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レスタの恋人?

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「本当に融通のきかない主で申し訳ありません」


レスタはリオネルの部屋を出た後にスティファニアの部屋を訪れていた。といってもここは使用人部屋の一角。望まれもしない花嫁が女主人の部屋を使う訳にはいかないと、使用人部屋の一番奥まった部屋を望んだからだ。レスタは身体を直角に折り、頭を下げていた。


「レスタさん、頭を上げてください」

「はい・・・」


レスタの眉は下がり、申し訳ないことこの上ないというのが表情から読み取れる。


「レスタさんが謝る必要はありません。何も悪い事などしていないでしょう?」

「しかし・・・」

「望まれもしないのに押し掛けたのは私。謝るべきは私です」

「押し掛けたなど!お嬢様は無理矢理嫁がされたと聞いております。お嬢様は何も悪くないではありませんか!」

「レスタさん・・・ありがとうございます。だからレスタさんも気にされないでください。それよりも良いのですか?」

「何がでしょう?」

「メイドの彼女が心配されますわよ?」

「メイドの彼女?・・・心配とは何を・・・でしょうか?」

「あら、だって部屋に二人きりだなんて、きっと彼を盗られてしまうと心配されているわ」

「えっと・・・盗られるも何も、私はそのような相手はおりませんが」

「あら、屋敷に着いた際に駆け寄って来られたから、お帰りが待ち遠しかったのねと思っていたのだけれど」

「あ、あれはそのような事ではありませんよ。主の状況を報告に来ただけですから」

「状況を報告?」

「えぇ・・・主は本当に身なりに気を使わないものでして、髪は伸びっぱなしで雑に括っているだけですし、髭も伸びっぱなし。いつも泥まみれと言いますか、とにかくお見せできる代物ではありません」

「まぁ・・・」

「お嬢様をお迎えに屋敷を出る際に、残る使用人達にこれでもかと言うほどに頼んでいったのですが、それはもう、微塵も上手く行かなかったようでして。挙げ句騎士達に稽古をつけに行ったと出迎えにも現れない始末です。もう救いようのないバカなんですよ!メイドはそれを慌てて報告に来たと言うことです」





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