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お嬢様と秘密の部屋④

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「『勇者』の話は置いておくとして、何か『魔王』デスタリオラについて知っていることはないか? 聖王国側へ侵攻したとか、未だ被害の爪痕が、とかいう話は何も聞かないのに、具体性のない悪評だけが残っているのが、その……少し、ほんの少しだけ、気になってな」

 さりげなーく、不自然ではないよう気をつけながらそう訊ねてみると、クストディアは不機嫌も露わに眉間へしわを寄せて睨みつけてきた。

「なんで『勇者』はともかくなのよ。てっきりそっちが好きなんだと思ってたわ。もう死んだ『魔王』なんて、どうでも良いじゃないの」

「どうでも……良いけど、ほら、最も嫌われただの悪辣だのと言われているし。なぜそこまで悪し様に語られているのか、原因に何か心当たりはないか?」

「……」

 途端、目を細めた少女は黙り込んだ。
 無関係にしては少し問い方がしつこすぎたかな、とそわつくリリアーナをよそに、腕を組み直したクストディアはいかにも悪そうな嘲笑を浮かべる。

「伝記も出ていないんだから、詳しいことは知らないけれど。確かな原因もなく悪評が立つなんてのは、相手が誰だろうと理由はひとつしかないじゃない」

「と、言うと?」

「人の嫉妬を買ったんでしょう。どんなに立派で清らかな人物だろうと、他人から羨望を向けられるのに比例して、妬み、そねみ、ひがみ、そういう下らない感情が陰でまとわりつくものよ」

「嫉妬……」

「仮に、もし本当に『魔王』デスタリオラが人間に対して危害を加えていないのだとしたら。何かもっと別な、人間に妬まれるようなことでもしていたんじゃない?」

 クストディアのその推測は、これまで考えたこともない可能性だった。
 悪いことをしたから恨まれる、嫌がられることをしたから嫌われる、そうした単純な因果関係の話ではなく、何か良かれと思った行為に対して妬まれていたのだとしたら。
 原因はいくつか思い当たるものの、あまり他者を妬んだことがない自分ではこれという判断がつかない。部屋へ戻ったらアルトにも相談してみよう。

 異なる角度からの視点や意見というのは大事だな、なんてしみじみと心に留めるリリアーナの前で、クストディアが再び執務室に繋がる伝声管のフタを開いた。
 何やら苦渋の滲むブエナペントゥラの声の向こうに小さく、もうひとり誰か話しているのが聴こえる。距離を空けているのだろうか、耳を澄ませないと声を拾うことができない。

『それは儂も懸念しておった。ただの噂であればと思ったんだが、この分では他の領もどうだかわからんな』

『――。――だ、――』

『ふむ……。今度の領主会談までにもう少し情報を集めておきたいところだな。途中ヒエルペに寄るだろう、それとなく話し合いの場を持てるよう、先に連絡をしておくかの』

『――、――にはウチも例の、――』

 やり取りの合間に聞き取れた低い声は、リリアーナにも良く馴染みのあるものだった。

「ブエナ氏と話しているのは、父上か?」

「ええ。厄介な問題が起きたとかで、この時間に話し合いが持たれることになってたの。昼前には何かの報告が入るらしいんだけど、この調子じゃまだなのかしら」

「盗み聞きを咎めはせんが、わたしまで巻き込まないでもらいたいな」

 管についたフタを閉じればすぐにでも止めることができるし、この衝立で区切られた空間から少し離れるだけで声を拾わずに済む。それでも、本来は知ることの叶わない『秘密の話』をこっそり聴ける誘惑は抗いがたく、いけないと思っているのにその場から動くことができなかった。

「朝の話し合いでは、あんたの名前も出てきたのよ。例の変質者の件、中央からのお達しでウチでは無罪放免になるんですって。ただイバニェスではそうもいかないから、連行するとか言ってたけど」

「あれだけのことをしておいて、無罪扱いはどうなんだろうな……」

 先にエルシオンから聞いていた話ではあるけれど、本当にあれだけの数の罪科が帳消しになるとは。
 どの道、採掘場で強制労働をさせたり、どこかの牢に放り込んだりしても、あの男なら好きに逃げ出すことができる。それなら無理に中央からの要請を跳ねのけるよりも、ここで貸しを作っておく方が得策なのかもしれない。

「イバニェスへ帰るのが早まったのも、あの変態のせいなのかしら。別々とは言ってなかったから、あんたたちと一緒に行くんでしょう?」

「だろうな。無罪が決まったならいつまでも拘留しておけんし、早々にイバニェス領へ運んでしまおうということなら、我々と同行させれば護衛の手間も省ける。まぁ、キンケードたちもついている、おかしなことはさせないからそう心配するな」

「別に心配なんてしてないわよっ!」

 頬を膨らませるクストディアは背後に控えるシャムサレムを振り返り、お茶の支度を要求した。そばに小さなテーブルもついているし、まだしばらくここに居座って大人たちの話を聞くつもりらしい。
 自分はどうするべきだろう。下手に内密の情報を得てしまうと、彼らの前に出た時に知らない振りを通すのが難しくなるかもしれない。かと言って、ここで退席するのも気が引けるというか、後ろ髪を引かれるというか。
 暗い金属管の中を見つめながら、しばし逡巡する。
 ……せっかくだし、もう少しだけここにいよう。

「言っとくけど、年がら年中これで盗み聞きしているわけじゃないからね。他人の秘密だの侍女の猥談だのを聞いて喜ぶような趣味をしてるなんて思ったら、その無駄に柔らかそうな頬肉をちぎり取るわよ」

「お、恐ろしいことを言うなぁ……、何もそんなこと思ってはいない。情報収集の一環として利用しているだけなのだろう?」

 思わず両頬を押さえながらそう返せば、クストディアはふんすと鼻を鳴らした。
 そんなやり取りの間にも、ふたりの領主の会話は続いている。あまり明瞭に聴き取ることはできないが、間近に迫った領主会談についての打ち合せをしているようだ。

 年が明けてすぐ、中央に各領主が集まり会談の場が持たれることは、リリアーナも知っていた。四年前の前回はカミロが代理として参加したが、次の開催にはファラムンドも向かうことになっているらしい。
 その間、ファラムンドが長く屋敷を空けるため、アダルベルトが領主の仕事を代わることになる。今回のサーレンバー滞在中に彼が務めている領主代行は、その練習期間を兼ねているのだろう。

 アダルベルトが十五歳記のため中央に向かうと聞いた時は、てっきりそれに同行するのだとばかり思っていた。執務の都合なのか、それとも元々親の同伴は必要ないのか、リリアーナにはわからない。
 自分の五歳記の時も、カミロを伴うのみで父は同行しなかった。だが、屋敷のそばの街で行われる祈念式と、遠く離れた王都にひとりで向かうのでは訳が違う。
 ほんの三年前にファラムンドの乗った馬車が狙われたばかりということもあり、長くなるアダルベルトの道中が気掛かりでならない。

「……クストディアは、十歳記はどうしたんだ? 街の聖堂に行ったのか?」

「行かないわよ。屋敷の広間に官吏たちを呼んで終わらせたわ。別にあんなもの、儀式を装っているだけで単なる記帳の更新よ、わざわざ聖堂になんて行く必要ないじゃない」

「何かの枝を持って、大きな像の前で聖句を唱えさせられたのだが。あれは別に要らなかったのか……」

「どこもそんなものだと聞いているけれど、必要性は感じないわね。精霊に祈ったところで何かしてくれるわけでもないし」

 それは確かに、と心の中だけで同意する。
 彼らに祈るだけでは何も得られない。精霊の助けを得るなら対価が必要だ。


『ん? おお、戻ってきたようだな』

『――、――』

 管から聴こえる声と物音、どうやらブエナペントゥラの執務室に誰かもうひとり入ってきたようだ。クストディアとの話を中断し、姿が見えるわけでもないのに揃って金属管を注視する。

『……あぁ、いや、そう手こずっちゃいねぇよ。訓練とは縁のないド素人だから、すぐに吐いたには吐いたんだが、真偽については念を入れる必要がある。ここでガセネタ掴まされる訳にはいかねーだろ』

『ご苦労だった、こちらに来てまで嫌な役を押し付けてすまんな。どこから漏れるともわからんし、確かな証拠が掴めるまでは内々に進めよう』

『ああ、こっちもそのつもりだ。……ったく、まさかここであの件が絡んでくるとはな。儲けものって言やそうなんだが、あんまし喜べはしねぇよ』

 よく響く男の声は、特徴的な口調も相まってすぐに誰だかわかった。
 どうやら両領主の待ち人はキンケードだったらしい。一体どんな報告のために訪れたのか、気風の良い声は管を通してもはっきりと聴こえてくる。

『一応、手加減はしてあるが、本当に良かったのか? あんなんでも爺さんの甥っ子だろ?』

『構わん。犯罪に手を染めた以上、身内だからと庇い立てはせんよ。それで、どうなんだ、本当にあいつは……』

『あぁ、自供は取れた。屋敷を捜索したとこで証拠なんか残っちゃいないだろうが、こっちで掴んでる話とも一致する。ただ依頼した相手に関しては正体どころか連絡手段もないそうだ、これ以上はアイツから糸を辿るのは難しいな』

 三人が何について話しているのか、大元の事情を知らないためあまりよくわからない。ただ、ブエナペントゥラの甥と言っているから、あの双子の父親が関係しているのは間違いないようだ。話を聞く限り、何か犯罪に関わっていたようだが、どういうことだろう。
 リリアーナが耳をそばだてると、それまでほとんど聴こえなかったファラムンドの声が集音の範囲に入ってきた。

『何にせよ別方向からも供述が取れたんなら、あの話の信憑性が増したってことだ。すぐにでも捜査隊を組むぞ、どこのクソ魔法師か知らんが今度こそ尻尾を掴んでやる』

『そうは言うがよ、今の状態で他の領に情報提供を求めたとこで、こっちの弱点も晒すようなもんだろ。下手に動く前に一旦カミロにも連絡取って、相談するべきだとオレは思うぜ』

『そうだのう、儂もそれが良いと思う。急いたところで既に三年経っておる。確かな情報を得るなら、まずは懇意にしている領と内々に話をつけていく方が、遠回りに見えても堅実な道だろう』

 三年、という言葉に鼓動が跳ねた。
 今から三年前に起きた出来事で、領主間の話し合いに発展するような事件といえばひとつしか思い当たらない。
 リリアーナは逸る気持ちと呼吸音をひそめ、じっと伝声管を見つめる。

『実際、領主やその身内がやられてるとこは簡単には認めねぇさ。ペントサーリの領主は高齢だったからな、単なる老衰って言っときゃ誰も疑わねぇが、……家族に死人が出てるとこなんか怒り心頭だろうよ。掛け合うにも気をつけねーと、下手すりゃこっちが犯人と繋がってるんじゃないかって疑われるのが落ちだぜ?』

『その通りだ。やっと掴んだ糸口なのだから、慎重を期すに越したことはない。お前さんの所だって、護衛や侍女の命を奪われておるんだ。その身内の気持ちを汲むなら、道を見誤るでないぞ』

『わーかってるよ、ジジイと髭が揃ってうっせぇな。俺を誰だと思ってやがる、こと仕返しに関してこの俺が下手こくわけないだろ』

『このいらん説得力……』

 ブエナペントゥラの重い嘆息までもありありと伝えてくる伝声管を前に、固まったように動けないでいた。
 拍動の速い心臓を胸の上から押さえ、息を飲む。

『とにかく、下の人間を使わずに調べるって言うなら手は限られる。手紙も危ないからイバニェスに報せは出さん、カミロには戻ってから俺が直接伝える。爺さんも出不精してないで少しは自分で動けよ、サーレンバーの人材の薄っぺらさはウチより酷いぞ』

『耳の痛いことだが、そうだな、これが片づくまでは儂とておちおち死んでもいられん。クストディアのためにも、この老体が動くうちに解決できるよう尽力するつもりだ』

『よしっ、ひとまず、望みは薄いが奴の家宅捜索から始めるか。これまでに水面下でどんだけ被害が出てんだかな……。領主の血筋を狙った連続暗殺事件なんて、聖王国始まって以来なんじゃねぇか?』

 キンケードの発した言葉が耳の中で響いた。
 『連続暗殺事件』
 ずっと、領道の事件について経過や状況を知りたいと思ってきた。人為的な崩落でカミロたちを傷つけ、護衛らの命を奪った犯人が許せなかった。
 だけど、まさかこんな形で新事実にふれる日がくるとは思いもしない。

 降って湧いたような内密の報せに、リリアーナは言葉もなく隣のクストディアと顔を見合わせた。

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