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9月

138.対峙の時  (sideカズマ)

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ガチャリ!


病室の扉が勢いよく開かれて、あの人が鬼のような顔で入ってくる。
そうとうお怒りのようだね…


「アキラ!俺はお前を許さないからな、もう親も子でもない!!
警察に突き出してやるからな……」


僕はすぐにアキラの前にかばうように立つ、ジョン君もアキラを守るように背中の後ろに隠してしまっている。
ふふっ…大丈夫だよ?今度は俺がアキラを守るんだから
ずっとアキラが俺を守り続けてくれたみたいに


「父さん?もしかして忘れてないよね?もしアキラが拉致監禁傷害罪で裁かれることになったら
僕も証言台に立つからね?

あなた達がずっとアキラに虐待してたって…嫌がるアキラに発情期ヒート抑制剤をずっと打っていたって証言するから!」


俺の言葉に苦虫を潰したような顔をして、ぷるぷるっと頬の肉を震わせている。


「それに証拠もあるからね?
この前の過剰抑制剤を投与したときの、鮮明記憶がね取れたんだよ!僕からね?
証拠能力は十分だってさ……
これを提出したら殺人未遂罪になるかもよ?少なくとも過失傷害罪だよね?
もしアキラを突き出してるって言うなら…全部裁判でぶち撒けるからね!」


目が落ちるんじゃないかってほど、驚愕していく顔に胸が空く思いだ!
それだけで記憶を読み取った価値があるよ!!かなり恥ずかしい記憶もおじいちゃんに見られたけどね……


「そうじゃな、それならアキラくんは保護観察処分くらいじゃと思うぞ?
不起訴は難しくても過剰防衛くらいはとれそうじゃな…

ひたすら虐待されて、殺されかけて、更に運命の番を殺されかけた未成年と
一般人に暴行、横領、セクハラ、裏口入学にさらに虐待までやっていた教育者
世間はどっちに同情するかのう?
それくらいわかる頭はついているじゃろうなぁ?」


おじいちゃんが凄みをかけて脅してくれる。
ガタガタと顔色悪く震えていて
本当に情けない……それでも自分の父親なんだよな……


「あなた……ありがとう、もうやめましょう、私が間違っていたんですよ……」


透き通るような声、いつもは美しい黒い髪は今はひどくパサツイてしまっている、色白で美しい肌はカサついて10歳は急に年をとったように見える。
手には点滴をされて、看護婦さんに車椅子で連れられてきた。


「母さん…もう大丈夫なのかい?
体調はどうだい?可哀想に……
こんなにやつれて……」


普段は絶対にしないような、優しい手付きであの女の髪を撫でている。
この人は…急になんだか優しくなってないか?
こんな様子の二人なんて見たことがない


「あなた……私は、アキラをΩオメガとして産み落としてしまった誤ちをずっと後悔していたの
だって……それが私の人生の中で最大の失敗だから
だから、なんとかアキラをΩオメガを治そうとしたのよ!」


あの女の言葉に怒りで血が登るのがわかった。



≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈
すいましせん
128.5お千代さん2
を飛ばしておりました。
どうしても入れたいお話だったので追記として入れさせていただきました。
話がつながらなかった部分があったかと思います。
お恥ずかしい
お目汚し失礼しました。
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