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第1章.プロローグ
第14話.真の力へ覚醒します(その1)
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次の訓練は、顕現した武器でモンスターと闘ってみます。
「その言霊の剣を使って、まずは1匹モンスターと闘ってみましょ!」
コツは、どうやら自分の想いを持続的に持ち続ける事だそうです。
でも、シェリルも最初の内はモンスターを見る度に怯んじゃって、その度に言霊の剣が消失してしまい……
でも、何回もこの訓練を重ねるうちに……
シェリルが “ ある事 ” を思っていると、この剣が長い時間顕現してくれる事に気付いたんです!
それは……サクラの事なんです。
ひとつ目の訓練がきっかけで、サクラの事が常にチラチラ頭に過る様になって……
そして、決まってサクラの事が過る時に言霊の剣がいつまでも手に残るんです。
言霊の塊、「!」から出来た言霊の剣なのでモンスターを斬る、というより叩く攻撃をして……
「やったぁ~、無事に麻痺出来たねっ!
例のあの手が回収してくれたよ!」
こうして4日目から9日目まで順調に、モンスターを少しずつ元の異世界へ送り返して行ったんです。
10日目……
現在、シェリルとサクラはまた強敵と相対しています。
今度の強敵は、妖精族のケルピーです。
ケルピーとは、水の妖精がウマの形を型取ったモンスターです。
上半身がウマ、下半身が魚になっています。
「頭の上に小さいハートなんて乗せちゃって、カ~ワイイっ♡」
シェリルにはそれらしきモノは何も見えず、サクラの言葉が何の事かチンプンカンプンです。
「シェリルくんは、テイム系のスキルってある?」
シェリルは、フルフルと首を横に振ります。
「じゃあ、シェリルくんには関係無いわね。
ハートの視える人が闘ったら、勝つと100%テイム出来るのよ!」
するとケルピーは、体躯をくねらせS字蛇行でシェリル達に襲いかかって来たんです!
「せいやっ!」
シェリルは、言霊の剣を顕現させて身構えます。
顕現しやすい様に、とサクラが “ 空手の掛け声 ” を教えてくれたんです。
でも……
「ケルピーの『水の加護』に、シェリルくんの打撃系の武器は超絶に相性が悪いのよ。
今回は、ワタシの闘い方を見ていてね!」
剣をスムーズに顕現出来たのは誉めてあげるけど、今日は見ててね!
シェリルくんが見ていてくれると、勇気が湧くの……!
ケルピーは、力こそ強くは無いですが『水の加護』による素早さと鉄壁の守備が特徴です。
壁ドン♡では、この『水の加護』を突き破る事は難しそうですが……
「闘い方が進化したのはシェリルくんだけじゃないのよ!」
サクラはそう言って、突っ込んで来るケルピーに対して右腕を引いて力を溜めて待ち構えます。
自分の拳に違和感を感じたのは、前回のカーバンクルの時。
上空から自分の全体重を乗せて壁ドン♡を撃った時、当たった感触が今までとは違ったんです。
あの時は、不慣れな不安定な撃ち方をしてたよね……
どんな撃ち方をしたのかしら?
あの時以来、ずっとその時の壁ドン♡の撃ち方を思い出し、模索していたんです。
でも、今なら再現出来るよね……!
いっぱい練習したんだもの!
サクラがどれだけ練習していたかは、パートナーとして一緒に練習に付き合っていたシェリルが一番よく分かっています。
いけっ、サクラっ!
今こそ、練習の成果を発揮する時だよ!
「はあぁっ、壁ドン♡……ブレットぉ!」
そう言ってサクラは、気を溜めた掌底突きを……
右腕を弾丸の様に捻り出しながらケルピーにぶつけたんです!
何と、サクラの壁ドン♡ブレットはケルピーの『水の加護』をも突き破り、頭の角をへし折ったんです!
「クッ……やるじゃないの、小娘ぇっ!
じゃあ、コレならどうよっ!」
ケルピーは知能も高く、喋る事も出来ます。
喋れるという事は、当然……
「行くわよ……水滴の魔弾!」
ボシュッ……!ボシュッ……!
魔法も使えるワケです。
サクラもシェリルから受け取った言霊の塊を目の前に放り投げ、
「シェリルくんを残してやられる訳には行かないのよ……壁ドン♡!」
と掌底突きで破砕し、ブロックの弾丸として飛ばして相殺します。
しかし、全くの相殺という訳には行きませんでした。
水滴の弾丸は、相殺された時に空気と混ざって霧を作り出したんです。
サクラの周りは360度霧に包まれ、視界が完全にホワイトアウトしてしまいました。
ケルピーが、自分の背後に迫っているのにも気付かずに……
「その言霊の剣を使って、まずは1匹モンスターと闘ってみましょ!」
コツは、どうやら自分の想いを持続的に持ち続ける事だそうです。
でも、シェリルも最初の内はモンスターを見る度に怯んじゃって、その度に言霊の剣が消失してしまい……
でも、何回もこの訓練を重ねるうちに……
シェリルが “ ある事 ” を思っていると、この剣が長い時間顕現してくれる事に気付いたんです!
それは……サクラの事なんです。
ひとつ目の訓練がきっかけで、サクラの事が常にチラチラ頭に過る様になって……
そして、決まってサクラの事が過る時に言霊の剣がいつまでも手に残るんです。
言霊の塊、「!」から出来た言霊の剣なのでモンスターを斬る、というより叩く攻撃をして……
「やったぁ~、無事に麻痺出来たねっ!
例のあの手が回収してくれたよ!」
こうして4日目から9日目まで順調に、モンスターを少しずつ元の異世界へ送り返して行ったんです。
10日目……
現在、シェリルとサクラはまた強敵と相対しています。
今度の強敵は、妖精族のケルピーです。
ケルピーとは、水の妖精がウマの形を型取ったモンスターです。
上半身がウマ、下半身が魚になっています。
「頭の上に小さいハートなんて乗せちゃって、カ~ワイイっ♡」
シェリルにはそれらしきモノは何も見えず、サクラの言葉が何の事かチンプンカンプンです。
「シェリルくんは、テイム系のスキルってある?」
シェリルは、フルフルと首を横に振ります。
「じゃあ、シェリルくんには関係無いわね。
ハートの視える人が闘ったら、勝つと100%テイム出来るのよ!」
するとケルピーは、体躯をくねらせS字蛇行でシェリル達に襲いかかって来たんです!
「せいやっ!」
シェリルは、言霊の剣を顕現させて身構えます。
顕現しやすい様に、とサクラが “ 空手の掛け声 ” を教えてくれたんです。
でも……
「ケルピーの『水の加護』に、シェリルくんの打撃系の武器は超絶に相性が悪いのよ。
今回は、ワタシの闘い方を見ていてね!」
剣をスムーズに顕現出来たのは誉めてあげるけど、今日は見ててね!
シェリルくんが見ていてくれると、勇気が湧くの……!
ケルピーは、力こそ強くは無いですが『水の加護』による素早さと鉄壁の守備が特徴です。
壁ドン♡では、この『水の加護』を突き破る事は難しそうですが……
「闘い方が進化したのはシェリルくんだけじゃないのよ!」
サクラはそう言って、突っ込んで来るケルピーに対して右腕を引いて力を溜めて待ち構えます。
自分の拳に違和感を感じたのは、前回のカーバンクルの時。
上空から自分の全体重を乗せて壁ドン♡を撃った時、当たった感触が今までとは違ったんです。
あの時は、不慣れな不安定な撃ち方をしてたよね……
どんな撃ち方をしたのかしら?
あの時以来、ずっとその時の壁ドン♡の撃ち方を思い出し、模索していたんです。
でも、今なら再現出来るよね……!
いっぱい練習したんだもの!
サクラがどれだけ練習していたかは、パートナーとして一緒に練習に付き合っていたシェリルが一番よく分かっています。
いけっ、サクラっ!
今こそ、練習の成果を発揮する時だよ!
「はあぁっ、壁ドン♡……ブレットぉ!」
そう言ってサクラは、気を溜めた掌底突きを……
右腕を弾丸の様に捻り出しながらケルピーにぶつけたんです!
何と、サクラの壁ドン♡ブレットはケルピーの『水の加護』をも突き破り、頭の角をへし折ったんです!
「クッ……やるじゃないの、小娘ぇっ!
じゃあ、コレならどうよっ!」
ケルピーは知能も高く、喋る事も出来ます。
喋れるという事は、当然……
「行くわよ……水滴の魔弾!」
ボシュッ……!ボシュッ……!
魔法も使えるワケです。
サクラもシェリルから受け取った言霊の塊を目の前に放り投げ、
「シェリルくんを残してやられる訳には行かないのよ……壁ドン♡!」
と掌底突きで破砕し、ブロックの弾丸として飛ばして相殺します。
しかし、全くの相殺という訳には行きませんでした。
水滴の弾丸は、相殺された時に空気と混ざって霧を作り出したんです。
サクラの周りは360度霧に包まれ、視界が完全にホワイトアウトしてしまいました。
ケルピーが、自分の背後に迫っているのにも気付かずに……
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