27 / 44
赤毛の狼
しおりを挟む
庭園を一人でのんびり歩きながら綺麗な花びらが落ちてないか探してみるけど、欲しいと思ったときに無いのが世の常だよな。
ドンさんやミレーさんにお願いしたら花を切り分けてくれるかもしれないけど、それはちょっともったいないしな。咲いてる花は、やっぱり咲いているまま見ていたいんだ。
ちょっと西の森の入り口付近まで足をのばしてみる。確か小さくて青い花の群生地があったんだよな。前に湖までピクニックに行ったときに見つけて、すごく可愛かったから覚えていた。
集中して足元ばかり見ていたから、それの存在に気づいたのは森に入ってからだった。
木の陰から覗く赤い尻尾……えっ?と思って木陰を覗き込むと、そこには燃えるような赤い毛並みの狼が横たわっていた。
体長が俺ほどまであるんだが……どうしよう、めちゃくちゃ怖い。異世界の動物ってこんなにでかいの?
狼は耳をぴくぴく動かしたかと思うと、鋭い緑目を開けてこちらをじっと見た。この森みたいな、透き通るような緑色。
しばらく睨み合いながら、内心は走りだしたいのをぐっと堪えていた。俺の脳内で昔見たサバイバル番組の内容が走馬灯のように駆け巡る。野生の動物と遭遇した時は背中を見せちゃいけないって言ってたよな。
でもたぶん、この狼がその気になればそんなこと気にする暇もなく一瞬で屠られる。
狼はしばらくこちらを観察していたけど、俺に敵意がないとわかったからかそれとも興味がなくなったのか前足に顎を乗せて目を閉じた。耳だけはピンと後ろに立てていて、完全には警戒を解いていないことがわかる。
じり、とゆっくり後退しかけたとき、ふと狼の脇腹が赤黒くなっていることに気づく。赤毛だからよく目を凝らさないとわからなかった。
「……怪我、してるのか?」
思わず声に出してしまって、はっと口をつぐむ。息を詰めて様子を伺うけど、反応がない。
ゆっくりと後退しながら、狼が見えなくなるまで離れられたことを確認する。踵を返して一気に走りだしたけど、心臓がどくどくとうるさくて早く走れない。
足をもつれさせながら森を抜けて、庭園の四阿まで戻ってくると心底安心した。こ、怖かった!もう二度と一人では森に入らないぞ。
座り込んで息を整えて……気になる。あの怪我、気になるぞ。どうしよう。今ロイスとレオンハルトは騎士団で婚約式当日の教会周辺の警備担当を決めているし、オーランドは王宮だし。セバスチャンに聞いてみようかなって屋敷中探し回ったけどいない。とりあえず部屋に戻ると、部屋に置いてある簡易救急箱を見つけてしまった。見つけてしまったら、居ても立っても居られない。その小さな箱を持ってもう一度森に向かった。
怖いのに、どうしても気になっちゃうんだ。あのまま放っておくことができない。
恐る恐るさっきの場所まで行くと……いた。さっきよりぐったりしてる気がする。もしかして傷が深くて動けないのか?
足音や匂いで俺が来ることがわかっていたのか、狼がゆっくりと目を開ける。どうしてまた来た?みたいに驚いた顔が、なんだか人間くさくて可笑しかった。
「これ、傷薬!わかる?わからないよなぁ」
言葉が通じればいいのに。消毒液を出して掲げて見せるけど、目の前の狼は無関心だ。思いきって、腕を伸ばしてそろそろと鼻のそばまで持っていく。くん、と匂いを嗅いで嫌そうに顔を逸らした。
「これ傷につけてもいいか?包帯もあるから」
ゆっくり近づくけど、もう狼は動けないみたいだ。息が荒いし、脇腹が血だらけだ。こんなに出血して、死んじゃったりしないよな?
「消毒するぞ?」
確認しながら、じりじりと近づく。しなやかな筋肉が隆々と覆う立派な体格だ……こんな状況じゃなかったら、触れることなんてできなかっただろう。
気絶したのか、もう俺の声にも反応しなくなった。一瞬ひやりとしたけど、お腹は上下に動いてる。大丈夫、まだ生きてる。
もう大きな狼への恐怖は消えていて、慌てて駆け寄って傷口を確認する。ひどい、なにかに刺された傷なのか、縦にぱっくりと割れた傷口が見える。もう血は止まってるみたいだけど、結構深い傷だ。
持ってきたガーゼに消毒液を染み込ませて、それをゆっくりと傷口にあてていく。ぴくりと体が動いたけど、起きる気配はない。
もう一度清潔なガーゼに消毒液をばしゃばしゃと浸して、それを傷口に当てたら包帯を巻いて……って、でかいから巻けない!
狼の体を持ち上げたら絶対に傷口が開いちゃうから、包帯の端を持って狼の胸の下あたりから手を潜り込ませた。出来るだけ狼の体を動かしたくなくて、地面にぐっと自分の手を押し付けて潜らせる。ざりざりの土で手を盛大に擦りむいて痛い。ぐっと唇を噛んで痛みを堪えながらどうにかこうにか包帯を巻き終えて、詰めていた息を吐き出した。
こんなに出血してたら助からないんじゃないか?
ここまでひどい傷だと思わなかったから一人で戻ってきちゃったけど、心配になって急いで屋敷へと走りだした。やっぱり誰か助けを呼ぼう。縫わなきゃいけない傷だったら大変だ。
屋敷中走り回って、ロイスの執務室で書き物をしていたらしきセバスチャンを捕まえることができたのはいいんだけど、血だらけの俺を見てセバスチャンが卒倒しかけたのは言うまでもない。
「リト様!その血はっ⁉︎」
「大丈夫、俺の血じゃないんだ。森で狼が怪我してて、と、とにかく一緒に来て」
「狼……ですと?」
「そう!とにかく早く来て!ひどい怪我なんだ」
話してるとだんだん感情が昂って涙が出てくる。死んでしまうかもしれない、早く戻ってあげなきゃ。
昔ばあちゃんちで飼ってた犬を思い出す。茶色い雑種犬で、いつも全力で俺に甘えてきてくれた。抱きしめると枯れ草みたいな匂いがして、ぽかぽか温かい気持ちになれたんだ。名前はチョコ。チョコレート色だからかと思ったら、赤ちゃんの頃ちょこちょことよく動くからチョコにしたってばあちゃんが言ってた。
老衰で死んでしまった可愛いチョコ。冷たくなったチョコの背を撫でた日の、あの震えるような心の痛みが蘇る。
「は、早く助けに行ってあげなきゃっ」
「……わかりました。我々が向かいますから、リト様は部屋で身を清めてきてください」
「俺も一緒に行く」
「ですが……危険かもしれない場所にリト様を連れて行くわけには」
「俺も行きたい。お願い」
セバスチャンは心底困った顔をして、それでも護衛を数名連れて行くことで同意してくれた。
セバスチャン達を連れて急いで戻ったけど、そこにはもうあの大きな狼の姿はなかった。
赤い血溜まりだけが残っていて、すごい出血量だとわかる。その場で座り込んで動けなくなった俺にセバスチャンの落ち着いた声が届いた。
「その狼の怪我を治療したと?」
「うん。最初はそこまでひどい怪我してるって気づかなかったんだ。俺っ、もっと早く人を呼んでくれば良かったっ……っっ」
次々と涙があふれてくる。わかってる、あの狼はチョコじゃない。だけど死んでしまってたらどうしよう。
「リト様、狼は警戒心の強い動物ですから。動けたということはどこかに身を隠し傷を癒しているのでしょう」
大丈夫ですよ、と背中を優しく撫でられて、涙を拭って頷く。
戻りましょう、と促されて立ち上がると、血溜まりの中にきらりと光るなにかを見つけた。近づいて拾いあげると、それはあの狼の瞳の色のような、美しい緑色の石だった。
ドンさんやミレーさんにお願いしたら花を切り分けてくれるかもしれないけど、それはちょっともったいないしな。咲いてる花は、やっぱり咲いているまま見ていたいんだ。
ちょっと西の森の入り口付近まで足をのばしてみる。確か小さくて青い花の群生地があったんだよな。前に湖までピクニックに行ったときに見つけて、すごく可愛かったから覚えていた。
集中して足元ばかり見ていたから、それの存在に気づいたのは森に入ってからだった。
木の陰から覗く赤い尻尾……えっ?と思って木陰を覗き込むと、そこには燃えるような赤い毛並みの狼が横たわっていた。
体長が俺ほどまであるんだが……どうしよう、めちゃくちゃ怖い。異世界の動物ってこんなにでかいの?
狼は耳をぴくぴく動かしたかと思うと、鋭い緑目を開けてこちらをじっと見た。この森みたいな、透き通るような緑色。
しばらく睨み合いながら、内心は走りだしたいのをぐっと堪えていた。俺の脳内で昔見たサバイバル番組の内容が走馬灯のように駆け巡る。野生の動物と遭遇した時は背中を見せちゃいけないって言ってたよな。
でもたぶん、この狼がその気になればそんなこと気にする暇もなく一瞬で屠られる。
狼はしばらくこちらを観察していたけど、俺に敵意がないとわかったからかそれとも興味がなくなったのか前足に顎を乗せて目を閉じた。耳だけはピンと後ろに立てていて、完全には警戒を解いていないことがわかる。
じり、とゆっくり後退しかけたとき、ふと狼の脇腹が赤黒くなっていることに気づく。赤毛だからよく目を凝らさないとわからなかった。
「……怪我、してるのか?」
思わず声に出してしまって、はっと口をつぐむ。息を詰めて様子を伺うけど、反応がない。
ゆっくりと後退しながら、狼が見えなくなるまで離れられたことを確認する。踵を返して一気に走りだしたけど、心臓がどくどくとうるさくて早く走れない。
足をもつれさせながら森を抜けて、庭園の四阿まで戻ってくると心底安心した。こ、怖かった!もう二度と一人では森に入らないぞ。
座り込んで息を整えて……気になる。あの怪我、気になるぞ。どうしよう。今ロイスとレオンハルトは騎士団で婚約式当日の教会周辺の警備担当を決めているし、オーランドは王宮だし。セバスチャンに聞いてみようかなって屋敷中探し回ったけどいない。とりあえず部屋に戻ると、部屋に置いてある簡易救急箱を見つけてしまった。見つけてしまったら、居ても立っても居られない。その小さな箱を持ってもう一度森に向かった。
怖いのに、どうしても気になっちゃうんだ。あのまま放っておくことができない。
恐る恐るさっきの場所まで行くと……いた。さっきよりぐったりしてる気がする。もしかして傷が深くて動けないのか?
足音や匂いで俺が来ることがわかっていたのか、狼がゆっくりと目を開ける。どうしてまた来た?みたいに驚いた顔が、なんだか人間くさくて可笑しかった。
「これ、傷薬!わかる?わからないよなぁ」
言葉が通じればいいのに。消毒液を出して掲げて見せるけど、目の前の狼は無関心だ。思いきって、腕を伸ばしてそろそろと鼻のそばまで持っていく。くん、と匂いを嗅いで嫌そうに顔を逸らした。
「これ傷につけてもいいか?包帯もあるから」
ゆっくり近づくけど、もう狼は動けないみたいだ。息が荒いし、脇腹が血だらけだ。こんなに出血して、死んじゃったりしないよな?
「消毒するぞ?」
確認しながら、じりじりと近づく。しなやかな筋肉が隆々と覆う立派な体格だ……こんな状況じゃなかったら、触れることなんてできなかっただろう。
気絶したのか、もう俺の声にも反応しなくなった。一瞬ひやりとしたけど、お腹は上下に動いてる。大丈夫、まだ生きてる。
もう大きな狼への恐怖は消えていて、慌てて駆け寄って傷口を確認する。ひどい、なにかに刺された傷なのか、縦にぱっくりと割れた傷口が見える。もう血は止まってるみたいだけど、結構深い傷だ。
持ってきたガーゼに消毒液を染み込ませて、それをゆっくりと傷口にあてていく。ぴくりと体が動いたけど、起きる気配はない。
もう一度清潔なガーゼに消毒液をばしゃばしゃと浸して、それを傷口に当てたら包帯を巻いて……って、でかいから巻けない!
狼の体を持ち上げたら絶対に傷口が開いちゃうから、包帯の端を持って狼の胸の下あたりから手を潜り込ませた。出来るだけ狼の体を動かしたくなくて、地面にぐっと自分の手を押し付けて潜らせる。ざりざりの土で手を盛大に擦りむいて痛い。ぐっと唇を噛んで痛みを堪えながらどうにかこうにか包帯を巻き終えて、詰めていた息を吐き出した。
こんなに出血してたら助からないんじゃないか?
ここまでひどい傷だと思わなかったから一人で戻ってきちゃったけど、心配になって急いで屋敷へと走りだした。やっぱり誰か助けを呼ぼう。縫わなきゃいけない傷だったら大変だ。
屋敷中走り回って、ロイスの執務室で書き物をしていたらしきセバスチャンを捕まえることができたのはいいんだけど、血だらけの俺を見てセバスチャンが卒倒しかけたのは言うまでもない。
「リト様!その血はっ⁉︎」
「大丈夫、俺の血じゃないんだ。森で狼が怪我してて、と、とにかく一緒に来て」
「狼……ですと?」
「そう!とにかく早く来て!ひどい怪我なんだ」
話してるとだんだん感情が昂って涙が出てくる。死んでしまうかもしれない、早く戻ってあげなきゃ。
昔ばあちゃんちで飼ってた犬を思い出す。茶色い雑種犬で、いつも全力で俺に甘えてきてくれた。抱きしめると枯れ草みたいな匂いがして、ぽかぽか温かい気持ちになれたんだ。名前はチョコ。チョコレート色だからかと思ったら、赤ちゃんの頃ちょこちょことよく動くからチョコにしたってばあちゃんが言ってた。
老衰で死んでしまった可愛いチョコ。冷たくなったチョコの背を撫でた日の、あの震えるような心の痛みが蘇る。
「は、早く助けに行ってあげなきゃっ」
「……わかりました。我々が向かいますから、リト様は部屋で身を清めてきてください」
「俺も一緒に行く」
「ですが……危険かもしれない場所にリト様を連れて行くわけには」
「俺も行きたい。お願い」
セバスチャンは心底困った顔をして、それでも護衛を数名連れて行くことで同意してくれた。
セバスチャン達を連れて急いで戻ったけど、そこにはもうあの大きな狼の姿はなかった。
赤い血溜まりだけが残っていて、すごい出血量だとわかる。その場で座り込んで動けなくなった俺にセバスチャンの落ち着いた声が届いた。
「その狼の怪我を治療したと?」
「うん。最初はそこまでひどい怪我してるって気づかなかったんだ。俺っ、もっと早く人を呼んでくれば良かったっ……っっ」
次々と涙があふれてくる。わかってる、あの狼はチョコじゃない。だけど死んでしまってたらどうしよう。
「リト様、狼は警戒心の強い動物ですから。動けたということはどこかに身を隠し傷を癒しているのでしょう」
大丈夫ですよ、と背中を優しく撫でられて、涙を拭って頷く。
戻りましょう、と促されて立ち上がると、血溜まりの中にきらりと光るなにかを見つけた。近づいて拾いあげると、それはあの狼の瞳の色のような、美しい緑色の石だった。
728
お気に入りに追加
1,521
あなたにおすすめの小説
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
竜人の王である夫に運命の番が見つかったので離婚されました。結局再婚いたしますが。
重田いの
恋愛
竜人族は少子化に焦っていた。彼らは卵で産まれるのだが、その卵はなかなか孵化しないのだ。
少子化を食い止める鍵はたったひとつ! 運命の番様である!
番様と番うと、竜人族であっても卵ではなく子供が産まれる。悲劇を回避できるのだ……。
そして今日、王妃ファニアミリアの夫、王レヴニールに運命の番が見つかった。
離婚された王妃が、結局元サヤ再婚するまでのすったもんだのお話。
翼と角としっぽが生えてるタイプの竜人なので苦手な方はお気をつけて~。
君は番じゃ無かったと言われた王宮からの帰り道、本物の番に拾われました
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ココはフラワーテイル王国と言います。確率は少ないけど、番に出会うと匂いで分かると言います。かく言う、私の両親は番だったみたいで、未だに甘い匂いがするって言って、ラブラブです。私もそんな両親みたいになりたいっ!と思っていたのに、私に番宣言した人からは、甘い匂いがしません。しかも、番じゃなかったなんて言い出しました。番婚約破棄?そんなの聞いた事無いわっ!!
打ちひしがれたライムは王宮からの帰り道、本物の番に出会えちゃいます。
ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる