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第2章.日本編
第40話.卒業試験、本番です(その3)
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満月が浮かぶ夜空を背に、シェリルと桜の声が響きます!
『お兄さん ( ちゃん ) !!!』×2
和諒は慎重にタイミングを見計らい、冷静に霊棒を構えます。
早過ぎても……ダメ、遅過ぎても……ダメ。
……よし、今だ!!!
「奉力院棒術……旋風撃!」
旋風撃を、思い切り地面にぶつけたんです!
旋風撃という形で地面にぶつけたエネルギーは、クレーター状の穴が出来ると共に跳弾として跳ね返って……
爆風という形になって、空中の和諒の方へ襲いかかります。
和諒は、その襲いかかる爆風を利用して落下スピードを減速しながら……くるくるくるっストン。
何事も無かったかの様に、優雅にパンパンパンっとズボンの膝を祓うお兄さんの勇姿……絵になるなぁ。
ボクも、こんな風に闘ってみたい!
しかし、和諒は違う反応で……
「おいおい、剣が自分の意思で飛んで来るなんて反則じゃないか……?」
頭をポリポリ掻いて、参ったなぁって顔をしています。
表情豊かな人ですね、お兄さんって。
でも、何で黒洞乗剣が勝手に飛んで来たのかって……?
それは、ワープホールがご主人さま大好きだからです!
なので、それを利用してワープホールを通して黒洞乗剣を遠隔操作出来るのでは?
ホラ、ワープホールは普段、黒洞乗剣に埋め込まれていますから。
……そう閃いたシェリルのアイデアが、今回大ハマリしたんです。
ほらっ、ワープホールったら……
褒めて!褒めて!って言わんばかりに、ワンコみたいに赤にピンクにとチカチカ点滅しています♪
だけど、気のせいかな……
2人とも何か、楽しそうにダンスを踊ってるみたい。
お兄ちゃんも、ここまで自分の実力を試せる相手って初めてなんじゃないかしら……?
しかし、その均衡も徐々に崩れて来ます。
闘いの最中、満月を見て周りを見るだけの気持ちの余裕があるシェリルと、
闘いにのめり込み過ぎて、周りを見渡す気持ちの余裕が無くなっている和諒……
この差が、勝負の綾にどう影響するんでしょうか?
シェリルは、身を縮めて身構えます。
「コレがさっきお兄さんが指摘してくれた『黒洞乗剣』の弱点を克服する、ボクなりの回答ですっ!」
そう言って、シェリルは身体全体に捻りを加えて和諒の目の前に真空を発生させます。
しかも、その間でも身体の回転はまだ止まっていません。
まるでシェリルを中心にした、和諒を吸い寄せる巨大な台風みたいです!
しかも、身体を縮めて小さい半径でグルグル回っているので1周目に真空を顕現させてから2周目で真空を斬るまではほとんどタイムラグを発生させません!
今度は和諒の方が、引力の力もあり避ける事が出来ません!
でも、シェリルとしては和諒を傷つけるつもりはさらさら無いので……
斬撃を、和諒が身体の前に構えている白桐の霊棒に当てる様に “ コントロール ” します。
今回、左手に握られているのは……黒い紙!
「 ( インフィニティー…… ) 闇冥斬!」
黒洞乗剣から繰り出された “ 黒い斬撃 ” を、和諒は白桐の霊棒で受け止めます。
しかし、ココロの奥底から何かドロッとしたモノが黒洞乗剣を持つ左手に流れ込んで来たのをシェリルが認識した次の瞬間……
黒い斬撃はバチバチッと黒雷を纏って、白桐の霊棒を分子レベルで消滅させてしまったんです!
コレは、闇冥斬の力だけではありません!
まるで、何か得体の知れない力が勝手に闇冥斬に乗り込んで来たかの様な……
そして、黒い斬撃は受け止め切れなかった和諒の左腕の手首の下に黒い傷を与えて、和諒を弾き飛ばしたんです。
先ほど、曲剣を砕き折られたお返しです!
「く……黒い斬撃だと……?
しかも、雷を纏ったかの様な……?」
「これでお互い、おあいこだね。
お兄さん、まだ続けます?」
「いや、霊棒が無くなっちまったから俺の負けだ。
まだ隠し玉がありそうだしな、強いな……シェリル。」
お兄さん、ボクの事を初めてちゃんと名前で読んでくれました……!
「シェリルの強さは本物だ。
これなら、さっくーの事も俺の代わりに安心して任せられるな。
なぁばあや、卒業試験は合格って事でイイよな?」
「えぇ、合格よ、シェリルさん!
シェリルさんと孫の桜は、上村家とグレイシア家公認の許嫁よ!
フィリル、貴女もそれでイイわよね?」
「えぇ、私は最初からそのつもりだったわよぉ~!
それとシェリル、“ ピンクゴールドの曲剣 ” って名前が長ったらしいから……
卒業試験に合格した今日を境に『黒洞乗剣』って名前に改名しちゃいなさい!」
ハクが付くわよぉ~!と母に唆され、
でも、闘いの最中何回か呼んでみたけど……
やっぱり名前の響きがカッコイイ!
なので、シェリルは迷う事無く即断しました。
「これからも宜しくね……黒洞乗剣!」
これは、シェリルにとって嬉しい収穫になりました。
マジックスクロールとこの遠隔操作を使えば、もっと攻撃の幅が広がるに違いありません。
『お兄さん ( ちゃん ) !!!』×2
和諒は慎重にタイミングを見計らい、冷静に霊棒を構えます。
早過ぎても……ダメ、遅過ぎても……ダメ。
……よし、今だ!!!
「奉力院棒術……旋風撃!」
旋風撃を、思い切り地面にぶつけたんです!
旋風撃という形で地面にぶつけたエネルギーは、クレーター状の穴が出来ると共に跳弾として跳ね返って……
爆風という形になって、空中の和諒の方へ襲いかかります。
和諒は、その襲いかかる爆風を利用して落下スピードを減速しながら……くるくるくるっストン。
何事も無かったかの様に、優雅にパンパンパンっとズボンの膝を祓うお兄さんの勇姿……絵になるなぁ。
ボクも、こんな風に闘ってみたい!
しかし、和諒は違う反応で……
「おいおい、剣が自分の意思で飛んで来るなんて反則じゃないか……?」
頭をポリポリ掻いて、参ったなぁって顔をしています。
表情豊かな人ですね、お兄さんって。
でも、何で黒洞乗剣が勝手に飛んで来たのかって……?
それは、ワープホールがご主人さま大好きだからです!
なので、それを利用してワープホールを通して黒洞乗剣を遠隔操作出来るのでは?
ホラ、ワープホールは普段、黒洞乗剣に埋め込まれていますから。
……そう閃いたシェリルのアイデアが、今回大ハマリしたんです。
ほらっ、ワープホールったら……
褒めて!褒めて!って言わんばかりに、ワンコみたいに赤にピンクにとチカチカ点滅しています♪
だけど、気のせいかな……
2人とも何か、楽しそうにダンスを踊ってるみたい。
お兄ちゃんも、ここまで自分の実力を試せる相手って初めてなんじゃないかしら……?
しかし、その均衡も徐々に崩れて来ます。
闘いの最中、満月を見て周りを見るだけの気持ちの余裕があるシェリルと、
闘いにのめり込み過ぎて、周りを見渡す気持ちの余裕が無くなっている和諒……
この差が、勝負の綾にどう影響するんでしょうか?
シェリルは、身を縮めて身構えます。
「コレがさっきお兄さんが指摘してくれた『黒洞乗剣』の弱点を克服する、ボクなりの回答ですっ!」
そう言って、シェリルは身体全体に捻りを加えて和諒の目の前に真空を発生させます。
しかも、その間でも身体の回転はまだ止まっていません。
まるでシェリルを中心にした、和諒を吸い寄せる巨大な台風みたいです!
しかも、身体を縮めて小さい半径でグルグル回っているので1周目に真空を顕現させてから2周目で真空を斬るまではほとんどタイムラグを発生させません!
今度は和諒の方が、引力の力もあり避ける事が出来ません!
でも、シェリルとしては和諒を傷つけるつもりはさらさら無いので……
斬撃を、和諒が身体の前に構えている白桐の霊棒に当てる様に “ コントロール ” します。
今回、左手に握られているのは……黒い紙!
「 ( インフィニティー…… ) 闇冥斬!」
黒洞乗剣から繰り出された “ 黒い斬撃 ” を、和諒は白桐の霊棒で受け止めます。
しかし、ココロの奥底から何かドロッとしたモノが黒洞乗剣を持つ左手に流れ込んで来たのをシェリルが認識した次の瞬間……
黒い斬撃はバチバチッと黒雷を纏って、白桐の霊棒を分子レベルで消滅させてしまったんです!
コレは、闇冥斬の力だけではありません!
まるで、何か得体の知れない力が勝手に闇冥斬に乗り込んで来たかの様な……
そして、黒い斬撃は受け止め切れなかった和諒の左腕の手首の下に黒い傷を与えて、和諒を弾き飛ばしたんです。
先ほど、曲剣を砕き折られたお返しです!
「く……黒い斬撃だと……?
しかも、雷を纏ったかの様な……?」
「これでお互い、おあいこだね。
お兄さん、まだ続けます?」
「いや、霊棒が無くなっちまったから俺の負けだ。
まだ隠し玉がありそうだしな、強いな……シェリル。」
お兄さん、ボクの事を初めてちゃんと名前で読んでくれました……!
「シェリルの強さは本物だ。
これなら、さっくーの事も俺の代わりに安心して任せられるな。
なぁばあや、卒業試験は合格って事でイイよな?」
「えぇ、合格よ、シェリルさん!
シェリルさんと孫の桜は、上村家とグレイシア家公認の許嫁よ!
フィリル、貴女もそれでイイわよね?」
「えぇ、私は最初からそのつもりだったわよぉ~!
それとシェリル、“ ピンクゴールドの曲剣 ” って名前が長ったらしいから……
卒業試験に合格した今日を境に『黒洞乗剣』って名前に改名しちゃいなさい!」
ハクが付くわよぉ~!と母に唆され、
でも、闘いの最中何回か呼んでみたけど……
やっぱり名前の響きがカッコイイ!
なので、シェリルは迷う事無く即断しました。
「これからも宜しくね……黒洞乗剣!」
これは、シェリルにとって嬉しい収穫になりました。
マジックスクロールとこの遠隔操作を使えば、もっと攻撃の幅が広がるに違いありません。
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