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Chapter1 オタクに優しいギャルはいるかわからないけど、ギャルに優しいオタクはいる
エピローグ あるいはだれかのプロローグ
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これですべてを終わらせる。
彼は刀を握る手に力を込め直す。次が最後の攻防になるだろう。それは、相対している彼奴――漆黒の鎧に身を包んだ巨躯の王も理解しているようだ。互いの隙をうかがう。勝負は一瞬。踏み込むは同時。
閃光のような突きが煌めいたと思った瞬間には、二人の立ち位置が入れ替わっていた。背を向けたまま立ち尽くす二人だったが、やがて王が先に膝を突いた。
そしてそのまま倒れ伏す。
「見事、ダ……。人間、ヨ……」
「……うん。あんたも相当強かったよ」
王の巨躯が、光の粒となって消えていく。空高く昇っていくその様は、まさしく昇天と言えた。彼はそれを見送ると、刀を鞘に納めて座り込む。
「……さて、と。これからどうすっかなー」
周囲を見回す。そこにはただ、真っ白な大地が果てもなく続いているだけだった。どこに行ってもこの光景は変わらないだろう。文字通り、自分はこの世界にたった一人になってしまったというわけだ。
「『メッセージ』」
その言葉で、彼の前にメニューウインドウが開く。その一番上に、「Congratulation!」と書かれた未開封のメッセージがあったので、彼はその文字を指で叩く。
すると表示されたのは、「おめでとうございます!! あなたは最終ボスの討伐に成功しました!! これにより、すべてのダンジョンの踏破を達成いたしました!! 報酬を受け取りますか?」というメッセージだった。
報酬、ねぇ……。少しだけ興味が湧いた。表示された選択肢から、「はい」を選択する。するとウインドウが消え、彼の手元で光が弾ける。その眩さに思わず目を閉じる。
次に目を開けると、そこには一冊の本があった。中空に浮かぶその本の下には、「転生の書を手に入れました。」という簡素なメッセージウインドウが添えられていた。
「転生の書?」
それを手に取ってみる。見た目は普通のハードカバーの本だ。中を開いても、何も書かれていない。真っ白なページが続いているだけだ。
だが、最後のページにはこう書かれていた。
「あなたは、人生をやり直したいですか……?」
読み上げると、本が勝手に動き出す。ページがどんどんめくれていき、最初のページに戻っていく。そして、さきほどは何も書かれていなかったはずのそこには、「転生の書 あなたは一度だけ、人生をやり直すことができます」と書かれていたのだ。
ページをめくれば、そこにもしっかりと記述がある。彼は気持ちがはやるのを自覚しつつも順番に読み進めた。
「なるほどな」
要約するとこれは、この『転生の書』というアイテムの効果説明だ。これを使えば、一度だけ時間を巻き戻すことができる。巻き戻せるのは、世界にダンジョンが出現する直前。なお、すべてのダンジョンは踏破された状態で、彼のステータスや能力はすべて現在値のまま。記憶も自分だけが引き継いだ状態になる。
都合がよすぎて眉唾物だ。信じることはできない。
できないが、面白そうだと思っている自分もいる。
「どうせこのままじゃ一人っきりだし。……やってみるか!」
彼は『転生の書』を使用することに決めた。
すると、本からさきほどよりも強い光が瞬いた。視界はあっという間に真っ白になり、そしてそのまま彼の意識は光の中に呑み込まれていった。
彼は刀を握る手に力を込め直す。次が最後の攻防になるだろう。それは、相対している彼奴――漆黒の鎧に身を包んだ巨躯の王も理解しているようだ。互いの隙をうかがう。勝負は一瞬。踏み込むは同時。
閃光のような突きが煌めいたと思った瞬間には、二人の立ち位置が入れ替わっていた。背を向けたまま立ち尽くす二人だったが、やがて王が先に膝を突いた。
そしてそのまま倒れ伏す。
「見事、ダ……。人間、ヨ……」
「……うん。あんたも相当強かったよ」
王の巨躯が、光の粒となって消えていく。空高く昇っていくその様は、まさしく昇天と言えた。彼はそれを見送ると、刀を鞘に納めて座り込む。
「……さて、と。これからどうすっかなー」
周囲を見回す。そこにはただ、真っ白な大地が果てもなく続いているだけだった。どこに行ってもこの光景は変わらないだろう。文字通り、自分はこの世界にたった一人になってしまったというわけだ。
「『メッセージ』」
その言葉で、彼の前にメニューウインドウが開く。その一番上に、「Congratulation!」と書かれた未開封のメッセージがあったので、彼はその文字を指で叩く。
すると表示されたのは、「おめでとうございます!! あなたは最終ボスの討伐に成功しました!! これにより、すべてのダンジョンの踏破を達成いたしました!! 報酬を受け取りますか?」というメッセージだった。
報酬、ねぇ……。少しだけ興味が湧いた。表示された選択肢から、「はい」を選択する。するとウインドウが消え、彼の手元で光が弾ける。その眩さに思わず目を閉じる。
次に目を開けると、そこには一冊の本があった。中空に浮かぶその本の下には、「転生の書を手に入れました。」という簡素なメッセージウインドウが添えられていた。
「転生の書?」
それを手に取ってみる。見た目は普通のハードカバーの本だ。中を開いても、何も書かれていない。真っ白なページが続いているだけだ。
だが、最後のページにはこう書かれていた。
「あなたは、人生をやり直したいですか……?」
読み上げると、本が勝手に動き出す。ページがどんどんめくれていき、最初のページに戻っていく。そして、さきほどは何も書かれていなかったはずのそこには、「転生の書 あなたは一度だけ、人生をやり直すことができます」と書かれていたのだ。
ページをめくれば、そこにもしっかりと記述がある。彼は気持ちがはやるのを自覚しつつも順番に読み進めた。
「なるほどな」
要約するとこれは、この『転生の書』というアイテムの効果説明だ。これを使えば、一度だけ時間を巻き戻すことができる。巻き戻せるのは、世界にダンジョンが出現する直前。なお、すべてのダンジョンは踏破された状態で、彼のステータスや能力はすべて現在値のまま。記憶も自分だけが引き継いだ状態になる。
都合がよすぎて眉唾物だ。信じることはできない。
できないが、面白そうだと思っている自分もいる。
「どうせこのままじゃ一人っきりだし。……やってみるか!」
彼は『転生の書』を使用することに決めた。
すると、本からさきほどよりも強い光が瞬いた。視界はあっという間に真っ白になり、そしてそのまま彼の意識は光の中に呑み込まれていった。
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