上 下
134 / 431

潮風の男②

しおりを挟む

 雑に吹く北風に髪を乱されるのが気に食わないのか、しばらく頭を手で押さえていた男は再びフードを目深に被り直した。
 目の前がチカチカするほどの色彩が隠され、体に感じた熱はやっぱり気のせいだったなと周囲を見渡す。建物に街路樹に石畳、どこかくすんだ色合いはいつも通りの街並みだ。
 告げられた名前は聞き覚えのあるもので、ナポルは愛想だけの曖昧な苦笑を浮かべる。

「俺はナポルです、よろしく。……エルシオンって、あの勇者様の名前っすよね。じいさんたちの世代に多いみたいだけど、こんな若い人にもいたんだなぁ」

「あぁ、うん。活躍した四、五十年くらい前に名付けブームになったとか聞いたことある」

「勇者様にあやかって強い子に育つようにって願いが込められてるんだから、悪いものじゃないとは思うけど。同じ名前が多いとなんか大変そうすね」

 生まれ育った村にも、年配に同じ名前の男性がいた。この街や中央ではもっといるだろう。
 『勇者』が現役だった時代をとうに過ぎたことと、同名が広まりすぎたせいで最近ではその名前をつける人も減ったようだが、この男の親はおとぎ話なんかに語られる『勇者』のファンだったのかもしれない。
 両親の想いがこもっているなら多少古臭くても良い名前だ。そう気遣っての言葉に、男は「あと二十年もすればその世代みんないなくなるから別にいいけど」とそっぽを向いた。

「あはは、ひどい事言ってる。それじゃ、えーと、昼飯食いに行きますか」

 どの店にしようか迷っていた所だが、旅装の男……エルシオンからの「肉を食べたい」という要望のお陰で一つに絞れた。

「あっち、露天通りの向こうにうまい煮込み料理出してくれる店があるんすよ。内装のセンスはちょっと独特だけど、味は保証するんで」

 選んだ店は、使っている食材が良いものばかりだから、普段の昼食に使うには少しばかり価格帯が上だったりする。
 それでも聖堂側にある高級店なんかよりはずっと入りやすい雰囲気で、自分のような庶民も多く利用しているし、自警団の中堅もよく通っていると聞く。
 自分的にはちょっとした祝いの日や、奮発しておいしいものを食べたい時に使うような店だ。
 ここからもそう遠くないし、せっかくコンティエラに来たならうまいものを食べて良い思い出にしてもらいたい。
 方向を指さして先導すると、男は肩にかけていた荷物を担ぎ直してナポルの隣に並んだ。

「ところでアンタのその服装、街の中でも同じの着たヤツをちらほら見かけるな。どっかの守衛か何かか?」

「これは自警団の制服。知らなかったんすか? 領内なら他の町にも派出所が置かれてるはずだけど」

「んー、どうだったかな、気がつかなかった。自警団っつーと、街の治安維持部隊みたいなモンか」

「役割としてはそんな感じだけど、今のイバニェスは領軍とか領主様の私兵とか置いてないから。かわりに強盗を捕まえたり酔っ払いの喧嘩を仲裁したり、野犬を退治したり、こう、街の平和を守るために色んなことしてるっていうか……」

「おっ、カッコイイじゃん、そーいうの」

「そ、そうかな、あはは」

「兵を擁してないのか。じゃあこの辺は他所の領との争いがない、平和な場所なんだな」

 並んで歩きながら、エルシオンは街並みや通り過ぎる人をそれとなく観察しているようだ。
 今は冬の季の準備で人通りが多くなっている分、道も店のあたりも普段より少しばかり賑やかになっている。
 この賑やかさが、街の豊かさとして男の目に映れば良いなと思った。

「んー、十何年か前にあった戦からは特にないはず。俺が自警団に入る前のことだからあんまり詳しくないすけど。昔から、北側のクレーモラとはちょいちょいぶつかってるみたいで」

「クレーモラ……ああ、海へ出る前に通り過ぎたな。なんかギスギスしててメシもまずかった」

「そ、そうなんすか、良く無事に通過できたな……。前の戦いで賠償金みたいなのいっぱい取ったから、あっちは街も領政も未だに荒れてるって聞くけど」

 その手の小難しい話には疎いため、先輩や飯屋の常連たちからの又聞きの情報だ。
 自分の周囲と、この街の平穏さえ保たれていれば十分だから、あまり余所のことには興味が持てない。
 もっとも、隣領であるクレーモラの情勢はイバニェスにとって全くの無関係とも言い難い。彼らが困窮すれば、またいつこちら側へ攻め入ってくるかわからないのだから。

「この辺が豊かだから、お隣さんとしては羨ましいんだろうな」

「うん……それはちょっとわかるかも」

「どこもそうやって、自分より恵まれてる相手を妬んで恨んで、下らない争いばかり繰り返してるよ。領地を広げたいだの金が欲しいだの、欲をかいて余計に状況を悪くしてる。魔物が消えてせっかく安全になったのに、なんで平穏に暮らせないんだか」

「本当、そうっすね。……平和が一番なのに」

 力を持った人間の考えることは、平凡な自分には全然わからない。
 だから率先して争いを起こす権力者の気持ちなんて、この先も一生理解できないだろう。
 それでもキンケードやイバニェス領主のように、特別な力を持っていても、皆ためを考えて一生懸命働いている人もいるのだ。
 そういった人たちのことは、理解はできなくても尊敬をしている。

「クレーモラと頻繁に小競り合いをしてた頃は、やっぱこの領も荒れたりとかしたそうなんすけど。でも先代あたりから治安も良くなってきて、今の領主様なんか水路とか道とか整えるのにすごい力入れてくれてて、そのお陰で他からの馬車も増えて、北側の雇用も増えてるし。偉い人でも、ああいう立派な人もいるんだなって」

「へえ、そんなに立派な人物なのか、ここの領主は」

「そりゃあもう。若い世代で領主様のこと悪く言う奴なんかほとんどいないっすよ!」

「うん? 若くないヤツには嫌われてるってことか?」

「嫌われてるってほどじゃないけど、上の世代にはまだ反発してるような人も多いみたいで。街が暮らしやすくなったり仕事も増えたりして、みんなが助かってるはずなのに……」

 今の自警団にキンケードよりも上の世代がほとんどいないのは、そういった軋轢が原因だと聞いている。
 十二年前の領間戦争と、その前のお家騒動が元で、現イバニェス領主への支持はくっきりとふたつに分かれてしまった。
 束ね役への不信は、集合体としての脆さに繋がる。自分のような下っ端でもそれくらい理解しているというのに、体面だとか義理だとか下らないものに拘って、頭をカチコチにしている頑固な年寄りが多すぎる。
 この男が言うように、あと二十年もすれば世代がごっそり入れ替わって、このおかしな状態も何とかなるのだろうか。
 領主の息子ふたりはいずれも飛び抜けて優秀だという噂だ。どちらが後を継ぐことになっても、今代のように良い統治をしてくれるに違いない。
 ……つい、そんな益体もないことを考えてしまう。


「アンタは、領主サマのこと好きなんだなぁ」

「……っ! そりゃあ、ファラムンド様は強いし立派だしカッコイイし。権力者なんて碌なもんじゃないとか思ってたけど、あの人は別。みんなの暮らしを大事にしてくれる良い領主様だって思う。俺はこの街で育ったわけじゃないけど、ここも領主様も好きなんすよ、じゃなきゃ身の危険もある自警団なんて続けてられない」

「ふーん。アンタみたいなのがそう褒めちぎってると、なんか本当に良い街だなって思えてくるな」

「俺みたいなのって何すか……」

 ナポルが脱力してそう訊き返すと、男はフードの下でからからと笑った。
 ともあれ、旅人に良い街だという印象を持ってもらえたなら何よりだ。このあと向かう場所でイバニェスの良いところを伝えてもらえれば、きっと領のためにもなるだろう。
 そのためにも、まずは旅の空きっ腹を満足させるうまい料理をたくさん食べさせて、「さすがはイバニェス領の主要街だ!」と思わせなくては。


 飲食店が並ぶ通りの端に、その店はある。
 異様に太い竹を彫った妙な彫像が店の入口に鎮座しており、食事処だとわからないから初見で入ってみようなんてまず思えない。
 入口を挟む竹の彫像の上には、大きな木製の板に『ポポの店』と書かれた看板が掲げられている。
 白い竹の口元には小ぶりな黒板が垂れ下がり、ピンクのチョークで今日のランチセットは鶏肉煮込みシチューだと書かれていた。
 店の手前で足を止めると、エルシオンは竹の彫像をぺちぺちと叩きながらお品書きの黒板を一瞥した。

「ふーん、鶏のシチューか。うまそうだな」

「うん、どれもうまい中で特に煮込み系は絶品だよ。店の中はもっと妙な人形とか置いてあるけど、味は保証するから……」

「つーか、これってパクちくじゃん、こんなトコで見るとは思わなかった」

「ぱく……?」

 首をかしげるこちらを置いて、男は白い竹のつるりとした表面を撫で、丸く彫られた口の中を覗き込む。
 頭が入るほど大きな穴だから、何だか竹の化け物に食べられているように見える。

「 ココよりずーっと東のほうに群生してる珍しい竹だよ。白い竹林って結構怖いぞ、真っ白な毒蛇とか棲んでるんだけど、竹と見分けつきにくいから数匹に囲まれるだけでヤバい」

「ど、毒蛇っ? そんな所も旅してきたのか、凄いなぁ……」

「こっち側にも運ばれてるとは思わなかった、出所はサルメンハーラか?」

 竹の中をひとしきり覗いて満足したのか、口から頭を出した男は異様な外観に臆する様子もなく、そのまま店の入口をくぐって行った。
 席までちゃんと案内をするつもりだったのに、ここで遅れを取るわけにはいかない。その背を追ってナポルも店の中へと入った。



「いらっしゃいませ~、何名様でしょう?」

「あ、あの、ふたりです」

 箒とちりとりを持った店員の女性に向かい、エルシオンの背後から指を二本立てて見せる。
 陶器が床に落ちて割れてしまったのだろうか、小さな白い破片が爪先の辺りにも転がっていた。

「すみません、歩くとき踏まないように気を付けてくださいね。すぐに片付けますから」

「いえいえ……大丈夫です」

 店の中には木製のテーブルがいくつか並んでおり、いつもは夜遅くまで埋まっているのだが、今は客が二組しかいない。もう昼食時をいくらか過ぎているせいだろう。
 この分なら注文した品もすぐに出てくるだろうし、へとへとの昼休みをゆっくり過ごすことができそうだ。
 店が混んでいると、早く食べて出なければ迷惑になると思って焦ってしまい、落ち着いて食べることができない。
 キンケードたちはそう焦ることはないと言ってくれるのだが、どうしても店員や他の客の目が気になってしまう。それを小心者と笑われようと、他人に迷惑をかけるよりは幾分マシなはずだ。
 客の少なさにこっそり安堵しながら、端のほうにあるふたり掛けのテーブルに寄って椅子を引いた。

「そこの棚がへこんで置物倒れてるね、なんかあったの?」

「あ、すみません……ちょっと乱暴なお客さんがいて。お料理はちゃんと出せますから大丈夫ですよ、ご注文お決まりですか?」

 物怖じということを知らないのか、フードを脱ぎながらエルシオンは店員の女性に話しかけている。
 止めようとしておろおろとさまよわせた手は、男の荷物を受け取って壁際へ置くことになった。

「割れてる食器もその乱暴な客のせいか、災難だったな」

「いいえ、良くあることですよ。お客さんは旅の方と……、あれ、自警団の方ですか?」

「うん、コイツがいい店を紹介してくれるって言うからさ。ここの煮込み料理がすごくうまいらしいな、期待してるよ」

「まぁ嬉しい、おいしいのは本当だけど。店長にも伝えておきますね!」

 初対面の、名前も知らない女性店員と打ち解けて話をしている。すごい。
 そういえば自分も偶然の接触から短い会話を経て、なし崩し的に店まで案内をすることになったのだった。
 どちらかといえば人見知りするタイプの自分とは、まるで正反対を向いて生きている種類の人間だ。

「アンタも鶏煮込みシチューのセットでいいか?」

「あ、うん、飲み物は冷たい黒香茶で……」

「じゃあオレもそれで、あと何か肉料理をお任せで一品つけてくれ!」

「はーい、じゃあ……炙り腸詰のプレートがいいかな。お好みでシチューをつけてもいいし、バゲットにのせても合いますよ」

 上機嫌の店員にひらりと手を振って、エルシオンも向かいの席についた。
 少し薄暗い店の中で、鮮やかな赤毛は松明の灯りのように煌々と存在を主張する。
 ようやく座れたはずなのに旅の疲れらしきものを全く感じさせないまま、男は同じ色の目を瞬かせてテーブルに片肘をついた。

「な、それでさ、アンタに訊きたいことがあるんだよ」

「あぁ、何かさっきもそんなこと言ってたっけ。仕事を探してるなら食べた後に斡旋所まで連れてくけど?」

「有難いが今のとこ金には困ってないからいいよ。そーいうんじゃなくてさ、ちょっとこの辺のコトについて教えてもらいたいんだ」

 ロウソクの炎を閉じ込めたような赤い瞳。わずかばかり金の混じっている色合いが、本当にそこで燃えている炎みたいだ。
 正面から向き合ってみると、エルシオンはこの広い街でも中々見ないほどの端正な顔をしているのに嫌でも気づかされる。
 美形というよりは、領主のように男前と称するのがぴったりの容貌。
 同年代に見えるのに、旅の中で鍛えられているらしく腕や首も自分などとは大違いに逞しい。
 容姿以前に人好きのする朗らかな性格も、明るい語り口も、どう転がったところで真似のしようがない。世の中にはこんな人間もいるのだから、立場とか地位とかそういう問題よりもよっぽど不平等だ。
 羨む気持ちすら湧かないまま、ナポルは小さな嘆息を落とした。

「俺が知ってることなら話せるけど、この辺ってコンティエラの街? それともイバニェス領のこと?」

 肘をついた片手に日焼けした顔をのせながら、眼前の男はにっこりと愉しげな笑みを浮かべる。

「どっちかと言えば領のコトだな。……たとえば三年前の陽の季に、この街から西へ行ったあたりで何があったのかとか、さ」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。

せいめ
恋愛
 メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。  頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。   ご都合主義です。誤字脱字お許しください。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

婚約破棄られ令嬢がカフェ経営を始めたらなぜか王宮から求婚状が届きました!?

江原里奈
恋愛
【婚約破棄? 慰謝料いただければ喜んで^^ 復縁についてはお断りでございます】 ベルクロン王国の田舎の伯爵令嬢カタリナは突然婚約者フィリップから手紙で婚約破棄されてしまう。ショックのあまり寝込んだのは母親だけで、カタリナはなぜか手紙を踏みつけながらもニヤニヤし始める。なぜなら、婚約破棄されたら相手から慰謝料が入る。それを元手に夢を実現させられるかもしれない……! 実はカタリナには前世の記憶がある。前世、彼女はカフェでバイトをしながら、夜間の製菓学校に通っている苦学生だった。夢のカフェ経営をこの世界で実現するために、カタリナの奮闘がいま始まる! ※カクヨム、ノベルバなど複数サイトに投稿中。  カクヨムコン9最終選考・第4回アイリス異世界ファンタジー大賞最終選考通過! ※ブクマしてくださるとモチベ上がります♪ ※厳格なヒストリカルではなく、縦コミ漫画をイメージしたゆるふわ飯テロ系ロマンスファンタジー。作品内の事象・人間関係はすべてフィクション。法制度等々細かな部分を気にせず、寛大なお気持ちでお楽しみください<(_ _)>

美しい姉と痩せこけた妹

サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

夫から国外追放を言い渡されました

杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。 どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。 抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。 そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……

私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。 ※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!

処理中です...