを張って、悠長に罠をしかける気になったのだろう。どうして魔物が寄りつかないのか、その理由を考えもせずに。
 あの辺りは地下の湧水が溜まって広くぬかるんだ沼になっており、もしそのまま通り抜けるなら倒木の上を跳び渡るしかなかった。先頭を歩く自分が地面を凍結させて安全な足場を確保し、周囲の甘い匂いを吹き飛ばしていたことは、ペッレウゴ以外に誰も気づかなかったようだ。

「あそこの空気には何が溜まっておったんじゃ。毒霧の類か?」

「上のほうに咲いてる花のせいだから、花粉とか蜜の香りじゃないかな。致死性はなさそうだけど、あれで動けなくした生き物を沼に沈めて、腐らせて養分を吸い上げてるんだよ」

「おおう、おっかないのぅ。さすがはベチヂゴの森、とんだ肉食植物がおったものじゃ」

 腕をさすって震える素振りを見せると、ペッレウゴは炙ったパンの欠片を手渡してきた。中には塩気の多いチーズが包んであって、空腹を刺激するいい匂いが漂う。あつあつのパンを齧って苦いお茶を啜る。カップを満たす色は暗く深い穴のようで、沈みきるまで見つめていた彼女の濁った目と重なった。

「……度々宿を抜け出してはコソコソしておったが、今回はまた派手にやったものじゃな。全部で十一人か。帰り道に女物の品でも拾えば、オーゲンの奴が泣くじゃろうて」

「聖騎士たちの力量を信じて送り返したのに、あえなく森の餌食になってしまったって、涙ながらに証言してもらわないとだし。なんか分かりやすい遺品が残ってるといいね?」

「お前な、そういうとこな……まぁ今さらか。わしも最後に見たのは笑顔で手を振る聖女様じゃ、魔王城を目指す道中にそんな悲劇が起きているなぞ、想像だにせんかった。ということにしておこう」

 言外に、今まで通り何も言わないと約束してくれる老人に対しカップを傾けて礼を告げる。
 これでようやく邪魔者の排除が終わった。あとは『勇者』としての仕事を終えて王都に戻り、約束された名声を手に入れれば計画は完了する。
 やりたくもない魔王討伐の旅に何年もかけてきたのは、そうするしかなかったというのもあるけど、成し遂げた際に大声で真実を叫んでやろうという企みがあったからだ。
 力のない子どもが何も言っても大人たちは聞く耳を持たなかった。誰も本当のことを信じてはくれなかった。だが、偉業を遂げた『勇者』なら、横やりを入れるヤツらがいなくなれば、もしかしたらと。小さな望みにかけて、それを動機だと思い込んでここまできた。
 アネットが立場を利用して広めた風聞を、自分だって立場を利用して塗り替えてやる。……そう、思っていたのだ。最初の一年くらいは。

 人身売買に関わった官吏たち、子どもを買っていた金持ち連中、この数年で不自然な死や失踪を遂げた彼らのうちの大半は、おそらくアネットの仕業だろう。お互いに自らの手を汚すことなく、粛清を遂げてきた。
 何もかも復讐に燃えての行動だったら、後世で復讐劇として本になったかもしれない。でも実のところ、自分はそこまで他人を恨む気持ちが強くない。村の全滅を聞かされた時、黒犬のおっちゃんを貶めた奴らのことは許せないと思ったけど、もともと怒りや悲しみが持続するタイプでもないし。
 あえて言うなら、動機作り。やりたくもない役目を成すために、そのために生かされていることから目を背けるために、旅を続けるには自分だけの理由が必要だった。
 『魔王』を倒すための動機が。
 最初の一年は胸に灯っていた望みも、二年目からは色褪せ、三年目は惰性となり、今ではもう憎しみも悔しさもはっきりと思い出せないくらいカラッポ。こんな手間暇かけて村の真実を公にしたところで、果して達成感とかあるんだろうか?

 現にこうして幼馴染を死に追いやってまで始末を終えたのに、何の感慨もない。
 結局、自分もアネットと同じだ。おっちゃんのことをいいように利用している。


「オーゲンにチクるつもりがないなら、ペレ爺も早く寝たら? 明日からも当面は森が続くし、寝不足だと老体にはキツいでしょ?」

「年寄りは寝つきが悪いものじゃて。眠気がくるまで少しくらい無駄話に付き合ってくれても良かろう」

「オレから話せることなんて、これ以上は何もないけど。焚き火が好きじゃないのも知ってるだろ」

「わしは好いとるがの。温かくて明るくて、あかあかと燃える炎は真昼間の太陽なんかよりもずっと心地良いわい。パンを炙れるしな」

 何だか気を遣われているようで居心地が悪く、火から顔を背けて前髪をいじる振りをした。
 幼い頃に良くしてもらった人狼族ワーウルフの男が大量殺人の冤罪を被せられたことも、育った施設が使い道のある子どもの確保を目的とした場所で、髪色を理由に何度も売られたことも、すでにペッレウゴには話している。
 金持ち連中は家門の血筋を引いた珍しい色彩の子が欲しいらしく、年端もいかないうちから未亡人だの嫁ぎ先がない娘だの、色んな女のひとの相手をさせられた。彼女たちも自分同様に、生まれのせいで消耗される被害者だったから特に恨んではいない。囲われている間は大事にしてもらったし、お陰で高価な本をたくさん読めた。相手の中には妊娠できなかったことを責められ自殺した夫人までいたから、むしろ悪いことをしたなと思っているくらいで。

 ……あの頃はまだ『勇者』だと聞かされていなかったから、本当に知らなかったのだ。自分は子どもが作れないなんて。

「中央あたりの、流行を重視しすぎる傾向も考え物じゃの。わしの幼い頃には極端な痩身が流行っておったが、しばらくすると裕福さの象徴だとかいうぽっちゃり体形がもてはやされて、最近は目立つ色合いの髪か。どうせ数十年もすればまた別の特徴が流行るんじゃろ」

「まぁ、みんな飽きるのも早いからね」

 あの施設では珍しい色合いを持った子どもは精通や初潮を迎えると、聖堂の仲介を経て、血縁を結ぶための道具が欲しい金持ち連中に売られた。それ以外に、ありふれた髪色でも容姿の良さを気に入られて引き取られる子どももいた。アネットもそうして売られた内のひとりだ。
 出先で稼ぐ金が弟妹たちの食費になっている、お前もそうして育てられたのだと聞かされて、拒める子どもはいなかったろう。トトイたちの食べる肉が自分の体で賄われたものだと思うと癪だったけど、これまで飢えることなく育ててもらった恩もある。それに、男である自分はきっと、アネットのように身売りされた女の子たちよりもずっと楽だったはず。
 悲惨な境遇から、どうやって『聖女』なんて呼ばれるまでになったのかは知らない。彼女は魔法の才があり要領も良かった、位の高い官吏たちに取り入って、自らの体と言葉だけを武器にのし上がったのだと思う。その意欲だけは心底尊敬する。

(……でもさ、売られて同じ苦労を味わった子たちや、関係ない村の人まで全員殺すのは、さすがにやりすぎだよ)

 四軒目の主人の好意で臨んだ、十五歳記の祈念式。初めて自分が『勇者』であると大祭祀長によって宣言され、白い彫像の前で精霊女王から光の祝福を受けた。
 そのときはまだ、祭祀長の隣にいる女官がアネットだとは気づけなかった。化粧を覚え、肉付きが良くなって年齢にそぐわぬ妖艶さまで纏う少女が、まさか同じ施設で育ったあの純朴で優しい彼女だなんて思いもしない。

「それにしてもお前さん、なぜ今やった? あの聖女のお嬢さんが、過去を抹消するために村ごと孤児院を葬ったという話は別に疑わんが、そこまで突き止めたなら今までいくらでも機会はあったろうに。オーゲンがベタ惚れしているから生かしているんでなかったのか?」

「んー、アネットさ、あの聖騎士のリーダーと結婚するらしくて、オーゲンもそれを祝福するって言ってたから。それなら、もういいかなーと思って」

「お前、本当な、そういうとこじゃぞ、そういうとこ……」

 何かぶつぶつ文句を零しながら、空になったカップへ手酌で追加するペッレウゴ。夜中にあんまり飲むと頻尿とか大変なんじゃないかと気遣えば、余計なお世話だと言って枝先で突かれた。地味に痛い。

「まぁ、これで後顧の憂いなく『魔王』に挑めるなら結構なことじゃ。わしも存分に魔法をぶっ放せると思うと今から腕が鳴るわい」

「なんか、オレが言うのも何だけど、純粋に民衆のために悪い『魔王』をやっつけようって頑張ってるの、オーゲンだけかもねぇ」

「こんなクライマックス直前まできて『勇者』であるお前さんが意気を見せんでどうする。まーた終わったら死にたいだの何だの湿っぽいことを言うつもりか?」

「ひとの苦悩をそう茶化すもんじゃないよ、おじいちゃん」

 本当に『魔王』の討伐が為されれば、『勇者』である自分でも死ぬことが叶うのかはまだわからない。だが歴代の『勇者』はいずれも討伐後に亡くなっているそうだから、役割を終えた後なら死ねるのは確かだろう。
 狂った末の心中、獄中死、処刑、服毒死――、記録に残っている範囲だけでも、役目を終えた『勇者』の死にざまはろくなものがない。
 民衆の求心力を保つためにそのほとんどが歴史から葬られ、隠されているが、自分にだけはわかる。狂気に至るほどの虚無感。頭の中に響く声。努力しなくても与えられ何をしても達成感がない。自分の意思とは無関係にやるべきことが決まっている、それをするためだけに生まれてきた、役割のための人生。

 ……早く終わらせたい。派手な髪色も、押し付けられた万能の才も、筋書の決まった生も、頭の中で急かす騒音も、何もかもうんざりだ。
 オレはただ生きて、大人になって、いつかはオーゲンみたいに騎士団に入り、剣を振って汗と泥まみれになって、夜は仲間と笑って酒を酌み交わし馬鹿みたいに騒いで寝るだけの、そんな生き方をしてみたかった。
 やりたいことも、楽しいこともない。何を食べても味を感じない。好きなものもない。ただ役目のために生きてる。こんな風に生まれたくなかった。もう嫌なんだ。終わりたい。

 はやく しにたい


「お前さんには帰路の確保もしてもらわにゃ困るし、王城まで討伐の証を運ぶのもオーゲンひとりでは骨が折れる。シャキっとせい、行って帰るまでが旅じゃぞ」

 老人の矍鑠とした声にはっとして顔を上げた。いつの間にか項垂れて地面を見つめていたようだ、焚き火の炎がいやに眩しく感じる。

「別に、『魔王』と心中しようなんて考えてないし、ちゃんと王都まで帰るよ。ペレ爺こそ気をつけてよ、はっちゃけて魔法の撃ちすぎで力尽きたりしないようにね」

「そんな程度で死んでたまるか。わしには魔王討伐の名声で有能な若者を集め、後世に名が残るほどの弟子を千人育てるという壮大な夢があるんじゃ! 今に見ておれ腑抜け大臣どもめ、魔法師育成の重要さをこのペッレウゴが身をもって知らしめてやるわい!」

 不遇の天才はカップを握り締めてわなわなと身を震わせる。歳を感じさせない意気軒高ぶりは結構だが、本心ではまだ見ぬ『魔王』に対する恐怖もあるだろう。自分はともかく、同行するオーゲンとペッレウゴはどれだけ手練れだろうと所詮ただの人間だ、生きて帰れる保証はない。
 それを分かっていながら、ここまでついてきてくれたふたりに対し、決して言葉にはしないが深い感謝を覚えている。できることなら、全員で生きて帰りたい。
 事を為した後にしたいことなんてひとつもないけれど、このふたりを無事に送り返すことだけは、やり遂げたいと思う。

 森を抜けきるまで事前予測ではあと四日。そこからはしばらく砂の丘陵地が続き、狂暴な魔獣たちの闊歩する荒野を抜けたその先に、腐臭と瘴気漂う魔王城が聳え立つと伝え聞いている。
 決戦は近い。

 奴を殺せば終わる、終われる。やっと――


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