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98.なんて事を言い出すの!?
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「キャロラインとラウルが結婚なんてできるはずないでしょう!!」
メイシー様にとっても驚きだったようだ。ジャニスに意見する口調はやや非難めいている。
「えー? どうしてできないの?」
「どうしてって……あなたねぇ……キャロラインはデンバー公爵のお嬢さんなのよ」
「そんな事分かってますわ。でももう昔の事だしいいじゃないですか」
昔の事って……キャロラインの父親とジャニスの間に何かあったってこと? もしかして昔お付き合いしていたとか?
もちろん突っ込めるわけはないけど、二人の会話の中身が気になってしまう。
「これまでキャロちゃんはウィルバートの婚約者候補だったから、ラウルの相手としてみてなかったのよね。でもウィルバートとアリスちゃんが結婚するんなら、キャロちゃんはフリーじゃない。ねっ?」
ねっと可愛いく言われても、キャロラインの戸惑いの表情は変わらない。
「とてもありがたいお話だと思いますが、この様な重大な事は父に相談いたしませんと……」
「あっ、それなら大丈夫よ。あなたの両親はオッケーですって」
「ジャニス!? どういうこと? あなたまさか公爵に話をしたんじゃないでしょうね?」
「当たり前です。キャロちゃんの姿を見てすぐ公爵に話をしましたよ」
メイシー様がこの世の終わりだと言わんばかりの表情で額に手を当て目を瞑る。
ジャニス様の話によると、公爵夫妻はジャニス様の申し出に大賛成だったらしい。
キャロラインの父は宰相として政治の中心にいる人物だ。けれどキャロラインの兄は二人とも王宮騎士団に所属し、政には全く興味がない。
宰相や大臣職は世襲制ではないので息子達が何をしていようが関係はないのだが、公爵としては二人が国政に関わらないことが寂しかったらしい。
ならばキャロラインが婿をとり、自分の職を引き継いでもらえたら……公爵は密かにそう考えていたようだ。
「ラウルは元々ウィルバートが王位を継いだ時には何か手伝いができたらって言ってたのよね。だからラウルとキャロちゃんが結婚して、将来的にはラウルが宰相の仕事を引き継げたら皆ハッピーじゃない?」
うーん……ラウルがウィルの手伝いをしたいって、本心かしら? なんとなく嘘くさい。
官職とか難しいことは私には分からないけど、こういうのを政略結婚っていうのだろう。上品に微笑みを浮かべたキャロラインの美しい顔からは、この話を好意的に受け止めているのか、それとも嫌なのか全く読み取れない。
「確かによいお話かもしれませんね」
キャロラインは静かにそう答えただけだ。
「いい話かどうかは条件ではなく、あなたの気持ちで判断なさい。あなたが少しでも嫌だと思うのなら、何も気にせずきちんと断りなさい」
メイシー様の優しく諭すような助言に、キャロラインは黙って耳を傾ける。
「いいこと、キャロライン。どうしたいかをまず一番に考えなさい。家のためとか考えてはだめよ。何よりもあなたが幸せであることが大切なんですからね」
「メイシー様……」
親友の娘であるキャロラインを、小さな頃から見つめてきたメイシー様だからこその言葉だろう。慈しむ様な瞳でキャロラインを見つめるメイシー様の言葉に、私まで胸がいっぱいになる。
「もうっ。お義姉様ってば、どうして私の味方をしてくれないんですかぁ?」
「味方なんてできるわけないでしょう」
さっきまでの感動的なシーンが、一瞬にして吹き飛ばされてしまった。小さな子供みたいに拗ねるジャニス様を見てメイシー様はため息をついた。
「ラウルは甥ですが、贔屓目なしに素晴らしい青年だと思いますよ。ですからあなたがそんなに焦ってお相手を見つけずとも大丈夫ですよ」
「そうよ、ラウル兄様は完璧よ」
メイシー様とオリヴィアがラウルを褒めるとジャニス様も同意を示す。
「そうなの。ラウルは本当に私の子供かっていうくらい出来がいいのよね。見た目はピカイチだし」
10人いる子供達の中で唯一欠点らしい欠点が見つからないとジャニス様が言う。
確かにラウル様は一緒にいたら息を吸うのにも緊張しちゃうくらいの美形だ。だけど性格には難がありそうなんだけど……
「でもぉ……私は世の中には完璧な人間なんていないと思ってるの。だからラウルだって絶対どこかに穴があるはずなのよ。例えば変な性的嗜好があるとか」
はい?? もしもしジャニス様?
いきなり何言ってるの? という全員からの視線を感じたジャニス様が、
「別にラウルに変な性癖があるって言ってるわけじゃないのよ。例えばの話よ」
ジャニス様はあははっと声を出して笑っているけど、全く笑えない。
あー、ダメダメ、絶対に考えちゃだめ。
あの天使のようなラウル様に、口に出せないような性癖があるなんて……そんな事考えたら脳みそが汚れちゃう。でも性格には難がありそうだし、性癖だって……
「お母様ってばなんて事言うのよ!!」
「例えばの話をしてるだけなんだから、そんなに怒らなくてもいいじゃない」
「よくないわよ。あのラウル兄様がおかしな性癖なんて持ってるわけないじゃない」
「そんな事は分からないわよ。真面目ぶってる人間ほどアブノーマルだったりするじゃない? ねぇアリスちゃん、ウィルバートだってそうでしょ?」
へっ? まさか私にまで飛び火しちゃうの?
ウィルの性的嗜好なんて知らないわよー!!
「仕方ないわよ。どんなに完璧ぶってる人間だって、どこかでガス抜きしなきゃいけないんだから」
なんだかジャニス様は私に対して慰めモードみたいになってるけど、ウィルが変な性癖持ってるって決まったわけじゃないからね。っていうか、今はラウル様の話じゃなかったの?
「ウィルバート兄様はともかく、あのラウル兄様が変な性癖を持ってるわけないじゃない」
「あら? そんなこと分からないわよ」
「絶対に絶対にノーマルだってば」
あまりにもくだらない親子喧嘩に、私はもちろんメイシー様でさえ口を挟むことができない。
「じゃあキャロちゃんに確かめてもらえばいいのよ。ねぇ、キャロちゃん。ラウルをベッドの中へ引きずりこんで確かめて来てくれない?」
「ジャニス!! もうおやめなさい」
さすがに我慢の限界を迎えたメイシー様の厳しめの口調に、ジャニス様は肩をすくめた。
「もうお義姉ってば冗談通じないんだから」
「言っていい冗談と、悪い冗談があるでしょ」
「はいはい、分かりました」
その楽しげな表情からして、叱られたことについては気にしていないようだ。
「でもまぁラウルに聞いてみるくらいはしてもいいんじゃない? キャロちゃんも気になるだろうし」
「いえ……あの……わたしくしは特に気になりません」
キャロラインのこんな姿を見るのは初めてだ。言葉の途切れ具合から、彼女のいたたまれない気持ちが伝わってくる。
「あら、だめよ。気にしなきゃ。結婚がうまくいかない一番の原因は性の不一致なんだから。そうだ。いい事考えた」
ポンっと手をうったジャニスの表情からして、その考えは決していい事ではないとしか思えない。
「ねー、アリスちゃん……」
ジャニス様の少し甘えたような猫撫で声が怖い。
「お願いがあるんだけどな」
これはもう、絶対まともなお願いなわけはない。
「お断りします」それとも、「申し訳ございません」から入った方がいいかしら?
何をお願いされるか分からないけれど、断固断ってみせる。ジャニス様がお願いを口にする前から、断る言葉を探し始めた。
☆ ☆ ☆
ストレスフルな茶会から数十分後、私はラウルと二人で森の中にいた。森といっても王宮の敷地内。きちんと管理も見張りもされている場所なので迷子になる心配や盗賊に襲われる心配はない。
ジャニス様にいきなり散歩させられることになったせいで、私はお茶会の服のままでここにいる。ドレスはもちろんヒラヒラだし、履いている靴は砂利道を歩くのには適さない高めのヒールだ。
そんな私に合わせてくれているのだろう。ラウルの歩くスピードはゆっくりで、無理なくついていくことができた。
「あなたとこんな風に散歩するなんて思っていませんでした」
そう言って微笑んだラウルは、いつもよりくだけた服装をしている。今までかっちりとした格好しか見た事がなかったからとても新鮮だ。それでも滲み出る気品は夜会の正装の時と全く変わらない。
「母が何か無茶を言ったんじゃありませんか?」
「それは……」
答えられない私を見て、ラウルはクスリと笑った。
「迷惑かけて申し訳ありません」
「い、いえ、たいした事ではないので大丈夫です」
これは嘘だ。ラウルに頭をさげられて思わずそう答えてしまっただけで、本当はたいした事ありまくりで今私は非常に困っている。
メイシー様にとっても驚きだったようだ。ジャニスに意見する口調はやや非難めいている。
「えー? どうしてできないの?」
「どうしてって……あなたねぇ……キャロラインはデンバー公爵のお嬢さんなのよ」
「そんな事分かってますわ。でももう昔の事だしいいじゃないですか」
昔の事って……キャロラインの父親とジャニスの間に何かあったってこと? もしかして昔お付き合いしていたとか?
もちろん突っ込めるわけはないけど、二人の会話の中身が気になってしまう。
「これまでキャロちゃんはウィルバートの婚約者候補だったから、ラウルの相手としてみてなかったのよね。でもウィルバートとアリスちゃんが結婚するんなら、キャロちゃんはフリーじゃない。ねっ?」
ねっと可愛いく言われても、キャロラインの戸惑いの表情は変わらない。
「とてもありがたいお話だと思いますが、この様な重大な事は父に相談いたしませんと……」
「あっ、それなら大丈夫よ。あなたの両親はオッケーですって」
「ジャニス!? どういうこと? あなたまさか公爵に話をしたんじゃないでしょうね?」
「当たり前です。キャロちゃんの姿を見てすぐ公爵に話をしましたよ」
メイシー様がこの世の終わりだと言わんばかりの表情で額に手を当て目を瞑る。
ジャニス様の話によると、公爵夫妻はジャニス様の申し出に大賛成だったらしい。
キャロラインの父は宰相として政治の中心にいる人物だ。けれどキャロラインの兄は二人とも王宮騎士団に所属し、政には全く興味がない。
宰相や大臣職は世襲制ではないので息子達が何をしていようが関係はないのだが、公爵としては二人が国政に関わらないことが寂しかったらしい。
ならばキャロラインが婿をとり、自分の職を引き継いでもらえたら……公爵は密かにそう考えていたようだ。
「ラウルは元々ウィルバートが王位を継いだ時には何か手伝いができたらって言ってたのよね。だからラウルとキャロちゃんが結婚して、将来的にはラウルが宰相の仕事を引き継げたら皆ハッピーじゃない?」
うーん……ラウルがウィルの手伝いをしたいって、本心かしら? なんとなく嘘くさい。
官職とか難しいことは私には分からないけど、こういうのを政略結婚っていうのだろう。上品に微笑みを浮かべたキャロラインの美しい顔からは、この話を好意的に受け止めているのか、それとも嫌なのか全く読み取れない。
「確かによいお話かもしれませんね」
キャロラインは静かにそう答えただけだ。
「いい話かどうかは条件ではなく、あなたの気持ちで判断なさい。あなたが少しでも嫌だと思うのなら、何も気にせずきちんと断りなさい」
メイシー様の優しく諭すような助言に、キャロラインは黙って耳を傾ける。
「いいこと、キャロライン。どうしたいかをまず一番に考えなさい。家のためとか考えてはだめよ。何よりもあなたが幸せであることが大切なんですからね」
「メイシー様……」
親友の娘であるキャロラインを、小さな頃から見つめてきたメイシー様だからこその言葉だろう。慈しむ様な瞳でキャロラインを見つめるメイシー様の言葉に、私まで胸がいっぱいになる。
「もうっ。お義姉様ってば、どうして私の味方をしてくれないんですかぁ?」
「味方なんてできるわけないでしょう」
さっきまでの感動的なシーンが、一瞬にして吹き飛ばされてしまった。小さな子供みたいに拗ねるジャニス様を見てメイシー様はため息をついた。
「ラウルは甥ですが、贔屓目なしに素晴らしい青年だと思いますよ。ですからあなたがそんなに焦ってお相手を見つけずとも大丈夫ですよ」
「そうよ、ラウル兄様は完璧よ」
メイシー様とオリヴィアがラウルを褒めるとジャニス様も同意を示す。
「そうなの。ラウルは本当に私の子供かっていうくらい出来がいいのよね。見た目はピカイチだし」
10人いる子供達の中で唯一欠点らしい欠点が見つからないとジャニス様が言う。
確かにラウル様は一緒にいたら息を吸うのにも緊張しちゃうくらいの美形だ。だけど性格には難がありそうなんだけど……
「でもぉ……私は世の中には完璧な人間なんていないと思ってるの。だからラウルだって絶対どこかに穴があるはずなのよ。例えば変な性的嗜好があるとか」
はい?? もしもしジャニス様?
いきなり何言ってるの? という全員からの視線を感じたジャニス様が、
「別にラウルに変な性癖があるって言ってるわけじゃないのよ。例えばの話よ」
ジャニス様はあははっと声を出して笑っているけど、全く笑えない。
あー、ダメダメ、絶対に考えちゃだめ。
あの天使のようなラウル様に、口に出せないような性癖があるなんて……そんな事考えたら脳みそが汚れちゃう。でも性格には難がありそうだし、性癖だって……
「お母様ってばなんて事言うのよ!!」
「例えばの話をしてるだけなんだから、そんなに怒らなくてもいいじゃない」
「よくないわよ。あのラウル兄様がおかしな性癖なんて持ってるわけないじゃない」
「そんな事は分からないわよ。真面目ぶってる人間ほどアブノーマルだったりするじゃない? ねぇアリスちゃん、ウィルバートだってそうでしょ?」
へっ? まさか私にまで飛び火しちゃうの?
ウィルの性的嗜好なんて知らないわよー!!
「仕方ないわよ。どんなに完璧ぶってる人間だって、どこかでガス抜きしなきゃいけないんだから」
なんだかジャニス様は私に対して慰めモードみたいになってるけど、ウィルが変な性癖持ってるって決まったわけじゃないからね。っていうか、今はラウル様の話じゃなかったの?
「ウィルバート兄様はともかく、あのラウル兄様が変な性癖を持ってるわけないじゃない」
「あら? そんなこと分からないわよ」
「絶対に絶対にノーマルだってば」
あまりにもくだらない親子喧嘩に、私はもちろんメイシー様でさえ口を挟むことができない。
「じゃあキャロちゃんに確かめてもらえばいいのよ。ねぇ、キャロちゃん。ラウルをベッドの中へ引きずりこんで確かめて来てくれない?」
「ジャニス!! もうおやめなさい」
さすがに我慢の限界を迎えたメイシー様の厳しめの口調に、ジャニス様は肩をすくめた。
「もうお義姉ってば冗談通じないんだから」
「言っていい冗談と、悪い冗談があるでしょ」
「はいはい、分かりました」
その楽しげな表情からして、叱られたことについては気にしていないようだ。
「でもまぁラウルに聞いてみるくらいはしてもいいんじゃない? キャロちゃんも気になるだろうし」
「いえ……あの……わたしくしは特に気になりません」
キャロラインのこんな姿を見るのは初めてだ。言葉の途切れ具合から、彼女のいたたまれない気持ちが伝わってくる。
「あら、だめよ。気にしなきゃ。結婚がうまくいかない一番の原因は性の不一致なんだから。そうだ。いい事考えた」
ポンっと手をうったジャニスの表情からして、その考えは決していい事ではないとしか思えない。
「ねー、アリスちゃん……」
ジャニス様の少し甘えたような猫撫で声が怖い。
「お願いがあるんだけどな」
これはもう、絶対まともなお願いなわけはない。
「お断りします」それとも、「申し訳ございません」から入った方がいいかしら?
何をお願いされるか分からないけれど、断固断ってみせる。ジャニス様がお願いを口にする前から、断る言葉を探し始めた。
☆ ☆ ☆
ストレスフルな茶会から数十分後、私はラウルと二人で森の中にいた。森といっても王宮の敷地内。きちんと管理も見張りもされている場所なので迷子になる心配や盗賊に襲われる心配はない。
ジャニス様にいきなり散歩させられることになったせいで、私はお茶会の服のままでここにいる。ドレスはもちろんヒラヒラだし、履いている靴は砂利道を歩くのには適さない高めのヒールだ。
そんな私に合わせてくれているのだろう。ラウルの歩くスピードはゆっくりで、無理なくついていくことができた。
「あなたとこんな風に散歩するなんて思っていませんでした」
そう言って微笑んだラウルは、いつもよりくだけた服装をしている。今までかっちりとした格好しか見た事がなかったからとても新鮮だ。それでも滲み出る気品は夜会の正装の時と全く変わらない。
「母が何か無茶を言ったんじゃありませんか?」
「それは……」
答えられない私を見て、ラウルはクスリと笑った。
「迷惑かけて申し訳ありません」
「い、いえ、たいした事ではないので大丈夫です」
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