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思い出せない思い出ー1
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「ん……美味しい。このお味噌汁」
カツオ出汁の優しい風味が香る味噌汁は、二日酔いの身体に染みわたる。
「よかった」
黒を基調としたモデルルームみたいな部屋で、ダイニングテーブル越しのイケメンが、ふわっと微笑んだ。
うっ、まぶしいっ。
お酒を飲み過ぎて頭が痛い私には、上手に笑えている爽やかな白河君がまぶしすぎる。
顔を隠すように、またお椀を傾けて味噌汁をすすった。
ーーーー
何も身にまとっていない状態で、白河君の自宅ベッドで目が覚めた私。
なぜか私に愛の告白をして、興奮していた白河君には、どうにか落ち着いてもらいベッドから離れる。
そして、パンツやブラジャーまで洗濯して、浴室乾燥機で乾かした服を受け取った。
下着まで洗ってもらったことに、ますます頭が痛くなる。
急いで着替えてから、なぜここにいるのかをもう一度説明してもらった。
聞けば聞くほど、覚えのないことに青ざめる。
二次会でダーツバーに行ったのは、覚えているんだ。
だけどそこでは、1杯目のビールグラスの後に、なんとかアイスティーって名前の付いたカクテルを半分飲んだくらいまでしか記憶にない。
「白河君、本当にご迷惑おかけして、申し訳ありませんでした!」
私は顔から火が出そうなほど恥ずかしくて、床に手をついて謝った。
教育係なのに、酔っぱらいの介抱までさせてしまって、どう謝っていいかわからない。
「全然、迷惑じゃないよ。
だって、桃花は俺の彼女だし」
白河君は、私が指導済みの極上笑顔を見せた。
「あの……白河君?
その、私と白河君が付き合うって、冗談だよね?」
さっきも『朝食前に、桃花を食べたい』だなんて、会社での無表情な白河君からは、想像もつかないことを言われた。
いや……、みんなの前で『おっぱいが大好き』なんて言う人だから、こういう発言も、もしかして白河君にとっては普通?
新人の白河君のことが、ますますわからなくなってくる。
「全部本当だよ。
桃花、椅子に座って。とりあえず、冷めないうちに食べようか」
2人用のダイニングテーブルには、美味しそうな朝食が並んでいて、向かい合って座った。
お味噌汁、おいし……。
----
「桃花、何度でも言うよ」
玉子焼きや、冷ややっこ、焼きタラコの乗ったご飯に、私の箸が進む様子を安心したように見ていた白河君が、箸を置いて姿勢を正した。
カツオ出汁の優しい風味が香る味噌汁は、二日酔いの身体に染みわたる。
「よかった」
黒を基調としたモデルルームみたいな部屋で、ダイニングテーブル越しのイケメンが、ふわっと微笑んだ。
うっ、まぶしいっ。
お酒を飲み過ぎて頭が痛い私には、上手に笑えている爽やかな白河君がまぶしすぎる。
顔を隠すように、またお椀を傾けて味噌汁をすすった。
ーーーー
何も身にまとっていない状態で、白河君の自宅ベッドで目が覚めた私。
なぜか私に愛の告白をして、興奮していた白河君には、どうにか落ち着いてもらいベッドから離れる。
そして、パンツやブラジャーまで洗濯して、浴室乾燥機で乾かした服を受け取った。
下着まで洗ってもらったことに、ますます頭が痛くなる。
急いで着替えてから、なぜここにいるのかをもう一度説明してもらった。
聞けば聞くほど、覚えのないことに青ざめる。
二次会でダーツバーに行ったのは、覚えているんだ。
だけどそこでは、1杯目のビールグラスの後に、なんとかアイスティーって名前の付いたカクテルを半分飲んだくらいまでしか記憶にない。
「白河君、本当にご迷惑おかけして、申し訳ありませんでした!」
私は顔から火が出そうなほど恥ずかしくて、床に手をついて謝った。
教育係なのに、酔っぱらいの介抱までさせてしまって、どう謝っていいかわからない。
「全然、迷惑じゃないよ。
だって、桃花は俺の彼女だし」
白河君は、私が指導済みの極上笑顔を見せた。
「あの……白河君?
その、私と白河君が付き合うって、冗談だよね?」
さっきも『朝食前に、桃花を食べたい』だなんて、会社での無表情な白河君からは、想像もつかないことを言われた。
いや……、みんなの前で『おっぱいが大好き』なんて言う人だから、こういう発言も、もしかして白河君にとっては普通?
新人の白河君のことが、ますますわからなくなってくる。
「全部本当だよ。
桃花、椅子に座って。とりあえず、冷めないうちに食べようか」
2人用のダイニングテーブルには、美味しそうな朝食が並んでいて、向かい合って座った。
お味噌汁、おいし……。
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「桃花、何度でも言うよ」
玉子焼きや、冷ややっこ、焼きタラコの乗ったご飯に、私の箸が進む様子を安心したように見ていた白河君が、箸を置いて姿勢を正した。
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