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再会

175.あなたのお願い

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「番ってほしいんだよ…僕と
ジョン君が嫌じゃないなら
良ければ今日にでも……」

「はっ???
今?すぐ?ここで?
いやっ番うのは嬉しいです。
すごく嬉しいですし、アキラさん以外には考えられないし…ただ…すぐ、今って」


番うって牙狼にとっては結婚だからね?
一生離れられない関係になるわけだから、下手したらそれ以上だからね?

犬型ですら、番う日は綺麗な月が見える日とか、干すところから用意したフワフワ干し草のベッドでとか
めちゃくちゃ用意しまくりますからね?
結婚式みたいな番式とかする牙狼すらいますからね?

僕だって、できたら素敵なディナー食べてからスイートルームとかのホテルで夜景を見ながらとか…用意したい!
アキラさんのために、すごい素敵な思い出になるやつを用意したい!!


「もう俺が我慢できないの!
三日休みとってきたんだよね?ちゃっちゃとっ番っちゃってください!」


ってなぜかカズマさんが言い出した!
えっ?番うのはアキラさんと僕だよね?
アキラさんが言うならわかる、そんなのすごくαアルファ冥利に尽きるけど、なんでカズマさんが我慢できないとか言い出すの??


「もうアキラと会えるのが一週間に一回で数時間なんだよ?耐えられない!

あとはリモート越しなんだからね?
精神的にもくるし、業務的にもめちゃくちゃ不便!
もしかしたら、ジョン君と番ったら落ち着くかもしれないだろ?
だからお願いだよ…」


涙目で訴えられてても……えぇ?何が?
どういうこと??
いやいや、カズマさんの仕事に僕たちが番うとか関係あります?


「あぁ…カズマ、たぶんジョン君にはね?ほらっ僕の体質の話をまだしてないからさ
僕もねカズマの会社で研究とかで働いていてね、それで………」


そのとき、僕の毛がブワァっと立った!
何?信じられないくらいの………
Ωオメガフェロモンの匂いに頭がクラクラする。

何?何??熟した果実の匂いに、ヨダレがジュルリって垂れるのを口元を抑えて必死に止めた

何?これ、何??
さっきまでのアキラさんの香りとは段違いに濃くて、クラクラして、もう理性からがっつり持っていかれそうで


僕はひたすら、ソファの隅まで後退りをした。
アキラさんから距離を取るために後退りしまくった!


「あっ……Ωオメガフェロモン抵抗剤の効き目がキレたかな?
ジョン君は牙狼だからキレるのが早いのかな?

そうなんだよ……
僕は発情期ヒートとかはないんだけど、フェロモンだけが随時発情期ヒート時の量が出る様になってしまってね?
こんな状態だと人が多いところだと、危なくて出歩けないだろ?
カズマですらヤバイって言っていたから……」

「そうなんだよ、もしも事故って僕とアキラが番っちゃうとかありえないだろ?
兄弟だからね?双子だからね?

でもアキラが抵抗剤はあまり使うなって言うし…俺の体を心配してくれるのはわかるけどさぁ
だからね?頼むから試しに番っちゃってみてよ!もしかしたらフェロモンの量が落ち着くかもしれないだろ?」


試しに番っちゃってみてよってものでもないですからね?
一生に一度の大イベントですからね!!って怒りたいけど…
今はそれどころじゃない!
ヨダレが!あと僕のめちゃくちゃ元気なジョン君がヤバイ!!
痛いくらいに勃っちゃってるし


「とりあえず、後は二人で話すから、カズマは席を外してくれる?
たぶんこの様子なら大丈夫じゃないかな?」

「あぁ…うん、そうだね
我慢できるわけないかぁ…もし何かいるようなら隣の部屋にいるからね?
遠慮なく言ってね?
んじゃ、頑張って!」


カズマさんのノンキな言葉が本当に腹が立つけど……確かに我慢できる気がしないよ!

僕は後退りまくって部屋のコーナーまで逃げてきたけど、もう涙目です!
だって、僕の憧れの番う時ってこんなんじゃない!!
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