流星姫は平凡騎士をご所望です

モテ男、戸惑いの初恋

何故こんな状況に

セーラにリュシアンの言葉が響いた。



あんな芯のある女性初めてです！
彼女ほど素晴らしい女性はいません！
か弱いだけが女じゃないんです！
自分の力で立って、自分の意志で頑張る彼女は素敵なんです！
彼女の隣に立つ男は僕がいい！



外見を褒められる事はあった。美しいと寄ってくる男はいた。しかし、彼女の矜持である剣の、騎士の道を褒めてくれた男性は一人もいなかった。いつも男性から言われるのは、可愛げがない、女は守られるものだ、お前みたいな強い女は女じゃない、こんな野蛮な仕事をして一生独り身でいるつもりか？



自身を認めてくれた男性の言葉は初めてだった。ゆえに今、セーラの思考が止まっている。



「セーラ！おい、セーラ！」


クリスフォードが、セーラの肩を掴み揺ぶると思考から戻り気付いたようだ。


「はっ！？・・・あっ・・・申し訳ありません」

「いや、謝らないでくれ、むしろこっちがすまん」

「い、いえ・・・」

「なんか凄いもん見せちまったな・・・」

「・・・・ったです」

「ん？」

「う、嬉しかったです！」

「セ、セーラ？」


そう叫んだセーラの顔は真っ赤に染まっていた。


「あ、あぁ・・・それはよかったよ」


うつ伏せに倒れて動かないままだったリュシアンの側にセーラがゆっくりと歩み寄り、静かに膝をついた。リュシアンの薄い茶色で柔らかい髪を手に絡め、ゆっくりと梳くように頭をなでる。



（っっっ！？え・・・えぇ！？・・・団長じゃないよね？いや、それは勘弁・・・気持ち悪いし・・・え・・・セーラ嬢なんだよね・・・頭撫でられてる・・・頭・・・撫でられてる・・・）


セーラの突然の行動にクリスフォードも驚いた。



（ん？・・・えっと・・・これ、どういう状況・・・？）



ーーーーーーーーーーーーーーー


次回

貴女の魅力は、僕だけが知っていればいいんです