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第一章 始まりの館
Chapter43 教会
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翌日は晴天、風の日。
アルシャインは朝早くからソワソワしてみんなのハンカチを作った。
四角いだけの布の四隅を縫って、名前の刺繍をした。
「あ…カシアンのまで作っちゃった」
アルシャインはハンカチを手にして下に降りて、カウンターにハンカチを置く。
リナメイシーとルベルジュノーがニワトリの世話をして、クリストフとティナジゼルとフィナアリスがミュージの世話をする。
馬もいたので、カシアンが世話の仕方をリュカシオンとノアセルジオとルベルジュノーに教えていた。
畑と花の水やりはアルベルティーナとメルヒオールとマリアンナ。
「家具はどうかな?」
アルシャインは家具がどこまで進んだか見に行く。
もう9号室まで出来ていた。
追加のベッドが2つあったので、戻ってきたカシアンとノアセルジオとルベルジュノーと共に、空いている5号室と6号室に運び込む。
麦稈ロールをベッドに詰めてから布団を敷き、作っておいた衝立を部屋の端に畳んで置いた。
衝立もちゃんとペンキで塗ってある。
鍵の木札に〝2〟と書いておいた。
アルシャインはノートと筆記用具を11人分揃えてテーブルに置いてから料理を作る。
「今日は…コトレッタのサンドイッチにしましょう!」
そう言ってパンを焼いて、コトレッタを揚げていく。
「どうやるの?」とフィナアリス。
フィナアリスとマリアンナとリナメイシーとアルベルティーナが来て手伝う。
「パンを2つに切って、その中にコトレッタとレタスを挟んでソースを入れるのよ!これは売らないからね?」
そう言いアルシャインは仕上げたコトレッタサンドをまずカシアンに渡した。
カシアンはそれを食べて目を見開く。
「美味え!これハンバーガーだ!」
「そうね、同じかしら」
アルシャインが笑う。
「さあみんな食べて~もう6時よ」
「はーい」
みんなは答えて食べてから、宿泊客を起こして朝食を済ませる。
それから掃除をして、8時半にみんなで家を出て館と門に鍵を掛けて出掛けた。
「お、お出掛けか?」
家具屋のダンヒルとペンキ屋のダグラムがちょうど金の羊亭に向かう途中で一行に会う。
「ええ、子供達を教会に送ったら戻ります」
そうアルシャインが答える。
「そっか、待ってるよ」
2人は笑って金の羊亭に行く。
教会には10分で着いた。
「金の羊亭のアルシャインと申します。神のご加護の下、よろしくお願いします」
そう神父に祈りながら挨拶をして、寄付金30Gを渡した。
初日なので多くしたのだ。
「はい、神のご加護があらん事を」
神父は一礼してお金を奥に持っていく。
そこでアルシャインはみんなに祈り方を教える。
「こうして座って祈る時は組んだ両手を眉間に付けて目を閉じるの」
そう言い、アルシャインは祈る。
10分祈りを捧げてから、アルシャインはカシアンと共に教会を出た。
金の羊亭に戻ると6人程の人だかりが出来ていた。
「やだ、いらっしゃいませ!」
アルシャインは慌てて門を開けて館も開ける。
「いやぁ、教会に行ってたって?」
常連さんが聞く。
「はい、子供達を勉強させに行ってました」
アルシャインが笑って答えながら手を洗ってエプロンを着ける。
「何にしますかー?」
「俺はコーヒー」
ダンヒルとダグラムが言う。
「チキンハンバーガー!」
「トマトハンバーガー!」
「ステーキとスープを!」
「スープとステーキハンバーガー!」
次々と注文を聞いてカシアンか書いて置き、アルシャインが作っていく。
カシアンはコーヒーを淹れた。
「そうしてると、まるで若夫婦だな!」
笑ってダグラムが言うと、カシアンが焦る。
「あちっ!何言い出すんだよ!」
真っ赤になりながらもコーヒーを出してから、スープを先に出してジャガイモとニンジンを煮る。
ステーキを焼いて煮たジャガイモとニンジンをバターで炒めて付け合わせにして出した。
「はい、チキンハンバーガーとステーキハンバーガー!」
「はい、ええと…」
カシアンは配膳でまごつく。
するとお客さんが手を上げて教えてくれた。
「こっちがチキンだよ!」
「こっちステーキハンバーガー!待ってたよ~」
そう言う2人に渡して戻ると、またアルシャインがお皿を出す。
「はい、トマトハンバーガー!」
「はいよ!」
残り一人にトマトハンバーガーを出してからカシアンがコロコロドーナツとクッキーのカゴを手にして回る。
「ドーナツとクッキーはいかが~?」
「それよりミートパイをくれよ」
「俺も!」
と2人の客が言うので、アルシャインがミートパイを切り分けて2つ皿を出した。
「はい、ミートパイ!他にご注文ありますか~?」
アルシャインが聞くと、
「じゃあ紅茶とレモン!」
「コーヒーとクッキー!」
と返ってきたのでクッキーを渡してからカシアンは忙しくコーヒーを注ぎ、アルシャインが紅茶を注ぐ。
2人で回すのも中々大変だ。
アルシャインは朝早くからソワソワしてみんなのハンカチを作った。
四角いだけの布の四隅を縫って、名前の刺繍をした。
「あ…カシアンのまで作っちゃった」
アルシャインはハンカチを手にして下に降りて、カウンターにハンカチを置く。
リナメイシーとルベルジュノーがニワトリの世話をして、クリストフとティナジゼルとフィナアリスがミュージの世話をする。
馬もいたので、カシアンが世話の仕方をリュカシオンとノアセルジオとルベルジュノーに教えていた。
畑と花の水やりはアルベルティーナとメルヒオールとマリアンナ。
「家具はどうかな?」
アルシャインは家具がどこまで進んだか見に行く。
もう9号室まで出来ていた。
追加のベッドが2つあったので、戻ってきたカシアンとノアセルジオとルベルジュノーと共に、空いている5号室と6号室に運び込む。
麦稈ロールをベッドに詰めてから布団を敷き、作っておいた衝立を部屋の端に畳んで置いた。
衝立もちゃんとペンキで塗ってある。
鍵の木札に〝2〟と書いておいた。
アルシャインはノートと筆記用具を11人分揃えてテーブルに置いてから料理を作る。
「今日は…コトレッタのサンドイッチにしましょう!」
そう言ってパンを焼いて、コトレッタを揚げていく。
「どうやるの?」とフィナアリス。
フィナアリスとマリアンナとリナメイシーとアルベルティーナが来て手伝う。
「パンを2つに切って、その中にコトレッタとレタスを挟んでソースを入れるのよ!これは売らないからね?」
そう言いアルシャインは仕上げたコトレッタサンドをまずカシアンに渡した。
カシアンはそれを食べて目を見開く。
「美味え!これハンバーガーだ!」
「そうね、同じかしら」
アルシャインが笑う。
「さあみんな食べて~もう6時よ」
「はーい」
みんなは答えて食べてから、宿泊客を起こして朝食を済ませる。
それから掃除をして、8時半にみんなで家を出て館と門に鍵を掛けて出掛けた。
「お、お出掛けか?」
家具屋のダンヒルとペンキ屋のダグラムがちょうど金の羊亭に向かう途中で一行に会う。
「ええ、子供達を教会に送ったら戻ります」
そうアルシャインが答える。
「そっか、待ってるよ」
2人は笑って金の羊亭に行く。
教会には10分で着いた。
「金の羊亭のアルシャインと申します。神のご加護の下、よろしくお願いします」
そう神父に祈りながら挨拶をして、寄付金30Gを渡した。
初日なので多くしたのだ。
「はい、神のご加護があらん事を」
神父は一礼してお金を奥に持っていく。
そこでアルシャインはみんなに祈り方を教える。
「こうして座って祈る時は組んだ両手を眉間に付けて目を閉じるの」
そう言い、アルシャインは祈る。
10分祈りを捧げてから、アルシャインはカシアンと共に教会を出た。
金の羊亭に戻ると6人程の人だかりが出来ていた。
「やだ、いらっしゃいませ!」
アルシャインは慌てて門を開けて館も開ける。
「いやぁ、教会に行ってたって?」
常連さんが聞く。
「はい、子供達を勉強させに行ってました」
アルシャインが笑って答えながら手を洗ってエプロンを着ける。
「何にしますかー?」
「俺はコーヒー」
ダンヒルとダグラムが言う。
「チキンハンバーガー!」
「トマトハンバーガー!」
「ステーキとスープを!」
「スープとステーキハンバーガー!」
次々と注文を聞いてカシアンか書いて置き、アルシャインが作っていく。
カシアンはコーヒーを淹れた。
「そうしてると、まるで若夫婦だな!」
笑ってダグラムが言うと、カシアンが焦る。
「あちっ!何言い出すんだよ!」
真っ赤になりながらもコーヒーを出してから、スープを先に出してジャガイモとニンジンを煮る。
ステーキを焼いて煮たジャガイモとニンジンをバターで炒めて付け合わせにして出した。
「はい、チキンハンバーガーとステーキハンバーガー!」
「はい、ええと…」
カシアンは配膳でまごつく。
するとお客さんが手を上げて教えてくれた。
「こっちがチキンだよ!」
「こっちステーキハンバーガー!待ってたよ~」
そう言う2人に渡して戻ると、またアルシャインがお皿を出す。
「はい、トマトハンバーガー!」
「はいよ!」
残り一人にトマトハンバーガーを出してからカシアンがコロコロドーナツとクッキーのカゴを手にして回る。
「ドーナツとクッキーはいかが~?」
「それよりミートパイをくれよ」
「俺も!」
と2人の客が言うので、アルシャインがミートパイを切り分けて2つ皿を出した。
「はい、ミートパイ!他にご注文ありますか~?」
アルシャインが聞くと、
「じゃあ紅茶とレモン!」
「コーヒーとクッキー!」
と返ってきたのでクッキーを渡してからカシアンは忙しくコーヒーを注ぎ、アルシャインが紅茶を注ぐ。
2人で回すのも中々大変だ。
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