堕ち神様は水守伯爵に溺愛される

 兄姉神との序列争いに嫌気が差して神格を放棄し、天界の主に引き取られてからのんべんだらりと怠惰な生活を満喫していた龍神・七瀬。
 五百年ほど怠惰に過ごしていた彼女に突然、転機が訪れる。

「貴女を地上界へ送ります」

 唐突に告げられ抵抗虚しく天上界から放り出されて落ちていく。

 ちょっと根暗で影がありつつも、当主としての責任を果たそうと奮闘する青年・エルヴィスに拾われ地上での衣食住は確保されたのだけど……。
 声を封じられ、神力が枯渇し権能を封じられ、挙げ句に獣人という未知の種族に姿を固定された七瀬。

「神格を取り戻せ」

 という天界の主からの課題を達成し、(不本意ながらも)神として再びこの世の平穏を護る柱となることができるのか……。



――そもそも"人の心を、感情を、儚さを"知って理解した者を"神"と呼べるのだろうか――? 
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