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88.口説かれないのがおかしいの!?
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けれどエドワードにとっては、私が口説かれてない事の方がおかしいらしい。ラウルがウィルの事を嫌いならば、ウィルの嫌がる事をするはずだ。私にくだらない嫌がらせをするよりも、私を奪った方が遥かにウィルにダメージを与えられる。
「さすが、エドワード様!! 性格悪いだけあって、人が嫌がる事がよく分かりますね」
「はぁ? 性格が悪いからじゃなくて、頭がいいから分かるんだろ」
エドワードの頭がいいのは確かだが、性格が悪いのも事情だ。
「でもラウル様はどうしてウィルバート様の事を嫌いなんでしょう?」
ラウルの私を見る目には憎しみがこもっていた。ウィルみたいな優しい人が、人に恨まれるような事をするとは思えない。
けれどエドワードにはラウルの気持ちが分かるらしい。
「どうやっても自分では手に入れる事のできない物を、簡単に手にする事ができる奴は憎いだろ」
「羨ましくはなるかもしれませんが、憎いとは思いませんよ」
「お前はそうかもしれないが、憎いと思う奴もいるんだ」
エドワードは意味ありげな顔で私を見た。
「特にその相手が、心底惚れてる女に他の女を好きだと思われるような間抜けだったらなおさらな」
それは言外にウィルバートを間抜けと言っているんだろうか? そうだとしたら、かなり失礼だ。
「エドワード様は、ウィルバート様がまだ私の事を好きだと思ってらっしゃるんですか?」
「どう見てもそうだろ」
当たり前だとでも言うかのようにエドワードは頷いた。
だから違うんだってば。それはもう昔の話で、ウィルの心はもう、グレースのものなのだ。
エドワードは私の話を軽く笑い飛ばすと、「そう言えば……」っと話を変えた。
その話は王宮に私の亡霊が出たというものだった。
「亡霊ですか?」
「そうだ。殿下が言うには、お前の誕生日に亡霊が現れてプレゼントを持っていったんだとよ」
エドワードは亡霊の存在なんて信じていないのだろう。まるで笑い話でもしているかのような口調だ。
けれど私にはその話に心当たりがあった。
「もしかして、そのプレゼントってこれじゃありませんか?」
私が取り出した指輪を見たエドワードが驚いて目を見開いた。
「お前……これをどこで手に入れたんだ?」
そう詰めよられても、ノックやタルーナの話はできない以上、本当のことは言えないやしない。
「夜中に机に置いてあった……みたいな感じですかね」
こんなに歯切れが悪いんじゃ疑われるかと思ったけれど、意外にもエドワードは信じたみたいだ。異世界からの客人には未知の力があるのか……的な事を考えているのかもしれない。何かを考えこむように、真面目な顔をして黙ってしまった。
未知の力があるのは私じゃなくて、ノック達本の神様なんだけど、まぁいっか。
エドワードの態度からしたら、本当にこの指輪はウィルから私へのプレゼントなのかもしれない。そう思うと無性にウィルに会いたくてたまらなくなってしまった。
「あの……エドワード様……私はいつか王宮に戻れるのでしょうか?」
まだしばらくはこのままの生活を送る覚悟をしていた私にとって、エドワードの返事は予想外のものだった。
「お前には、春喜宴に出席されるレジーナ殿下と共に王宮入りしてもらう」
とうとう戻れると喜ぶ私に、エドワードはクギをさした。
「戻れはするが、まだ全て解決したわけじゃないからな。解決するまでウィルバート殿下には会えないし、レジーナ殿下つきの侍女として振る舞うんだ」
王宮には私の顔を知っているメイドが多くいるので、レジーナ殿下の侍女のふりをしてひっそりとしておくことが王宮に戻る条件だとエドワードは言った。
もちろんそんなこと、何の問題ない。ウィルに会えないのは寂しいけど、それでもそばに行けるだけで今は嬉しい。
レジーナ様は私の事情を知っているからいいとして、問題はオリヴィア達だ。
まだ私の素性をばらすわけにはいかないので、私はもうしばらくエドワードの恋人のアリーとして過ごさなければならない。
ということで、今夜の夕食会では久しぶりに恋人に会えて嬉しいという演技をするよう指示されている。
エドワードにさりげなくラウルの事を観察してもらいたかったのだが、残念なことにラウルは夕食会にはいなかった。その変わりと言ってはなんだが、オリヴィアは絶好調だった。
「二人とも思う存分イチャイチャできた?」
目を輝かせているオリヴィアには悪いが、とりあえず笑って誤魔化すしかない。
セスはセスで、エドワードに会えた事が余程嬉しいのだろう。いつも通りの不機嫌顔ではなく機嫌が良さそうな様子でのんびりと食事をしている。
たわいのない会話から、話題は来たる春喜宴のことへと変わっていた。
「エドワード!! あなたアリーを何だと思っているの?」
オリヴィアがエドワードに噛み付いた。
春喜宴は私と出るのかと聞かれたエドワードが、私はレジーナ様の侍女のふりをして王宮へ入ることになっていると説明したのだ。
「恋人に侍女のふりをさせるなんて、最低だわ」
「アリーのことは大切に思っていますよ。だからこそ、アリーには目立たぬようレジーナ殿下の部屋付きの侍女のフリをさせるのです」
さすがエドワード。全く動揺することなく、目立って私が嫌な思いをしないためだともっともらしい説明をする。
「じゃあエドワードはアリーを春喜宴に全く出さないつもりなの?」
「もちろんですよ。アリーには数日間部屋で待機していてもらう予定です」
「エドワード、あなたねぇ……アリーがあなたのためにどれだけ努力してるか分かってるの?」
怒りで顔を真っ赤にしているオリヴィアを何とかなだめなくては。
「オリヴィア様が怒ってくださるのはとても嬉しいですが、私もエドワード様に従う方がいいと思います」
「アリーったら、あんなにダンスも練習したじゃない。好きだからって、何でもかんでもエドワードの言いなりになったらダメよ」
別に私はエドワードのことが好きで言いなりになってるわけじゃなーい。そう叫びたいけど、もちろんそんなことはできやしない。
「オリヴィア、エドワードにはエドワードなりの考えがあるのですよ。あなたが口をはさむことではありません」
「エドワードがどんな考えを持っていようと、アリーに侍女の真似をさせるなんて私は絶対に許せないわ」
レジーナ様に何を言われてもオリヴィアは絶対に認めないの一点張りだ。
困っちゃったな。
オリヴィアが私のことを思ってくれるのはありがたいけれど、今回はエドワードの言うとおりにした方がいいと思うのよね。
「オリヴィア様ありがとうございます。でも私はまだ上手に踊れませんし、そういう場に出るよりは侍女として扱っていただく方が気が楽なので……」
「アリーが良くても、私はアリーが侍女として扱われるなんて嫌なの」
子供のように駄々をこねるオリヴィアに、
「わたしのアリーをそこまで思ってくれるなんて有難いことですね」
エドワードは余裕の微笑みを向けた。
「わたしのアリーとかって言ってるけど、アリーに捨てられても知らないんだからね」
「アリーがわたしを捨てるなんてあるわけないじゃないですか」
エドワードが私の肩に腕をまわして引き寄せた。
「ねっ、アリー?」
「そ、そうですね」
ラブラブな恋人の演技をしなくちゃいけないと分かっていても、居心地悪くて笑顔がひきつってしまう。
「どうかしら?」
はんっとオリヴィアが鼻で笑った。
「エドワードは知らないだけで、アリーとラウル兄様は深夜に密会する仲なのよ」
へっ?
オリヴィアは一体何を言ってるの?
「ほぅ……」
オリヴィアの言葉にそう呟いたエドワードのニヤリと笑った顔を見て、嫌な予感がする。
「ねぇ、アリー。エドワードみたいな冷たい男なんかやめて、ラウル兄様と結婚してよ。そうすれば私達姉妹になれるし」
「ええ!?」
「おい、オリヴィア! 何言ってんだ!? 冷たい男なんて言ったら、エドワードに失礼だろ」
いやいや、引っかかる所はそこじゃないでしょ。私とラウルが結婚……って所に突っ込んで欲しかった。
エドワードはこの状況を楽しんでいるとしか思えないような顔でオリヴィアに尋ねた。
「オリヴィア殿下はアリーと姉妹になりたいとおっしゃるんですか?」
「えぇ、そうよ。どの兄様でもいいから、アリーと結婚して欲しいなって思ってるの。だからはっきり言ってエドワードは邪魔なのよね」
「さすが、エドワード様!! 性格悪いだけあって、人が嫌がる事がよく分かりますね」
「はぁ? 性格が悪いからじゃなくて、頭がいいから分かるんだろ」
エドワードの頭がいいのは確かだが、性格が悪いのも事情だ。
「でもラウル様はどうしてウィルバート様の事を嫌いなんでしょう?」
ラウルの私を見る目には憎しみがこもっていた。ウィルみたいな優しい人が、人に恨まれるような事をするとは思えない。
けれどエドワードにはラウルの気持ちが分かるらしい。
「どうやっても自分では手に入れる事のできない物を、簡単に手にする事ができる奴は憎いだろ」
「羨ましくはなるかもしれませんが、憎いとは思いませんよ」
「お前はそうかもしれないが、憎いと思う奴もいるんだ」
エドワードは意味ありげな顔で私を見た。
「特にその相手が、心底惚れてる女に他の女を好きだと思われるような間抜けだったらなおさらな」
それは言外にウィルバートを間抜けと言っているんだろうか? そうだとしたら、かなり失礼だ。
「エドワード様は、ウィルバート様がまだ私の事を好きだと思ってらっしゃるんですか?」
「どう見てもそうだろ」
当たり前だとでも言うかのようにエドワードは頷いた。
だから違うんだってば。それはもう昔の話で、ウィルの心はもう、グレースのものなのだ。
エドワードは私の話を軽く笑い飛ばすと、「そう言えば……」っと話を変えた。
その話は王宮に私の亡霊が出たというものだった。
「亡霊ですか?」
「そうだ。殿下が言うには、お前の誕生日に亡霊が現れてプレゼントを持っていったんだとよ」
エドワードは亡霊の存在なんて信じていないのだろう。まるで笑い話でもしているかのような口調だ。
けれど私にはその話に心当たりがあった。
「もしかして、そのプレゼントってこれじゃありませんか?」
私が取り出した指輪を見たエドワードが驚いて目を見開いた。
「お前……これをどこで手に入れたんだ?」
そう詰めよられても、ノックやタルーナの話はできない以上、本当のことは言えないやしない。
「夜中に机に置いてあった……みたいな感じですかね」
こんなに歯切れが悪いんじゃ疑われるかと思ったけれど、意外にもエドワードは信じたみたいだ。異世界からの客人には未知の力があるのか……的な事を考えているのかもしれない。何かを考えこむように、真面目な顔をして黙ってしまった。
未知の力があるのは私じゃなくて、ノック達本の神様なんだけど、まぁいっか。
エドワードの態度からしたら、本当にこの指輪はウィルから私へのプレゼントなのかもしれない。そう思うと無性にウィルに会いたくてたまらなくなってしまった。
「あの……エドワード様……私はいつか王宮に戻れるのでしょうか?」
まだしばらくはこのままの生活を送る覚悟をしていた私にとって、エドワードの返事は予想外のものだった。
「お前には、春喜宴に出席されるレジーナ殿下と共に王宮入りしてもらう」
とうとう戻れると喜ぶ私に、エドワードはクギをさした。
「戻れはするが、まだ全て解決したわけじゃないからな。解決するまでウィルバート殿下には会えないし、レジーナ殿下つきの侍女として振る舞うんだ」
王宮には私の顔を知っているメイドが多くいるので、レジーナ殿下の侍女のふりをしてひっそりとしておくことが王宮に戻る条件だとエドワードは言った。
もちろんそんなこと、何の問題ない。ウィルに会えないのは寂しいけど、それでもそばに行けるだけで今は嬉しい。
レジーナ様は私の事情を知っているからいいとして、問題はオリヴィア達だ。
まだ私の素性をばらすわけにはいかないので、私はもうしばらくエドワードの恋人のアリーとして過ごさなければならない。
ということで、今夜の夕食会では久しぶりに恋人に会えて嬉しいという演技をするよう指示されている。
エドワードにさりげなくラウルの事を観察してもらいたかったのだが、残念なことにラウルは夕食会にはいなかった。その変わりと言ってはなんだが、オリヴィアは絶好調だった。
「二人とも思う存分イチャイチャできた?」
目を輝かせているオリヴィアには悪いが、とりあえず笑って誤魔化すしかない。
セスはセスで、エドワードに会えた事が余程嬉しいのだろう。いつも通りの不機嫌顔ではなく機嫌が良さそうな様子でのんびりと食事をしている。
たわいのない会話から、話題は来たる春喜宴のことへと変わっていた。
「エドワード!! あなたアリーを何だと思っているの?」
オリヴィアがエドワードに噛み付いた。
春喜宴は私と出るのかと聞かれたエドワードが、私はレジーナ様の侍女のふりをして王宮へ入ることになっていると説明したのだ。
「恋人に侍女のふりをさせるなんて、最低だわ」
「アリーのことは大切に思っていますよ。だからこそ、アリーには目立たぬようレジーナ殿下の部屋付きの侍女のフリをさせるのです」
さすがエドワード。全く動揺することなく、目立って私が嫌な思いをしないためだともっともらしい説明をする。
「じゃあエドワードはアリーを春喜宴に全く出さないつもりなの?」
「もちろんですよ。アリーには数日間部屋で待機していてもらう予定です」
「エドワード、あなたねぇ……アリーがあなたのためにどれだけ努力してるか分かってるの?」
怒りで顔を真っ赤にしているオリヴィアを何とかなだめなくては。
「オリヴィア様が怒ってくださるのはとても嬉しいですが、私もエドワード様に従う方がいいと思います」
「アリーったら、あんなにダンスも練習したじゃない。好きだからって、何でもかんでもエドワードの言いなりになったらダメよ」
別に私はエドワードのことが好きで言いなりになってるわけじゃなーい。そう叫びたいけど、もちろんそんなことはできやしない。
「オリヴィア、エドワードにはエドワードなりの考えがあるのですよ。あなたが口をはさむことではありません」
「エドワードがどんな考えを持っていようと、アリーに侍女の真似をさせるなんて私は絶対に許せないわ」
レジーナ様に何を言われてもオリヴィアは絶対に認めないの一点張りだ。
困っちゃったな。
オリヴィアが私のことを思ってくれるのはありがたいけれど、今回はエドワードの言うとおりにした方がいいと思うのよね。
「オリヴィア様ありがとうございます。でも私はまだ上手に踊れませんし、そういう場に出るよりは侍女として扱っていただく方が気が楽なので……」
「アリーが良くても、私はアリーが侍女として扱われるなんて嫌なの」
子供のように駄々をこねるオリヴィアに、
「わたしのアリーをそこまで思ってくれるなんて有難いことですね」
エドワードは余裕の微笑みを向けた。
「わたしのアリーとかって言ってるけど、アリーに捨てられても知らないんだからね」
「アリーがわたしを捨てるなんてあるわけないじゃないですか」
エドワードが私の肩に腕をまわして引き寄せた。
「ねっ、アリー?」
「そ、そうですね」
ラブラブな恋人の演技をしなくちゃいけないと分かっていても、居心地悪くて笑顔がひきつってしまう。
「どうかしら?」
はんっとオリヴィアが鼻で笑った。
「エドワードは知らないだけで、アリーとラウル兄様は深夜に密会する仲なのよ」
へっ?
オリヴィアは一体何を言ってるの?
「ほぅ……」
オリヴィアの言葉にそう呟いたエドワードのニヤリと笑った顔を見て、嫌な予感がする。
「ねぇ、アリー。エドワードみたいな冷たい男なんかやめて、ラウル兄様と結婚してよ。そうすれば私達姉妹になれるし」
「ええ!?」
「おい、オリヴィア! 何言ってんだ!? 冷たい男なんて言ったら、エドワードに失礼だろ」
いやいや、引っかかる所はそこじゃないでしょ。私とラウルが結婚……って所に突っ込んで欲しかった。
エドワードはこの状況を楽しんでいるとしか思えないような顔でオリヴィアに尋ねた。
「オリヴィア殿下はアリーと姉妹になりたいとおっしゃるんですか?」
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