49 / 52
49
しおりを挟むそ、そういえばこの人……ヤンミンに屋根裏部屋で襲われた時もそうだったけど、足音とか気配、完璧に消して歩く人なんだった……!
「……」
ミーシャは質問には答えず、俺の着替えの上に手持ちのタオルをバサッと乱暴に置いた。
「……俺も入る」
えっえっ、何。俺がオナニーしてて遅いから、シャワー浴びるの待ちきれなくなっちゃった!?
「待ってごめん、今出るからっ、待って待ってっ」
「待てない」
ひええっ。
俺、お腹に精液付いちゃってるし、指はドロドロだし、せめて洗いたいんだけど……っ!?
というか、どこまで見たの、聞いたの、うわーっ。
パニック状態になっている内に、ミーシャが薄手の黒ニットを脱ぎ捨て、黒デニムと下着を放り、逞しい裸体を露わにして同じ浴槽の中に入って来る。
「わあっ……わーっ!」
全裸で腰の上を跨がれて、目のやり場がない。
何とかどいて貰わなくてはとミーシャの顔を見上げた途端、俺は固まってしまった。
あっ、……凄い……顔はいつもの冷静沈着なミーシャなのに、ガッチガチに勃起してる。
目の前の血管の浮いた巨根と感情の見えない静かな顔が同じ視界で結びつかなくて、何度も視線を行き来させてしまった。
えっと……何で?
現実感が無いまま、とにかく彼に断る。
「お、俺……出るから……どいて……」
ヘリを両手で掴んで浴槽から立ち上がろうとしたら、相手に肩をぐっと上から押さえつけられた。
「ちょっ」
結局浴槽に膝を曲げて寝転んだ元の姿勢に戻る。
せめて隅っこで縮こまるように膝を抱えると、浴槽の空いた部分にミーシャが腰を下ろし、同じ目線でじいっと見つめられた。
うぅっ、裸で見つめ合うとか、心臓がドキドキし過ぎて痛い……。
「マコト、これ何」
厳しい口調と共に、膝を抱えていた俺の右手首が無理矢理掴まれる。
切れ長の冷たい目が、白い粘液で汚れた俺の指を見ていた。
「せ、せいえき……です」
罪悪感で何故か敬語になってしまいながら、視線を外して答える。
「自慰をしてたのか?」
「は、はい……」
恥ずかしすぎて膝頭に顔を埋めながら、俺はどうにか質問に答えた。
「誰の名前を呼んでた」
「そ、それはっ、言えません……っ、……」
「言え」
ううっ、こ、これ完全にあれじゃないか。
スパイ映画でよく見る、拘束して尋問するシーン。
いや、俺はさっさと吐いて最初に殺されるチョイ役ってところだけど……。
「お前は俺の名前を呼んでただろう……違うか?」
責めるように詰問されながら、俺の両膝が掴まれ、ぐーっと浴槽の頭側の壁に向かって押し開かれた。
「あっ……」
左右のかかとが浮き、胸からお腹にかけてべっとりついた精液を見られて、恥ずかしくて死にそうになる。
「お前は前も後ろも両方いじりながら、いやらしく尻の穴を締め付けて俺を呼んでたな?」
「よ、呼びました……っ。ご、ごめんなさい……もう、許して下さい……」
半泣きで謝ったその時、ミーシャが俺の両膝の間に顔を埋め、ヘソ上から胸にかけてをべろりと舌で舐めた。
「!!!」
尋問からの突然の行為に、声にならない叫びを上げると、ミーシャが俺の両腿を掴んだまま覆い被さり、耳元に囁く。
「悪いが、もう一秒も我慢できない……っ」
「えっ」
驚いて聞き返す暇すらなく、俺のお尻の穴に、凶暴なくらいに勃起したペニスの先端が押し付けられた。
「嘘、っア……! えっ……んぁ……っ、ンぐぅ……っ!」
ギチギチと無理やり襞を押し開き、俺を犯していく、熱い欲望。
ふた晩かけてそれに何度も穿たれたことが記憶の中で蘇り、すでに幾らかはほぐれているそこが、どうにかミーシャを受け入れていく。
「みっ……しゃ、はぁあ、大きいっ、あ……っ!」
全然自覚は無かったけど、ミーシャの大きいのが最初から入っちゃうくらい、俺はやらしいカラダになっていたらしい。
「っふ……久々なのに、随分あっさり入るな……っ」
痛いし苦しいし、あっさりではないと思うけど、確かにこんな太いのがいきなり入ってしまってるなんて、いたたまれない。
「あっ、う……俺……っ、一人で、よくしてたから……っ、ごめんなさい……っ」
「……っ。もっと奥まで入れるぞ……!」
「ん、うん……っ」
はふっ、はふっと浅い呼吸を繰り返してソコを緩めて相手を迎え入れ、愛しさを込めて相手の首を抱く。
ミーシャもまた、切迫した呼吸を俺の肩越しに繰り返し、そして直ぐに、腰を激しく打ちつけ始めた。
「んはぁっ、み、っしゃ、ンッ、はげし、ああああっ」
愛撫もろくになく始まった獣みたいな交わりに、バスルーム中に響くような大きな喘ぎ声が止まらない。
何よりミーシャが俺に欲情してくれたのが嬉しすぎて、そして久々の、奥まで無遠慮に突かれて擦られる堪らない感覚に、腰から下がずっと痺れてるくらい気持ちよくて……。
気が付いたら後ろだけですぐに激しい絶頂に導かれて、俺はビクッビクッと痙攣しながらミーシャのペニスをお尻の穴でギュウギュウしぼっていた。
「はぁあ……っ、イク……っ、あぁ……すきっ、ミーシャ、好き……っ」
そう叫んだ瞬間、相手も俺の奥を擦りながら脈打ち、ビュウッ、ビュウッと精液を長く、激しく注ぎ込んできた。
「ぁ……はぁっ、……俺の中に出てる……っ、う、嬉しい……」
幸福感で涙が溢れる。
本物の彼とセックスしてるなんて夢みたいで。
いや、もしかしたらこれ、夢なのかも……だって、あんなに無表情でダンマリで、性欲なんか無さそうな大人のミーシャが、俺にこんなにがっついてるとか、あり得ない。
ミーシャがどんな顔をしているのか気になって、俺は固く抱きついていた腕を解き、長い金色の髪の貼りついた美貌を覗き込んだ。
白い肌が全部真っ赤に染まっていて、眉を寄せた、苦しそうな、でも、快楽に溺れかけた淫らな表情をしていて、あっと驚いた。
それは、俺を限界まで抱いたあの夜のミーシャと同じだったから。
やっと俺の知る彼に会えた気がしてむせび泣きそうになるのを我慢しながら、お願いした。
「ミーシャ、俺……っ、もっと、ベッドでちゃんと、したい……っ」
ミーシャが僅かに頷き、萎えきらないペニスがずるりと俺の中から抜けてゆく。
太く逞しい両腕が湯船の中で俺の膝をかかえ、しっかりと持ち上げた。
10
お気に入りに追加
241
あなたにおすすめの小説
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
Please,Call My Name
叶けい
BL
アイドルグループ『star.b』最年長メンバーの桐谷大知はある日、同じグループのメンバーである櫻井悠貴の幼なじみの青年・雪村眞白と知り合う。眞白には難聴のハンディがあった。
何度も会ううちに、眞白に惹かれていく大知。
しかし、かつてアイドルに憧れた過去を持つ眞白の胸中は複雑だった。
大知の優しさに触れるうち、傷ついて頑なになっていた眞白の気持ちも少しずつ解けていく。
眞白もまた大知への想いを募らせるようになるが、素直に気持ちを伝えられない。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
虐げられ聖女(男)なので辺境に逃げたら溺愛系イケメン辺境伯が待ち構えていました【本編完結】(異世界恋愛オメガバース)
美咲アリス
BL
虐待を受けていたオメガ聖女のアレクシアは必死で辺境の地に逃げた。そこで出会ったのは逞しくてイケメンのアルファ辺境伯。「身バレしたら大変だ」と思ったアレクシアは芝居小屋で見た『悪役令息キャラ』の真似をしてみるが、どうやらそれが辺境伯の心を掴んでしまったようで、ものすごい溺愛がスタートしてしまう。けれども実は、辺境伯にはある考えがあるらしくて⋯⋯? オメガ聖女とアルファ辺境伯のキュンキュン異世界恋愛です、よろしくお願いします^_^ 本編完結しました、特別編を連載中です!
35歳からの楽しいホストクラブ
綺沙きさき(きさきさき)
BL
『35歳、職業ホスト。指名はまだ、ありません――』
35歳で会社を辞めさせられた青葉幸助は、学生時代の後輩の紹介でホストクラブで働くことになったが……――。
慣れないホスト業界や若者たちに戸惑いつつも、35歳のおじさんが新米ホストとして奮闘する物語。
・売れっ子ホスト(22)×リストラされた元リーマン(35)
・のんびり平凡総受け
・攻めは俺様ホストやエリート親友、変人コック、オタク王子、溺愛兄など
※本編では性描写はありません。
(総受けのため、番外編のパラレル設定で性描写ありの小話をのせる予定です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる