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私の太陽、俺の花
気付いた気持ち
しおりを挟む偽り。自分じゃない。ありのままの自分。シルフィはしばらくぼーっと考えていた。夜に屋敷に戻っても食欲はなく、自室にこもった。その間もジェームスの言葉が頭を巡る。
『こんなにシルフィを悲しませるばかりの奴が、なんでシルフィに好かれるんだ・・・納得がいかない。シルフィはこんなにも可愛いのに、あいつ目がおかしいのか?シルフィはものすごく優しいのに気付いてないのか?シルフィはこんな俺でも褒めてくれるんだ、褒められたら心が温かくなるのに、あいつは知らないのか?』
『どんなシルフィも可愛い。愛おしい。なのに、好かれるのは・・・その目を向けてもらえるのはあいつだ・・・悔しい・・・羨ましい・・・』
『自信持て!シルフィはいい女だぞ!存在しているだけで俺のオアシスなんだ。あいつの為に必死になって自分を偽ってもそれは本当のシルフィじゃない。ありのままでいい。それで好きになってもらえないなら、縋る必要あるのか?』
『一緒に泣くよ』
『でも、俺は・・・諦めない』
『俺じゃ・・・ダメか?』
気付けばサイラスの事など微塵も考えていなかった。そして気付いてしまった。何度となく素直に好意を伝えてきたジェームス。少しずつ惹かれていた事に気付かないふりをしていた自分。
翌日、シルフィは昨日の事が嘘のようにスッキリしていた。自分の本当の気持ちに気付いたのだ。もう、過去に囚われていない自分がいる。
「あら、シルフィ、元気になったのね」
「ミーティア様、ご心配おかけしました」
「ん?何かいい事があったの?」
「えぇ、私、恋をしたみたいですわ」
バサッ
「?」
「何か外で落ちた音がしたわね?」
「確認いたします」
少し隙間の空いていた扉。開けたそこにには、書類をばら撒いて床に膝をつけ項垂れるジェームスがいた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
次回
好きな男ができたのか?
・・・次はどいつだ
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