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秘密の氷解はいずれ

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 支度があると言ったきり自室に引き籠ったままのマグナレアよりも早く、着替えを済ませたカミロが談話室へと戻ってきた。
 白を基調とした官吏の服は、以前に屋敷で家庭教師をしていた男が着ていたものと大差ない。カミロは普段黒い服ばかり着ているから、白っぽい衣装は何だか新鮮に映る。

「眼鏡を外して平気なのか?」

「ひびの入った眼鏡をかけていては、さすがに不審に思われますからね。全く見えないという程ではありませんから、行動に支障はありません」

「それなら良いのだが。まぁ、普段と異なる風体でいたほうが、万が一知己と顔を合わせても正体を見破られずに済むだろうし」

 灰色の髪をきちんと梳いてもいつものように後ろには流さず、そのまま垂らしているのは左目の傷跡を隠すためだろうか。何もかもが違いすぎて、変装を知らないままこの姿を見たら自分もカミロだとは気づけないかもしれない。

「マグナレア様のお支度はまだかかるようですね」

「女の身支度を待つのも男の仕事だと、前にキンケードが言っていた。化粧だとか髪を結ったりとか、色々と手間がかかるだろうしな、大人しく待つことにしよう」

 そう言って座っているソファの隣を示すと、カミロは口元に手を当てて顔を少しばかり背けた。これは笑うのを我慢して、それでも我慢しきれなかったときの仕草だ。

「何だ? おかしいか?」

「いえ、本来であれば待たせる側であるリリアーナ様からそう言われてしまうと。すみません、いえ、大変に器の大きな……、もしリリアーナ様が男性であれば、さぞ女性にもてたでしょうね」

 まだ笑いの気配を消しきれないまま、カミロは訳の分からないことを零してひとつ咳払いをした。そしてソファには座らずに窓側の木棚へと近寄る。

「この辺にある本はご自由に読まれて構いません。と言っても聖堂関係の小冊子や図録ばかりですね、マグナレア様へ他にも本があるか訊いてみましょう」

「何日も暇を潰すわけではないのだから、そこにあるだけでも十分だ。水差しとグラスだけ用意してもらえれば、あとは適当に過ごすさ」

「ではポットにお茶と、適当な茶菓子をご用意しておきます。どんな状況であれ昼前には戻ってこられるようにいたしますので、しばしおそばを離れることご容赦ください。リリアーナ様おひとりでの留守番など、本来あってはならぬことですが……」

「乳飲み子ではないのだから、多少目を離したところで何かあるわけでもない。ちゃんとここで大人している、そう心配するな」

 そう応えて立ち上がり、カミロのいる棚まで近寄ってみる。差してある冊子を引き抜いて中をパラパラ捲ってみると、何だかよくわからない詩のようなものが何篇も記されていた。
 表紙の内容から見るに、季節毎に刊行される詩集といったところだろうか。あんまり面白そうではないが、この際贅沢は言っていられない。下の棚にある図録はもう少し見応えがありそうだし、昼までの時間潰しくらいは何とでもなる。
 ここにあるだけで十分だ、と答えるために顔を上げると、カミロは数歩ほど後退して微妙な距離を空けていた。

「どうした?」

「いえ、大したことでは」

「お前はいつも黙って何か考えて、黙って行動に移すからな。訊ねたときくらい素直に答えたらどうだ?」

 相変らず表情の変化に乏しい男だが、少しだけ困っているような雰囲気が伝わる。たぶん、ここで一歩近づくと、さらに一歩分退くのだろう。

「……この服に嫌悪感はございませんか?」

「は? 服? 別に、似合っているかどうかはともかく、白くて清潔そうだし、何とも思わないが?」

 突然何を言い出すのかと首をかしげる眼前で、カミロは裾を気にしながら膝を落とした。正面で見えるようになった顔には、やはり困惑が滲んでいるなと思う。

「かつて、教師役の官吏に嫌な思いをされたことがおありでしょう。この姿でお目にかかると、それを思い起こさせてしまうのではないかと」

「……あぁ、あの官吏のことか。わたしは特に何もなかったし、奴は相応の罰を受けたと聞く。それならもう聖堂にも他の官吏たちにも含むところは何もない。昨晩は状況的に他の選択肢がなかったとはいえ、もし嫌だったらわたしはお前にそう伝えている」

 不自然な体勢でしゃがみ込んでいた男を立たせ、皺にならないよう白いローブを撫でつける。ノーアも同じような服を着ているが、体中真っ白だとちょっとした汚れも目立って大変そうだ。
 あの後、派手に噴きこぼしたミルクはちゃんと洗い落せただろうか。そばにいた女官も驚いていたし、ノーアにとって不名誉なことになっていなければ良いのだが。

「なぁ、カミロ」

「はい」

 寝起きの一幕、再びの……いや、ノーアが転移されたことを含めれば三度目か。精霊たちの気まぐれな悪戯によって、遠方にいるはずのノーアと再会し、しばし会話をしたこと。コンティエラでも遭遇したカミロには朝の一件を伝えておこうと思ったのだが、そこでちょうど支度を終えたマグナレアが廊下の向こうから姿を現した。
 長い髪を器用に編み込んでまとめ上げ、昨晩よりも重そうなローブを纏っている。透ける面布に金のサークレット、いずれも五歳記の折にコンティエラの聖堂で見たことのあるものだ。白いローブに縫い込まれた金糸の刺繍の多さが、マグナレアの地位の高さを物語っているようだった。

「お待たせ。時間はまだ平気よね、……ってカミロ、あなた本当に白が似合わないわねぇ」

「存じ上げております。それとマグナレア様、もしお時間に余裕があるようでしたら、保温用のポットと茶器のご用意をお願いしてもよろしいでしょうか? 私は湯の支度をしておりますから」

「あぁ、そうね、リリアーナを待たせちゃうんだもの。茶葉は置いてある瓶を好きに使って構わないわ」

 そう言って手早くお茶の支度を始める大人ふたりの後を追い、リリアーナも簡素なキッチンに足を踏み入れる。
 普段は調理や後片付けの様子からは縁遠い生活をしているものだから、こうして水場で行われる作業を観察するのは少し楽しい。できればカミロが朝食を作っているところも見てみたかった。
 携帯用らしきポットを箱から出したマグナレアは、それを水洗いしながら話し始める。

「私、元々領事館に行く予定があったって言ったじゃない? 本来なら三日前に済んでいる用件なのだけど、急用ができたからと言って、一方的に面会を延期されたのよ。まぁ、そのお陰でこうしてアダルベルトの件を手伝えたのだから、何が幸いするかわからないものねぇ」

「何かとお忙しい方ですからね。情報を得ても私たちだけでは領事館へ入ることすらできなかったでしょうから、助かりました」

「あの子の怪我も大したことないと良いわね。ここのところ町の警備がピリピリしているみたいだから、あまり厄介事に関わりたくはなかったのだけど、まさかこんなことになるなんて……」

 町の警備と聞いて、槍を携えた物々しい衛兵たちの姿を思い出す。顔を隠した人狼族ワーウルフの衛兵。
 昨晩の騒動が原因であれば申し訳なく思うところだが、それよりも前から警戒態勢が強まっていたということだろうか。支度の手を止めないカミロを見上げると、その目がちらりとこちらを見返した。

「昨晩であれば我々の同行者のせいかもしれませんが、それよりも前に何かあったのですか?」

「ええ、三日前に面会の延期を言い渡された時、しばらく夜間は出歩かないようにって念を押されたのよ。言われなくたって夜道のひとり歩きなんてしないけれど、何だかちょっとおかしいなと思っていたの」

 自分たちが壁を越えて入り込むよりも前のことなら、エルシオンに対する警戒ではない。
 そもそも、普段からあんな槍を構えた妙な姿の衛兵たちがうろついていたのなら、噂の入り込まない聖堂にいてもマグナレアの耳にも届くはず。
 エルシオンの正体を看破された騒動と、それを囮として逃げおおせたことにすっかり気を取られていたが、あの衛兵たちは本当は別の何かに備えて巡回していたのではないだろうか?
 おそらくカミロも同じようなことを考えているのだろう。淹れたてのお茶をポットへ移し、ふたを閉めるとしばし動きを止める。

「あ、そういえばリリアーナは本が好きなのよね、難しい本もすらすら読むんだってレオから聞いたわ。好みに合うかはわからないけれど私物で良ければ置いておくから、好きに読んでいてちょうだい」

「はい、ありがとうございます」

 忙しなく踵を返すマグナレアに礼を返すと、ポットと茶器をトレイにのせたカミロが談話室へと向かった。ソファセットの低いテーブルにそれらを置き、振り返る。

「それで、リリアーナ様。先ほど何か言いかけておられた言葉の続きを、お訊ねしてもよろしいでしょうか?」

「え? ……あ、」

 マグナレアの登場で飲み込んだのは、朝にノーアと会話をしたことだ。自分で使った魔法ではないし、包み隠さず起きたことを全て報告しても問題はない。
 だが、そこで何となく。――本当に何となく、予感にも満たない勘のようなものが働き、ノーアのことを口にするのは取り止めた。
 今、最優先されるべきは攫われて傷ついたアダルベルトだ。余所事を持ち込んで無駄にカミロを困らせることはない。長兄の具合を確かめて、今後の相談をして、この一件にひと段落ついてからにしておこう。

 そうしてノーアとの邂逅を引っ込めると、カミロに伝えるべきこととして浮かぶのはこれまで押さえ込んできたひとつの懸念だ。
 いつだって優先順位を決めて、仕方のないことは割り切ろうとしても、感情はなかなかそう上手くはいかない。

「……本当は、」

 コンティエラの別邸に帰り着いた当日、アダルベルトが飛竜ワイバーンに攫われるなんていう予測不可能な事件が起きてしまったものだから。居合わせた全員の本来の予定が大きくずれてしまった。

「こんな事態にならなければ。屋敷へ帰った父上は、カミロに大事な話があったのだ。とても大事なことを、話し合うつもりだった」

「大事なこと、とは?」

「すまない、わたしが知る由もない情報だから、ここでわたしの口から伝えることはできないんだ。だが、もしかしたら、アダルベルト兄上の誘拐にも関連しているのかもしれない。こんなはずではなかった、わたしが極楽鳥に乗りたいなんて言い出したから、お前までここへ来る羽目になってしまって、」

 懺悔のように零した言葉は、ずっと心の奥で気になっていたことだった。
 言い出しても仕方ない、悔いても戻ることはできない。それでも、自分の我が侭が原因で、本来とっくに持たれているはずだった重要な情報交換と相談の機会を潰したのだ。

 もし自分の口から明かしても構わないのであれば、カミロには伝えてしまいたい。領主家を狙った連続殺人事件なんていう蛮行が方々の領で起きているらしいと。
 でもクストディアと約束をしてしまった以上、どうしてそんな話を知っているのかは明かせない。見聞きしたことは全部内密にすると、固く約束をしたのだ。状況との天秤に乗せても、せっかくできた友人を裏切ることはできなかった。

 俯きはすまいと顔を持ち上げると、カミロの感情の見えない目とぶつかる。無表情の中、ほんの少しだけ頬が動いた。

「私にリリアーナ様との同行を命じられたのは、他でもない旦那様ご自身です。あの方は、自分の決断には責任を持てる人です。私に行けと言った以上、その相談とやらは後回しにしても構わないという判断がおありなのでしょう」

「今回の件に関係があるとしても?」

「ええ。アダルベルト様を無事に奪還し、お屋敷へお連れすることが叶えば、ほんの少し予定がずれたに過ぎません。旦那様からお話をうかがうのは、その後でも十分です。元々、サーレンバーからのご帰還は予定を前倒ししておりましたからね、むしろちょうど良いくらいではないかと」

 分かりやすく慰めの言葉を発したり、頭を撫でてくることはなくとも、いつだって慮る心根は伝わってくる。同じくらい感情の伝達と発露が苦手な自分には、それくらいが心地よくも思える。
 表情筋の不器用な男は頬をわずかに持ち上げて、そうと意識しなければわからないような微笑を浮かべて見せた。

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