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第一章 始まりの館

Chapter95 フィッシュハンバーガー

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マルフレーサが旅立ち、みんなが教会に出掛けた後、ノアセルジオが黒板に

今日のオススメ
ボニートのコトレッタ 20G
つぶ貝のサラダ 5G

と書いた。
みんなで価格を決めていないが、ノアセルジオが仕入れ値で決めた物だ。
「この値段でいい?」
そう聞くと、アルシャインとフィナアリスが頷いた。
「それと…今日はオクトパスが取れなかったらしいから、オクトパスとカランクスの唐揚げとアジフライとサラダっていうメニューは〝海の日替わり唐揚げフライセット〟って書き換えるのはどうかな?値段は30Gで。今日だと…赤イカとカランクスの唐揚げとアジフライとつぶ貝のサラダでどう?」
「すごくいいわ!ノアは名付けの天才ね!」
アルシャインが喜んで言うと、ノアセルジオは照れて書き直す。
するとフィナアリスも黒板を見ながら言う。
「白エビも取れない日があるかもしれないわよね…ステーキと白エビフライのセットも、ステーキとフライのセットって書き直した方が良くない?」
「そうね…白エビの他に何がステーキに合うかしら?」
アルシャインが聞くと、ノアセルジオとフィナアリスとカシアンが考える。
「ガツンと食えるなら、カランクスとかボニートも有りだよな~」とカシアン。
「…そうね、ステーキは男性の注文が多いから…大きめのフライなんかもいいかもね!」
「じゃあ〝ステーキとフライのセット〟に書き直すよ」
ノアセルジオが言い、それも書き直した。
「アイシャママ、持ち帰りの紙袋が無くなりそうだから作らないと…」とフィナアリス。
「持ち帰り用のボックスが欲しいよね…」
ボソリとノアセルジオが言う。
「そうね…箱があるといいわよね…よし、後でリサイクル屋さんと紙屋さんを見てくるわ!あ…みんなで行った方がいいかしら?」
アルシャインが聞くと、フィナアリスとノアセルジオが考える。
「お土産担当はティナジゼルやリナメイシー達だし…箱とか選びたいかもしれないわ…」とフィナアリス。
「そうだね。それに冷凍庫と冷蔵庫を買うなら、みんなも見たがるだろうね…僕が留守番してるから、行ってきていいよ」とノアセルジオ。
「ん~…みんなに聞いてから決めましょう」
アルシャインが言うと、朝の常連さん達が入ってきた。
「おはよう!」とロレッソ。
「おはようございます!」
みんなで笑顔で答える。
「そこの森がスチークスの保護区になるってな!見たら確かに虹色の防壁があったな!」
そうロレッソが言う。
「ええ!たくさんの人が通って行きましたよ!」
アルシャインはコーヒーを注いでレンガ職人のロレッソと鍛冶屋のエイデンと家具屋のダンヒルに出す。
「今日はボニートか!朝から魚もいいな…良し、ボニートのコトレッタと日替わりパスタとスープをくれ」とロレッソが注文する。
「俺は海の日替わり唐揚げフライセット!」とエイデンが注文する。
「俺はボニートのコトレッタとつぶ貝のサラダとパンとスープとソーセージで!」とダンヒルが注文する。
「はい、お待ち下さい!」
笑ってノアセルジオが伝票に書いてキッチンの伝票差しに刺しておく。
そこに、お客さんが入ってくる。
「いらっしゃいまーーせ…」
見ると、ドアの所に朝見た白いローブ姿の人が3人立っていた。
「済みません、こちらのマスターはいらっしゃいますか?」
先頭の男性が聞くと、キッチンでパスタを作りながらアルシャインが返事をする。
「はい私です!」
「あの…お忙しい中申し訳無いのですが…スチークスの事で……」
そう言い掛けると、その人達の後ろから近所の常連さんが覗き込んで言う。
「あんた達、客なら座ったらどうだ?そこに立ってたら邪魔だよ」
初老の男性が言うと、3人はおろつきながらも中に入って座る。
すると続々とお客さんが入ってきて、次々に注文が入る。
「ボニートとかカランクスのハンバーガーは無いの?」
常連さんが聞くと、揚げ物をしながらアルシャインが考える。
「そうですね~…ソースは何が合うかな…」
「作ってみてよ!20G出すからさ、デミグラスソースで!」
そう言い常連である近所に住む若い女性は先に20Gをレジスターに置く。
「しょうがないな~…いつもならみんなで試食してからだけど…4人で食べてからですよ?」
アルシャインが苦笑して言うと、女性は喜んで座る。
「アイシャママ、ボニートのコトレッタとレタスとチーズってどうかしら?アボカドを乗せても美味しそう」とフィナアリス。
「良さそうね、やってみましょうか!」
アルシャインが言うと、ノアセルジオがコトレッタの準備をする。
いざ作って、ミートソースとデミグラスソースで一口食べてみる。
「うん、美味いよ」とカシアン。
「何か…物足りないような…」とノアセルジオ。
「そうね…アレはどうかしら?ちょっと待ってね」
アルシャインはそう言いながら、玉ねぎのみじん切りを水にさらして、ゆで卵をボウルに入れて潰す。
「マヨネーズは…卵の黄身とお酢と塩で混ぜてから、油を少しずつ入れる…オリーブオイルかしら?」
言いながらかき混ぜていくと、白っぽくなって見た事のあるマヨネーズとなった。
味見して大丈夫だったので、それと先程のゆで卵と水切りをした玉ねぎとレモン汁と塩コショウを加えて味を整えて、細かく切ったバジルを加えて混ぜた。
「タルタルソースよ!これで食べてみて♪」
お客さん全員が見守る中で、アルシャインを始め、フィナアリスとカシアンとノアセルジオがタルタルソースでボニートハンバーガーを食べる。
「美味い!これは肉とは違う味だ!」とカシアン。
「美味しい!これなら赤身と白身どちらにもいいわ!」とフィナアリス。
「美味しいよ!間違いなく売れる味だね」とノアセルジオ。
「ん~、これこれ!魚にはやっぱりタルタルソースね♪これならタラコッドが一番だろうな~♪」とアルシャイン。
「ね、幾らにするの?デミグラスソースじゃなくてそのソースでいいから、早く食べたい~!」
ワクワクしながら女性が尋ねる。
「材料で考えると…25Gがいいと思うけど」とノアセルジオ。
「そうね、アボカドとタルタルソースが大きいわね」
アルシャインが頷いたので、ノアセルジオが黒板に

フィッシュハンバーガー 25G(タルタルソース赤身か白身)

と書いた。
途端にみんながそれを注文してきた。
「ええ?!ロレッソさん達は食べたじゃない!」
「いや、それはデザートだ!」
そうロレッソとエイデンとダンヒルが言うので、アルシャインとフィナアリスは笑いながらも作った。
女性は残りの5Gをレジスターに置いて、運ばれてきたフィッシュハンバーガーを食べる。
「んー!想像以上に美味しい!」
「こりゃ美味い!」とロレッソ。
「食った事が無い味だ!」とエイデン。
「うん、いい!」とダンヒル。
他のお客さんからも絶賛された。
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