236 / 431
転換
しおりを挟むこの状況で動けるような性格をしていないし、むしろじっとしていてくれた方が危険が及ばずに済んでこちらも助かる。――そんなことを考えていたのに、エルシオンとの間に立ち塞がったカステルヘルミは背筋をぴんと伸ばし、広げた両足を踏ん張っていた。
庇われる格好のためリリアーナからは背中しか見えないが、垂らしたままきつく握り締めている両手は小刻みに震えている。そんな無理をして盾になるような真似をしなくても、弟子に守ってもらおうなんてはなから思っていない。万が一、大きな怪我でもしたらどうする。今の自分はすぐに修復をかけてやれるほどの力はなく、治癒の魔法だってあまり得意ではないのに。
横で大人しくしていろと制止の声をかけようとしたリリアーナは、ふと、ドレスに隠れた指先が背中側に向けてちょいちょいと動いているのに気づく。
……おそらく、何かの合図のつもりだろうが、残念ながら何が言いたいのか全くわからなかった。
「わっ、わたくしは、お嬢様の家庭教師を務めておりますカステルヘルミと申します。さささささっきから聞いておりましたが何ですかあなたっ、侵入者の分際で身勝手なことばかり! 旦那様からお預かりしている大事なお嬢様に、これ以上の無礼は許しませんよ!」
「許さなければ、どうする? そっちの怖いお嬢様が言うみたいに、魔法でオレを痛めつけてみる?」
「師匠から教わったわたくしの魔法は、そんな乱暴なことに使うものではございませんわ」
「……師匠?」
余裕を滲ませていたエルシオンの声音がわずかに変わる。
神経麻痺や転移の魔法を教えた相手、ヒトならざる魔法の腕を持つその相手こそ『魔王』デスタリオラだと思っているらしい男にとって、それは聞き捨てならない言葉だったろう。
実際、カステルヘルミに魔法を教えているのは自分だから、言っていることもエルシオンの推測も何も間違ってはいない。
……間違ってはいないが、ここで矛先を自身に向けてどうするというのだ。確かに、カステルヘルミには乱暴な魔法なんて教えていない。乱暴どころか、まともな効果を及ぼすものはまだ何ひとつ教えていないのに。
言いたいことも遮る言葉も全て飲み込み、カステルヘルミの背を見ながらその向こうを側を意識で透かし視る。
もうすでに眼には映した、立っている位置も対象の配置も把握している。何かあればすぐに目の前の女を引き倒せるよう心の準備だけしながら、胸の前で手を握り合わせた。
「いざ、刮目して見よ! わたくしの地道な魔法特訓の成果を!」
声高に宣言し、カステルヘルミは勢いよく両手を前に突き出す。その膨らんだドレスの後ろに隠れたまま、エルシオンの「おぉ?」という驚愕の声を聞いた。
女魔法師の前には、ヒトの顔面ほどの大きさをした円が浮かんでいるはず。
発光するでもなく、色がついているでもない、ただそこにあるのが視えるだけの構成円。何の効果も描き込まれていない、ただの円だ。
ふわふわと虚空に浮かぶ無意味な輪っかは、教えておいて何だが、カステルヘルミが浮かべてみるまで自分も視たことがなかった。聖堂の妙な教えを排した魔法の入門編。構成円を描く練習としては間違っていないはずだが、突然このマルだけを視せられたら、高位の魔法師ほど困惑するはずだ。
案の定、エルシオンも女魔法師が何をしたいのかわからないらしく、素で戸惑っていた。一歩たりとも動かずに。
「……え? 何これ、え? 構成なんだよね?」
その的確な足止めにはどんな大魔法よりも効果的だった。自分は良い弟子を持ったと思う。
<対象の立ち位置変化ありません、干渉を弾く防護魔法及び護符の類も反応なし、いけます!>
アルトは一度見ている手だから、描いている構成で何を狙っているかがわかったのだろう。その補佐の言葉を聞き終えたところで、偽装を上塗りしながらの構成陣が完成した。
ヒトの脳神経系に直接作用を及ぼし、運動野の伝達を阻害する。その他の領域への干渉は危険すぎるので、生前に構成を創った時から作用範囲は限定していた。
五感も意識もそのままに、動作の自由だけを奪う術。
物理干渉ではないため、筋力による強引な抵抗も、普通の防護魔法も通じない。ただし用途があまりに限定的すぎて、『魔王』でいた間は結局一度も実用することのなかった創作魔法。
【神経干渉】
カステルヘルミの体越しに、練り上げた魔法を作用させる。
術が弾かれた気配はない、ちゃんと届いた手応えはあった。……だというのに、何だろう。妙にいやな予感がする。
後ろからカステルヘルミの腕を引き、エルシオンからわずかばかりの距離を取る。
コンティエラの路地でかけたときと同様、効果はそう長くもたない。瞳孔を収縮させ精霊眼の行使をも妨害するが、構成を浮かべるだけで済むような軽度の魔法なら扱えるから、それによって効果相殺の方法を見つけるか、痺れに構わず攻撃魔法を仕掛けてくる可能性だってある。
運動野への麻痺が効いている間に、何か別の足止めを講じなくては。
「お嬢様、あの、わたくしがっ」
「いいから!」
腕を引かれるがまま下がるカステルヘルミの向こう、遮るもののなくなった先にいる赤毛の男。
その目が、笑っているように見えた。
気のせいだ、まだ効果が切れるほど時間は経っていない。今のうちに体を半ばまで凍らせて行動不能にするか、それとも一時的に魔法を扱えないよう奴の精霊眼を――
「……うん、相方がいなくてもわかるよ。コレは、家庭教師のおねーさんじゃないね。リリィちゃん、キミの魔法だ」
「っ!」
もう言葉を出せるなんて、いくら何でも早すぎる。術を相殺された感触はないし、効果は確実に及んでいる。体内で中和しているのか、もしくは以前と同じ魔法が来ると踏んで、予め対策を用意してきていたのか。
自分の脳に自分で干渉するなんて、いくら『勇者』とはいえそんな器用なことがヒトにできるとは思えない。
「さすがに、二回目ならね。ちょっとは、解析くらいしてるよ……、うん、もー少しかなー?」
一度麻痺を受けただけで神経系への直接干渉だと勘付くなんて、どう考えてもおかしい。思考武装具がついているわけでもないのに、自己解析なんて有り得ない。この男、もしかしてヒトではないのでは?
リリアーナが言葉もなく後退すると、エルシオンの眼球と首が動いてその姿を追う。
今の自分にできるとっておきが、狙っていたほどの効果を示さず、苦渋に歯噛みする。この分ではじきに手足の自由も取り戻すだろう。
「な、なんか動けないみたいですわね。お嬢様、今の内にお逃げください、この男はわたくしがストールでぐるぐる巻きにして、テオドゥロさんの持ってる縄で縛りあげておきますから!」
「だ、だめだ、そんなもの効果はない。お前は早く屋敷に、」
言葉の途中で突然、視界がぐるりと半回転した。
腹部に衝撃があり、息が詰まる。何事かと思っている一瞬のうちに全身が硬い何かにぶつかった。
「……っ、な、シャムサレム?」
片手で腹を掬って抱き上げられたらしい。腕に乗るような形は、以前キンケードに抱えられた時と同じ格好だ。
黒い肩鎧に手を置いたところで、反対側の腕にはクストディアが抱えられていることに気づく。あまり大柄ではないから膝同士がぶつかって窮屈だ。クストディアも「狭い」だの「痛い」だのとしきりに文句を言って肩を叩いている。
「つかまってて」
「えっ」
短く呟くやいなや、両手にリリアーナとクストディアを抱き上げた男は踵を返し、そのまま針葉樹林の中へと突っ込んだ。
均された林道も何もない藪の中を構わず突き進む。体中が甲冑に守られたシャムサレムは構わなくとも、顔が出ているふたりはたまったものではない。前進するたびに木の葉や枝が無遠慮に全身を叩いてくる。
「いっ、痛い! ちょっと、ふざけんじゃないわよシャム!」
「あまり口を大きく開くなクストディア、虫が入るぞ」
「~~~……っ!」
忠告が効いたようで、クストディアの甲高い文句はそこでぴたりと止まった。肩鎧にしがみつくような格好で固まったのを確認し、横目を黒い兜へと向ける。
「この林の奥はたしか、古い採掘場があるのだったな?」
「……そう」
「広い、平らでひらけた場所はあるか?」
「建屋も、置き場所も、全部引き払ってあるから、何もない。平らで、広い」
それだけわかれば十分だ。軽量化がまだ効いている甲冑に、重ねて消音の構成を描く。
これくらいの軽い魔法であれば大した負担にはならないが、今日はもうテッペイの起動に加工剤の変質、神経系麻痺といくつも魔法を使っている。不意の遭遇により気力はごっそりと削られているし、魔法を扱う力は体感で残り七割といったところ。
エルシオンに効くほどの大掛かりな構成は、一発が限度だろう。それも、今の自分では描き切るのに時間が要る。
「シャムサレム、もう少し進んだらわたしを下ろしてくれ」
「だめ」
「いいから、聞け。……お前たちには消音の魔法をかけた、もう甲冑の音も話し声も気にしなくて平気だ。だからわたしを下ろしたら、この林を大回りして側面から屋敷へ戻り、イバニェスの護衛のキンケードという男を呼んで欲しい。お前は書斎の前で一度会っているだろう、大柄で黒い髪をまとめた目つきの悪い男だ」
<ぁ、……>
ひどい揺れの中、何とか舌を噛まないように注意しながら兜越しの耳元で話しかける。
時間も手数もない、限られた札を使って精一杯手を打ってみて。……それでも駄目なら今度こそ諦めるから、せめて周囲の者たちには危害が及ばないようにしたかった。
残してきたカステルヘルミのことは気掛かりだが、リリアーナがあの場にいなければ退避をためらったりはしないだろう。無力な女魔法師をどうこうするほど『勇者』の性根も腐っていないはずだ。倒れた護衛やエーヴィ、カステルヘルミたちを人質に取っても意味はない。奴は必ず、体の自由を取り戻し次第、真っ直ぐこちらを追ってくる。
被ったフードの中、額から汗が伝い落ちてくる。鎧に掴まっている手の甲に押し付けてそれを拭い、もうこの辺でいいと黒い腕を叩いた。それでも止まらないのでもう一度叩くと、少しずつ進みが緩くなり、じきに足が止まった。
ひどく息切れしている男に注意深く下ろされ、地面に靴がつく。
自身で危惧していたほど、もう足は震えていなかった。覚悟に、肝が据わったのだろう。
「あ、あんたが残って、どうするのよ。あの男に誘拐されたり、変なことされるかもしれないでしょ!」
「いいから行け、シャムサレム。頼んだぞ」
「ちょっと、待ちなさい、こんな所に置き去りにして、もしあんたに何かあって領間の問題になったりしても私は絶対謝らないし責任だって取らないんだからね!」
「……ふ。そう心配するな」
漏れそうになる笑いを押さえながらそう返すと、少女は赤い頬を膨らまして黙った。確かに、何も知らないまま幼い子どもをこんな場所に残して行くのは、さすがのクストディアでも気分が悪いだろう。
何となく稚気じみたものが沸いて、人差し指を一本、唇の前で立てて見せる。
「これは内緒なんだが。実をいうとな、わたしはあの家庭教師よりも強いんだ。……さぁ、行け!」
掛けた発破とともに、角度を変えたシャムサレムが駆けて行く。その後ろ姿を見送りきらぬまま、リリアーナも林の奥へと走り出した。
針葉樹林とその奥にある採掘場跡は、別邸の窓から何度も見て距離感を把握している。鎧の軽量化が効いたようで、シャムサレムが目算八割くらいは進んでくれた。もう少し北上すれば林の切れ目が見えてくるはずだ。
息が上がりすぎないように深い呼吸を意識し、なるべく茂みの浅い部分を選んでひた走る。
ヒトとして生まれて以降、日頃から散歩や運動を欠かさずにいて良かった。これがノーアだったら、もうとっくに息が切れて動けなくなっていただろう。ふと先日ともに過ごした白い少年のことを思い出し、口元が緩む。
……体力にも、気持ちにもまだ余裕はある。大丈夫だ。
そう自身を鼓舞して走り続けた先、少しずつ木と木の間隔が空くようになって、地面の固さが変わったことに気づくと同時に視界が大きくひらけた。
0
お気に入りに追加
235
あなたにおすすめの小説
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
居酒屋ぼったくり
秋川滝美
大衆娯楽
東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情がある――。
全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載!旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説!!
気づいたら異世界でスライムに!? その上ノーチートって神様ヒドくない?【転生したらまさかのスライム《改題》】
西園寺卓也
ファンタジー
北千住のラノベ大魔王を自称する主人公、矢部裕樹《やべひろき》、28歳。
社畜のように会社で働き、はや四年。気が付いたら異世界でスライムに転生?してました!
大好きなラノベの世界ではスライムは大魔王になったりかわいこちゃんに抱かれてたりダンジョンのボスモンスターになったりとスーパーチートの代名詞!と喜んだのもつかの間、どうやら彼にはまったくチートスキルがなかったらしい。
果たして彼は異世界で生き残る事ができるのか? はたまたチートなスキルを手に入れて幸せなスラ生を手に入れられるのか? 読みまくった大人気ラノベの物語は知識として役に立つのか!?
気づいたら異世界でスライムという苦境の中、矢部裕樹のスラ生が今始まる!
※本作品は「小説家になろう」様にて「転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない?」を改題した上で初期設定やキャラのセリフなどの見直しを行った作品となります。ストーリー内容はほぼ変更のないマルチ投稿の形となります。
せっかくですもの、特別な一日を過ごしましょう。いっそ愛を失ってしまえば、女性は誰よりも優しくなれるのですよ。ご存知ありませんでしたか、閣下?
石河 翠
恋愛
夫と折り合いが悪く、嫁ぎ先で冷遇されたあげく離婚することになったイヴ。
彼女はせっかくだからと、屋敷で夫と過ごす最後の日を特別な一日にすることに決める。何かにつけてぶつかりあっていたが、最後くらいは夫の望み通りに振る舞ってみることにしたのだ。
夫の愛人のことを軽蔑していたが、男の操縦方法については学ぶところがあったのだと気がつく彼女。
一方、突然彼女を好ましく感じ始めた夫は、離婚届の提出を取り止めるよう提案するが……。
愛することを止めたがゆえに、夫のわがままにも優しく接することができるようになった妻と、そんな妻の気持ちを最後まで理解できなかった愚かな夫のお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID25290252)をお借りしております。
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
噂好きのローレッタ
水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。
ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。
※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです)
※小説家になろうにも掲載しています
◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました
(旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる