10 / 47
身も心も縛られて(1)
しおりを挟む
真琴が東京を発ったのは、翌年の一月第二週のことだ。すでに年始のUターンラッシュは終わっており、北陸行の新幹線内はむしろ空いていて快適だった。
車両は真新しく清潔で、全体的に広くゆったりしている。赤紫色の座席には高級感があり、これが旅行ならさぞかし心が踊っただろう。働きながら薫を育てていた頃には、薫のためであれば別だったが、金のかかる娯楽は控えていたのだ。
真琴は自分の指定席に腰掛け溜め息を吐いた。
薫が一緒でなくてよかったと思う。せめて、金沢へ向かう二時間半くらいは、あの束縛から解法されていたかった。
薫は一足早くかの地で暮らし始めている。真琴は自宅の管理を任せる手続きにもたつき、出発が今日になってしまったのだ。
乗車してしばらく経った頃、新幹線が滑らかに軽やかに動き出す。同時に耳馴染みのいい電子音の音楽が流れ、アナウンスが乗客らに行き先を告げた。
「この電車は✕✕号長野経由金沢行きです……」
東京がみるみる遠ざかっていく。
今からでも降りて、逃げ出してしまいたいと思うが、足が、体が、自分の気持ちに従ってくれない。すでに真琴の身心は薫本人がおらずとも、その影の腕に蛇に絡み付かれるように捕われていた。
真琴のいる車両にスーツ姿の男性がやってきたのは、出発して数分ほど経ってからのことである。直前に最寄りの車両から乗車し、自分の指定席に向かう途中なのだろう。
男性はちらりと真琴に目を向け、ぎょっとしてその場に立ち止まった。
「真琴?」
「えっ?」
突然、名前を呼ばれて驚き、伏せていた顔を上げると、なんと、五年前に別れた元恋人、直樹が座席に手を掛けていた。
「やっぱり真琴だ! なんだ、お前こんなとこで。元気だったか?」
直樹とはいい終わり方ができなかった。しかし、もう過去の出来事として整理しているのか、直樹にわだかまりはないらしい。遠慮なく笑顔で真琴の隣に腰掛ける。
「直樹、ここあなたの指定席じゃないでしょ?」
「いいの、いいの。こんだけガラガラなんだし、誰も気にしないって」
おおらかなところは相変わらずだった。
「直樹は出張か何か?」
「ああ。この一年ほど一ヶ月に四、五回は金沢との往復だよ」
直樹は中堅電機メーカー勤務なのだが、現在金沢にある別会社とのプロジェクトで多忙なのだそうだ。
「お前は出張って感じじゃないよな。旅行?……って、それってまさか婚約指輪?」
「……っ」
真琴は咄嗟に左手を隠した。
直樹に指摘されたとおり、薫から贈られた婚約指輪だった。
大きすぎず小さすぎないカラット数の、質のよいダイヤモンドがセッティングされている。宝石についての知識はほとんどないが、高価な品なのだとは見るだけでわかった。
「外すんじゃない」と命じられており、恐ろしさから大人しく従っているのだが、去年までは学生でしかなかった薫が、どうやって代金を支払ったのか、真琴はまだ説明されていない。
婚約指輪だけではない。薫からは、「家賃も、食費も、光熱費も俺が支払うから、真琴は働かないで家にいてくれ」と懇願されている。
司法修習生には給付金が支給されるそうだが、せいぜい十二、三万円程度だと聞いている。薫の資金源はどこにあるのだろうか。
直樹は「おいおい」と笑って真琴の肩を叩いた。
「なんだよ、隠すことないだろ。マリッジなんとかってやつか? しかし、ちょっとショックだな。まあ、真琴はいい女だし、仕方ないよな」
「またまた」
「いや、ホントだって。俺、別れてからかなり後悔したんだよ。それに、お前あの頃よりずっと色っぽくなってるし」
直樹からは顔が好きだのスタイルがいいだのとは言われてきたが、色っぽいとは初めて耳にする褒め言葉だった。
「初めお前だってわからなかったくらいだよ。なんて言えばいいんだろうな。消え入りそうに儚げで、しっとりとした色気があって……一瞬ドキッとした」
「言っておくけど、どれだけ褒めても何も出ないよ?」
肩を竦めておどけてそう告げると、直樹は苦笑して髪をぐしゃぐしゃと掻き回した。
「最後は微妙に可愛くないところは変わらないな」
「そうそう、そう言ってもらえたほうが安心する」
笑ったのは久しぶりだった。
それから真琴は直樹と気軽なおしゃべりに興じた。五年の歳月は気まずさを友情に変えてくれたようだ。
しかし、直樹の話に薫が出てきた時には、心臓を握り潰されるような痛みを覚えた。呼吸が乱れて息苦しくなったのを必死で誤魔化す。
「しかし、あの義弟がよくお前の結婚許したな。あいつ、無茶苦茶シスコンだったろ。まあ、母親代わりだったんだろうけどさ。やっと彼女でもできたわけ?」
「どうだろう?」とどうにか笑って首を傾げる。
「あの子の恋愛まではよくわからないんだ」
「司法試験目指してるとか言ってたよな。あれからどうなった? まさか、もう受かったとか?」
「うん、そう」と答えた途端、直樹は「すげえ!」と叫んで、心を落ち着かせるためか缶コーヒーを呷った。
「俺の従兄にも弁護士がいるけど、合格したの三十くらいの時だったぜ? 在学中とか頭よすぎるよな」
直樹の親族にも司法試験の合格者がいると聞き、真琴はならばとずっと抱いていた疑問を口にした。
「八ヶ月の実務修習ってあちこちでやるんだよね?」
司法試験合格者は埼玉での一ヶ月の導入研修を経て、次は全国に散らばり約八ヶ月の分野別実務研修を受ける。その後合計約三ヶ月の集合研修、あるいは選択型実務研修を修了し、二度の試験に通って初めて法曹の資格を得るのだ。
「そう。場所は自分では選べないけど、一応第六くらいまで希望は出せるって言ってたな。まあ五割方は第一か第二の希望地に行けるみたいだけど」
その後の事務所への就職活動に直結するため、弁護士志望者は仕事に不自由しない、都市部を希望することが多いのだそうだ。必然的に東京や大阪が人気となる。地方では札幌や那覇、京都が好まれるらしい。こちらは観光を兼ねているのだろう。
「ねえ、金沢も人気あるの?」
「俺もそこまで詳しくはないけど、規模からして大人気とは思えないな。だから、希望すれば大体通る気がする。あ~、でも、検事とか判事になりたい場合は、地方がいいとかどうとか」
、と言うことは、薫も第一、第二希望地あたりに金沢と書いたのだろう。
(どうして金沢だったんだろう?)
薫は日本史が好きなので、加賀藩に興味があったのかとも思ったが、それだけではどうもしっくり来ない。
真琴は記憶を辿り亡くなった義母、つまり薫の母親の出身地が、金沢であったことを思い出した。
(でも、お義母さんにはもう薫以外身寄りがいなくて、金沢に帰っても仕方ないって聞いたことがあるし……)
どれだけ考えてもわからなかった。
車両は真新しく清潔で、全体的に広くゆったりしている。赤紫色の座席には高級感があり、これが旅行ならさぞかし心が踊っただろう。働きながら薫を育てていた頃には、薫のためであれば別だったが、金のかかる娯楽は控えていたのだ。
真琴は自分の指定席に腰掛け溜め息を吐いた。
薫が一緒でなくてよかったと思う。せめて、金沢へ向かう二時間半くらいは、あの束縛から解法されていたかった。
薫は一足早くかの地で暮らし始めている。真琴は自宅の管理を任せる手続きにもたつき、出発が今日になってしまったのだ。
乗車してしばらく経った頃、新幹線が滑らかに軽やかに動き出す。同時に耳馴染みのいい電子音の音楽が流れ、アナウンスが乗客らに行き先を告げた。
「この電車は✕✕号長野経由金沢行きです……」
東京がみるみる遠ざかっていく。
今からでも降りて、逃げ出してしまいたいと思うが、足が、体が、自分の気持ちに従ってくれない。すでに真琴の身心は薫本人がおらずとも、その影の腕に蛇に絡み付かれるように捕われていた。
真琴のいる車両にスーツ姿の男性がやってきたのは、出発して数分ほど経ってからのことである。直前に最寄りの車両から乗車し、自分の指定席に向かう途中なのだろう。
男性はちらりと真琴に目を向け、ぎょっとしてその場に立ち止まった。
「真琴?」
「えっ?」
突然、名前を呼ばれて驚き、伏せていた顔を上げると、なんと、五年前に別れた元恋人、直樹が座席に手を掛けていた。
「やっぱり真琴だ! なんだ、お前こんなとこで。元気だったか?」
直樹とはいい終わり方ができなかった。しかし、もう過去の出来事として整理しているのか、直樹にわだかまりはないらしい。遠慮なく笑顔で真琴の隣に腰掛ける。
「直樹、ここあなたの指定席じゃないでしょ?」
「いいの、いいの。こんだけガラガラなんだし、誰も気にしないって」
おおらかなところは相変わらずだった。
「直樹は出張か何か?」
「ああ。この一年ほど一ヶ月に四、五回は金沢との往復だよ」
直樹は中堅電機メーカー勤務なのだが、現在金沢にある別会社とのプロジェクトで多忙なのだそうだ。
「お前は出張って感じじゃないよな。旅行?……って、それってまさか婚約指輪?」
「……っ」
真琴は咄嗟に左手を隠した。
直樹に指摘されたとおり、薫から贈られた婚約指輪だった。
大きすぎず小さすぎないカラット数の、質のよいダイヤモンドがセッティングされている。宝石についての知識はほとんどないが、高価な品なのだとは見るだけでわかった。
「外すんじゃない」と命じられており、恐ろしさから大人しく従っているのだが、去年までは学生でしかなかった薫が、どうやって代金を支払ったのか、真琴はまだ説明されていない。
婚約指輪だけではない。薫からは、「家賃も、食費も、光熱費も俺が支払うから、真琴は働かないで家にいてくれ」と懇願されている。
司法修習生には給付金が支給されるそうだが、せいぜい十二、三万円程度だと聞いている。薫の資金源はどこにあるのだろうか。
直樹は「おいおい」と笑って真琴の肩を叩いた。
「なんだよ、隠すことないだろ。マリッジなんとかってやつか? しかし、ちょっとショックだな。まあ、真琴はいい女だし、仕方ないよな」
「またまた」
「いや、ホントだって。俺、別れてからかなり後悔したんだよ。それに、お前あの頃よりずっと色っぽくなってるし」
直樹からは顔が好きだのスタイルがいいだのとは言われてきたが、色っぽいとは初めて耳にする褒め言葉だった。
「初めお前だってわからなかったくらいだよ。なんて言えばいいんだろうな。消え入りそうに儚げで、しっとりとした色気があって……一瞬ドキッとした」
「言っておくけど、どれだけ褒めても何も出ないよ?」
肩を竦めておどけてそう告げると、直樹は苦笑して髪をぐしゃぐしゃと掻き回した。
「最後は微妙に可愛くないところは変わらないな」
「そうそう、そう言ってもらえたほうが安心する」
笑ったのは久しぶりだった。
それから真琴は直樹と気軽なおしゃべりに興じた。五年の歳月は気まずさを友情に変えてくれたようだ。
しかし、直樹の話に薫が出てきた時には、心臓を握り潰されるような痛みを覚えた。呼吸が乱れて息苦しくなったのを必死で誤魔化す。
「しかし、あの義弟がよくお前の結婚許したな。あいつ、無茶苦茶シスコンだったろ。まあ、母親代わりだったんだろうけどさ。やっと彼女でもできたわけ?」
「どうだろう?」とどうにか笑って首を傾げる。
「あの子の恋愛まではよくわからないんだ」
「司法試験目指してるとか言ってたよな。あれからどうなった? まさか、もう受かったとか?」
「うん、そう」と答えた途端、直樹は「すげえ!」と叫んで、心を落ち着かせるためか缶コーヒーを呷った。
「俺の従兄にも弁護士がいるけど、合格したの三十くらいの時だったぜ? 在学中とか頭よすぎるよな」
直樹の親族にも司法試験の合格者がいると聞き、真琴はならばとずっと抱いていた疑問を口にした。
「八ヶ月の実務修習ってあちこちでやるんだよね?」
司法試験合格者は埼玉での一ヶ月の導入研修を経て、次は全国に散らばり約八ヶ月の分野別実務研修を受ける。その後合計約三ヶ月の集合研修、あるいは選択型実務研修を修了し、二度の試験に通って初めて法曹の資格を得るのだ。
「そう。場所は自分では選べないけど、一応第六くらいまで希望は出せるって言ってたな。まあ五割方は第一か第二の希望地に行けるみたいだけど」
その後の事務所への就職活動に直結するため、弁護士志望者は仕事に不自由しない、都市部を希望することが多いのだそうだ。必然的に東京や大阪が人気となる。地方では札幌や那覇、京都が好まれるらしい。こちらは観光を兼ねているのだろう。
「ねえ、金沢も人気あるの?」
「俺もそこまで詳しくはないけど、規模からして大人気とは思えないな。だから、希望すれば大体通る気がする。あ~、でも、検事とか判事になりたい場合は、地方がいいとかどうとか」
、と言うことは、薫も第一、第二希望地あたりに金沢と書いたのだろう。
(どうして金沢だったんだろう?)
薫は日本史が好きなので、加賀藩に興味があったのかとも思ったが、それだけではどうもしっくり来ない。
真琴は記憶を辿り亡くなった義母、つまり薫の母親の出身地が、金沢であったことを思い出した。
(でも、お義母さんにはもう薫以外身寄りがいなくて、金沢に帰っても仕方ないって聞いたことがあるし……)
どれだけ考えてもわからなかった。
0
お気に入りに追加
697
あなたにおすすめの小説
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ヤンデレ旦那さまに溺愛されてるけど思い出せない
斧名田マニマニ
恋愛
待って待って、どういうこと。
襲い掛かってきた超絶美形が、これから僕たち新婚初夜だよとかいうけれど、全く覚えてない……!
この人本当に旦那さま?
って疑ってたら、なんか病みはじめちゃった……!
彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した
Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる