体が不自由な私と

3話

少女が辺りを見回すと泣いている両親を見つけた。
泣いている両親に声をかけようと、体を少し布団から出し半身を起き上げようとすると身体に違和感を感じた。
違和感の原因を確認しようと布団を少し捲し上げようとすると、直ぐに違和感の原因が分かった。

腕が無い。

余りの出来事に、理解が追い付かずに目眩を感じ、倒れ込むように布団に身を伏せた。
少女は、なんとか立ち上がろうと足を動かそうとするが感覚が無い。

次の瞬間、少女は、絶叫した。
不安や恐怖、理解が出来ないもどかしさから、絶望から声が自然と出た。
絶叫を聞き、少女が目覚めた事に気が付いた両親は、直ぐに近くに寄り添った。
だが、少女は絶望の声を弱める事は出来なかった。
出来る筈が無い。
大の大人でもこのような状況に陥れば、受け入れきれずに自暴自棄になる物だ。
それを、学生の少女に理解しよう等とほぼ不可能に近い事だ。
心が壊れてないか、もしくは精神が歪んでいないと到底無理な話だ。