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第一章 始まりの館
Chapter79 ロリポップ
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街には馬車で出掛けた。
まず郵便局で手紙を出してから、露店の飴屋を探す。
「ほらアレ!」
そう言ってアルベルティーナが指差す露店では、飴を伸ばして細くしてクルクルと巻いて串に刺し、ロリポップにしていた。
「ほんと、よく伸びるわね…」
確か、本に載っていた材料には〝水飴〟と書いてあったが…。
〈飴の元よね…ここで売ってるのかしら?〉
露店に並ぶ商品の中には、瓶に入った水飴が売っていた。
一つ40Gなので、手頃な値段だ。
しかし手のひらサイズなので、多くの飴を作ろうと考えるなら高くなる。
アルシャインは思い切って聞いてみた。
「こんにちわー!美味しそうな飴ですね!」
「そうだろう?色んな着色料を作って入れてるからな!」
飴屋のおじさんは陽気に答える。
「この水飴って作れますか?」
「作りたいのかい?」
おじさんが驚いて見ると、アルベルティーナとマリアンナが前に来て言う。
「金の羊亭でもロリポップを出してみたいの!おじさん、金の羊亭知らない?」
そうマリアンナが聞くと、おじさんは驚いて言う。
「ああ、孤児院宿の!…しかし、ロリポップを作るには難しいと思うぞ」
「なんで?」とアルベルティーナ。
「水飴は見ての通り場所を取る。作り方を教えれば確かに出来るだろうが、他の料理が出来なくなるからさ」
「…あ……」
マリアンナとアルベルティーナは顔を見合わせた。
アルシャインも考え込む。
「そうね~…水飴だけなら売れるかもしれないけど、それはこの飴屋さんだけの物だわ。どうしても作りたかったら、お休みの日に試せばいいのよ」
そうアルシャインが言うと、アルベルティーナが目を輝かせて飴屋のおじさんを見る。
「お願いします、作り方を教えて下さい!あたし、将来レストランをやりたいの!そこのお土産にもいいと思うんです!」
そう熱弁すると、おじさんは苦笑してから頷いた。
「じゃあ中に入って、まずは作ってごらん。ちゃんと手を洗ってからな」
「はい!」
アルベルティーナが答えて中に入って水桶で手を洗ってから、おじさんの言う通りにロリポップを作ってみる。
伸ばす作業が難しくて細すぎたり太くなったりした。
「難しい…」
「そのロリポップはあげるよ。そっちの嬢ちゃんは?」
「あたしはいいわ。お休みの日にティーナと一緒に試すから!」
そう言うとマリアンナは店頭に並ぶロリポップを一つ選んで20Gで買った。
「これを見本に作りましょう!」
「いいわね!…おじさん、水飴の作り方を教えて下さい!」
アルベルティーナは店から出て、背負ってきていたサッチェルバッグからノートと鉛筆を取り出して聞いた。
「…分かった。あのな」
そう言いおじさんは器用にロリポップを作りながら教えてくれた。
その帰りにリサイクル屋を見てみると、ハンクが来て商品を勧めてくる。
「手動球断器!どうだい?木製と鉄製があるよ!」
「…何それ?」
3人で寄って手に取って見るが、使い方が分からない。
「ここに長細くした飴や団子なんかを置いて前後に押し切ると、丸くなってるって話だ!君達にピッタリだと思ってね!」
「なるほど~…買うわ!後ね…石うすは無いかしら?」
「ついに小麦粉も作るのかい?あるよ、こっちにデカいのと小さいのと…コーヒーミルとスパイスグラインダーとか…なんか手動で粉にするタイプのやつ」
「いいわね!じゃあ大きい石うすと~…紅茶用と…スパイスグラインダーと、あ、このグラインダーも!他にオススメある?」
アルシャインが選んでから聞くと、ハンクは棚を案内する。
「ここが調理器具だよ。四角いフライパンとか、魚のウロコ取りとか、スティックポテトチョッパーなんてのも、ほら」
ハンクが手に取って見せる。
「ここにジャガイモ乗せて、このガラスケースで挟んで上から力を入れると、下に四角くなって出て来るらしいよ!」
「いいわね!そんな便利な道具、何処から仕入れたの?」
「隣国のレストランが潰れたらしくてね、先に引き取りに行ったのさ!」
「魚のウロコ取りも欲しいわね…じゃあこれと………」
言いながらアルシャインは周りを見回す。
奥に素敵な石の置物があった。
〈いいな~…お庭に飾りたいな~……〉
そう思うが、子供達の目線も気になりやめておいた。
「今日はそれで!」
「まいど!」
ハンクは手動球断器2つと大きめの石うすとグラインダー2つとスパイスグラインダーと魚のウロコ取りとスティックポテトチョッパーの計算をする。
それらの会計を済ませると、マリアンナがカシアンを呼びに行く。
するとカシアンが重い石うすを持って行き、みんなで他の物を運んだ。
ランチには間に合いそうなので、屋台の肉と野菜のクレープを20個買って馬車の中で一つずつ食べた。
食べ盛りの男の子の為に多く買ったが…早速カシアンが2つ食べたので減っていた。
まず郵便局で手紙を出してから、露店の飴屋を探す。
「ほらアレ!」
そう言ってアルベルティーナが指差す露店では、飴を伸ばして細くしてクルクルと巻いて串に刺し、ロリポップにしていた。
「ほんと、よく伸びるわね…」
確か、本に載っていた材料には〝水飴〟と書いてあったが…。
〈飴の元よね…ここで売ってるのかしら?〉
露店に並ぶ商品の中には、瓶に入った水飴が売っていた。
一つ40Gなので、手頃な値段だ。
しかし手のひらサイズなので、多くの飴を作ろうと考えるなら高くなる。
アルシャインは思い切って聞いてみた。
「こんにちわー!美味しそうな飴ですね!」
「そうだろう?色んな着色料を作って入れてるからな!」
飴屋のおじさんは陽気に答える。
「この水飴って作れますか?」
「作りたいのかい?」
おじさんが驚いて見ると、アルベルティーナとマリアンナが前に来て言う。
「金の羊亭でもロリポップを出してみたいの!おじさん、金の羊亭知らない?」
そうマリアンナが聞くと、おじさんは驚いて言う。
「ああ、孤児院宿の!…しかし、ロリポップを作るには難しいと思うぞ」
「なんで?」とアルベルティーナ。
「水飴は見ての通り場所を取る。作り方を教えれば確かに出来るだろうが、他の料理が出来なくなるからさ」
「…あ……」
マリアンナとアルベルティーナは顔を見合わせた。
アルシャインも考え込む。
「そうね~…水飴だけなら売れるかもしれないけど、それはこの飴屋さんだけの物だわ。どうしても作りたかったら、お休みの日に試せばいいのよ」
そうアルシャインが言うと、アルベルティーナが目を輝かせて飴屋のおじさんを見る。
「お願いします、作り方を教えて下さい!あたし、将来レストランをやりたいの!そこのお土産にもいいと思うんです!」
そう熱弁すると、おじさんは苦笑してから頷いた。
「じゃあ中に入って、まずは作ってごらん。ちゃんと手を洗ってからな」
「はい!」
アルベルティーナが答えて中に入って水桶で手を洗ってから、おじさんの言う通りにロリポップを作ってみる。
伸ばす作業が難しくて細すぎたり太くなったりした。
「難しい…」
「そのロリポップはあげるよ。そっちの嬢ちゃんは?」
「あたしはいいわ。お休みの日にティーナと一緒に試すから!」
そう言うとマリアンナは店頭に並ぶロリポップを一つ選んで20Gで買った。
「これを見本に作りましょう!」
「いいわね!…おじさん、水飴の作り方を教えて下さい!」
アルベルティーナは店から出て、背負ってきていたサッチェルバッグからノートと鉛筆を取り出して聞いた。
「…分かった。あのな」
そう言いおじさんは器用にロリポップを作りながら教えてくれた。
その帰りにリサイクル屋を見てみると、ハンクが来て商品を勧めてくる。
「手動球断器!どうだい?木製と鉄製があるよ!」
「…何それ?」
3人で寄って手に取って見るが、使い方が分からない。
「ここに長細くした飴や団子なんかを置いて前後に押し切ると、丸くなってるって話だ!君達にピッタリだと思ってね!」
「なるほど~…買うわ!後ね…石うすは無いかしら?」
「ついに小麦粉も作るのかい?あるよ、こっちにデカいのと小さいのと…コーヒーミルとスパイスグラインダーとか…なんか手動で粉にするタイプのやつ」
「いいわね!じゃあ大きい石うすと~…紅茶用と…スパイスグラインダーと、あ、このグラインダーも!他にオススメある?」
アルシャインが選んでから聞くと、ハンクは棚を案内する。
「ここが調理器具だよ。四角いフライパンとか、魚のウロコ取りとか、スティックポテトチョッパーなんてのも、ほら」
ハンクが手に取って見せる。
「ここにジャガイモ乗せて、このガラスケースで挟んで上から力を入れると、下に四角くなって出て来るらしいよ!」
「いいわね!そんな便利な道具、何処から仕入れたの?」
「隣国のレストランが潰れたらしくてね、先に引き取りに行ったのさ!」
「魚のウロコ取りも欲しいわね…じゃあこれと………」
言いながらアルシャインは周りを見回す。
奥に素敵な石の置物があった。
〈いいな~…お庭に飾りたいな~……〉
そう思うが、子供達の目線も気になりやめておいた。
「今日はそれで!」
「まいど!」
ハンクは手動球断器2つと大きめの石うすとグラインダー2つとスパイスグラインダーと魚のウロコ取りとスティックポテトチョッパーの計算をする。
それらの会計を済ませると、マリアンナがカシアンを呼びに行く。
するとカシアンが重い石うすを持って行き、みんなで他の物を運んだ。
ランチには間に合いそうなので、屋台の肉と野菜のクレープを20個買って馬車の中で一つずつ食べた。
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