23 / 50
第2章.日本編
第23話.初モノづくしの世界(その3)
しおりを挟む
シェリルがレプラコーン達をうんしょ!うんしょ!っと一生懸命ワープホールの中に詰め込んでいる間……
サクラは、先ほど襲われていたおじさんと何やらヒソヒソと話を付けている模様です。
と思ったら、今度はペコペコ頭を下げていますね。
あっ、おじさんは行く前にトイレで用を足すみたいです。
「サクラ、異世界に送り終わったよぉ。」
「ありがとね、シェリルくんっ!
こちらもこのおじさんと話が付いたわ。
これから向かう行商先の途中にワタシ達の目的地があるから、そこまでトラックに乗せてくれるんですって!」
「サクラ、トラックってナニ?
乗せてもらうって、どういう事……?」
「この後ろに幌が付いた鉄製のハコがトラックなの。
コレに乗せてもらうがね、こちらの世界での “ 旅 ” の醍醐味なのよ!
『ヒッチハイク』って言うのよねぇ。」
そこへ、おじさんがトイレから帰って来ました。
やば、シェリルくんと普通に会話しちゃってたよぉ……
「あんれ?
若い人の間では『バックパック』って言うんでねか?」
“ 視えていない ” シェリルくんと会話していたのに、何で当たり前の様にフツーにカットインして来るのよ?
まさか、ワタシの独り言だって思ってるの?
それにこのおじさん、何でそんな事まで詳しいの?
「ウフフフ……いやねぇ、おじさん。
それは、低予算で “ 海外旅行 ” する事を言うのよ?
ワタシ(達)は低予算で “ 国内旅行 ” をしているから、『ヒッチハイク』でイイのよ。」
いえいえ、ボクもサクラも異世界を行ったり来たりしてるから、十分『バックパック』だと思うんですけど……
おじさんは運転席に移動します。
シェリルとサクラは、後ろの幌の中に乗り込みます。
すると、サクラは何も言わずにギュッとシェリルの身体を抱き締めて……
決意をする様に、シェリルの胸元から顔を上げて言いました。
「シェリルくん、今回どうしても貴方に会って欲しい人がいるの……」
・グレイシア邸
その日の夜、こちらでは……
「このレプラコーン達、一体どこから湧いて出て来たの~よぉ~!」
屋敷中、イタズラし放題のレプラコーン達。
フィリル母さんの悲鳴が木霊します。
仕方無くカメルじいちゃんとシャリーばあちゃん、マースおじさんとフィリルの4人で屋敷の中を大捜索です。
ちなみに、リフィおばさんはチェリーちゃんの寝かせ付けで今回は不参加です。
寝かせ付けの最中なので、屋敷全体に影響を与えてしまう種族スキル『インフィニティー』が使えない中……
フィリルが1匹目、マースおじさんが2匹目を、そしてカメルじいちゃんとシャリーばあちゃんが最後の3匹目を協力してそれぞれ素手で捕まえます。
「ふぅ、やっと捕まえたのぉ……
……おや?
コイツの “ 靴 ” の中に、何か紙が入っておるぞぃ!」
カメルじいちゃんが、ガサガサっと靴から紙を引っ張り出します。
どうやら、四つ折りになっている様です。
四つ折りの紙を広げるカメルじいちゃんの周りに、みんなが集まります。
「どれどれ……
『キョウコおばあちゃんに会いに行って来ます』
だそうじゃな。」
フィリルは目をパチクリ、まん丸くしています。
「え、キョウコ様に会いに行くのぉ~!?」
マースおじさんは、手紙の筆跡を見て言いました。
「うん、この手紙はシェリル君達からだね。
って言うか、コレはシェリル君の筆跡じゃないからあの子、サクラちゃんが書いたんじゃないかい?」
フィリルは、フンフンと頷きます。
「もしかしてこのレプラコーン達、伝言係としてこちらに寄越されたんじゃないかしらぁ~?
って事はシェリル、もうすでに自分の『インフィニティー』をこんなにも使いこなせてるのねぇ~!」
シャリーばあちゃんは、ニコッと温かい笑顔で言いました。
「フィリルちゃんとサクラさん、なかなかどうして相性がいいカップルじゃないですか。
ねぇ、おじいさん?」
そして、最後にフィリルが呟きます。
あ~ぁ、ワタシもキョウコ様に会いたかったなぁ……
サクラは、先ほど襲われていたおじさんと何やらヒソヒソと話を付けている模様です。
と思ったら、今度はペコペコ頭を下げていますね。
あっ、おじさんは行く前にトイレで用を足すみたいです。
「サクラ、異世界に送り終わったよぉ。」
「ありがとね、シェリルくんっ!
こちらもこのおじさんと話が付いたわ。
これから向かう行商先の途中にワタシ達の目的地があるから、そこまでトラックに乗せてくれるんですって!」
「サクラ、トラックってナニ?
乗せてもらうって、どういう事……?」
「この後ろに幌が付いた鉄製のハコがトラックなの。
コレに乗せてもらうがね、こちらの世界での “ 旅 ” の醍醐味なのよ!
『ヒッチハイク』って言うのよねぇ。」
そこへ、おじさんがトイレから帰って来ました。
やば、シェリルくんと普通に会話しちゃってたよぉ……
「あんれ?
若い人の間では『バックパック』って言うんでねか?」
“ 視えていない ” シェリルくんと会話していたのに、何で当たり前の様にフツーにカットインして来るのよ?
まさか、ワタシの独り言だって思ってるの?
それにこのおじさん、何でそんな事まで詳しいの?
「ウフフフ……いやねぇ、おじさん。
それは、低予算で “ 海外旅行 ” する事を言うのよ?
ワタシ(達)は低予算で “ 国内旅行 ” をしているから、『ヒッチハイク』でイイのよ。」
いえいえ、ボクもサクラも異世界を行ったり来たりしてるから、十分『バックパック』だと思うんですけど……
おじさんは運転席に移動します。
シェリルとサクラは、後ろの幌の中に乗り込みます。
すると、サクラは何も言わずにギュッとシェリルの身体を抱き締めて……
決意をする様に、シェリルの胸元から顔を上げて言いました。
「シェリルくん、今回どうしても貴方に会って欲しい人がいるの……」
・グレイシア邸
その日の夜、こちらでは……
「このレプラコーン達、一体どこから湧いて出て来たの~よぉ~!」
屋敷中、イタズラし放題のレプラコーン達。
フィリル母さんの悲鳴が木霊します。
仕方無くカメルじいちゃんとシャリーばあちゃん、マースおじさんとフィリルの4人で屋敷の中を大捜索です。
ちなみに、リフィおばさんはチェリーちゃんの寝かせ付けで今回は不参加です。
寝かせ付けの最中なので、屋敷全体に影響を与えてしまう種族スキル『インフィニティー』が使えない中……
フィリルが1匹目、マースおじさんが2匹目を、そしてカメルじいちゃんとシャリーばあちゃんが最後の3匹目を協力してそれぞれ素手で捕まえます。
「ふぅ、やっと捕まえたのぉ……
……おや?
コイツの “ 靴 ” の中に、何か紙が入っておるぞぃ!」
カメルじいちゃんが、ガサガサっと靴から紙を引っ張り出します。
どうやら、四つ折りになっている様です。
四つ折りの紙を広げるカメルじいちゃんの周りに、みんなが集まります。
「どれどれ……
『キョウコおばあちゃんに会いに行って来ます』
だそうじゃな。」
フィリルは目をパチクリ、まん丸くしています。
「え、キョウコ様に会いに行くのぉ~!?」
マースおじさんは、手紙の筆跡を見て言いました。
「うん、この手紙はシェリル君達からだね。
って言うか、コレはシェリル君の筆跡じゃないからあの子、サクラちゃんが書いたんじゃないかい?」
フィリルは、フンフンと頷きます。
「もしかしてこのレプラコーン達、伝言係としてこちらに寄越されたんじゃないかしらぁ~?
って事はシェリル、もうすでに自分の『インフィニティー』をこんなにも使いこなせてるのねぇ~!」
シャリーばあちゃんは、ニコッと温かい笑顔で言いました。
「フィリルちゃんとサクラさん、なかなかどうして相性がいいカップルじゃないですか。
ねぇ、おじいさん?」
そして、最後にフィリルが呟きます。
あ~ぁ、ワタシもキョウコ様に会いたかったなぁ……
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
きぐるみ♡女神伝
きぐるみんZ
ファンタジー
【ワタシ、日本一アキラメの悪い女神ですから!】
【ストーリー】
「何かを手に入れる為には、何か大切なモノを犠牲にしなくちゃダメなんです。」
生まれつき、少女は異世界の住人達と『闘う力』を持っていました。
なぜ少女は、普通の人には持ち得ない力を扱う事が出来るんでしょうか?
実は少女には……出生の秘密があったからなんです。
その秘密、一緒に紐解いて行きましょう。
ゆっくりと、ね……
【新しい技をリクエストして頂ければ、新技として登場するかも?】
『胸キュン♡流格闘術』……
それは、女の子らしい可愛らしさ、所作を最大限に活かした、しかし技の威力を疎かにしていない「女の子の、女の子による、女の子の為の」格闘術。
その中には、懇意にして頂いている読者さんのリクエストから生まれた技もあります。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる