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モテ男、戸惑いの初恋
はからいを盛大に勘違い
しおりを挟むコンコンコン
「入れ」
「失礼します、近衛騎士団、副騎士団長、セーラ・ファビアンが参りました」
「あぁ、君がセーラか。兄のレオニードから聞いていたよ。よろしく」
「はい、よろしくお願いします。レオニード団長より、今春の夜会の警備に関して書類を預かってきました。確認をお願いします」
「あぁ、確かに。ところでセーラ、この後時間は?」
(!?!?・・・団長もセーラ嬢を狙っているのか!?だ、ダメだ!ダメだ!セーラ嬢は!セーラ嬢はっ!!)
「レオニード団長と、警備箇所の確認と、近衛騎士の配置の確認に回る為、夕方までは空きはありませんね」
「そうか」
「何かお急ぎの用事でしたか?」
「いや、急ぎではないんだが・・・じゃあ、夕方、職務が終わり次第、またここに来てくれるか?」
(えっっ!?だ、団長!?なんでそんなに食い下がるんだ!デートにでも誘うつもりなのか!?もしかして・・・ここで、迫るつもりか!?ダメだ!セーラ嬢、了承しちゃダメだ!狼がいるよ、危ないよ、狼がいるよぉぉ!!!)
「・・・何時になるかお約束はできませんが、それでもよければ・・・」
(ええぇぇ!?来るの!?狼に食べられちゃうって!ダメだ、君みたいな女神が、自ら狼の元へ来てはいけない!!ダメだ、お願いだ、断ってくれ、頼む、断ってくれぇぇ・・・)
「あぁ、構わないよ」
「では、そのように、失礼します」
(・・・終わった・・・)
その後、リュシアンは使い物にならなかった。外も暗くなる頃には、心ここにあらずだったリュシアンの瞳からは生気が抜け落ちていた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
次回
気持ちをえぐられるような稽古はつけてもらわなくて結構です!!
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