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自然消滅しそうな彼氏ー4
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「桃花ー。今日は一緒に帰れる?」
リテールグループのオフィス内で、白河君が聞いてくる。
「コラっ、白河君。 紅先輩でしょ?」
小声で注意するが、白河君は構わず私の手を握って、磨きがかかってきた微笑みを浮かべる。
白河君が異動してきて1ヶ月が過ぎた。
私の営業に同行させずに、白河君1人で数件の営業先に行ってもらうこともある。
新人研修の1ヶ月で独り立ちなんて、異例中の異例だ。
客先では、白河君の誠実な対応に「またあのイケメンの子がいい」と言われることもある。
あの初日の小さな声と、人見知りな感じはどこへ行ってしまったのか。
お客様に対しては、私の営業スマイルを完コピしているように、ニコニコと笑顔でハツラツとしている。
社内では基本的に無表情なんだけど、周りのスタッフにもなじんでくれて、白河君は仕事でもしっかりと成績を伸ばしつつ、毎日私のことを溺愛してくる。
「紅白コンビー、いちゃいちゃすんなよー」
豊崎グループ長が、いつもの大きな声で言うと、同僚たちもクスクスと笑う。
「もう! 私はいちゃいちゃなんてしてませんからっ。
白河君も仕事が終わったのなら、さっさと帰りなさいよ」
私はちょっと赤くなって、白河君が握ってきた手を離して資料作成の続きをやり始めた。
「何か手伝おうか?」
「いいよ、大丈夫。自分でやらなきゃいけない仕事だから」
パソコン画面から目を離さずに答える。
周りの目も気になって、白河君に対していつも素っ気ない態度になっちゃうな。
でも手伝うって言ってくれてるのに、顔も見ずに断るなんて、さすがに態度悪いか。
反省して白河君を見上げると、タレ目がちのきれいな瞳をキラキラさせながら、私のデスクに片手をついて耳元でささやいた。
「無理しないでね、桃花。
帰るときは連絡して。
夜に可愛い桃花が1人で歩くなんて危ないから、迎えに来る」
私のことを抱きしめそうな勢いで近づく白河君を、押しやりながら帰るように促した。
「わー、もう! ここは会社だっつーのっ。
私は先輩であって、彼女じゃないから!
1人で大丈夫だから。
また来週っ」
会社から帰ったのに、また会社に迎えに来てくれるとか過保護すぎる。
というか今現在、彼氏と自然消滅しそうになっている私が、他の誰かと付き合うなんてまだ早いよ。
リテールグループのオフィス内で、白河君が聞いてくる。
「コラっ、白河君。 紅先輩でしょ?」
小声で注意するが、白河君は構わず私の手を握って、磨きがかかってきた微笑みを浮かべる。
白河君が異動してきて1ヶ月が過ぎた。
私の営業に同行させずに、白河君1人で数件の営業先に行ってもらうこともある。
新人研修の1ヶ月で独り立ちなんて、異例中の異例だ。
客先では、白河君の誠実な対応に「またあのイケメンの子がいい」と言われることもある。
あの初日の小さな声と、人見知りな感じはどこへ行ってしまったのか。
お客様に対しては、私の営業スマイルを完コピしているように、ニコニコと笑顔でハツラツとしている。
社内では基本的に無表情なんだけど、周りのスタッフにもなじんでくれて、白河君は仕事でもしっかりと成績を伸ばしつつ、毎日私のことを溺愛してくる。
「紅白コンビー、いちゃいちゃすんなよー」
豊崎グループ長が、いつもの大きな声で言うと、同僚たちもクスクスと笑う。
「もう! 私はいちゃいちゃなんてしてませんからっ。
白河君も仕事が終わったのなら、さっさと帰りなさいよ」
私はちょっと赤くなって、白河君が握ってきた手を離して資料作成の続きをやり始めた。
「何か手伝おうか?」
「いいよ、大丈夫。自分でやらなきゃいけない仕事だから」
パソコン画面から目を離さずに答える。
周りの目も気になって、白河君に対していつも素っ気ない態度になっちゃうな。
でも手伝うって言ってくれてるのに、顔も見ずに断るなんて、さすがに態度悪いか。
反省して白河君を見上げると、タレ目がちのきれいな瞳をキラキラさせながら、私のデスクに片手をついて耳元でささやいた。
「無理しないでね、桃花。
帰るときは連絡して。
夜に可愛い桃花が1人で歩くなんて危ないから、迎えに来る」
私のことを抱きしめそうな勢いで近づく白河君を、押しやりながら帰るように促した。
「わー、もう! ここは会社だっつーのっ。
私は先輩であって、彼女じゃないから!
1人で大丈夫だから。
また来週っ」
会社から帰ったのに、また会社に迎えに来てくれるとか過保護すぎる。
というか今現在、彼氏と自然消滅しそうになっている私が、他の誰かと付き合うなんてまだ早いよ。
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