17 / 50
第1章.プロローグ
第17話.コクっちゃいます♡(その1)
しおりを挟む
ケルピーの、ウォーターシュラフの水分をあらかた吸い取った後……
今度は水の尻尾、そしてケルピーの体躯を取り巻く『水の加護』を吸い取り始めました。
全身の水を吸い取られ終わった頃には、ケルピー自身も瀕死でピクピク……
後は例のあの手にワープホールへと連れて行かれ、一貫の終わりでした。
しかし、シェリルには時間がありません。
失神したサクラを救出するまでに要した時間は約3分!
その間、サクラはずっと首を絞められ溺れたままだったんです。
でも、サクラはとても運がいいです。
なぜなら、首を締められ失神してから溺れたからです。
失神して仮死状態になると、一度に脳へ送られる酸素量が減少します。
つまり、限界時間の2分を超えて3分経った今でも蘇生措置が間に合う可能性があるんです!
氷の湖の下に長時間沈んだ女の子が、低体温症による仮死状態のお陰で蘇生出来たって実話もあるくらいですから。
ココはもう、人工呼吸しかないよ……!
腹が据われば、もう迷いは有りませんでした。
1……2……3……4……5……
6……7……8……9……10……
まず、両手を重ねて胸の心臓の上辺りを一定リズムで10回押します。
その後に、口移しで空気を肺に送ります。
ゴメン、サクラ……
ファーストキス、ボクが貰うね……
これを何セットも、ココロを込めて丁寧に繰り返します!
すると……
ふあぁぁ……!
とサクラが息を吹き返し、ゆっくり目を開けたんです!
「サクラさん、ボクの事分かりますか?」
サクラは、少し頬を染めて答えます。
「あ、シェリルくん……
やっぱり、女神さまが言ってた通り白馬の王子さまが迎えに来てくれたのね……」
「えっ、女神さま……?
サクラさんも、ボクと同じ女神さまに会ったの……?」
どうやら、2人は同じ女神さまに会っていた様なんです。
女神さまが、きぐるみを着ていた事。
女神さまから、シャンパンゴールドの光の帯を貰った事。
あまりにも共通項が多いので、2人ともビックリしています。
あー、疲れたぁー!と言い、2人は草の上に寝っ転がります。
柔らかい草の上は、まるでふかふかの布団みたいで寝っ転がると気持ちいいです。
それに、先ほどワープホールでケルピーのウォーターシュラフの水分を吸い取った時にサクラのビチョビチョに濡れていた服の水分も一緒に吸い取ってくれたので……
肌触りがサラサラで、柔らかい草の絨毯に身を包ませてサクラもゴキゲンです。
「サクラさん、上を見てごらんよ!
いっぱいキラキラしてる、アレってなぁに?」
シェリルに促されて、サクラも寝転んだまま上を見ます。
そこにあるのは、真夏の夜に広がる満点の星空です!
中央にあるのは大きな天の川、そして向こうにあるのは……
琴座のベガ、鷲座のアルタイル、白鳥座のデネブ、そう『夏の大3角形』です!
「シェリルくん、あれは “ お星さま ” って言うの。
本当は、見えてる以上にずっとずうっと遠い所で光り輝いているのよ。」
「ひょっとすると、あのキラキラの中のひとつにボクの住んでる世界もあったりしてね♪」
シェリルがそう言うと、寝っ転がったまま2人で見つめ合いくふふっと笑い合います。
「ボクが住んでる世界では、空にお日さまが2つ見えてるの。
おっきい紅い星が『恒星ミモザ』って言って、ちっさい蒼白い星が『衛星ルミナ』って言うんだよ。
2つのお日さまはいつも追いかけっこしていて、遠出をしている間だけ空は真っ暗になるんだよね。」
しばらく星空を楽しんだ後に突然シェリルは半身を起こし、両膝をついてサクラの身体を挟み……
両腕の間に寝そべっているサクラの頭が来る様に、両手を置きます。
サクラの目と鼻の先にシェリルの顔が迫って来ます!
鼻息が顔にかかりそうなくらいシェリルの顔が超至近距離にあるので、サクラはもうドキドキが止まりません……
そんな中、どちらとも無く言い出します。
「さ、サクラさん!」
「ねぇ、シェリル……」
言葉が出たタイミングは、2人同時でした。
「サクラさん、好きです。
これからもずっと、ダダ甘♡な愛をボクに下さいっ!」
寝そべったサクラの両瞳からは、感激の涙が次から次へと筋の様に流れ落ちて止まりません。
「ワタシも好きよ、シェリル!
ダダ甘♡に愛してあげるからねっ!
それと、これからは……サクラって呼んでね♡」
そして、2人は……
許嫁になると決めて、シェリルの背中を追いかけ続けたサクラ……
ついに、本当の恋人同士になれたんです!
今度は水の尻尾、そしてケルピーの体躯を取り巻く『水の加護』を吸い取り始めました。
全身の水を吸い取られ終わった頃には、ケルピー自身も瀕死でピクピク……
後は例のあの手にワープホールへと連れて行かれ、一貫の終わりでした。
しかし、シェリルには時間がありません。
失神したサクラを救出するまでに要した時間は約3分!
その間、サクラはずっと首を絞められ溺れたままだったんです。
でも、サクラはとても運がいいです。
なぜなら、首を締められ失神してから溺れたからです。
失神して仮死状態になると、一度に脳へ送られる酸素量が減少します。
つまり、限界時間の2分を超えて3分経った今でも蘇生措置が間に合う可能性があるんです!
氷の湖の下に長時間沈んだ女の子が、低体温症による仮死状態のお陰で蘇生出来たって実話もあるくらいですから。
ココはもう、人工呼吸しかないよ……!
腹が据われば、もう迷いは有りませんでした。
1……2……3……4……5……
6……7……8……9……10……
まず、両手を重ねて胸の心臓の上辺りを一定リズムで10回押します。
その後に、口移しで空気を肺に送ります。
ゴメン、サクラ……
ファーストキス、ボクが貰うね……
これを何セットも、ココロを込めて丁寧に繰り返します!
すると……
ふあぁぁ……!
とサクラが息を吹き返し、ゆっくり目を開けたんです!
「サクラさん、ボクの事分かりますか?」
サクラは、少し頬を染めて答えます。
「あ、シェリルくん……
やっぱり、女神さまが言ってた通り白馬の王子さまが迎えに来てくれたのね……」
「えっ、女神さま……?
サクラさんも、ボクと同じ女神さまに会ったの……?」
どうやら、2人は同じ女神さまに会っていた様なんです。
女神さまが、きぐるみを着ていた事。
女神さまから、シャンパンゴールドの光の帯を貰った事。
あまりにも共通項が多いので、2人ともビックリしています。
あー、疲れたぁー!と言い、2人は草の上に寝っ転がります。
柔らかい草の上は、まるでふかふかの布団みたいで寝っ転がると気持ちいいです。
それに、先ほどワープホールでケルピーのウォーターシュラフの水分を吸い取った時にサクラのビチョビチョに濡れていた服の水分も一緒に吸い取ってくれたので……
肌触りがサラサラで、柔らかい草の絨毯に身を包ませてサクラもゴキゲンです。
「サクラさん、上を見てごらんよ!
いっぱいキラキラしてる、アレってなぁに?」
シェリルに促されて、サクラも寝転んだまま上を見ます。
そこにあるのは、真夏の夜に広がる満点の星空です!
中央にあるのは大きな天の川、そして向こうにあるのは……
琴座のベガ、鷲座のアルタイル、白鳥座のデネブ、そう『夏の大3角形』です!
「シェリルくん、あれは “ お星さま ” って言うの。
本当は、見えてる以上にずっとずうっと遠い所で光り輝いているのよ。」
「ひょっとすると、あのキラキラの中のひとつにボクの住んでる世界もあったりしてね♪」
シェリルがそう言うと、寝っ転がったまま2人で見つめ合いくふふっと笑い合います。
「ボクが住んでる世界では、空にお日さまが2つ見えてるの。
おっきい紅い星が『恒星ミモザ』って言って、ちっさい蒼白い星が『衛星ルミナ』って言うんだよ。
2つのお日さまはいつも追いかけっこしていて、遠出をしている間だけ空は真っ暗になるんだよね。」
しばらく星空を楽しんだ後に突然シェリルは半身を起こし、両膝をついてサクラの身体を挟み……
両腕の間に寝そべっているサクラの頭が来る様に、両手を置きます。
サクラの目と鼻の先にシェリルの顔が迫って来ます!
鼻息が顔にかかりそうなくらいシェリルの顔が超至近距離にあるので、サクラはもうドキドキが止まりません……
そんな中、どちらとも無く言い出します。
「さ、サクラさん!」
「ねぇ、シェリル……」
言葉が出たタイミングは、2人同時でした。
「サクラさん、好きです。
これからもずっと、ダダ甘♡な愛をボクに下さいっ!」
寝そべったサクラの両瞳からは、感激の涙が次から次へと筋の様に流れ落ちて止まりません。
「ワタシも好きよ、シェリル!
ダダ甘♡に愛してあげるからねっ!
それと、これからは……サクラって呼んでね♡」
そして、2人は……
許嫁になると決めて、シェリルの背中を追いかけ続けたサクラ……
ついに、本当の恋人同士になれたんです!
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
きぐるみ♡女神伝
きぐるみんZ
ファンタジー
【ワタシ、日本一アキラメの悪い女神ですから!】
【ストーリー】
「何かを手に入れる為には、何か大切なモノを犠牲にしなくちゃダメなんです。」
生まれつき、少女は異世界の住人達と『闘う力』を持っていました。
なぜ少女は、普通の人には持ち得ない力を扱う事が出来るんでしょうか?
実は少女には……出生の秘密があったからなんです。
その秘密、一緒に紐解いて行きましょう。
ゆっくりと、ね……
【新しい技をリクエストして頂ければ、新技として登場するかも?】
『胸キュン♡流格闘術』……
それは、女の子らしい可愛らしさ、所作を最大限に活かした、しかし技の威力を疎かにしていない「女の子の、女の子による、女の子の為の」格闘術。
その中には、懇意にして頂いている読者さんのリクエストから生まれた技もあります。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる