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本編
※飼い主はあなたです(6)
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思考は曖昧になっても感覚はその分鋭くなるのか、胸に繰り返される刺激だけではなく、タンザナイト色の髪から漂うお日様の香りにうっとりとなる。
「いい、におい」
私はアトス様の頭と背に手を回して引き寄せた。アトス様が顔を少し上げて私に囁く。
「私はどんな香りがする?」
「お日様のにおい、です。私の一番好きなにおい」
洗濯物を干したての香り、日向ぼっこをするときの香り、窓の外から差し込んでくる香りだ。
私はすんすんとアトス様の髪を嗅いだ。
「何も、つけていないんですか?」
「ああ、猫族は香水やハーブの香りが苦手だからね。マタタビとオリーブは別だが。だから、香水は付けないことにしている。君に嫌われてはたまらない」
そう言う間にアトス様は体を起こし、今度はそっと両の太ももに手を添え、ゆっくりと、でも力を込めて私の足を開いた。
「ひゃあっ」
もうこれ以上熱くならないと思っていた体温が、さらに、一気に上昇するのを感じる。
だって、そんなところを見られるなんて。私からはその表情はわからないのに、アトス様の視線が舐めるように間を辿るのを感じる。
「や、や、や……にゃめです」
私は顔を覆って蚊の鳴くような声で訴えるしかない。やっぱり恥ずかしくて目に涙が滲んだ。なのに、体の奥から熱のような何かが生まれ、一部は中でとろりととろけて、一部は肌から放たれるのを感じる。
アトス様はくすくすと笑いながら、私の足の付け根にそっと手を這わせた。指先でつぅと間を辿られると、体が引き攣ってシーツを握り締めてしまう。
「んっ……。ダメ、にゃめ」
続いて、自分でも触れたことのないところを爪で軽く掻かれ、体がびくんと震えて鼻にかかった声が漏れ出た。
「だ、め。あんっ」
だけど、アトス様は一向に止める気配はない。
「ダメだなんて、君は心と体が裏腹だな。こんなにフェロモンを出しておいて」
ふぇ、ふぇろもん?
「猫族の女性は、身も心も許した男性に対してだけ、こうした芳香を放つそうだ。その香りを嗅いだ男はその女性を……君を、手放せなくなるのだとか」
アトス様は「今ならわかるな」と笑う。
「このフェロモンは愛されているという証だ。大切にしたくなるに決まっている」
「あっ」
私は目を見開いて喉を仰け反らせた。かたい何かが中に入って来たからだ。感触からアトス様の指なのだとわかって驚く。でも、何も言えずにただ喘ぐしかない。
「そ……んな……こんなこと……するにゃんて……」
「こんなこととはどんなことだい?」
くちゅっと嫌らしい、濡れた音がして、指がもっと入り込む。
「あっ。あんっ」
何かを挿入されるのは初めてなのに、潤っているからか痛みはそれほどない。それどころか、アトス様の指をするりと取り込んでしまう。中を指先で丹念に探られると、喉の奥からまたあられもない声が出た。同時に、外で一番感じる部分にも触れられて、わけがわからなくなってしまう。
初めはピンと伸びていた足の爪先は、今はすっかり力を失っている。代わりに、アトス様がいいところを擦るたびに、耳と尻尾も一緒になって痙攣するように震えた。
「ん……ふっ。あっ」
またシーツを掴んだものの手に力が入らない。熱くなって何も考えられない。アトス様のこと以外何も考えたくない。
「アイラ、君の体はどこまでも柔らかいな」
その声もにおいも今は指先と同じく、私を感じさせるものでしかなかった。
「あっ……そこっ……」
頭の中がどんどんタンザナイト色に塗り潰されて、アトス様が繰り返し呼んでくれなかったら、自分の名前すら忘れてしまいそうだった。
「アイラ、君はここがよく感じるんだな。覚えておこう」
「んん……んぅ」
やがて、アトス様は私の中からずるりと指を引き抜くと、頬に手を添え唇の端に笑みを浮かべた。
「感じている君は可愛いな。これからは私の前でだけその顔をしてくれ」
言葉の意味を考える間もなく、指とは違う熱い何かがそこに宛がわれる。
「愛しているよ、アイラ。多少痛いかもしれないが許してくれ。すぐに気持ちよくすると約束する」
そして、次の瞬間、かたいものが肉を掻き分け、私の中に入ってきて呼吸が止まった。
「……っ」
アトス様の二の腕を掴んで大きく息を吐き出す。すると、強張っていた体から力が抜けた。それでより入れやすくなったのだろう。アトス様はさらに腰を進めて、最後はベッドに腕をついて、ぐっと奥へ一気に到達した。
「あ……ふっ」
瞼を閉じながらも悲鳴に近い喘ぎ声を上げてしまう。確かに少し痛いけれども、それよりも熱さの方が勝った。
「あ、つい……。あつい……です」
そして、私の中がアトス様でみっちり埋められているのがわかる。圧倒的な感覚に間近にあるアトス様の顔が揺らいで見えた。
「……っ。締め付けるな」
アトス様は腰を小刻みに揺らし私を中からゆすぶった。それだけで背筋からぶるりと震えてしまう。
「あっ……そんな、まだ、動かないで……」
「それは無理だよ、アイラ。これからもっと激しくなるんだから」
アトス様は予告通りに大きく腰を動かした。ぐちゅぐちゅと出し入れされ、聞くに堪えない音と快感と、圧迫感が入り交じるのに耐え切れず、アトス様の体に手を回す。目からは溜まった涙が零れ落ちた。
「アイラ……」
その涙をアトス様が唇で吸い取る。
「痛かったか?」
私はなんとか小さく首を振った。
「痛く、ないです……」
アトス様の頬を包み込んでようやく告げる。
「だから、止めないで……。最後まで、して」
だって、こんなこと、こんな夢、二度とないかもしれないもの。だったら、体ごと愛されたんだって刻み付けておきたい。
すると、タンザナイト色の瞳に熱が籠った。いつものクールさが消え失せて、甘く淫らな、それでいて強引な表情になる。
「なら、遠慮はしない。いいね?」
「いい、におい」
私はアトス様の頭と背に手を回して引き寄せた。アトス様が顔を少し上げて私に囁く。
「私はどんな香りがする?」
「お日様のにおい、です。私の一番好きなにおい」
洗濯物を干したての香り、日向ぼっこをするときの香り、窓の外から差し込んでくる香りだ。
私はすんすんとアトス様の髪を嗅いだ。
「何も、つけていないんですか?」
「ああ、猫族は香水やハーブの香りが苦手だからね。マタタビとオリーブは別だが。だから、香水は付けないことにしている。君に嫌われてはたまらない」
そう言う間にアトス様は体を起こし、今度はそっと両の太ももに手を添え、ゆっくりと、でも力を込めて私の足を開いた。
「ひゃあっ」
もうこれ以上熱くならないと思っていた体温が、さらに、一気に上昇するのを感じる。
だって、そんなところを見られるなんて。私からはその表情はわからないのに、アトス様の視線が舐めるように間を辿るのを感じる。
「や、や、や……にゃめです」
私は顔を覆って蚊の鳴くような声で訴えるしかない。やっぱり恥ずかしくて目に涙が滲んだ。なのに、体の奥から熱のような何かが生まれ、一部は中でとろりととろけて、一部は肌から放たれるのを感じる。
アトス様はくすくすと笑いながら、私の足の付け根にそっと手を這わせた。指先でつぅと間を辿られると、体が引き攣ってシーツを握り締めてしまう。
「んっ……。ダメ、にゃめ」
続いて、自分でも触れたことのないところを爪で軽く掻かれ、体がびくんと震えて鼻にかかった声が漏れ出た。
「だ、め。あんっ」
だけど、アトス様は一向に止める気配はない。
「ダメだなんて、君は心と体が裏腹だな。こんなにフェロモンを出しておいて」
ふぇ、ふぇろもん?
「猫族の女性は、身も心も許した男性に対してだけ、こうした芳香を放つそうだ。その香りを嗅いだ男はその女性を……君を、手放せなくなるのだとか」
アトス様は「今ならわかるな」と笑う。
「このフェロモンは愛されているという証だ。大切にしたくなるに決まっている」
「あっ」
私は目を見開いて喉を仰け反らせた。かたい何かが中に入って来たからだ。感触からアトス様の指なのだとわかって驚く。でも、何も言えずにただ喘ぐしかない。
「そ……んな……こんなこと……するにゃんて……」
「こんなこととはどんなことだい?」
くちゅっと嫌らしい、濡れた音がして、指がもっと入り込む。
「あっ。あんっ」
何かを挿入されるのは初めてなのに、潤っているからか痛みはそれほどない。それどころか、アトス様の指をするりと取り込んでしまう。中を指先で丹念に探られると、喉の奥からまたあられもない声が出た。同時に、外で一番感じる部分にも触れられて、わけがわからなくなってしまう。
初めはピンと伸びていた足の爪先は、今はすっかり力を失っている。代わりに、アトス様がいいところを擦るたびに、耳と尻尾も一緒になって痙攣するように震えた。
「ん……ふっ。あっ」
またシーツを掴んだものの手に力が入らない。熱くなって何も考えられない。アトス様のこと以外何も考えたくない。
「アイラ、君の体はどこまでも柔らかいな」
その声もにおいも今は指先と同じく、私を感じさせるものでしかなかった。
「あっ……そこっ……」
頭の中がどんどんタンザナイト色に塗り潰されて、アトス様が繰り返し呼んでくれなかったら、自分の名前すら忘れてしまいそうだった。
「アイラ、君はここがよく感じるんだな。覚えておこう」
「んん……んぅ」
やがて、アトス様は私の中からずるりと指を引き抜くと、頬に手を添え唇の端に笑みを浮かべた。
「感じている君は可愛いな。これからは私の前でだけその顔をしてくれ」
言葉の意味を考える間もなく、指とは違う熱い何かがそこに宛がわれる。
「愛しているよ、アイラ。多少痛いかもしれないが許してくれ。すぐに気持ちよくすると約束する」
そして、次の瞬間、かたいものが肉を掻き分け、私の中に入ってきて呼吸が止まった。
「……っ」
アトス様の二の腕を掴んで大きく息を吐き出す。すると、強張っていた体から力が抜けた。それでより入れやすくなったのだろう。アトス様はさらに腰を進めて、最後はベッドに腕をついて、ぐっと奥へ一気に到達した。
「あ……ふっ」
瞼を閉じながらも悲鳴に近い喘ぎ声を上げてしまう。確かに少し痛いけれども、それよりも熱さの方が勝った。
「あ、つい……。あつい……です」
そして、私の中がアトス様でみっちり埋められているのがわかる。圧倒的な感覚に間近にあるアトス様の顔が揺らいで見えた。
「……っ。締め付けるな」
アトス様は腰を小刻みに揺らし私を中からゆすぶった。それだけで背筋からぶるりと震えてしまう。
「あっ……そんな、まだ、動かないで……」
「それは無理だよ、アイラ。これからもっと激しくなるんだから」
アトス様は予告通りに大きく腰を動かした。ぐちゅぐちゅと出し入れされ、聞くに堪えない音と快感と、圧迫感が入り交じるのに耐え切れず、アトス様の体に手を回す。目からは溜まった涙が零れ落ちた。
「アイラ……」
その涙をアトス様が唇で吸い取る。
「痛かったか?」
私はなんとか小さく首を振った。
「痛く、ないです……」
アトス様の頬を包み込んでようやく告げる。
「だから、止めないで……。最後まで、して」
だって、こんなこと、こんな夢、二度とないかもしれないもの。だったら、体ごと愛されたんだって刻み付けておきたい。
すると、タンザナイト色の瞳に熱が籠った。いつものクールさが消え失せて、甘く淫らな、それでいて強引な表情になる。
「なら、遠慮はしない。いいね?」
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